北八ツ再訪 モルゲンロートと山の鳥

休日と振替休日を利用して、北八ヶ岳を再訪してきました。個人的な山行なので細かいことはすっとばし、出会った風景や動物などをポンポンと挙げていきます。北八ヶ岳の中でも特異な空気に包まれた空間のミドリ池です。

こちらは二日目の朝、朝日が天狗岳東斜面に当たってモルゲンロート(朝日を浴びて山が赤く染まるようす)を見せてくれているところです。

ちょっと写真が小さくて見づらいと思いますが、ミドリ池の水面には、月が映り込んでいます。
そのミドリ池のほとりに立つしらびそ小屋に来ていたニホンリスです。

ゴジュウカラも忙しく枝を移動していました。

二日目に黒百合平へ上がると、美しいルリビタキのオスが出迎えてくれました。

ホシガラスは間近で見られたのですが、カメラの設定をいじる間もなく飛び去ってしまい、ちょっと白飛びした写真です。

何種類かの冬鳥にも出会いました。アトリが群れでナナカマドの果実を食べていました。こちらはメスです。

頭の黒ずきんがハッキリしているオスも。

さて、このところ「うえぇ」な写真でまわりの職員からも賛否両論をいただいていますが、今回もひとつ。
キシャヤスデです。

概ね8年ごとに大発生することが知られているヤスデで、かつてはそのたびに線路を覆い、勾配のきつい小海線をストップさせたことからこの名がついたそうです。今年は大発生の年のようで、麓から標高2000メートル以下の林内のいたるところで姿を見ました。
とにかく嫌われ者の生きものですが、ヤスデは森の生態系の中でとても重要な役割を果たしています・・・が、話しが長くなるのでここでは省略します。
次は風景と紅葉の写真をアップします。
(生物担当学芸員 秋山)

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相模原では味わえない!弥生時代の環濠集落 綾瀬市の国指定史跡「神崎遺跡」資料館見学

今日は博物館ボランティア「相模原縄文研究会」の研修として、この5月にオープンした綾瀬市の神崎遺跡資料館の見学を行いました。

資料館の外観・・・外壁に高杯土器のワンポイント発見!

神崎遺跡は約1800年前の弥生時代の遺跡で、周囲を溝で囲んだ環濠集落です。さらに出土した土器は、その95%が東海地方(浜松付近)の土器の形態と同じで、炉の位置など住居の形状も同じくその影響が見られます。これらのことから、東海地方の人が集団でこの地に移住したことを示す遺跡で、かつ環濠集落全体がほぼ完全な形で残っている点が評価され国指定史跡となり、現在綾瀬市による史跡整備が行われています。

東海地方からの移住を示す床面展示

実はこの綾瀬市の史跡整備には、陰ながら相模原市も協力しており、同じ国指定史跡の史跡田名向原遺跡公園、史跡勝坂遺跡公園の整備にかかわる資料などを提供したり、何度となく電話をいただきやりとりをしました。今日資料館を拝見し、多少なりとも参考になった所があったのではと感じましたので、大変うれしく思いました。

環濠集落の1/50模型

これから整備予定の野外部分

縄文研究会のみなさんも熱心に説明を聞き、次々と質問するなど非常に関心を持って見学していました。相模原ではほぼ確認されていない弥生時代の遺跡だけに、新鮮な思いで聞き入っていたようです。綾瀬市も以前は弥生の遺跡はほとんど確認されていなかったとのことで、今後相模原でも弥生遺跡発見の可能性はあるとの説明もあり、期待に夢をふくらませたりもしていました。

相模原でも弥生遺跡の発見が今後あるかも!?との説明

神崎遺跡の整備は、まだ完了ではなく、今後野外の整備を行うとのことです。竪穴住居の復元まではしないようですが、集落のようすがわかる住居跡の表示や、環濠の定期的な実物展示を行っていくとのことで、非常に楽しみです。時代は違いますが同じ史跡公園のある市として、今後連携事業などができればおもしろいと感じました。
みなさまも相模原では見られない弥生時代を体感しに、訪れてみてはいかがでしょう。

(歴史担当学芸員 木村弘樹)
(考古担当学芸員 中川真人)

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歴史講座 愛川町小沢城への下見

今日は10/29(土)から始まる歴史講座-長尾景春の乱とその関連城めぐり-の第3回目に探訪する高田橋の対岸にある愛川町の小沢城に下見に行ってきました。
今日にかぎって夏の暑さが戻ってきたようで、もう大丈夫かなと油断して対策を怠った蚊から手の甲にかなりの被害を受けました。(泣)

奥に見えるのが小沢城(左:新城 右:古城)

長尾景春の乱とは15世紀後半に相模原周辺が戦いの舞台として登場するもので、相模原の戦国時代の幕開けとも言える戦乱です。今回の講座では、初回に座学を行い、2回目に磯部城探訪、そして3回目に今日の小沢城の戦いの舞台となった地を巡ります。

小沢城(新城)の入口

今日の下見では当日講師をお願いしている愛川町郷土資料館の学芸員である山口さんに小沢城周辺を案内いただき、また地元の方のお話や中世石造物なども拝見させていただきました。

中世石造物と小沢城(古城)

小沢城の詳しいお話などは探訪の当日あらためて紹介したいと思います。
歴史講座はまだ定員に余裕がありますので、興味のある方は博物館ホームパージなどをご覧いただき、ぜひ申し込みください。

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たそがれ

窓際の机でカタカタと事務仕事をしていると、視界の隅でゆっくり動くものがあります。
なんだかおもしろい写真が撮れそうだったので、ふだんはまず出入りすることのないテラスへ、窓を乗り越えて出てみました。

たそがれ時になにをたそがれているのか・・・ハラビロカマキリです。
いや、ただ下をのぞき込んで、進むべきかどうか考えているのでしょう。おもしろがって写真を撮っていたら・・

んだオラァ!と睨まれました。
そういえば最近、県内でもムネアカハラビロカマキリという外来種が侵入してきたとのことです。この個体はどうなのかなと下から見上げてみました。

相変わらず睨まれ続けていますが、外来種ではないハラビロカマキリでした。
しばらくじっとしていましたが、ゆっくり歩き始めるとどこかへ去っていきました。
(生物担当学芸員 秋山)

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白が目立つ庭

博物館の前庭ではいま、ホトトギスが満開です。
なぜか、博物館に植えられているのはみんな園芸用の白花品です。

以前はたしか、通常の花色のものもあったように記憶しているのですが、いつの間にか白花ばかりに・・。ホトトギスも年齢を重ねると頭が白くなるのかな?・・・・そんなわけありませんね。

真上から見るとなんだかよくわかりませんが、お行儀良く並んでいておもしろいですね。
ふと見ると、ダンドボロギクがきれいな白い綿帽子を作っていました。

この植物の花は、綿帽子よりもずっと地味です。

これで、開花しています。なんとも奥ゆかしいというのか、省エネというのか・・。
さて、またしても、うえぇ・・な写真を最後に一枚。

8センチくらいあったでしょうか。巨大なイモムシ!この色はなんだ??こんなヤツ見たことないぞ!と思ってよくよく見ると、この大ざっぱな排水ホースのような体つきと、オバQみたいな毛がポツポツと生えている特徴は、オオミズアオです。ふつうは黄緑色の体色をしています。残念ながら写真は無いのですが、成虫の蛾は青みがかった妖しげな白色の巨大な翅を持つ、美しい夜の妖精です(うまく白でつながりました!)。
蛹化前のイモムシはこのように体色が大きく変化することがあり、騙されますね。
(生物担当学芸員 秋山)

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巻雲 放射状雲

今日(10月14日)の夕方は、巻雲の見本市のような空が見られました。

一番高い空にできる雲である巻雲は上空の強い風の影響でめまぐるしく形を変えます。広い空に帯状に広がって、放射状雲となっています。
中央の下層には、高積雲の不透明雲がやはり放射状雲となっています。そのさらに左側は・・

巻雲のもつれ雲や、消えかけの肋骨雲などが見られます。
西の空は丹沢山塊への落日へ収束するような形の放射状雲ですが、反対の東側は、天体観測ドームに収束!

しばらく雲を眺めて写真を撮っていたら、夕日と交替に、月が姿を現してきました。

今日は気分良く夕闇を迎えられました!
(生物担当学芸員 秋山)

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忍者に食べられる

博物館ではいくつかの種類の絶滅危惧植物を、系統保存のために栽培しています。そのうちの一つ、カワラノギクに水をやろうと近づいて見ると・・

葉にいくつも穴があいています。花芽を伸ばした先の柔らかい新しい葉もきれいに食べられた痕が!!
早速丹念に捜索をはじめると・・・見つけました!

どこにいるかわかりますか?種類まではわかりませんが、蛾のなかまの幼虫(イモムシ)ですが、彼らはまさしく忍者です。相当しっかり目を凝らして探さないと見つかりません。

ふだんはこうして葉の裏でじっとしています。まさに「隠遁の術」です。
お見事ではありますが、このままでは花芽まで食べられてしまうので、駆除させていただきました。
(生物担当学芸員 秋山)

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昨日の貯金で 秋の丹沢主脈その2

このところ、観察会や野外調査など動き回る仕事が多く、それはとても充実しているし、写真もたまります。
でも、デスクワークもたっぷりたまります・・ということで今日は会議とデスクワークに明け暮れた一日。どんより曇り空ということもあってめずらしく写真を1枚も撮りませんでした。そこで、昨日(10月12日)の秋の丹沢の写真をもう少し。

登り口にたった一輪咲いていたホトトギスです。いつもながらこの花の不思議な造形にうなります。
こちらも秋の山を代表するキク科の植物、コウヤボウキです。自分と同じ名前のついた花は、あてるべき漢字がどうあれ、親近感がわきます

ちなみにコウヤボウキは荒野ではなく、高野です。ほかにはコウヤマキとかコウヤコケシノブとか・・
スギ植林地の林床にあったフタバアオイ。脳内に「じゃーーーん!カッカッカッカ」とBGMが鳴り響きます。

そう、「葵の御紋」のアオイです。あの紋章の名称は三つ葉葵ですが、ミツバアオイという植物はありません。
さて、なにか「うぇえ・・」という写真を入れないと気が済まない悪い癖があり、今回はこちら。スケールを入れた写真がぶれてしまって大きさがわかりにくいのですが、ゆうに20センチ以上はあるクガビルです。

ミミズを主食とする環形動物のなかまです。
じゃばらな全身を伸ばしたり縮めたり・・・
うぇえ・・
(生物担当学芸員 秋山幸也)

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秋の丹沢主脈

今日は相模原植物調査会のみなさんと、秋の丹沢へ調査に行きました。
市内緑区の平丸から登山道を上がり、丹沢主脈の稜線へ。途中には丹沢では珍しい、カラマツの植林地を通ります。

秋らしい植物ということで、アケビの果実が登山道に落ちていました。

と、その写真を撮っていたら近くにオオセンチコガネがいました。代表的な糞虫です。落ち葉の下に「隠れている」つもりのようです。

林床にはカワチブシが満開でした。

変な名前ですが、ほんの少し特徴が異なるこちらの植物でわかりやすい名前のヤマトリカブトも、同所的に生育しています。

大汗をかきながら急斜面を登ったのに、稜線は秋の風が寒いほどに涼しい・・。
センボンヤリの綿帽子です。すくっと姿勢良く立っていて秋の空気によく合います。

稜線はリンドウまつり!と言いたくなるくらい、たくさんのリンドウが開花していました。

写真は撮っていませんが、ほかにもいろいろと標本採集もしました。新しい「神奈川県植物誌」のための調査、まだまだ続きます!
(生物担当学芸員 秋山)

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ボーイスカウト ビーバー隊

今日(10月9日)は相模原市内のボーイスカウトビーバー隊のみなさんが博物館へ来て下さいました。
ビーバー隊とは小学1、2年生の隊員のみなさんです。
予定では野外で自然観察会を行う予定でしたが・・ざんざん降りの雨だったので、実習実験室でインドア観察会に変更です。

植物の種子をいくつか用意して、ひっつき虫(動物散布型種子)と、風散布型の“空飛ぶタネ”をいろいろな角度から観察してもらいました。
実体顕微鏡で、ヌスビトハギのベタっとくっつく果実を見てもらったら、一緒に参加していた隊員の兄弟クンが・・

「ちもいー(キモイー)!」と一言!
あまりのかわいらしさに打ちのめされました。
ひっつき虫のひっつくしくみや、風散布種子をまねた模型づくりなどをとおして、植物が分散する理由について少し考えていただきました。
楽しい室内自然観察会となりましたが、次はぜひまた、晴れた日に来ていただきたいですね!
(生物担当学芸員 秋山)

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