ビオトープの授業

10月20日、市内中央区の富士見小学校3年生へ出張授業に行きました。
3年生の総合的な学習の時間で取り組んでいるビオトープ(生きものの生息場所)について、基本的な考え方や維持の仕方などについてお伝えするのが今回の授業のテーマです。少し早めに学校へ着いたので、造成したビオトープを見せていただきました。こちらはそのうちの一つ、コンテナに水をためたところです。

ビオトープの中の一つ、水を溜めたコンテナ

近づいて中を覗くと、いいものを見つけました。

中にすばらしいものが沈んでいました!

すくいあげたところです。天然の葉脈標本!

微生物が作った完璧な葉脈標本です!

これは、微生物などが葉肉を分解して完璧な葉脈標本を作ったものです。真上の木から落ちた葉が、時間をかけてこうなりました。ちょうど落ちたばかりの葉もあったので、一緒に写真を撮って授業の中で見せることにしました。
児童のみなさんは、ビオトープという入れ物を作り、生きものを入れて飼うというイメージを持っているようです。そこで、ビオトープとは小さな自然であること、大きな自然は小さな自然が集まってきていること、小さな自然にはそれぞれそこに合った生きものしかすめないことなどを説明しました。

授業の様子

そして、天然の葉脈標本の写真を見せたところ、児童のみなさんはまったく気づいていなかったようで、全員があっけにとられたような顔をしていました。何もいないと思っていた水の中で、小さな生き物がすでにこんな大仕事をしているということがとても印象的だったようです。授業後の質問も、葉脈に集中していました。
授業では、ビオトープを作ったら、一番大切なことは「待つこと」「見守ること」というお話をしました。この葉脈標本のおかげで、だいぶ理解が進んだのではないかと思います。

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