おかいこさま飼育中(42日目 羽化)

6月3日の掃き立てから42日目の7月14日、乾燥せずに残しておいた繭の一つから、羽化した成虫が出てきました。

出てきた繭につかまるカイコの成虫(オス)

成虫は食べる口を持ちませんが、ある酵素を出す口を持っています。繭を固めているのり成分(セリシン)を溶かす酵素です。蛹から羽化すると、すぐにこの酵素を出して繭をほぐして穴をあけ、モゾモゾと出てくるのです。出てくる様子はまた改めて紹介したいと思います。
成虫が出た繭は丸い穴が開いていますが、繊維本体は切れていません。かつてはこうした繭は出殻繭(でがらまゆ)と呼ばれ、機械を使わずに手でよりをかけて紡ぐ、紬糸(つむぎいと)の原料にしました。
さて、カイコの成虫はまるでぬいぐるみ!モフモフで本当にかわいい・・

かわいい!

この成虫はオスでした。カイコの成虫は飛ぶことができませんし、近くにメスがいないので、おとなしく出殻繭につかまってじっとしています。でも、もしメスがそばにいるとメスは羽化してすぐにフェロモンを出すため、交尾しようとメスのまわりを羽ばたきながらぐるぐる回ります。
まだメスは羽化していないので、このオスには少しの間、展示に出てもらうことにしました。

成虫の展示の様子

明日以降もオスが羽化すれば展示しますが、成虫の展示は長くても今週いっぱいくらいまでしかできません。カイコの成虫を見てみたい方は、ぜひ早めにご来館ください。

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