ササグモ

このクモの名前は「ササグモ」。最近、通勤中に良く見かけます。
皆さんの庭先でも見かけるのではないでしょうか。
色は、緑色っぽい場合と茶色っぽい場合があります。
徘徊性で、網は張りません。
肢にトゲトゲのような長い毛が生えているのが特徴。似ている種もいますが、少なくとも「ササグモの仲間」とわかるくらいに特徴的な姿をしています。
ササグモ標準
標準的なイメージ。よくこんな具合に葉の陰にいます。
ここではた、と気づきました。よく見かけるクモなので、名前が知りたい人も多いだろうと思い書き始めましたが、これ以上どう紹介して良いか、行き詰ってしまいました。
と、いうのは、私自身がこのクモにこれといった印象を持っていないのです。
なぜでしょう?
理由はいろいろ考えられます。どこにでもいる普通種だから。名前が平凡でクサグモとまぎらわしいから。きれいなのかどうかよくわからない中途半端な色彩だから。形や生態に特に目立ったところがないから等々…。しかし、平凡な生き物にだって見出すべき点は絶対あるはず。大体、平凡な生き物の魅力を紹介するのがこのブログ。
で、ああでもない、こうでもないと考えているうちに、気づいた事がひとつあります。
写真に撮ってみると、意外に映えるクモだな、と。
このブログで紹介しているクモの写真は、ほとんどコンパクトカメラで撮っていて、思うように撮れなかったり、画質がいまひとつという事があるのですが、ササグモは逃げる時は素早いものの、比較的じっとしている時間も長く、じっくり狙って、露出を補正したり、ストロボをあててみたり、いろいろ工夫しながら撮れます。
サイズ的にも小さすぎず、大きすぎず、ピントが合いやすい。
色彩も地味なようでいて、草や木の葉の緑によく調和した色をしている(これ、ポイントですね。住んでいる環境と込みできれいに見える)。トゲトゲだってピントが合うと、しゃっきり見えて結構かっこいい。
いやいや、なかなか良いクモではないですか。
というわけで、皆さんもぜひ、ササグモを見かけたら、カメラで撮ってみましょう。思わぬ美しさを見いだせるかもしれません。(学芸班 木村)
ササグモ薄い
緑色がかっているが、薄い色の個体。
ササグモ赤み
褐色の部分の赤みが強い個体。これはきれい。
ササグモ横向き
横から見たところ(オス)。結構、精悍な感じ

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