考古学連続講座はじまる! ①指定文化財の考古資料から見る相模原の歴史

本日、考古学連続講座が始まりました。この講座は、博物館と市文化財保護課の考古担当学芸員5人による連続講座です。

今回は当館考古担当の中川学芸員より指定文化財の考古資料などを中心に、旧石器時代から古代までの市の歴史を語りました。

相模原市は近年も積極的に市文化財への指定・登録を進めており、その中で、『相模原市史 考古編』などの成果をもとに考古資料の指定も多く取り組んでいます。

本格的に文字資料が登場する中世より前の時代は、考古資料が最も当時の状況を知る手がかりになります。その中には、田名半在家遺跡で発見された龍文鏡(破片)など、全国的に見ても類例の少ないものなどもあります。

全国でも類例が少ない中国製の龍文鏡の破片(8世紀頃)

2時間に及ぶ講座でしたが、参加者の皆さんは熱心で、積極的な質問もあり、関心の高さがうかがえました。

次回は、11/6(日)午後2時から相模川流域の遺跡紹介です。ぜひご参加いただければ幸いです。

(歴史担当学芸員 木村弘樹)
(考古担当学芸員 中川真人)

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歴史&城マニア集合!? 歴史講座① 長尾景春の乱と関連城めぐり

本日、歴史講座の1回目を開催しました。今回のテーマは、「長尾景春の乱と関連城めぐり」です。マニアックなテーマと思った方もいるかもしれませんが、長尾景春の乱は15世紀後半の相模原の様子を知る数少ない出来事で、相模原市の戦国時代の幕を開けた戦乱とも言えます。そして、その乱を鎮圧したのが有名な太田道灌です。

そんなマニアックなテーマでも参加者はなんと24名もいました。最初に、各自で自己紹介を行い、その中で好きな武将や好きなお城を言ってもらいました。有名な武将やお城はもちろんマイナーな武将や山城をあげる方などいろいろで、和やかな雰囲気になったと思います。

講座の中では、太田道灌家紋クイズなどを取り入れたり、少しでも楽しんでもらいながらお話しました。また、博物館に収蔵している上磯部の土塁の発掘調査出土品も見てもらったりもしました。

次回11/5は、市内における長尾景春の乱の舞台“磯部城”を探訪します。今も残る上磯部の土塁や本丸跡とされる能徳寺や御嶽神社などを巡ります。

(歴史担当学芸員 木村弘樹)

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ヤモリ

今日(10月28日)午前中、ボランティアのみなさんがなにやら嬉しそうにバタバタと館内を動いていました。
なんだろう?と伺うと、咄嗟に用意したザルの中にこんなのが入っていました。

ヤモリです。
館内で見つけたとか。そろそろ外が寒くなり、つい入ってきてしまったのでしょう。なんともかわいいお顔です。

館内は冬眠に適した低温安定の場所は無いので、写真を撮ったあとに外へ放しました。
寒気が下りてきて、今日は外も少し寒くなり、両生類や爬虫類はそろそろ冬眠場所の心配をしなくてはいけない季節です。
外へ放したヤモリがサササと音の無い音を立てながら逃げていくようす見て、冬の足音を聴いたような気がしました。
(生物担当学芸員 秋山)

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贈呈式

当館喫茶室に常置されている「松橋利光さんの本棚」は、市内在住の生きものカメラマンの松橋利光さんの著書を集めて、自由に手にとって閲覧できるようにしたものです。ここにある本は松橋さんから御寄贈いただきました!いつも誰かしら利用者のみなさんが手にとって読書を楽しんでくれています。

さて、じつは松橋さんは市内の図書館にもたくさんの御著書を寄贈してくれて、学校への支援セットなどに活用される予定です。今日は、その贈呈式が市役所教育長室で行われました。
松橋さん(左)と野村教育長(右)です。

野村教育長からは、松橋さんの本をとおして子どもたちが生きものに触れあったり、身近な野生動物の存在に気付くきっかけになれば、とお話がありました。

松橋さんはこれからも子どもたちのため、生きもの好きのすべての人たちのために、たくさんの本を出されることでしょう。このすばらしい作品を活用しながら、博物館でもさまざまな形でコラボレーションしていきたいと考えています。
(生物担当学芸員 秋山)

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まだいた!

博物館で栽培しているカワラノギクには、よくイモムシがつきます。そのようすは先々週書きましたが、その時に退治して安心していたら、どうも今日見てみると、葉っぱが引き続き食べられている気がします。じーっと見つめて探していくと・・

いました!わかりますか?
慣れないとほんとうに見つけづらいところにいます。今回は矢印でマークしてみます。

拡大してやっとわかる感じですね。見失う前にロックオンして確実に撃墜、駆除いたしました。

今年は9月の日照が不足していたのか、いつもより花が遅めです。やっと、開花しかけの株がひとつ。

河原の保全地のようすも見に行かなくては!!
(生物担当学芸員 秋山)

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勝坂遺跡発見90周年記念講演会「縄文人は植物を栽培したのか?」盛況に終了

本日、勝坂遺跡発見90周年記念講演会「縄文人は植物を栽培したのか?」を開催しました。
講師は、国立歴史民俗博物館 准教授 工藤雄一郎先生で、勝坂遺跡と他の遺跡を比較しながら、縄文農耕論、縄文中期の環境、植物利用などについてお話いただきました。

なぜ、勝坂遺跡の発見と「縄文人は植物栽培」が関係あるかとお思いの方もいるかもしれません。実は、90年前の大正15年に大山柏(明治期の軍人大山巌の次男)が、勝坂にて発掘調査を行った際、大量に発見した打製石斧を土堀用の道具と考え、「原始農耕」が行われていた可能性を報告書で触れています。そのため、勝坂遺跡は「勝坂式土器」発見の地としても有名!?ですが、さらに縄文農耕論を考える上でも考古学史上貴重な遺跡といえます。

ミニ展示状況 右下が大山柏の写真と勝坂遺跡の発掘報告書

今年度 工藤先生に相模原にお越しいただいたのはなんと2度目で、5月の旧石器ハテナ館での旧石器時代の古環境の講演に続き、本日縄文時代の植物利用について詳しくお話いただきました。講演のパワーポイントには写真や図などを多く入れていただき、大変見やすかったと参加者アンケートでも好評でした。

なお、博物館内の常設展示室内で勝坂遺跡発見90周年記念ミニ展示「大山柏公爵の勝坂遺跡初調査」を年内まで開催中です。本日の講演でも取り上げられた「縄文農耕」に関する展示も行っていますので、ぜひご来館ください。

ミニ展示「大山柏公爵の勝坂遺跡発調査」

また、市内の遺跡や考古資料について、5回にわたってお話しする「考古学連続」を来週10/30を皮切りに、11/6、12/4、12/18、1/15の各日曜日に開催しますので、ぜひご参加いただければ幸いです。
連続講座チラシ

(歴史担当学芸員 木村弘樹)
(考古担当学芸員 中川真人)

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火山灰を顕微鏡で見てみよう

今日は「火山灰を顕微鏡で見てみよう」を開催しました.

ボランティアとして,相模原地質研究会,相模原青陵高校地球惑星科学部,弥栄高校サイエンス部,首都大学東京都市環境学部の皆さんにお手伝いいただきました.

火山灰の中に含まれている鉱物を実体顕微鏡(立体に見える顕微鏡)で観察しました.

火山灰を顕微鏡で見るとこんな感じです.これは洞爺火山から約11万年前に噴出した火山灰です.

火山灰中の鉱物の洗い出し作業を行ったりしました.

洗い出しをした火山灰は,箱根が約6万6千年前に大噴火を起こしたときの火山灰です.顕微鏡で見るとこんな感じです.

たくさんの方にご参加いただきました.どうもありがとうございました.また,ボランティアとしてお手伝いいただいた皆様,ありがとうございました.

(地質担当学芸員 河尻)

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生きものミニサロン “ひっつきむし”にクローズアップ!

今日(10月22日)は毎月恒例の「生きものミニサロン」の日です。テーマはこちら。

え?ただの軍手じゃないかって?
いえいえ、そっちじゃなくて、そこにひっついているものです!しかもこれはただの軍手ではなくて、当館オリジナルの特殊調査機器である「ひっつきむし採集器」です!これを使って、博物館前庭の草むらをゴソゴソ・・今日は小さなお友達がたくさんいて、じっくりと観察してくれています。

あっという間にこんなものがひっついているのが見えました!
ミズヒキや・・

ヌスビトハギや・・

ほかにもあと3種類ほどのひっつきむしを観察しました。
移動途中、大型車駐車場をとおった際、せっかくなのでみなさんに地面の上の小さなものを見つけてもらいました。

そこにはこんな可憐な花が咲いています!

しょっちゅう、大型バスが出入りしている地面にこんな花が咲いていること自体が不思議ですね。
ほかにも、先月に引き続きゴミグモを観察したり、地面が沈む~!と言っていた参加者がいたので、その原因であるモグラの坑道を観察したりして、でも最後はやっぱりひっつきむし。

みなさんが持ってくれているのは、イガオナモミの果実です。今日のミニサロンで採集したものではないのですが、事前に用意しておいて、みなさんに見ていただきました。
どちらかというと大人の方には懐かしい、そしてひっつきむしを代表する存在です。

このいかつい外見のわりに、軽く持てばそれほど指先が痛くはありません。その理由を虫めがねで見てもらい、終了しました。
今回は幼児や小学校低学年のお友達がたくさん参加してくれて、とても楽しく観察できました。お子さんたちが頭をつきあわせながら自然観察する姿を見ていると、私はこの上ない幸せを感じます!来月は11月26日(土)12時から実施します!
(生物担当学芸員 秋山)

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北八ツ再訪 その3 青空と紅葉

北八ヶ岳の秋、これで最後の写真アップとします。のんびりと静かな山歩きを演出してくれたのは、なんといっても穏やかなお天気でした。
ミドリ池から中山峠までの道すがら、一点の曇りも無い青空と天狗岳東斜面です。ダケカンバの黄葉が青空に映えます。

どこを歩いても真っ赤に染まっていた葉と果実、ナナカマドはやっぱり紅葉の女王だと思います。

こちらはナナカマドの赤を下から押し上げるように、コシアブラのレモン色の黄葉、そして背景にはシラビソの濃緑が縁取り、なんとも豪華な色合いを見せています。

葉形ではこちらも目立ちます。オオカメノキ(ムシカリ)のまん丸い葉の黄色と赤の入り交じった紅葉です。

ちなみに、オオカメノキの花芽(冬芽)はなんだかかわいい!

葉形としてはもう一つ、オオイタヤメイゲツの黄葉も見事でした。モミジ型と言えばそれまでですが、なんとなくまるっこいモミジ型の独特の葉形は、黄葉するとなんだかこんぺいとうを空に蒔いたようです。

今回はガツガツとピークハンティングはしませんでしたが、帰りに立ち寄った「にゅう」山頂(2352m)は、その名(乳)と標高のわりに鋭い岩が突き出て高山気分が味わえるピークです。眺望も絶景でした。手前にシラビソ林、奥には硫黄岳の爆裂火口。

そのにゅうからしゃくなげ尾根を下ると多く見られたのが、サラダドウダンの紅葉です。

「紅葉しそびれた」葉がほぼ一枚も無い、完璧な紅葉を見せてくれるのはツツジ科の得意技です。

さて、紅葉と言えばモミジです。やっぱり、この赤は強烈です。コミネカエデの紅葉は、燃えたぎる炎のような紅葉でした。

三日目午後、二日前に入った登り口まで下りてきて、パーティーの全員がうすうす気付いていたことをお互い口にしました。

一昨日より、明らかに紅葉が進んでいる・・。
もちろん、西に傾きかけた太陽がいっそう色を際立たせているということもあるでしょう。それにしても、私たちは自らのフィールド感覚を疑うことはできませんでした。この秋は晴天が少なく、気温が高めで紅葉はよくない・・そんな情報が天気予報などからちらちらと聞こえてきましたが、季節は進んでみなければわかりません。

ここにきて一気に進んだ山の紅葉を堪能できた今回の山行でした。
「来て良かった!!」
信頼できる仲間たちと共有できたこのシンプルな気持ちこそが、山登りの一番の幸せだと信じています。
(生物担当学芸員 秋山)

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北八ツ再訪 その2 雲と幻日

今回は登る日(10/17)の午前中まで大雨だったのですが、昼過ぎに登り口に着いたらいつの間にか雨が上がり、どんどんと雲が切れていきました。
今回もいつもの登山パーティーで、行くところどこも雨というOさん、そして気分が乗っていれば間違いなくお日様とお友達というYさんというメンバーだったのですが、Oさんはちょっと風邪気味で本調子ではなかったためか、お日様の勝利となりました。すばらしいお天気の中、一度も雨具を使わずに済んでしまいました。午前中の気持ちの良い雲海です。

標高2400mから雲を見下ろすのは、ほんとうに気持ちがよい!
そして、2日目の午後は巻雲の見本市。一番高い空にできる雲である巻雲も、高山から眺めるとちょっと近くに感じられます。

上の写真をよく見ると、幻日が出ています。幻日とは太陽の両側、ハロ(主に内がさ)と同じくらいの位置にできる光の塊です。古くは小日(こび)とも言いました。

そういえば昨日(一つ前)のブログでご紹介したモルゲンロートも、もやっとした雲がいっそう色を濃くしてくれていました。

私たち黒百合ヒュッテの常連が「がま岩」と呼ぶ岩のシルエットは、黒百合平の一日の終わりを告げる風景です。

いよいよ次は、青空と紅葉の写真をアップします。
(生物担当学芸員 秋山)

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