生物分野実習 1日目(8月20日)

こんにちは、生物分野の実習生です。これから6日間よろしくお願いします!
今日は実習生4名で博物館周辺での昆虫採集と生きものミニサロン(8月24日実施)の企画を行いました。

学芸員から昆虫採集の手ほどきを受けました

三角紙に収められたチョウ

昆虫採集ではチョウやトンボ、クワガタ、カゲロウなど様々な昆虫を捕まえることができました。
目標としていたセミはたくさん鳴いているにもかかわらず、なかなか捕まえることができず苦戦しました。捕まえられず諦めようとしたそのとき…なんと実習生の1人が採集に成功しました!!!

セミが捕まりました!

午後は生きものミニサロンの構想を決めるべく、博物館周辺を散策しました。見慣れている自然でも改めて観察するとおもしろい発見があり、テーマを絞ることが非常に難しかったです。

博物館の前庭で題材探し

明日は今日捕まえた昆虫で標本作製を行い、生きものミニサロンの構想をさらに具体化していきます。皆さんお楽しみにしていてください!
(生物分野実習生)

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「野生動物サマースクール2024」を実施しました!

8月17日、「野生動物サマースクール2024(相模原市鳥獣等被害対策協議会主催)が博物館で行われました。

博物館の標本もたくさん並ぶ中で行われました

これは、野生鳥獣による農作物被害、生活被害が市域においても著しい状況の中で、野生動物について正しい知識や被害防除の重要性などを知ってもらうために企画されました。講師は麻布大学の加瀬ちひろ先生です。

楽しくてわかりやすい加瀬先生の講義でした!

そして、当館が連携協定を結んでいる麻布大学いのちの博物館から、たくさんの頭骨標本も持ち込まれました。

ハクビシン、タヌキ、アライグマ、アナグマの頭骨がずらり!

加瀬先生による身近な哺乳類についてのお話の後、さらに動物の体のつくりや顔の模様などをしっかり観察してもらうために、ぬり絵式のスケッチをしてもらいました。モデルは当館所蔵の本はく製です。

真剣で楽しそうなスケッチの様子

タヌキ、アナグマ、ハクビシン、アライグマをそれぞれしっかり観察してとてもリアルな絵が完成しています。

とってもリアルに描けています

絵が観察したら、頭骨など実際に手に取り、種ごとに異なる形の違いや、歯の並び方やかみ合わせを確認しました。

上あごと下あごの動きは・・

続いて、スケッチした4種の哺乳類の旗を作ります。

自分で種名を書き入れて旗をつくります

何に使うのかというと、クイズに答えるためでした!

回答を旗で示します!

じつはこれが、最後のまとめ。みなさんがほとんどすべての問題に正解していたので、修了証が渡されました。

加瀬先生から直接手渡されました

こちらが修了証(となりのけものマスター)です。

となりのけものマスター

野生動物について学ぶあっという間の2時間でした。終了後も、はく製を見ながら質問していくご家族も多く、身近な野生動物への関心の高さをうかがうことができました。
(生物担当学芸員)

 

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「火山灰を顕微鏡で見てみよう」を開催しました

こんにちは!令和6年度地質分野学芸員実習生です。

8月9日に実習実験室で「火山灰を顕微鏡で見てみよう」を開催しました。

 

 

相模原市で採取した火山灰から遠くは北海道や九州で採取した火山灰まで、様々な火山灰を顕微鏡で観察してもらいました。

火山灰はぱっと見て同じように見えても、顕微鏡をのぞくといろんな色や形の鉱物が含まれていることが分かります。

 

「わぁー!赤いの入っている!すごいよ!」とかわりばんこに顕微鏡をのぞいていきます。

透明な斜長石や色のついたかんらん石、ざくろ石など、火山灰の中には様々なものが見えました。

みんな集中して顕微鏡をのぞく場面も。

 

 

【火山灰の洗い出しコーナー】

今回は「箱根東京軽石」を使用しました。

泥が目立たなくなるまで黙々と洗い出し、乾燥させました。

家族で仲良く協力している様子も見られました!

 

実際にプレゼントしたカードと鉱物はこちら。↓

 

みんなカードと鉱物を見比べて観察していました。

顕微鏡から見える火山灰が珍しく楽しんでるようです。


夏休みの思い出の一部になれたら幸いです。

 

今回のイベントには、たくさんの方に参加していただきました!

また、相模原弥栄高校サイエンス部と相模原地質研究会の皆さんにスタッフとしてご協力をいただきました!

皆さまありがとうございました。

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8/22「相模原のシカ・イノシシの革でキーホルダーを作ろう」を実施します!

【お知らせ】
8月16日、台風7号の接近に伴い博物館周辺も雨脚が強まっています。博物館は通常どおり開館していますが、神奈川県東部には大雨警報、暴風警報が出ています(午前8時13分)。これに伴い、本日夜実施予定だった星空観望会は中止となりました。また、JAXA相模原キャンパス内の宇宙科学探査交流棟は臨時休館となっています。

相模原市域には多くの野生鳥獣が生息しています。中でもニホンジカやイノシシは、人里周辺に生息し、農林業被害を起こすなど少なからぬ影響を及ぼす存在です。

ニホンジカ(市内緑区)

身近な場所に野生動物が数多く生息する相模原市の自然について改めて考え、感じてもらうきっかけとなるよう、シカやイノシシの革を使ったキーホルダー作りのワークショップを実施します。

おしゃれで素敵なキーホルダーを作ります!

日 時  令和6年8月22日(木)10時~16時
会 場  相模原市立博物館1階エントランス
協 力  野生動物との共生の会
材料費  1回 150円
定 員  100名程度

*所要時間は5~10分程度です。
*用意した材料がなくなり次第終了となります。
*このイベントは、相模原市緑区役所区政策課と「野生動物との共生の会」による、相模原市協働事業の一環として実施します。

(生物担当学芸員)

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台風前の夜の森

8月16日、台風7号の接近に伴い博物館周辺も雨脚が強まっています。博物館は通常どおり開館していますが、神奈川県東部には大雨警報、暴風警報が出ています(午前8時13分)。これに伴い、本日夜実施予定だった星空観望会は中止となりました。また、JAXA相模原キャンパス内の宇宙科学探査交流棟は臨時休館となっています。

さて、8月15日夜、台風接近の前に写真を撮っておこう思い、博物館お隣の樹林地内を歩きました。目的はカラスウリの花です。

カラスウリの花

夜に咲くこの妖艶な花は、甘い匂いとレースを広げたような花弁で、スズメガなどの昆虫を呼び寄せています。台風の影響による風もまだ弱く、写真に収めることができました。
近くのクヌギの木では、アカアシオオアオカミキリが交尾していました。

アカアシオオアオカミキリ

金属光沢が美しいカミキリムシです。付近ではほかにも数ペアが交尾していました。さらに、コクワガタも樹液を求めて幹を歩き回っていました。

コクワガタ

嵐の前の静かな夜でしたが、昆虫たちの活発な動きを楽しむことができました。
(生物担当学芸員)

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緊急開催!「惑わない星」×水星磁気圏探査機「みお」スペシャルトーク

人気漫画『惑わない星』(石川雅之作:講談社)が完結しました。この漫画の舞台は、内と外の世界に分かたれた遠い未来の日本。外で宇宙に手紙を送る仕事人S沢は、「地球」を自称する少女を保護する。その後、次々と惑星を名乗る少女たちが現れ…
『惑わない星』は、そんな独特の世界観で描かれた、惑星擬人化漫画という唯一無二のジャンルの作品です。

『惑わない星』より「水星」(Ⓒ石川雅之/講談社)

今回、作者である石川雅之さんと、国際水星探査計画「ベピコロンボ」の一環として水星の周回探査を行う「みお」のプロジェクト・サイエンティストである村上豪博士(JAXA)によるスペシャルトークを企画しました。

石川雅之さんからは、9年にわたる連載をとおして貫かれた、太陽系の特異性や、地球というかけがえのない存在への思い、村上博士からは、日欧初の大型共同プロジェクトとして水星の多角的・総合的な観測の現在の状況など、この場でしか聴くことのできない内容となるはずです。
日時は、9月8日(日)16時から、相模原市立博物館プラネタリウムが会場となります。
チケットの販売は、通常のプラネタリウムの投影と同様、当日券のみとなります。

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神楽展、開催中です!

7月13日(土)から、当館特別展示室で民俗企画展「上溝番田の神代神楽」を開催しています。

本展では、相模原市域を中心に神楽を担ってきた亀山社中から寄贈された面や装束などを紹介しています。

神楽衣装を着られるフォトスポットは、子どもたちにも人気です。

 

会期も半分を過ぎ、様々な関連イベントも無事終了しました。

7月13日(土)のオープニングイベントのプラネタリウムで神楽「神話から見る神々の世界」では、相模里神楽垣澤社中の皆さんに、プラネタリウムで神楽を公演していただきました。

すごい迫力です!

このプラネタリウムでの神楽は、参加された方、参加できなかった方、多くの方々から再演の熱いリクエストをいただいています。この会期中は難しいですが、今後に向けて検討したいと思います。

7月28日(日)は國學院大學名誉教授の小川直之先生を講師にお招きし、「日本の神楽と神代神楽」という演題でご講演いただきました。

熱く語っていただきました!

8月12日(月祝)と13日(火)のギャラリートークも多くの方々の参加がありました。

特に12日は、相模里神楽垣澤社中代表の垣澤瑞貴さんだけでなく、家元の垣澤勉さんもお越しになり、お二方それぞれの視点から解説をいただきました。

どのイベントも暑い中、多くの方々にお集まりいただきました。
残るイベントは8月20日(火)の着付け体験ワークショップのみとなっています。

8月13日(火)の様子

民俗企画展「上溝番田の神代神楽」は9月8日(日)までです。
ご来館をお待ちしています。

(民俗担当学芸員)

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令和6年度歴史分野実習~1日目~

皆さんこんにちは。歴史分野実習生です。分野別実習初日の8月13日に、相模原市内の甲州道中の宿を4か所訪れました!
最初に私たちは、小原宿本陣を訪れました。本陣とは、参勤交代の際に、大名や役人が宿泊のために訪れ、利用した建物です。小原宿本陣は、神奈川県内で唯一現存するものとなっています。
ただ、訪れた当日はあいにくの休館日で、外から見ることしかできませんでした。しかし、周りを見渡してみると、屋号を掲げている家が多く、昔の町並みを感じることが出来ました。家々は、全て入口が甲州道中の方を向いて建てられていました。

 

小原宿本陣

 

次に訪れたのは、JR相模湖駅の近くにある与瀬宿です。与瀬宿本陣は建物が現存していませんが、近くには明治13年の巡幸の際に、明治天皇が休まれたことを示す石碑がありました。

明治天皇與御跡小休阯碑

 

3番目に訪れたのは、吉野宿ふじやです。ふじやは、市登録有形文化財の建物で、かつては旅籠「藤屋」として栄えました。

吉野宿本陣はふじやのむかいにあり、五層楼(五階建て)の立派な建物でしたが、明治29年の大火で焼失し、現在は土蔵のみが残っています。吉野宿ふじやの建物内には、当時の吉野宿の町並みの模型や、周辺の遺跡で発掘された土器などの考古資料、養蚕や炭焼きの際に使った道具などの民俗資料を見学することが出来ました。

吉野宿ふじやの外観

ふじや建物内見学の様子

 

最後に訪れたのは関野宿です。関野宿の本陣跡は少し見つけにくい場所にありますが、相模原市内にある宿場のなかで最西端に位置しており、甲斐国に通じる最後の宿場として重要視されていました。残念ながら、関野宿も明治21年以降の度重なる火災によって本陣および宿場が焼失してしまいました。

関野宿本陣跡

 

今回はこの4か所を車を利用しながら回りましたが、当時は歩いて移動していたことを考えると、昔の人々の苦労が窺えました。皆さんもこの夏休みに一度、甲州道中を訪れてみてはいかがでしょうか。

(令和6年度歴史分野実習生)

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【令和6年度博物館実習】3日間の共通実習が終了しました。

記録的な暑さが続いているこの夏、県内では8月に入ってからの半分以上が最高気温35℃を超える猛暑日となっています。
相模原市立博物館は8月25日(日)までの期間、暑さに負けず、毎日休まず開館しています。期間中はプラネタリウムの夏休み特別上映も実施中!楽しい夏のお出かけに、ちょっと涼みに、ぜひ当館へお越しください!

さて、夏恒例の行事と言えば色々思い浮かびますが、博物館の夏の風物詩の一つが「博物館実習」です。この実習は、各大学から学芸員の資格取得を志す学生を受け入れ、博物館活動や学芸員業務に必要な素養を身につける、いわば実地訓練です。令和6年度は全6分野で19名の学生を受け入れています。

実習生総勢19名で3日間の共通実習がスタートしました!

当館の博物館実習は、全9日間のうち3日間を全分野共通で、残り6日間を分野ごとに実施するという特徴があります。専門性を活かすだけでなく、専攻が異なる学生が一堂に会する共通実習は、地域の総合博物館である当館ならではのプログラムと言えるでしょう。

これから一緒に実習を頑張る仲間として、自己紹介タイムで打ち解けます。

8月6日(火)の共通実習1日目は、座学と館内見学に始まりました。当館職員が講師となって館の管理運営業務や学芸員業務について講義をした後、午後からはバックヤードから展示室まで館内を見学し尽くします。
一般には開放していない空調機械室やコントロール室、イベント以外では訪れる機会が少ない天体観測室などが印象的だったようです。また、幼少期から当館を訪れていたという学生は、実習で改めて常設展示を観覧したことが新鮮だったとのこと。

収蔵庫の中までじっくりと見学。

8月7日(水)に実施した共通実習2日目では、3班に分かれて自然系資料の取り扱い(植物標本の固定作業)、人文系資料の取り扱い(掛軸の取り付け、取り外し)、資料の梱包(本物の土器を使用します!)を行いました。
前日までとはうって変わり、たくさん手を動かす内容が中心でしたが、皆さん熱心に取り組んでいました。自身の専攻と異なる分野の資料の扱いに苦慮したり、実物資料にドキドキしながら接したり、とても忙しい1日になったことでしょう。

掛軸の取り扱いでは「矢筈(やはず)」という専用の道具を使います。

タケノコ状に巻かないように、巻緒(まきお)は正しい手順で結ぶように…、考えることがいっぱい!

8月8日(木)、共通実習ラストの実習内容は展示解説です。常設展示の中から自分で資料を選び、シナリオを考え、実際に展示解説を行います。資料について調べたことを持ち時間の5分間でどれだけ伝えられるか、観覧者は理解できる内容かを考え、資料と向き合った結果を言葉にします。緊張する姿も見られましたが、皆それぞれ良かった点や反省点などが見つかりました。
当館の実習における展示解説の本番は、自分たちで作り上げる分野別の実習生展示を、来館者の方に向けて解説することです。共通実習をとおして課題が明確になったことで、本番ではより良い展示解説ができることを期待しています。

2羽のカラスの違いは…?

立体的な文様が特徴的な勝坂式土器について解説しています。

同じ「クワ」でも、形状が違う…!?

3日間の共通実習が終了し、いよいよこの後は分野別実習が始まります。今月末頃からは実習の集大成である実習生展示(※)も館内各所でご覧いただける予定です。タイミング次第では、実習生による展示解説にもご参加いただけるかもしれません!
令和6年度博物館実習生の今後の成長をお楽しみに!

(歴史分野学芸員)

※実習生展示の展示期間は分野によって異なります。告知なく開始・終了することがありますので、ご了承ください。

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勝坂遺跡史跡指定50周年の記念講演会を開催しました!

令和6年7月2日に勝坂遺跡は史跡指定50周年を迎えました。
以前、当ブログでも紹介しました。
https://www.sagami-portal.com/city/scmblog/archives/35729

8月3日、大貫英明さんを講師にお招きし、これまでの勝坂遺跡の調査の歴史、史跡指定の経緯などを講演いただきました。
大貫さんは勝坂遺跡以外にも、市内の発掘調査を多く主導されるとともに、相模原市史や城山町史、津久井町史の編さんにも携わっており、遺跡や文化財に精通された方です。

会場には約70名の方にお越しいただき、盛況でした。

会場の様子

また、今回の記念講演会では、エントランスで開催中の勝坂遺跡ミニ展示について、大貫さんに解説していただきました。これは講演会の内容を検討している中で、考古担当学芸員から提案したもので、出土品の特徴や写真パネル、地図から説明することで、参加者の理解をより深めることを目的としました。

展示解説の様子

展示解説の様子

今回の記念講演会では、地域の重要な遺跡である勝坂遺跡がなぜ史跡指定を受けるに至ったのか、しっかりとお伝えすることができました。これからも市内の遺跡の重要性をわかりやすく、発信していきます。
勝坂遺跡ミニ展示は9月1日まで開催していますので、ぜひご覧ください!
(考古担当学芸員)

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