【R6学習資料展見どころ紹介④】学校給食のあゆみ

当館特別展示室にて開催中の学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」は会期の折り返しを過ぎ、残すところあと2週間ほどとなりました。
このブログで連載してきた見どころ紹介も今回が最後です。まだ展示をご覧いただいていない方も、もう一度ご覧になりたい方も、ぜひご来場ください!

見どころ紹介のバックナンバーは次のリンクからご確認いただけます。→

学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」

見どころ紹介のトリを飾るのは、展示のメインテーマの一つである「学校給食」です。この学習資料展は、相模原市市制施行70周年記念事業として当館の博物館ボランティア「市民学芸員」との協働により開催しているものですが、再来年に市内で学校給食が始まってから70年を迎えることの前祝いでもあります。
児童の健やかな成長を支えるための取り組みを多くの方に知っていただき、学校給食をより身近に感じていただけるよう、本企画展でも大きく取り上げています。

調理器具・食缶・食器類のコーナー

展示ケースの中に並ぶ調理器具や食缶は、現場で使用されているものと同型品で、本市学校給食課から借用したものです。“しゃもじ”一つ取っても、家庭用とのスケールの違いに圧倒されることと思います。実際に「ご飯を取り分けるのに、スコップを使うの!?」と驚きの声も聞こえました。

しゃもじや柄杓が大きい!

本展示の中でも象徴的なものが、市内小学校にて2011(平成23)年から本年7月まで現役で稼働していた「回転釜」です。これは、茹でる・炒める・蒸す・炊く・揚げるといった様々な調理方法に対応した業務用のガス煮炊き釜で、スープ類であれば約300~400人分相当の調理が可能です。引退後、学習資料展で有終の美を飾る回転釜の迫力を、ぜひ感じていただきたいと思います。

回転釜、今までお疲れ様でした。

このほか、各年代の給食サンプルや食器類の展示スペースでは、「私が給食を食べていた頃の食器があった!」、「鯨の竜田揚げや揚げパンが懐かしい!」といった観覧者の会話をよく耳にし、担当学芸員としても嬉しく思うことが多々あります。
まさに、学習資料展の主な目的である「幅広い世代の語らいの場」を体現したコーナーです。

セレクト給食(左手前2点)とバイキング給食(右)のサンプル

思い出の食器はありましたか?

来週11月3日(日)には、今年度最後の学習資料展関連イベントを実施します。市民学芸員によるぶんぶんゴマや食育紙芝居、相模原市食育推進マスコットキャラクター「サガピー」のぬいぐるみと一緒に記念撮影ができるフォトスポットをお楽しみいただけます。

市民学芸員が折り方の手順書を作成した「野菜折り紙」体験コーナーもあります。

このところは過ごしやすい気候が続いていますので、秋のお出かけでお立ち寄りになってはいかがでしょうか?関連イベントの詳細はこちらをご確認ください。

(歴史担当学芸員)

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厚木市、豊田市に当館の土器などが展示中!

当館の考古資料があつぎ郷土博物館、豊田市博物館(愛知県)にて展示されています。

まずは、あつぎ郷土博物館です。

土偶がいっぱい!

こちらは、大日野原遺跡出土の土偶付土器や、橋本遺跡から出土した土偶などが展示中です。

おびのっちのモデルになった土器です。(市指定文化財)

両手を挙げているように見えます。(市指定文化財)

 

続いて、豊田市博物館です。こちらは今年の4月26日に開館しており、その開館記念展として縄文時代の展示を開催しています。

ジョウモンさんが旅をしています。

こちらでは、田名塩田でみつかったクルミ形土器や、下原遺跡出土の勝坂式土器などが展示されています。

ハートにそっくり!(市指定文化財)

勝坂式土器の特徴である立体装飾が目をひきます。

当館の常設展示である自然・歴史展示室に展示していた優品ばかりで、
相模原の縄文時代をよく伝えるものです。
(クルミ形土器は通常は田名向原遺跡旧石器時代学習館で展示してます。)

芸術の秋が深まりつつありますので、ぜひそれぞれの館にて縄文美術の秋を楽しんでいただければと思います。

あつぎ郷土博物館:https://www.city.atsugi.kanagawa.jp/atsugicitymuseum/index.html

豊田市博物館:https://hakubutsukan.city.toyota.aichi.jp/

(考古担当学芸員)

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尾崎行雄のミニ展示を開催中です(12月27日まで)。

皆さんは本市緑区生まれの偉人をご存じですか?

尾崎行雄という著名な政治家が本市緑区又野にて生まれています。
尾崎は国会議員を長く務めた、東京市長、司法大臣などを歴任しており、「議会政治の父」と呼ばれました。
さらに特に大きな業績として「2つのフセン」が挙げられます。すなわち「普通選挙」と「不戦運動」です。

大正2年 司法大臣時代の尾崎

今年は尾崎没後70年、第2次憲政擁護運動100年の節目の年であることから、
この2点をテーマに、「尾崎行雄を全国に発信する会」と協力し、ミニ展示を作成しました。

エントランスにて展示中です

尾崎が目指した普通選挙は、幾度の困難な状況を乗り越えて実現しますが、
男女共に選挙権が与えられるのは戦後になってからです。

今回は当館所蔵の尾崎直筆の日記を展示しており、盟友犬養毅が亡くなった1932(昭和7)年5月15日の内容を紹介しています。貴重な尾崎の肉筆かつ筆記体ですので、この機会にぜひご覧ください。展示は12月27日まで行っています。

尾崎の日記(英文)

(展示担当学芸員)

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ツバメではないツバメ

市内の相模川を歩いている時、ふと上空を見上げると、ヒメアマツバメが群で飛んでいました。

ヒメアマツバメ

この鳥は飛ぶことに特化した体のつくりをしていて、日中のほとんどの時間を上空で過ごします。その名のとおり、体つきもツバメとよく似ていますが・・分類上はツバメの仲間と遠く離れているのです。こちらは、近縁のアマツバメです。

アマツバメ ヒメアマツバメと比べると一回り大きく、翼がよりシャープな形

どちらも春や秋には市内の上空を飛んでいるのが見られます。ヒメアマツバメは、市内の一部の地域で繁殖もしています。ツバメと比べて、翼がより高速で飛べるように細長く、鎌の刃のような形をしています。
ちなみに、本家?のツバメはこちらです。燕尾の切れ込みが深く、翼はアマツバメより幅広くて先が尖り、高速で飛ぶよりも、細かいターンをしやすくなっています。

ツバメ 喉が赤いのも特徴

ところが、ツバメの仲間にも、ヒメアマツバメにそっくりな種類がいます。イワツバメです。白黒の色合いと、燕尾の切れ込みが浅いところがよく似ています。

イワツバメ

イワツバメはお腹が白いのが特徴で、双眼鏡で見ればすぐに見分けられますが、肉眼で、上空を飛んでいるシルエットを見ただけではどちらかほとんどわかりません。
どちらも空中で飛んでいる昆虫などを食べ、多くの時間を空中で過ごします。こうして、生息環境の利用方法や食生活などが同じであるために、異なる進化の過程を経てきた生きもの同士の外形が似ることを「収れん進化」と言います。ツバメ類とアマツバメ類はその典型的な例の一つと言えます。ちなみに、中華料理の高級食材として使われる「燕の巣」とは、アナツバメという種類のゼリー状の巣材で、アナツバメはアマツバメの仲間です。
(生物担当学芸員)

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「ホネホネサミット2024@しずおか」に参加しました

当館の専門ボランティアグループの一つである「さがみホネホネ団」(略称さがホネ団、旧名称 相模原動物標本クラブ)が10月19日から20日にかけて静岡県清水市で開催された「ホネホネサミット2024@しずおか」(略称ホネサミ)に参加しました。

清水マリンビルを会場に行われたホネサミ2024

ホネサミは、全国各地で活動する動物標本の作製サークルや研究室、博物館などが集結して情報交換を行うイベントで、これまで大阪や高知、北海道で行われてきました。今年は静岡県での初開催されるということで、さがホネ団と光明学園相模原高等学校理科研究部と合同でブース出展しました。

たくさんのホネ好きがブースを訪れてくれました

会場は“ホネ好き”の熱気であふれ、老若男女がホネの学術資料としての有用性や魅力、技術的な意見交換などを行いました。
さがホネ団のブースも立ち寄る人が途切れず、全身の交連骨格標本(体のつくりに合わせてつなぎ合わせた骨格標本)や頭骨標本などを観察したり、撮影したりされていました。

理科研究部のみなさんもがんばってくれました

古生物の化石から現生の生きものまで、ホネに内在する情報が教えてくれることがたくさんあります。これからも全国のホネ仲間と積極的に情報交換していきたいと思います。
(生物担当学芸員)

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大野南仲間カレッジ「相模原台地の生い立ち」

10月13日に大野南公民館「大野南仲間カレッジ」の第1回目の講師を務めました。「大野南仲間カレッジ」は10回連続の講座です。

「相模原台地の生い立ち」というテーマでお話ししました。相模原市と町田市の境界付近を流れる境川の概要から始まり、相模原台地の地形・地質の特徴と成り立ち、最後に相模原台地の地層中に含まれる火山灰について解説しました。相模原台地をつくっている関東ローム層はほとんどが富士山や箱根山からの火山灰からできていますが、遠く九州の火山からの火山灰も含まれています。

身近な地形や地質はその土地の成り立ちだけではなく、遠くの火山についても知ることができます。そのような目で見てみると普段見慣れている風景も違ったものに見えてくるかも知れませんね。

(地質担当学芸員)

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【R6学習資料展見どころ紹介③】相模原70年のあゆみ

現在、当館では博物館ボランティア「市民学芸員」との協働による企画展 令和6年度学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」を開催しています。
おもに小・中学生の学びに役立てていただき、幅広い世代の語らいの場となることを目的とした本企画展の見どころを、第1回第2回に続いて紹介します。

この見どころ紹介ブログでも度々お知らせしているとおり、本年、相模原市は市制施行70周年を迎えます。前回のブログは、市制を施行した1954(昭和29)年の出来事に限定しましたが、今回は市制施行後の70年間に関する展示の見どころについて紹介します。

市制施行後の70年間を振り返ります。

会場の特別展示室に入ると、壁際に一面ガラス張りの大きな展示ケースが見えます。このウォールケース内では、市制施行から70年の間に起こった市内外のおもな出来事を、年表と写真、そして実物資料によって紹介しています。

市内で開催されたイベント、駅や公園の開業、世界的なニュース…、このブログをご覧の皆さまにとって、身近な場所や思い出深い出来事も取り上げられているのではないでしょうか?

様々な資料から歴史を紐解きます!

また、当館が地域の総合博物館であるという特色を活かし、各分野担当学芸員の協力による、分野を横断した関連展示をこのコーナーで実現しました。
1974(昭和49)年に勝坂遺跡(南区磯部)が国の史跡に指定されたことにちなんだ勝坂式土器(考古分野)、同年“市の鳥”に決定した「ヒバリ」の標本(生物分野)、阪神・淡路大震災(1995(平成7)年)の生々しい痕跡を収めた写真(地質分野)など、様々な形態の資料をご覧いただけます。

天文分野からは、小惑星探査機「はやぶさ2」1/10模型と小惑星リュウグウから採取されたサンプルレプリカをケースごとお借りしました!

さらに、年表的な展示のほか、身近な生活家電や子どもたちの服装など、70年間でどのような変化があったのかをご覧いただけるコーナーもございます。

固定電話の変遷

携帯電話の変遷

電話ゾーンでは年齢問わず大人気、実物(!)の黒電話に触れる体験が可能です。黒電話が初めての方もご安心ください。市民学芸員・作の動画「黒電話の使い方」をご覧のうえ、ぜひ実際にダイヤルを回していただきたいと思います。

触って学べてとっても楽しい!黒電話の体験コーナー

次回の見どころ紹介もどうぞお楽しみに!

(歴史担当学芸員)

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生きものミニサロン「ドングリとひっつき虫を観察しよう!」を実施しました

10月19日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今月のテーマは「ドングリとひっつき虫を観察しよう!」です。まず、博物館の前庭に出て、落ちているドングリを参加者のみなさんに拾ってもらいました。

コナラのドングリを拾ってくれました

そしてそれを、ドングリを識別できるリーフレットを使ってドングリの種類を調べます。

ドングリの名前は?

クヌギやコナラのドングリを拾って確認できたので、その他のドングリとして、用意しておいたカシやマテバシイのドングリも見てもらいました。
次はひっつき虫です。ひっつき虫とは、さまざまな工夫を凝らして動物の毛などにひっつき、種子を運んでもらう植物の総称です。今回は、参加者のみなさんに軍手をお配りし、それでガサガサやってひっつき虫を採集してもらいました。

ひっつき虫採集器として軍手が活躍!

丹念に種類ごとに別々の指にひっつけてくれた参加者も!

これも、ひっつき虫のリーフレットを使って種類を調べます。

ルーペを使って詳しく観察

すると、こんなひっつき虫を観察することができました。

ミズヒキ

キンミズヒキ

ヌスビトハギ

イノコヅチ

今回観察した中では唯一、ベタベタ系(ほかはトゲトゲ系)のケチヂミザサ

最後に、究極のひっつき虫と言える、イビセラ・ルテア(キバナツノゴマ)の種子を見てもらいました。

“悪魔の爪”という別名がピッタリ

別名、悪魔の爪。この名前が一番しっくりきますね。
そして番外編です。終了後、ご希望の方は・・とご案内したのが、先日このブログでお伝えした、アケビコノハの幼虫です。また一回り大きく育っていて、目玉模様もさらに目立っていました。

背中側正面から見たアケビコノハの幼虫

正面から見たアケビコノハの幼虫 この目玉模様がはたして天敵に通用するのか・・

結局全員残って観察してくれました。

思わず歓声が上がるほどの人気でした

今回も熱心なみなさんと楽しく自然観察できました。
次回は11月16日(土)12時から実施します!
(生物担当学芸員)

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甲州道中歴史講座を開催します!

甲州道中(甲州街道)は江戸幕府のもと整備された五街道のひとつで、江戸と信州諏訪を結ぶ主要な街道です。街道筋に設けられた宿場のうち、相模原市域には小原・与瀬・吉野・関野の4か宿がありました。
なかでも、本陣(=大名などの身分が高い者が宿泊する施設)建物が県内で唯一現存する小原宿は当時の名残が色濃く、その貴重な姿を今に伝えています。このほか、当館所管施設である「吉野宿ふじや」など、甲州道中には数々の見どころがあるのです。

そして、このたび「甲州道中」をメインテーマとした全4回の歴史講座を当館で開催する運びとなりました。題して、「相模原市×日野市 甲州道中本陣連携事業 甲州道中歴史講座」です。

相模原市×日野市 甲州道中本陣連携事業

「相模原市×日野市」と冠しているとおり、本歴史講座は本市(当館、文化財保護課)と日野市ふるさと文化財課との連携事業です。
甲州道中の日野市域には「日野宿本陣」があり、ともに各都県で唯一現存する本陣建物を有するという共通点から、縁あってこの自治体間連携が実現しました。

小原宿本陣

日野宿本陣

各回講師を招き、甲州道中及び小原宿・日野宿の歴史や、本陣建物の建築史上の特徴、幕府による街道整備など、様々な角度から講演会形式で連続講座を行います。概要は以下のとおりです。

第1回「相模国甲州道中と小原宿本陣」  令和6年10月20日(日)
講師:原 和之さん(相模原市立博物館 市史資料調査員)

第2回「武蔵国甲州道中と日野宿本陣」  令和6年11月17日(日)
講師:金野 啓史さん(日野市ふるさと文化財課課長(学芸員))

第3回「建築史からみた本陣建物」    令和6年12月22日(日)
講師:海老澤 模奈人さん(東京工芸大学教授/相模原市文化財保護審議委員)

第4回「江戸幕府の五街道政策と甲州道中」令和7年1月19日(日)
講師:菅原 一さん(国文学研究資料館 プロジェクト研究員)

会場:相模原市立博物館 地階 大会議室

時間:午後1時30分~3時30分(受付は午後1時~)

定員は各回先着200名、いずれも参加無料です。ぜひご参加ください!

また、以前このブログで紹介した歴史分野実習生展示「甲州道中と明治天皇巡幸」は、本事業の一環として位置づけています。

実習期間中に実施した展示解説の様子

今週末に控えた第1回目の歴史講座当日は、本展示も当館エントランスにて開催中ですので、あわせて講座の前後にご観覧いただけますと幸いです。

(歴史担当学芸員)

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下見は楽し(クモの映像あり)

自然観察会は多くの人と自然観察の楽しさを共有できて、とても楽しいものです。ただ、運営する側だったり、講師として案内役だったりすると、解説から行程・安全管理、質問対応などさまざまな役割があり、写真を撮る余裕もほとんどありません。しかし、それでも自然観察会が楽しみなのは、その前に必ず実施する「下見」が本番にも勝るとも劣らぬ楽しさがあるからです。
10月14日に、隣接する市の公園の自然観察会に出向いたのですが、その前週にスタッフと下見を行いました。アザミの花を訪れていたたくさんのホウジャク(蛾の仲間)の中から、ホシヒメホウジャクを探して撮影したり・・

ホシヒメホウジャク

葉柄だけになっていたネムノキがあったので、犯人を捜してみると・・葉柄にぴったりとくっついて擬態するイモムシがいました。

見事な擬態です!

シャクガの仲間の幼虫のようです。これだけ徹底的に食べつくしてしまってこの先どうするのか、思案に暮れているようにも見えました。
さらに、ニシキギの茂みの上にいたのは、キバラヘリカメムシです。

キバラヘリカメムシ スタッフみんなで競い合ってニオイをかぎました

カメムシというと、臭いというイメージが強いのですが、この種に限っては嫌いな人が少ない匂いです。例えるならば、青りんごの香りです。
そして本番を迎えた本日、快晴の中、本番直前の下見をしました。まだ角度の浅い朝日を浴びて、ジョロウグモがせっせと網づくりをしていました。

太陽が高く昇るとこんなキラキラした様子は見られないので、これも下見の役得ですね。真っ赤に色づいたガマズミの果実の中には、虫こぶがたくさんついていました。ガマズミミケフシです。

ガマズミミケフシ(虫こぶ)

この後迎えた本番も、熱心な参加者のみなさんと思い切り自然観察を楽しむことができましたが・・写真を撮る余裕はやはり、ありませんでした。
(生物担当学芸員)

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