【2日間連続開催】博物館でひな祭り!

翌週にひな祭りを控えた3月1日(土)、当館エントランスにてミニ展示「博物館でおひな様」の関連イベント「博物館でひな祭り!」を開催しました。

このイベントは、当館の博物館ボランティア「市民学芸員」によるもので、豪華な雛飾りの前で記念撮影や、ぶんぶんゴマづくりを体験していただけます。

おひな様展示もフォトスポット仕様に!

市民学芸員お手製のうさぎのおひな様です。

フォトスポットで記念撮影いただいた方には、市民学芸員が心を込めて手作りした「うさぎのおひな様」を数量限定でプレゼントしています。参加者の皆さまからは、「かわいい!」、「色々な柄があって迷っちゃう!」と、大変好評でした。
ぜひご参加いただき、お気に入りのおひな様を見つけてお持ち帰りください!

本年度に開催した秋季企画展「学習資料展」の関連イベントでも人気の「ぶんぶんゴマ」では、コマを自作した後に上手く回すコツまで市民学芸員がレクチャーします。

回すとより楽しい、ぶんぶんゴマの鮮やかな模様!

初めてぶんぶんゴマに挑戦した小さなお子様も、元気よく音を立てて回している様子が見られました。

自分だけのオリジナルぶんぶんゴマの完成です。

女の子の健やかな成長を祝う3月3日のひな祭りにちなんだ企画ではありますが、老若男女問わずどなたも参加可能です。初日は延べ100人以上の皆さまにイベントをお楽しみいただきました!

博物館でひな祭り!」は、明日も正午から午後3時まで開催します。暖かく良い天気が続くとのことですので、ぜひお越しください!市民学芸員一同、皆さまのご来館をお待ちしております。

(歴史担当学芸員)

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アオゲラが食べているのは?

2月27日、市内南区の公園を歩いていると、キツツキの一種のアオゲラが飛んできてコナラの幹にとまりました。

コナラの幹にとまったアオゲラ

コツコツと幹をつつくというより、嘴(くちばし)を幹のすき間に射し込んでいるように見えます。何をやっているのか、写真を拡大して見てみると・・

ピンク色の下が嘴の先に見えます

樹皮のすき間に舌を突っ込んでいるようです。キツツキの仲間は長い舌を持っているので、木に開けた穴に舌を突っ込み、中に潜んでいる昆虫などをすくい出して食べます。また、歩き回っているアリなども同様に舌を使って食べます。今の季節、アリも活動しているものの、行動をよく見ると、樹液が出ている場所を探してしばらくその中に嘴を差し入れています。いくつかの写真を見てみましたが、樹液にアリが集まっていたり、舌先にアリが着いている様子はありませんでした。おそらく、樹液そのものをなめているのでしょう。

懸命に樹液の出ている場所を探し回っていました

あまり効率の良い採食方法とは思えませんが、冬の間の大切なエネルギー源なのかもしれません。
(生物担当学芸員)

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トラツグミダンス

今年の冬は冬鳥が少ないと、あちらこちらから聞こえてきます。一方で、山地で繁殖して冬になると低地に下りてきて越冬するトラツグミが今年は比較的よく見られます。市内の公園でも、林内で採食するトラツグミを見ました。

トラツグミ

トラツグミは地面を歩き、主に落ち葉の下に隠れている小さな虫などを捕らえて食べます。その際、体を小刻みに震わせたり、腰を上下左右に振る動作を繰り返します。この動きをバードウォッチャーたちは「トラツグミダンス」と呼んでいます。今回はゆっくりこの動作を観察できたため、動画を撮影してみました。この時はダンスというより、音楽に合わせてリズムを取っているような動きにも見えます。

興味深いのが、頭はまったく揺れないところです。鳥は飛ぶ時など激しい動きをしても視界がブレないよう、優れた平衡感覚で頭を静止させることができます。
ところで、なぜこのような動きをしているのか、はっきりはわかりません。おそらく、地面の虫やミミズなどを刺激して、その反応を感じ取って見つけ出しているのではないかと言われています。同じように地面で採食するヤマシギなども同じような動き(ダンス)を行うので、それなりの効果があるのかもしれません。
近くでは、近い仲間のツグミも採食していました。冬鳥が少ないと言われるその筆頭の種ですが、やっと公園内でもたくさん見られるようになりました。

ツグミ

こちらはトラツグミのようなダンスはせず、「だるまさんがころんだ」のようにぴょんぴょんと数歩跳んではピタッと止まる動作で採食していました。
冬の間はこうした野鳥の行動が見やすいので、じっくり観察するのも楽しいものです。
(生物担当学芸員)

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収蔵庫の殺虫処理

昨年10月下旬、動植物資料収蔵庫内で標本整理の作業を行っていた相模原植物調査会の方が、押し葉標本にチャタテムシが発生しているのを発見してくれました。

標本に粉のようなものが散っています

チャタテムシは代表的な文化財害虫のひとつです。湿気と共に発生し、カビや乾燥した食品などを食べるため、通常は収蔵庫内のカビ発生のバロメーターのような虫なのですが、植物の押し葉標本も食べてしまいます。しかも、柔らかい花弁のようなところを集中的に食べることから、放置しておくと分類上の証拠として大切な花を粉々にされてしまいます。

チャタテムシの一種

原因は、昨年秋の長雨で、収蔵庫内が高湿度で高止まりの状態が続いたことによると思われます。収蔵庫は24時間空調で温湿度を調整していますが、どうしても外気の影響も受けてしまいます。
被害を受けた標本は順次冷凍処理をして殺虫しているものの、一度に冷凍できる量が限られているため、処理が追い付きません。収蔵庫内全体を一度殺虫した方が良いと判断し、殺虫剤を噴霧することにしました。市販されている燻煙剤では隅々まで行きわたらないので、専門の業者に委託します。

排気用のファンを設置しています

部屋を目張りするなどして密閉してから殺虫剤を噴霧、数時間くゆらせてから排気を行います。

標本棚を開けて殺虫剤を内部へ行きわたらせます

ところで、博物館など文化財を扱う機関では今大きな問題になっていることがあります。それは、ガスくん蒸に使用する薬剤や、今回使用した噴霧式の殺虫剤の多くが、今年度いっぱいで製造販売が休止となるのです。いずれの薬剤も強い毒性があることに加え、温暖化ガスとして知られるなど、人体や地球環境に対する影響が否めないからです。この問題にどのように対処するのかを考えるため、先週2月21日に東京文化財研究所で「ポスト・エキヒュームSの資料保存を考える」と題したフォーラムが開催されました。会場とオンラインの参加を合わせて1000人近い関係者が聴講し、関心の高さがうかがえます。当館からも学芸員が参加しました。
じつは、この問題は21世紀に入るころからすでに顕在化していて、農業分野で行われていたIPM(Integrated Pest Management:総合的有害生物管理)を博物館の資料保存と管理へ応用する研究や実践が推奨され、当館でも基本的にこの考え方を取り入れています。しかし、他の多くの博物館同様に「最終的にはくん蒸を実施する」というフェーズを維持していましたが、今後はそれが通用しなくなります。フォーラムの登壇者全員が強調されていたのが、日ごろの清掃、点検の重要性です。今後、殺虫処理という対処療法から日常の清掃点検を強化する方針へとどのようにシフトしていくか、差し迫った課題です。
(生物担当学芸員)

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野鳥を調べる、はじめの一歩

2月11日、県立境川遊水地公園今田管理センターで、同公園の探鳥クラブのみなさん向けに当館学芸員がレクチャーを行いました。題して「野鳥を調べる、はじめの一歩」。
探鳥クラブのみなさんは、公園内の野鳥を調べ、記録する活動を行っています。野鳥観察初心者のメンバー向けに、野鳥の識別や、調べることの意義についてお話しました。

室内で40分ほどお話しました

身近な野鳥のスズメ、ヒヨドリ、ハト、カラス、トビと順番に説明していったのですが、これらの野鳥はいくらなんでも基礎的すぎでは・・と思われるかもしれません。しかし、これらの“定番種”をマスターしなければ、それ以外の野鳥も正確に識別できません。

知っているつもりで知らないことも結構あるものです

例えば、図鑑にスズメより小さいって書かれているけど、そもそもスズメの大きさって正確にはどれくらい?ドバトとキジバトの尾羽の違いは?ハシブトガラスとハシボソガラスは行動の違いがあるってほんとう?などなど。
そして、野鳥を継続的に調べる楽しさや、その蓄積から気づくことなどをお話しました。

公園内のヨシ原にいたオオジュリン

境川遊水地公園は、四季をとおして様々な野鳥を観察できます。地道な観察も積み上げれば市民科学の成果になりえます。探鳥クラブの今後の観察記録の蓄積に期待したいと思います。
(生物担当学芸員)

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おひな様スタンプラリーが始まっています!

今年も「古民家でおひな様 春のおでかけスタンプラリー」が始まりました。

市立博物館を含む8か所の施設を、6か所以上を回ってスタンプを集めると記念品がもらえます。年々、範囲が広がって、集める難易度が上がっていますが、毎年楽しみにされている方の多い人気のイベントです。

今年は予想以上に多くの参加者がいらっしゃり、各施設で台紙を急遽増刷するなど、企画側としても嬉しいスタートになりました。

今年の記念品はこちら↓
おひな様とマグネット(2種の内1種)のセットになります。

デザインはお選びいただけません

マグネット(デザインはお選びいただけません)

期間は3月4日までですが、おひな様はなくなり次第終了になりますので、ご注意ください。

詳細はこちら

おひな様を通じていろいろな施設を巡りながら、相模原市のいろいろな魅力、そして春の訪れを感じていただけたら幸いです。

みなさまのご参加お待ちしております!

(民俗担当学芸員)

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農業用水路の清掃作業

2月22日、中央区田名地区にある農業用水路の清掃に参加しました。なぜ用水路の清掃をするのかというと、この用水路には、ゲンジボタルが生息しているからです。しかも、ここのゲンジボタルは一貫して自然のまま、幼虫の餌のカワニナを含めて、よそから持ってきたものを放流していません。正真正銘、地元のゲンジボタルなのです。その用水路の環境を保つため、田名公民館が主催して、市民や田名高校の生徒さんなどの協力を得て毎年実施しています。

学芸員が“地元のホタル”について簡単に解説しました

昨年は最大で1000匹の成虫が舞う夜もありました。そんなすばらしいゲンジボタルの飛翔がまた見られるように、用水路内のゴミや、通水障害となる落枝などを拾い集めます。

熱心ゴミを拾う田名高校の生徒さんたち

高校生のみなさんは、ごみ拾いもワイワイと楽しくやってくれています。そんな姿を見て大人たちもがぜん、やる気が出ます。

楽し気に、でもしっかり仕事をしてくれた田名高生

こうして水路内を歩くだけでも、川底の石の目づまり(泥などが石のすき間を埋めてしまう状態)を解消し、ゲンジボタルの幼虫がすみやすくなるはずです。
日当たりの良い水路の脇では、ホトケノザがたくさん咲いていました。ここ最近寒い日が続きますが、日差しは春めいてきました。

ホトケノザ

1時間半ほどで約800メートルの区間をきれいにできました。

これは一区画分のゴミなので、全体ではこの何倍も拾いました

長靴の丈が足りず、すっかり足が濡れてしまっていても、平然としている高校生たち・・若いですね。

濡れてもへっちゃら!

今年も初夏、たくさんのゲンジボタルが飛び交ってくれることを願い、解散しました。
(生物担当学芸員)

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ドバトの羽根

2月20日、博物館前庭に、鳥の羽根がたくさん落ちていたと連絡が入りました。来館者が多く通る場所だったため、すでに片付けられていましたが、主だった羽根を回収しました。その一部が下の写真です。

ドバトの尾羽(左)と風切羽(右)

ドバト(別名 伝書鳩)の羽根でした。こうして大きめの羽根である、尾羽や風切(かざきり)羽がまとまって落ちているのは、タカの仕業です。博物館周辺には冬の間、オオタカやハイタカ、ツミなどの猛禽(もうきん)類が生息しています。ハトを襲うとすれば、オオタカの可能性が高いのですが、確定はできません。オオタカなどは、獲物の野鳥を仕留めると、その場で翼の羽根や尾羽など大きめの羽根をできるだけ抜き取り、運びやすくします。そうしてお気に入りの食事場所まで運んでゆっくり食べるのです。ネコなどが襲った場合には、翼を引きちぎるなどして血痕が多く残るので、食痕だけでもどちらの仕業かわかるのです。
ドバトの羽根は尾羽にも風切羽にも特徴がありますが、もう一つ、首から胸にかけての光沢のある羽根が残るのも特徴です。

首から胸にかけての、緑色や紫色の光沢のある体羽

これは、オスにとってはアピールポイントのようで、メスへの求愛行動の時には首を膨らませて光沢部分を強調します。

メスへ求愛するドバトのオス(右)

緑色や紫の金属光沢を強調しています

そういえば最近、駐車場にドバトの小さな群がよく降り立っていました。そのうちの1羽が犠牲になったのかもしれませんね。
(生物担当学芸員)

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駐車場の樹木を伐採

先月末から今月にかけて、博物館の駐車場の樹木を伐採しました。博物館の駐車場は大きく分けて2区画あり、その南西側の区画は舗装されてなく、たくさんの樹木が生えていました。

伐採前の駐車場(南西側)

しかし、開館以来30年近くにわたって根元を自動車が通るなどしてきたことや、そもそもあまり寿命の長くない樹木が多かったため、枝が枯れて脱落するなど不健康な状態の木が多くなっていました。そこで、安全のため、場内の樹木をすべて伐採することになりました。

伐採後の駐車場

2月15日はエコパークさがみはらの自然環境観察員植物部会のみなさんが、月例で博物館周辺の樹林地の開花状況を調べる日だったため、みなさんで一部の切り株の年輪を数えました。

年輪は明瞭なところとそうでないところがあり、数えるのは意外と難しい

結果として、コナラやエノキなどの太い木はおそらくもとからあったものを残していて、樹齢が60~70年くらい、それほど太くないミズキなどの木は、樹齢30年前後で、博物館が開館した1995年前後に芽生えから育って大きくなったことが推測されました。

サクラの切り株

今後、明るくなった地面から様々な植物が育つと思われます。安全面に配慮した適正な管理を目指しつつ、植生の変化を見守っていこうと考えています。
(生物担当学芸員)

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【開催中】博物館でおひな様

現在、当館1階の情報サービスコーナー前でミニ展示「博物館でおひな様」を開催しています。

ここで展示している雛人形は、いずれも当館の博物館ボランティアである「市民学芸員」の有志にお持ちいただいたものです。ご家庭で大切にされてきた雛人形たちも、子の成長とともに飾る機会がなくなってしまうものですが、本展示では来館者の皆さまに「きれいだね!」と声をかけていただき、どこかうれしそうな表情に見えます。

当館1階の情報サービスコーナー前で展示中!

もちろん、今回の飾り付けなどの展示設営も市民学芸員自ら行いました。展示期間は3月9日(日)までです。ご来館の際は、ぜひ華やかな「博物館でおひな様」をご覧ください!

豪華な七段飾り

素朴な表情がかわいらしい立ち雛です。

大正時代のおひな様!精巧に作られた小物にも注目してみてください。

雛祭りでお馴染みの3月3日は、上巳(じょうし)、桃の節句とも呼ばれ、雛人形や桃の花などを飾り、菱餅やあられをお供えして女児の健やかな成長を祝います。
当館では雛祭りを盛り上げるべく、展示の関連イベントとして、市民学芸員によるフォトスポット撮影とぶんぶんゴマ体験を3月1日(土)・2日(日)の2日連続で実施します!どなたでもご参加いただけますので、こちらもぜひお越しいただきたいと思います。イベントの詳細は当館ホームページをご確認ください。

このほか、先日のブログで紹介した吉野宿ふじやの「甲州道中(相模湖・藤野・上野原)のおひな様展」、「古民家でおひな様 春のおでかけスタンプラリー2025」(主催:相模原市教育委員会、相模原市)も好評開催中です。
このところは晴れの日も続きますので、市内のおひな様巡りに出かけてみてはいかがでしょうか?

(歴史担当学芸員)

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