シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑮ ㋵

「呼ばわり山 迷子のはやぶさ 声届く」

「相模原ふるさといろはかるた」 ㋵

㋵の札は、相模原市中央区共和1丁目にある新田稲荷(しんでんいなり)神社内の「呼ばわり山」を取り上げています。

文政元年(1818年) 淵野辺新田の鎮守として建立された「新田稲荷神社」入口

「新田稲荷神社」社殿

「新田稲荷神社」社殿の隣にある「呼ばわり山」(画像右奥の木々の中)

呼ばわり山」とは、迷子や行方不明者を捜すとき、そこへ行って鐘や太鼓をたたいて”迷子の迷子の誰それやーい”と叫ぶと、尋ねあてることができると信じられていた約7メートルの小高い丘です。

「呼ばわり山」入口

むかし、この周辺は「相模野」と呼ばれる広大な原野であったため、方向が分からずに行方不明になる人がいました。そこで、小丘を築き、人探しにご利益のある武蔵国多摩郡川口村(現 八王子市内)の今熊野権現社(いまくまのごんげんしゃ(現 今熊神社))を
勧請(かんじょう)し、祠(ほこら)を建てたと伝えられています。

「呼ばわり山」頂上に建てられた今熊神社

 

読み札にある”迷子のはやぶさ“は、小惑星探査機「はやぶさ」のことです。
小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトマネージャで、JAXA宇宙科学研究所の川口淳一郎教授は、2005年12月に宇宙で行方不明になってしまっていた「はやぶさ」の発見を祈願して、毎夜のように「呼ばわり山」に立ち寄ったと言われています。その声が届いたのか、行方不明から約一か月半後、「はやぶさ」は奇跡的に発見され、地球との通信を回復させました!絵札に鳥居と探査機が描かれているのは、上記のエピソードによるものです。

また、JAXA相模原キャンパスで現在運用中である小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトメンバー達が、2019年1月5日に新田稲荷神社を参拝し、小惑星リュウグウへのタッチダウン成功を祈願しました。その願いは届き、2019年2月22日「はやぶさ2」は小惑星リュウグウへのタッチダウンを見事に成功させました!

現在「はやぶさ2」は2020年12月の地球帰還を目指し、宇宙を旅しています。無事に地球へ近づくことができれば、小惑星リュウグウのサンプルを採取したカプセルを私たちに届けてくれる予定です。ご興味がある方は、新田稲荷神社の「呼ばわり山」を参拝して、「はやぶさ2」を応援してはいかがでしょうか。

さらに「はやぶさ2」の活躍を詳しく知りたい方には、当館プラネタリウムで2021年3月まで上映を予定している全天周映画「HAYABUSA2~REBORN」をお勧めします!!番組や上映スケジュールについては当館HPをご覧ください。お待ちしております!

 

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(現在は当面の間、貸出しを休止しております)。
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)。
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

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