令和6年度学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」を開催します!

9月22日(日)から令和6年度学習資料展「相模原70年と学校給食のあゆみ」を開催します。

「学習資料展」は、小中学生の皆さんの学習に役立てていただくことを目的にした企画展で、博物館ボランティア「市民学芸員」との協働で毎年開催しています。
今年のテーマは2本立てです。まず、今年は相模原市の市制施行70周年の節目の年であることから、本企画展では、市制施行の1954(昭和29)年から現在までの70年間のあゆみを、幅広い分野の資料とともに振り返ります。
さらに、相模原市では再来年に学校給食の開始から70年を迎えます。そのことに関連し、市の学校給食のあゆみについてもご紹介します。こちらでは学校給食課から借用した給食の調理器具の実物なども展示します。ご期待ください!

現在、特別展示室内では、市民学芸員の皆さんにより展示の準備が進行中です。

年表のパネルを壁に打ち付けます

展示物たち

ジオラマ展示も着々とできあがっています

展示の見どころは、追って本ブログで紹介したいと思います。

また、展示がオープンする9月22日(日)の午前10時~午後3時には、学習資料展の関連イベントを3つ実施します。学習資料展恒例の「ぶんぶんゴマ」作りと、食育に関する紙芝居(11:20からと13:55からの2回公演)、さらに、相模原市の食育推進マスコットキャラクターである、とってもかわいい「サガピー」のぬいぐるみとの記念撮影イベントも実施します。詳細は館のホームページをご確認ください。

皆さまのご来館を心よりお待ちしております!
(動物担当学芸員)

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民俗分野実習4日目(9月19日)

皆さんこんにちは。民俗分野の実習生です。

分野別実習4日目の今日は、展示発表で用いる資料の清掃・選定、展示パネル作成を行いました。

展示候補の資料を確認しました。メンテナンスを行うことで資料がよりきれいになりました。

メンテナンス作業を行っている様子

メンテナンス完了!ピカピカになりました。

資料が綺麗になったので、次に展示発表で用いる資料の選定を行いました。展示ケースの大きさや、資料のバックグラウンド、使用用途の観点などから2点の資料を選びました。どの資料も魅力的で、資料選びに苦戦しました。

展示資料を選定中

後半は展示パネル作成に入りました。
限られた文字数の中で資料の歴史や魅力が伝わるパネルを作成するのが難しかったのです。

明日からは展示設営が始まります。皆さんに楽しんでいただけるような展示になるよう頑張ります。お楽しみに〜✨

(令和6年度民俗分野実習生)

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タカの渡りが始まっています

9月中旬となり、タカの渡りのシーズンを迎えました。全国各地に観察ポイントがある中、市内でもいくつかの場所でカウントが行われています。9月17日にその一つのポイントへ行ってきました。
まだ数は少なかったのですが、サシバとハチクマがそれぞれ数羽ずつ、西へ流れていくのを確認しました。とても遠い空を飛んでいたので、望遠レンズで撮影した写真をさらに拡大しても、これくらいの大きさです。それでも、シルエットからハチクマであることがわかります。

ハチクマの飛翔

渡りと、普通に飛んでいるのとどう見分けるのか不思議に思われるかもしれませんが、実際に見るとはっきりわかります。旋回しながら一気に高空へ上がり、あっさりと西へグライディングしていきます。その潔い切り替えとスピードは、通常の飛翔とは大きく異なるからです。
飛ぶ数が少なかったので、合間に付近の草地に目をやると、ツリガネニンジンが咲いていました。

ツリガネニンジン

さらに足元でなにか動いたと思ってそちらを見たのですが、何も見つけられません。

なにか動いたはず・・

おかしいなと思い、さらに目を凝らすと・・

上の写真の中央やや右を拡大して見ると、ショウリョウバッタがいました

見事な保護色のショウリョウバッタでした。
これから2週間ほどは、天気予報から目が離せません。午前中が晴天で西向きの風が吹く日は、渡る数も多くなります。それがスケジュールとうまく合ってたくさんのタカを見られたら、またこのブログで紹介したいと思います。
(生物担当学芸員)

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日本鳥学会大会に参加しました

9月13日~16日まで、東京大学農学部を主会場として日本鳥学会2024年度大会が開催されました。日本の鳥学の最前線を知ることができるとても刺激的な大会です。

東京大学農学部(弥生キャンパス)で開催されました

学会というとプロの研究者の集まりのように思われがちですが、学生はもちろん、アマチュアの研究者もたくさん参加します。特に鳥学会は若い人の比率が高いように思われます。小学生から高校生の年代も数百人参加していたとのことで、こうした年代によるポスター発表もたくさんありました。
当館学芸員も、自由集会「博物館施設の標本製作の現状と課題」の中で、「若い人を博物館に呼びこめる!ホネホネ活動」と題した事例報告を行いました。

満席となった自由集会の様子

当館の標本製作ボランティアグループの「さがみホネホネ団」の活動の経緯や、これに近隣の大学生や高校生がたくさん参加してくれていることなどを紹介しました。終了後に「自分も活動に参加したい」との声を多くいただくことができました。
そして、今年の大会の目玉の一つがこちら「日本鳥類目録第8版」の刊行です。

日本鳥類目録改訂第8版

12年ぶりとなるこの改訂版は、大会に合わせて販売開始となりました。「鳥類目録」とは一般に馴染のない書籍だと思いますが、鳥学に関わる人にとっては必携の書です。というのも、日本に分布する鳥類の学名や、仲間分け(科のくくり方)とその並び順(分類順)は基本的にこの目録に準拠することになっているからです。ちなみに、市販の図鑑もこの目録に従って配列や科名、学名などを記載しています。
分類学や生態学、発生学、病理学など、様々な切り口からたくさんの研究発表が行われただけでなく、研究機器のデモンストレーションや鳥グッズの販売、野外観察会など盛りだくさんの内容で充実した4日間でした。
(生物担当学芸員)

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小学校で虫のおはなし

先週、市内の小学校からの依頼を受け、2年生と3年生に向けて昆虫に関するおはなしをしました。
2年生の皆さんからの依頼のお題は「生きものなかよし大作せん」。素敵なタイトルです!
まずは学校の回りにいそうな虫たちとその探し方のポイントをおはなしし、そのあとはお待ちかねの虫探しの時間です。

クイズ、わかるかな?

網や虫かご、カメラ付きのタブレットを手に、校庭や中庭に出発です。

虫を探します!

大人気だったのは「セスジスズメ」というガの幼虫です。

教室に戻り、どんな虫を見つけたか、みんなと共有しました。
児童のみなさんがタブレットで撮った写真をモニターに写して紹介しました。
直に触った虫でも、大きな画面で見るとまた違った気づきがあります。

タブレットから写真をアップロード!ハイテクです

お次は3年生の授業。
こちらの学年はアゲハチョウやモンシロチョウをたくさん飼育しているとのことで、座学でチョウのおはなしをしました。

たくさんの虫かごが並んでいます

質問もたくさんもらいました!
チョウの幼虫や蛹(さなぎ)の色、チョウに寄生(きせい)するハチについて、特に関心があったようです。

みんなチョウが大好きだそうです

元気な小学生の皆さん、お話をしっかり聞いてくれてありがとうございました。
(動物担当学芸員)

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遊ぶカラス

先日、市内南区のある公園近くを歩いていると、ヒマラヤスギのてっぺんあたりを4羽のカラスが飛び回っていました。

若いハシブトガラス

ケンカでもなく、何か明確な目的があるようにも見えなかったので不思議に思い、しばらく観察してみました。どうやらこれは「遊んでいる」ようでした。
鳥の中でも知能が高いと言われるカラスの仲間は、しばしばこうして遊ぶことが知られています。この時も、若い(おそらく今年生まれた)ハシブトガラスが、ヒマラヤスギの頂(いただき)をめぐって陣取り合戦のようなことをやっていました。

陣取り合戦?

風が強い日だったので、向かい風を利用して1羽がとまると、別の個体がちょっかいを出して飛び上がり、その個体がとまる・・ということを5分以上繰り返していました。

てっぺんは安定しないので、長くとまっていられないようでした

そのうち飽きたのか、近くの草地へ飛び去って行きました。カラスは高いところから物を落としては空中で拾い上げたりといった繰り返し行動もよく観察されますし、様々な遊びをします。子どものころからこうした行動をとおして、群での行動や食べ物の探索などの技術を習得していくのかもしれません。
(生物担当学芸員)

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「惑わない星」×みお スペシャルトーク開催しました!

9月8日(日)、プラネタリウムで「惑わない星」×水星磁気圏探査機「みお」スペシャルトークを開催しました。

人気マンガで今年完結した『惑わない星』(講談社)の作者、石川雅之さんと、「みお」のプロジェクト・サイエンティストとして活躍中の村上豪博士(JAXA)によるスペシャルトークです。

石川雅之さん(左)と村上豪博士(右)

今晩の星空解説の後に始まったトークタイムでは、冒頭、国際プロジェクトであるベピ・コロンボ計画と「みお」の現在、そしてこれからの予定について村上博士からお話いただきました。

村上豪博士(左)と石川雅之さん(右)

そして、惑星擬人化マンガという唯一無二のジャンルを切り拓いた『惑わない星』の創作の秘密に迫るお二人の対話に、参加者のみなさんもどんどんと引き込まれていきました。

“水星”のキャラクターをドームスクリーンに映し出してのトーク

特に、「宇宙って怖い!」という原体験があったという石川さんが、どんな思い入れで惑星のキャラクター設定をされたのかといった内容は、独創的な物語の土台がどのように築かれたのかを知る貴重なお話でした。

惑星キャラ勢ぞろい!

終盤、「水星に向き合うことで、人類が一つになれるかもしれない」と思ってプロジェクトを進めているという村上博士のお話がとても印象に残りました。改めて、博物館のお向かいにあるJAXAが世界へ、宇宙へとつながっていることを実感できるひと時でした。

参加者のみなさんへプレゼントされたステッカー(みおと、惑星の中から1枚ずつ配布)

終了後には完結編の第9巻へのサイン会も行われ、石川さんは列に並ばれたお一人ずつに丁寧に対応されていました。

石川雅之さんのサイン会(村上博士のサインを求められてる方も多かったです)

JAXAと連携した贅沢なトークショーでしたが、相模原市立博物館ではこれからもこうしたコラボレーション企画を実施していきたいと思います。

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イネの開花

9月5日、緑区上大島の水田地帯を歩いていると、イネが開花していました。

イネの開花 花びらはないけど、おしべが籾から飛び出ています

イネの開花期は8月中旬ころがピークなので、時期としてはちょっと遅く、晩稲(おくて)の品種かもしれません。近くには、すでに穂を垂れているイネも多くありました。

同じ日に撮影した、実り始めているイネ

イネの開花と言いましたが、じつは、すでに花は閉じています。おしべが籾(もみ)からはみ出ていますが、正確に開花というと、籾が二つに割れた状態で、これは午前中の数時間しか見られません。写真を撮影したのがお昼ころだったため、ほぼすべての花が閉じていました。

開花後のイネ 籾はすでに閉じています

水田の道路際では、田んぼの代表的な雑草であるオモダカが咲いていました。家紋のモチーフにもなっている独特の形の葉が特徴です。

オモダカ 独特の葉の形が特徴です

近くでは、収穫に向けて、農家の方が稲刈りの邪魔になる雑草を取っていました。日に日に田んぼの色も黄金色に変わっていくことでしょう。
(生物担当学芸員)

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【直前情報】石川雅之さんのサイン会実施します!

9月8日(日)に実施のスペシャルイベント「『惑わない星』×水星磁気圏探査機「みお」スペシャルトーク」の直前情報です。

『惑わない星』の作者である石川雅之さんのサイン会を、スペシャルトークの終了後に実施することになりました。
当日、博物館ミュージアムショップにて販売予定の『惑わない星』第9巻(最終巻)をご購入いただいた方限定となります。著者サインをご希望の方は、お早めにご購入ください。

みおⒸ石川雅之/講談社

スペシャルトークでは、「みお」プロジェクト・サイエンティストの村上豪博士から、探査計画の進捗状況や、みおの最新情報もうかがえるはずです。また、『惑わない星』の単行本第4巻に収載されている「スイングバイ解説マンガ」を監修した村上博士から、石川さんにうかがいたいことがたくさんある!とのことですので、どんなお話が飛び出すのか楽しみですね!

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オオシロカラカサタケ

先日、市内南区の相模川沿いにある公園で、こんなキノコが群生しているのを見ました。

オオシロカラカサタケ

オオシロカラカサタケと思われます。もともと暖地性のキノコなのですが、近年、公園の芝生などによく見られるようになりました。

オオシロカラカサタケ(幼菌)

幼菌はかわいらしく、成長して傘を広げると直径15センチメートルくらいになる立派な姿をしています。が・・・毒キノコです。誤食すると激しい胃腸症状を引き起こします。雑木林によく生えている、食用のカラカサタケと色合い以外よく似ているので、注意が必要です。
ただ、カラカサタケ自体も、一見すると猛毒のキノコが多いテングタケの仲間によく似ています。

毒キノコの代表格、ベニテングタケ

野外観察会などでキノコを観察していると、「これは食べられますか?」ときかれることがよくあります。そんなときはちょっと意地悪く「食べてみたらわかるかもしれません。命の保証はできませんが・・」と答えます。キノコ採りの初心者は、野外で自分が見つけたキノコを食べてはいけません。地元の「キノコ採り名人」の指導のもとで採集したキノコだけを食べるべきです。キノコは種類がとても多く、図鑑に掲載されていないものの方が多いくらいです。間違った迷信や、ネット上にも誤情報があふれています。そうした情報を決してあてにしないでください。
「食べられるかどうか」より、キノコ、すなわちカビの仲間が、生態系の中の分解者として有機物を無機物へと分解する極めて重要な役割を担っている存在であることを意識していただきたいと思います。
(生物担当学芸員)

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