賑やかなクワの木

博物館駐車場前に植えられているクワの木には、いろいろな虫が集まります。虫だけではなく、人も・・

クワの木のまわりで虫や植物を観察する大野村いつきの保育園のみなさん

ご近所の大野村いつきの保育園のみなさんは、毎年博物館をたくさん利用してくれていて、その活動の成果を「学びの収穫祭」で発表もしてくれています。今年もクワの木を観察して、熟してきた果実を食べたりしています。

先生に肩車をしてもらってクワの実を収穫

ただ、このクワの木は実つきが良いものの、なかなかしっかり熟す割合が低いのが残念なところです。

きれいに熟した実が少ない 白くなった実は熟さずに落ちてしまいます

6、7年前に立て続いた台風の接近で、100メートルほど離れた場所にあった雄の木の大木が倒れてしまいました。クワは風媒花(花粉を風で運ばせる花)で雌雄異株のため、それ以来、このクワの木の熟す割合が極端に下がってしまいました。近くにまた雄の木が育ってくれるとよいのですが・・
ところで、子どもたちがこんな虫を見つけてくれました。

ハラグロオオテントウの幼虫(左)

ハラグロオオテントウの幼虫です。クワの木につくクワキジラミの幼虫を食べています。クワキジラミは、葉をしわくちゃにしてしまうため、カイコを育てる上では害虫です。ハラグロオオテントウにはがんばってクワキジラミを食べてほしいものです。アリもたくさん群がっていたのですが、こちらは理由がよくわかりませんでした。食べるために持ち去っている様子は無かったので、幼虫の分泌物でも食べているのでしょうか。
ハラグロオオテントウは間もなく成虫が見られそうです。とてもインパクトのあるテントウムシなので、また見つけたらこのブログで報告します。
(生物担当学芸員)

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