職場体験(1月27日)

今週は前の記事にもあるように、さがみはら若者ステーションの職場体験もありますが、中学生も4名が体験に来ていました。
市内の新町中学校と相模原中等教育学校から2年生がそれぞれ2名ずつ、さまざまな博物館の仕事を体験しました。今日はその最終日で、植物標本のマウント(台紙貼り)作業です。

いつものように博物館の専門ボランティアグループである相模原植物調査会のみなさんから直接指導を受けます。標本を扱う際のきめ細やかな配慮がそこかしこにあって、みなさん興味津々です。
実際の作業でもマンツーマンで指導してくれるので、扱っている植物にまつわるお話など楽しくおしゃべりしながらの作業になります。

その後、標本を作成して保存する意義について動植物資料収蔵庫で解説しました。50年後、100年後、もっと未来の人たちに向けて保存しておくのが博物館資料です。スケールの大きな話を真剣にきいてくれました。
おまけで、こんな昆虫標本をお見せしました。大きさ約2ミリの甲虫です。

肉眼では昆虫かどうかもわからないような標本ですが、しっかりと標本ラベルが添付され、堂々たる学術資料です。珍しいものや美しいもの、希少なものを扱うのが博物館資料という印象が強いのですが、「これも資料?!」という素直な驚きを感じたようです。
ふだんあまり触れることのない博物館の裏側の、印象的な体験をしていただきました。

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生きものミニサロン センサーカメラがとらえた動物たち

1月28日(土)毎月第四土曜日恒例の「生きものミニサロン」を実施しました。
生きもの観察はいつでも、どこでもできます。ただ、やはり真冬の1月下旬は、小さなお子さんたちと一緒に観察できるテーマを考えるのはとても苦労します。なかなかこの時期の日中は生きものが見づらいな・・・そうだ!それを逆手に取ればいいのか!
ということで、エントランスでセンサーカメラという道具を使ったミニレクチャーを行いました。

森の中でひっそりと暮らす動物たちの姿をとらえるため、博物館お隣の樹林地にしかけておいたセンサーカメラに写った動物たちを、大きな画面のテレビで見ていただきました。保護色でわかりにくい鳥も、参加したお子さんたちが「ここだよ!」とみなさんに教えてくれています。

そのうちの1枚は、こんな画像です。見事なまでに落ち葉の模様に同化しているヤマシギです。

あまりにもわかりにくいので、剥製の写真をご紹介します。

この鳥は主に夜行性(この映像では午後の明るい時間帯に写っていました!)で、森の中の地面でおとなしく生活しているため、バードウォッチャーにとってもなかなかお目にかかる機会の無い鳥です。それが、センサーカメラではしっかりと写り、博物館お隣の樹林に生息していることがわかりました。
たくさん写っていたタヌキやヤマシギ、トラツグミなどの剥製と見比べながら映像を見ていただきました。

今回ご紹介した画像では、動物たちの生態や特徴的な行動も見ることができて、映像が持つ情報量の多さを実感していただけたと思います。
そしてオマケです。こんなカメラですよ、と紹介するためにセンサーカメラを実際に持ってきていたのですが、ミニサロンの間、ずっとスイッチを入れておきました。

これもセンサーカメラの画像です(ご本人とご家族の承諾を得て公開しています)。
デジタル技術と赤外線センサーが発達して、長時間にわたる鮮明な画像が残せるようになったことで、野生生物の調査効率も格段に上がっています。ふだんあまり見ることの無いこうした映像を通して、生々しい野生動物たちの生活のようすを垣間見ていただくことができたと思います。

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地上に咲くバラ

毎年この時期になると、博物館のお隣の樹林地の地面に、バラの花が咲きます。
いや、正確には、落ちています。
1月28日(土)12時からの「生きものミニサロン」の下見のために歩いていたら、今年も落ちていました。

これはもちろん、バラではありません。ヒマラヤスギの球果(松ぼっくり)です。ほんとうはもっと細長くて大きいのですが、下3分の2くらいが木の上で熟し切ってはがれ落ちてしまい、先端だけがこうしてまとまって地面に落ちると、バラのように見えるのです。ドライフラワーでは人気の素材です。
さて、この球果を分解してみました。下の写真は、種子2つと種鱗(しゅりん)が重なった1セットです。これがお行儀よく重なりあって球果を作っています。

種鱗は、種子が熟すまで支える棚のようなもので、熟すとこれが開いて種子を落とします。種子には膜状の大きな翼(よく)があります。

長径が1センチもある大きな種子なので、翼も大きいですね。
ところで、こんなふうに分解していて気付いたことがあります。種鱗を1枚ずつはがしていくと、2個セットの種子のうち、片側しか実っていないものばかりでした。しかも、向かって右側だけ実っています。

おや?そんな法則があったかな?と思って図鑑を調べてみましたが、当然、通常は2つとも実るようです。さらに種鱗をはがしていくと、そのうち両側とも実っていないものばかりになりました。結局、まとまって落ちた先端3分の1は、親木がじゅうぶん種子を落としたから残りは「もういいか」という感じで落としたもののようです。
なぜ先端がバラのようにまとまって落ちるのか不思議でしたが、どうやらそんなことのようです。それにしても、その境目あたりの実り方が右側に偏る理由はよくわかりませんね。

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ドキドキ!?土器洗い

さて、何を干しているところでしょう?

ぐわかるかも?

これはタイトルのとおり「土器」なのです。

一つ一つは数センチ四方ほど。

これを・・・

一つ一つコツコツと、専用のブラシを使って洗います。

今回、この作業にはさがみはら若者ステーション(http://parasute.jp/)から職場体験のみなさんにも参加してもらっています。

土器の量はかなりたくさんあるので、相当、根気が求められる作業です。

職場体験の数日間で終わる作業ではありませんが、ありがたい助っ人として作業をしていただきました!

なお、この土器片は、3月18日から開催予定の企画展「相模原市の遺跡2017」で披露する予定です。どうぞお楽しみに。

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1月26日は文化財保護デー!

数日前のことですが、博物館の大型バス用駐車場に消防車が・・・。

博物館で火事!?それとも何か事件が!?

いえいえ、ご安心ください。

1月26日の文化財保護デーを前に、市の文化財を多く収蔵している博物館の状況について、消防署の立ち入り検査があったのです。

消火器や・・・

 

設備の確認など。

写真にはありませんが、特別収蔵庫での保管状況や、地下の機械室なども確認していただきました。

立ち入り検査の結果は、「問題なし」。

博物館では、後世に残すべき収蔵品を、これからも大切に守っていきます!

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落とし物(その2)

1月22日、博物館の専門ボランティアグループのひとつである相模原動物標本クラブの活動日でした。この日は標本資料を保管している冷凍庫の整理を行い、作業途中のものや、しばらく冷凍になったままの動物遺体などの状態をチェックしました。
その後、メンバーの数人がお昼休みにお隣の樹林地を歩いていて、落とし物を見つけて持ち帰ってきました!早速整理します。

先日(1月19日)の記事で、市内中心部で拾われた猛禽類の落とし物であるハイタカの羽根について紹介しました。今回もやはり猛禽類の落とし物ですが、羽根はキジバトのものでした。一カ所にまとまって落ちていたということなので、オオタカなどの猛禽類がキジバトを捕らえてその場で羽根をむしり、食べやすい状態にして食事場へ運んだのでしょう。

1枚ずつ部位を確かめながら、そして、風切羽や尾羽は順番を推定しながら並べていきます。飛ぶための機能に特化した羽根や、保温や色合いを出すことに重点が置かれている羽根など・・。野外観察や図鑑で全体像だけ見ていても気付かないさまざまなことが、こうした標本を作りながら見えてきます。

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落とし物

野生生物のなかでも、もともと生息数が少ないもの、夜行性のものなど、ふだん私たちが出会う確率が低い生きものたちがいます。猛禽類と呼ばれる鳥たちの多くも、そうした生きものの一つです。それが、思わぬ形で生息の証拠を得ることがあります。これは、その一つ。

ハイタカという小型のタカの、風切羽(かざきりばね)の一部です。このような落とし物を、フィールドサインと呼びます。

ハイタカ

1月17日に、博物館のボランティアさんのお一人が市役所に近い場所で拾われて、博物館へ持ってきて下さいました。じつは、この標本のおもしろいのは、羽根の付け根に骨がついている点です(生々しいので写真には入れていません)。いわゆる手羽の部分が丸ごとと、上腕骨までついていました。そもそもハイタカを襲って食べるというと、このあたりではより大きなオオタカか、ハヤブサくらいでしょう。

オオタカ

そして、それをまたこんなにきれいに肉をそぎ落とすとしたら、食べ残しを別の鳥がついばんだか?と推測できます。猫など獣類の場合は歯形が残りますし、噛みちぎってしまうのでこのような食べ痕になりません。
一つの自然の落とし物から、市街地での大小のタカの生息と生活のようすが垣間見えてきます。

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考古学連続講座 全5回終了!

1/15(日)に全5回にわたって開催された考古学連続講座が終了しました。この講座は、博物館と市文化財保護課の考古担当学芸員5人が、市内の考古資料や遺跡について紹介した連続講座で、毎回熱心な考古学ファンの方などが参加していました。

珍しく若い女性の方(=考古女子!?)の参加もありました

特に、1/15の最終回「相模原の考古学史」には90名もの参加があり、しかも若い世代の方の参加が、いつもより多く見受けられました。

会場内は大盛況で空席ほとんどありません!

今回の5回の講座により、市内に多くの遺跡があることを知っていただき、その遺跡や出土品などへの関心を深めていただけたと手応えを感じております。

みなさん熱心にお話を聴いておりました

率先して質問された方もいました

今後も、発掘調査の成果により、市の歴史が少しずつ解明され、謎が少しずつですが紐解かれていくことと思います。博物館としては、そうした発掘調査の成果や出土品について、展示等で広めていきたいと考えておりますのでご期待ください。

3月18日(土)からは考古企画展「相模原市の遺跡2017」を開催します。今回は、クイズ形式で展示を行い、お子さまでも楽しめる内容を予定していますので、ご来館をお待ちしております。また、様々な関連事業も予定しております。詳細は、広報さがみはらや当館のホームページに後日掲載します。

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FMさがみ 団長が行く 「博物館探検隊」の収録~歴史講演会「相模原と近代神奈川」ほか~

FMさがみの番組「団長が行く」の中で、毎月第3日曜日に流れる「博物館探検隊」の収録が1/12にありました。今回は、2017年の第1回目の「博物館探検隊」として、近代の幕開けをテーマにした1/29(日)の歴史講演会「相模原と近代神奈川」を中心に、1月下旬~2月上旬のイベントを紹介します。

何度やっても収録は緊張します・・・

今回の歴史講演会は、横浜開港、戊辰戦争、近代国家の形成など、激動の幕末・維新期から明治前半頃の相模原周辺及び神奈川県の様子などについてお話いただきます。講師は、中央大学文学部教授の松尾正人先生で、明治維新、廃藩置県の研究などが専門です。

幕末・維新ファンの方はぜひ!!

この放送は、1/15(日)の午後4時40分頃です。1/29の歴史講演会以外にも、1/22の「いろいろな砂を顕微鏡で見てみよう!」、1/28「生きものミニサロン」、2/4星空観望会、2/5「繭うさぎ作り」など博物館では、さまざまなイベントがありますので、ぜひご来館ください。

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美しい標本

昨年12月14日は、学芸員とともに博物館の動物資料の標本化を担ってくれている専門ボランティアである、相模原動物標本クラブの活動日でした。
この日、メンバーのお一人の標本士さんが、大きめの鳥の剥製の仕上げをしています。

ノスリというタカのなかまの本剥製ですが、ふつうの剥製とちょっと違います。片方の翼だけ広げ、さらにお腹のあたりから持ち手が出ています。これは、鳥の翼の機能や構造を解説するときのためにリクエストして作っていただいたものです。どの部分の造形もすばらしいのですが、特に、顔です。脊椎動物は顔も骨だけでなく、筋肉などさまざまな組織で細かな凹凸などをつけているので、剥製でそれを表現するのは極めて困難です。しかし・・

この手持ち剥製の造形は、私たちが野外で見るノスリそのものの顔です。間近で見ているとそのひとつひとつの工程に唸ってしまうのですが、細かいことはさておき、その技術の確かさをこの顔が物語っています。
ノスリを仕上げたあと、標本士さんはばらばらになった骨を取り出しました。

これも、鳥の骨格を学ぶ講座で使いたいと考えている、ハシブトガラスの全身骨格です。こちらは漂白処理までされていて、ばらばらの標本をこれから組み立てていくところです。
これまで行ってきた講座で、子どもから大人まで、一番興味を引く標本が骨格です。骨格を目の前にしたときの受講者のみなさんの目の輝きをまた見たくて、これもリクエストして製作をお願いしました。
確かな技術でつくられる標本は、機能に基づいた美しさを備えています。

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