生きものミニサロン 冬ごもり中を失礼します!

クリスマス・イブの12月24日、恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは、これです!

樹名板。木の名前を覚えるの?
いやいや違います。冬、この樹名板をひっくり返してウラをのぞくと・・

いろいろな生きものたちが、冬ごもりをしています。テントウムシのなかまがどっちゃり。ちょっと小さな観察対象なので、みなさんに代わる代わるのぞいてもらいました。

そして、テントウムシのおふとんのようになっていた白いわたわたの中には何がいるのかというと・・

アリ?
いえいえ、違います。これはアリグモ!アリに擬態しているクモです。正面からお顔を見ると、正体見たり!

ルーペ付きのミルビンに入れてじっくり見てもらいました。

ほかにも、このミニサロンの定番、ヨコヅナサシガメや、ヤモリを観察しました。さらに、風に乗って遠くへ落ちる工夫がされているケヤキの種子(ケヤキコプター)なども観察していただきました。
冬休みに入り、たくさんの方にご参加いただき、とても楽しく自然観察ができました。みなさんの「おおーっ!」という声や、お子さんたちの「ナニナニ~?」とずんずんと近づいてくるようすに、主催者としてこの上ない幸せを感じます。
来月は1月28日(土)です。お楽しみに!

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頭隠して・・

12月21日、緑区某所で定例の生物調査を行いました。調査中、地面近くでなにやら不穏な動きが・・猛禽類(素早くて種類は同定できませんでした)がドタバタやっていて、近づくと飛び立ちました。後に残って弱々しく声をあげていたのは・・

アオゲラ(キツツキ科)でした。猛禽類に襲われて慌てて法面の穴に隠れようとしたのでしょう。頭を穴に突っ込んでじっとしていました。
間に水面があって近づけなかったので、このあとどうなったのかわかりませんが、猛禽類から逃げおおせたでしょうか。
こちらは逆に、カラスに追われるトビです。

「いやぁ~」と声を上げているように見えますが、実際は「ピィ~」と鳴いています。
別の場所では、オスジカが日だまりで休んでいました。

今年のNHKの大河ドラマを想像させてくれる立派な角(真田幸村の兜が鹿角をあしらったものだったので)でした。

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悪そうな顔

毎月恒例の生きものミニサロンの準備でお隣の樹林地で写真を撮っていたら、なにやら不穏な視線を感じました。
木の枝に、悪そうな顔が!

というのは大げさですね。ハリエンジュの冬芽です。正確には、葉が落ちた痕の葉痕です。冬芽は中に埋もれています。なんだか、角のある顔に見えます。
冬晴れの青空を見上げたら、まわりの緑がなくなって、この時期こそ元気に見えるつる性の常緑樹、テイカカズラが盛大にまとわりついていました。

葉が落ちて明るい林内で目立つものがもう一つ。ノイバラの果実です。

鳥に食べられたりしてほとんど無くなっていましたが、なぜかぽつんと一つ。
ぴりっと冷えた空気に、この透明感がなんとなく似合っていました。

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クワエダシャク

今朝(12月4日)の空は、巻積雲の二重雲が出ていました。低い位置の太陽から照らされた巻積雲の層状雲(いわゆるうろこ雲)の下に、まだ太陽の光が直接当たっていない下層の巻雲の毛状雲が重なっていました。

二重雲はけっして珍しい雲ではありませんが、こうして早朝や夕方に出ると、太陽の光の当たり方で、日中はわかりにくい高さの違いが明瞭になります。
さて、雲とはまるで関係ありませんが、今日出かけた八王子市の某所で、こんなものを見かけました。クワの枝です。

ただの枝・・・ではありません。Y字の右側(手前側)は、枝ではなく・・・

クワエダシャクという蛾の幼虫、つまりイモムシの擬態でした!!
この時期、葉の落ちたクワの枝先についていることがあります。見事なまでの擬態!
これを見つけると、とてもトクした気分になります。
(生物担当学芸員 秋山)

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フレームになる建物

今日(12月3日)は朝からとても気持ちの良い青空が広がりました。上空には高積雲の半透明雲が出ていました。

普通に見られる雲ですが、水に溶いた絵の具をササッ、ササッと塗ったような微妙な色合いと形が好きで、つい写真を撮ってしまいます。はかなくすぐに消えてしまうのもなんとなくありがたみが増します。
お隣の樹林地の遊歩道は、落ち葉のレッドカーペットが敷かれています。

さて、相模原市立博物館は博物館としては珍しく、室内へ外光を積極的に取り入れる設計になっています。そのためガラスの壁面が多く、室内から見ると四季折々のまわりの風景が、建物をフレーム(額縁)として天然の絵画のようになります。ちょっと立体的なフレームですが・・

地階大会議室前のホワイエから正面のガラスを見上げると、青空と紅葉を写した作品を見ることができます。

今日は「さがみはら宇宙の日」、「はやぶさ2」トークライブVol.6が行われています。

ミッションマネージャーの吉川真さん、プロジェクトマネージャーの津田雄一さん、そして海外から駆けつけてくれた研究者も交えての豪華な顔ぶれで、満席の大会議室です。
トークライブ終了の頃には、天然の絵画は夕焼け空に塗り替えられているかもしれません。
(生物担当学芸員 秋山)

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うな丼の科学

おかしなタイトルですね。うな丼に科学?
じつはこれ、今月12月11日(日)に実施する生物学講演会のタイトルなのです。サブタイトルは、「食卓を守る海洋生物学者の眼」。

講師は市内南区にある北里大学海洋生命科学部准教授の吉永龍起さんです。吉永さんはもともと、海洋動物の生息基盤となる海水プランクトンの研究者です。2011年まで岩手県大船渡市にあった海洋生命科学部が東日本大震災で被災し、相模原へ移転せざるをえなくなりました。突然の移転でまだ整っていなかった研究環境の中、研究室の学生たちと見つけた研究テーマはなんと、スーパーのウナギの蒲焼きを片っ端からDNA検査して、その原料となるウナギの種を割り出すという仕事でした。
さてその結果わかったことは・・
この続きは、講演会で!!
12月11日(日)14時~16時
相模原市立博物館大会議室 定員200名(当日先着順)
聴講無料です!
(生物担当学芸員 秋山)

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冬への準備

暦の上の秋が終わろうとしていますが、毎年空気がひんやりしてくると、博物館の植栽木に付けられている樹名板が気になります。
ウラ側をそっと覗くと・・・

いました!冬眠の準備に入ったヤモリです。
爬虫類の冬眠は、いわゆる睡眠ではありません。徐々に呼吸や心拍数を下げ、必要最小限の代謝に抑えた状態をつくります。人間のように「さあてそろそろ寝るか!・・ぐっすり」というわけにはいきません。

こうして物陰で温度が安定した場所に出たり入ったりしながら、いよいよ気温が5度を下回るような日が続くと本格的な冬眠に入ります。
生き延びる保障の無い長い眠りに入ろうとしているヤモリに、来年また春が来ますようにと祈りつつ樹名板を元に戻しました。
(生物担当学芸員 秋山)

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雪虫ただよう

今日(11月29日)は晴天を利用して、お隣の樹林地で生きものミニサロンの素材となるプログラムを試していました。
すると、日だまりをふわふわと飛ぶ白いものがいたので、追いかけて写真を撮りました。

雪虫(ゆきむし)です。
北海道などでは初雪の頃に見られ、飛ぶ姿も雪が舞うように見えることから季節の風物詩となっています。
ただ、雪虫というのはこのなかま、アブラムシに近い昆虫でもさもさした白いものをまとって飛ぶ種類の総称です。この写真の個体がなんという種類なのか、よくわかりません。代表的なのはトドノネオオワタムシやリンゴワタムシというらしいのですが・・それは北海道の雪虫のことかもしれず、関東地方にもいるのかどうかもわからず・・同定できません!!

関東地方ではあまり話題にならないのですが、私自身、神奈川県内で子どもの頃から見ていて、秋の終わりと、ほんのりとした郷愁を感じます。
雪虫の飛ぶ先を見ていたら、こんな色も。樹林地の中で、なぜか1本だけ見事に橙色に色づいているコナラの木があります。先日の雪の日にもご登場いただいたあの木です。

街路樹のイチョウも黄金色に色づいてきて、いよいよ紅葉もラストスパートを迎えようとしています。
(生物担当学芸員 秋山)

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青陵高校でビオトープの授業

今日(11月28日)は休館日ですが、南区の県立相模原青陵高校1年生に授業を行ってきました。
お題はビオトープです。

中庭にある、典型的な学校ビオトープです。設置から時間が経ち、しばらく放置された状態だったようで、これをこれからどうやっていこうか?ということで相談がありました。それならば、ということでまずは前提となる生物多様性について考えてもらいました。

そして中庭に出て、現状を確認します。生きものの立場として、あるいは青陵高校の生徒としてこの水辺をどうとらえるか・・

周辺環境に生息する動物になったつもりで、このビオトープの良いところと悪いところ、そしてこれからどうあって欲しいかをグループで考えて、発表してもらいました。

中には、トンボやアリ、ザリガニ、タヌキなどいろいろな動物の気持ちで考えてくれたグループもいました。
こうして将来ヴィジョンを具体化していくためのコンセンサスの形成の難しさと、異なる立場の見方を考えるシュミレーションとして取り組んでもらいました。
落ち着いて熱心に話をきいてくれて、でも合間にはニコニコと楽しそうに生活するようすに、よい雰囲気の学校であることが感じられました。来年の学びの収穫祭に参加して欲しいな、と今から考えてしまいました。
(生物担当学芸員 秋山)

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桂川・相模川流域シンポジウム

昨日(11月27日)は緑区のソレイユさがみで第22回桂川・相模川流域シンポジウム「守ろう、つなごう かつら川・さがみ川の豊かな自然」(桂川・相模川流域協議会:主催、相模原市:共催)が行われました。

ちなみにこのプログラムの素敵な生きものイラストは、当館動物標本クラブのYさんによるものです。ポスターやチラシにも使われていて、生物多様性を合い言葉として行われたこのシンポジウムのテーマをわかりやすく、かわいらしく表現しています。
開演前の特別アトラクションでは、緑区の相州城山谷ヶ原囃子連によるお囃子と獅子舞が披露されました。

伝統芸能を幅広い世代の人たちがつないでいく姿に、会場から大きな拍手が送られました。
さて、第一部の基調講演は知る人ぞ知る昆虫マニアでもある養老孟司先生のご登場です。

養老先生は、お母様が津久井のご出身であり、昆虫の専門家として「津久井町史自然編」にもご執筆いただいているという相模原と深いつながりのある方です。ご講演は、おもしろすぎる!つかみ(ネタバレの可能性があるので中身は明かせませんが・・)で会場をガッチリ一つにして、米国大統領選挙の結果や英国のEU離脱といったグローバルな話題から生物多様性の核心へと切り込む話術に引き込まれ、あっという間の一時間でした。

第二部では「自然保護活動の報告 みんなの参加を実現するために」と題し、上流から下流に至る相模川流域での6本の活動事例報告が行われました(私はコーディネーターを務めさせていただいたので、写真はありませんが・・)。
ここでは、地元にこだわって地道な活動を続けるみなさんの楽しげな写真がたくさん見られました。養老先生の講演の中でも、人間が同一化しようとする「意識」に対して違いをとらえる「感性」のバランスが持続可能な社会を作るというお話がありました。理屈ではなく「地域を守りたい」という感性を大切にした活動が、つながりと広がり、そして継続のカギになるということをみなさんの発表から教えていただきました。
(生物担当学芸員 秋山)

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