真横から、正面から

昨日(5/22)の斜面林調査では、植物調査の傍ら植物以外のいろいろなものを写真に撮りました。まずは、菌類。イヌセンボンダケ?よくわかりませんが、微妙にアッパー気味のアングルにしたら、妖しげですね。

そして、モンシロチョウ。交尾中で、カメラを近づけても、風で葉が大揺れしてもまったく動じず。真横から撮ってみました。

つづいてヤマサナエ。これもまったく逃げず。真っ正面から撮ったら…コワイ!

葉の上で休憩中のアマガエル。こちらも寝ているのかな?いわゆる「まぶた」が無いのでわかりませんが、無防備すぎ。保護色を過信?まあ、正面からかわいい顔が撮れたのでよしとします。

ついでに、河原にいたノラネコ。のんきに大あくび。午後の心地よいお天気に、あくびがうつってしまいました。

(生物担当学芸員 秋山)

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上を見ても下を見ても

今日(5/22)は市内中央区田名の斜面林で調査をしてきました。

今、エゴノキが満開です。これでもか!というほど密集してたくさんの白い花が咲きます。歩いているとまず、地面を埋めつくす花の絨毯に気づきます。

そして上を見ると…満天の星ならぬ、満開の花。写真が小さくてちょっと見づらいかも。実際にそこに立つと、下向きに咲くためか圧迫感を感じるほどの花模様です。

写真を撮っている間にも、ぽとぽとと音をたてながら花が落ちてきました。

白い花の写真ばかりになってしまったので、こちらもたわわに実っていたカジイチゴの果実。まさに、ラズベリー。写真を撮った後はおいしくいただきました。

今日はほかにもいろいろと写真を撮りました。明日にでもまたアップいたします。

(生物担当学芸員 秋山)

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コヒルガオの楽しみ

いま、あちらこちらで、ヒルガオ科の代表的な雑草であるコヒルガオが咲いています。つる植物は全体的に好きなのですが、特にヒルガオ科は私がもっとも気にしている植物群です。博物館のまわりでも、あちらこちらにつるを伸ばし、かわいい薄桃色の花を咲かせています。

さて、ほんとうにどこにでもある花ですが、じつは識別がとても難しい植物でもあります。頭に「コ」と付いている以上、本家筋の「ヒルガオ」があります。ところが、コヒルガオとヒルガオは明確に区別できる点が少なく、いくつかの識別点を付き合わせないと特定できません。コヒルガオの特徴である、苞葉の下のひだひだがあれば、まあコヒルガオと判定できます。

しかし、コヒルガオをよく観察していると、同じつるについた花でも、ひだのある花と無い花があります。図鑑では、葉の形や花の大きさなどを一応分けて記述していますが、これもあまりアテになりません。両種とも個体差が著しいのです。苞葉の下のひだがあればコヒルガオと判断していますが、ひだの無い株は、「あてにならない」一般的な特徴を付き合わせて総合的に判断するしかありません。まあ、そんな難しさも好きな植物を見るうえでは楽しみなのですが…。

さらに楽しいことといえば、コヒルガオもヒルガオも、なかなかタネを実らせません。地下でつながった同じ株の花の花粉を、めしべが受け付けないからです。今年はまだ見つけていませんが、コヒルガオのタネの発見は、私にとって茶柱が立つ以上にラッキーなことなのです!

ちょっとマニアックな領域に走りすぎたので、軌道修正します。「昼顔」という意味の名前ですが、じっさいは朝から咲いています。アサガオよりも遅い時刻まで咲いているのでついた名前でしょう。これからしばらく、道ばたでヒルガオをゴソゴソやりたい衝動にかられる日々が続きます(不審者に間違われるといやなので、あまりゴソゴソやらないようにしています)。

(生物担当学芸員 秋山)

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資料の固定

福の会の展示も順調に準備が進んでいます。全面的にボランティアのみなさんの手と足で作られている展示ですが、一部、学芸員が手出ししている部分があります。その一つは、資料の固定です。
地震など不測の事態に備えて、安定の悪い展示資料の転倒を防止するための措置ですが、これがなかなか難しいのです。展示として見せる以上、見栄え良く、しかも完全な固定というのはほぼ不可能で、「ちょっとやそっとの揺れで倒れない程度」に資料を固定します。しかも、資料への負荷が最小限となるように。

代表的なのは、テグスを使って台と資料をとめるものです。でも、テグスを資料にしばりつけるようなことはできませんし、強く固定しようとピンピンに張ってしまうと、かえって資料を傷めます。今回の展示品も、ケースに入れられた五月飾りの一つなのですが、ケースじたいがかなり傷んでいるので負荷がかからない程度の張力にしないといけません。細くて丈夫なテグスが資料に食い込まないように、資料と当たる部分にはチューブを通します(テープの補修痕は資料収集時、すでに所蔵者によって施されていた措置です)。

こうして資料へ負荷をかける塩梅をはかるような作業は、やはり学芸員が責任を持って手をかけなくてはいけません。

さて、ついでに、展示ケースの内側から外側を見たところ。展示中の資料が眺めている(?)風景です。

この展示は5月25(土)から始まります。

(生物担当学芸員 秋山)

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地質学講座2日目

今日は地質学講座の2日目です.岩石についてお話しました.

今日も多くの方に参加していただきました.前回と同じような写真ですが,今日の様子です.

岩石ができていく様子は実際に見ることができないので,成因の説明はうまく説明するのが難しいです.

次回は,地層の積み重なり方の話や断層の話をする予定です.

(地質担当学芸員 河尻)

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福の会

5月25日(土)から6月30日(日)、特別展示室で収蔵品展「収蔵品で知る尾崎咢堂の明治・大正・昭和」「蔵の中の世界・福田家資料紹介~市民の力で博物館資料へ~」を開催します。どちらも今、準備の真っ最中ですが、なぜか展示室がわいわいと賑やかで楽しそうです。その理由は「福田家資料紹介」の展示を行っている「福の会」。市内の旧家である福田家の蔵の中にあった品々を寄贈していただいた際、それを博物館資料として整理するために結成されたボランティアグループです。
市民の手で資料整理から展示まで行う試みは平成23年度に発足した「水曜会」の「津久井郷土資料室収蔵資料紹介」(今年度も秋に開催予定です)に続く2つめですが、ひとつの協働の在り方としてスタイルが確立しつつあるように思います。
さらに6月2日(日)、6月23日(日)には「展示を語ろう」と銘打って、ご当主や会員の方が展示室に立って随時観覧者と語らう、という企画もあります(午前10時30分~午後3時30分)。
徐々に広がっている「市民とつくる博物館」の試み、これからどんな展開をしていくのか、職員の一人としても楽しみです。
それにしても、いつ様子を見にいっても楽しそうな作業風景。出来上がる展示もきっと面白いに違いありません。皆さんもぜひ見に来て「蔵の中の世界」を堪能していただきたいと思います。(学芸班 木村)
まずは力仕事。展示ケースは重いのです。
資料には衣料が多いので、アイロンがけ。
並べ方を思案中…
パネルの壁打ちはお手の物です。

 

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ゴミグモ3代目

5月9日のブログで紹介したゴミグモ、エントランスでの展示を続けていましたが、どうもうまく網を張ってくれなくなり、今日はついに3匹目に選手交代となりました。
最初の個体は、網は張っていたのですが、日曜日と月曜日の2日間、夜もカバーをかけずに放置していたところ、逃亡してしまいました。2番目の個体は脱皮後にタテ糸しか張らなくなり、エサのやりようがなく、あまりにもやせ細ってしまったので、逃がしてやりました。
ところが…部屋に戻ってみると、ちゃんと手に取って逃がしたはずのクモが、水槽のへりを歩いているではありませんか!これは…もしかして逃亡したはずの初代ではないか!あんなにくまなく水槽の中をライトで照らしながらチェックしたのに、いったいどこに隠れていたのでしょう。まるで忍者です。
そして、よく見るとさらに驚くべき事実が…こ、これオスじゃん!!
何が驚きかというと、捕まえてきた時は亜成体だったので、ぱっと見た感じメスのように見えていました。最終脱皮をして、オスらしい体型(黒っぽくて、体は細め)に変わったのです。メスだとばかり思っていたので少々意表をつかれたという事、そして、なんといってもオスは自分の網から出て、メスの網に求愛にいくものなのです。つまり、網をちゃんと張らなくて当たり前、逃亡しても当たり前なのでした。そういえば、さっき逃がした2代目も黒っぽくて細かった…しかも脱皮直後に黒くなった気がする…と、思い当たる事ばかり。
思ったよう網を張ってくれず、生態展示は大変だなあ、生き物を展示している昆虫館とかはすごく苦労してるんだろうなあ、とぼんやり考えていましたが、またしても観察不足と思い込みを思い知らされる出来事でした。
と、いうわけでまだ展示は続けています。決して珍しい生き物ではありませんが、面白い形をしているので、来館の際にはぜひご覧ください。(学芸班 木村)

メス。薄茶色といったら良いでしょうか。


オス。黒っぽくて腹部が細身です。


メスの網に進入したオス(写真右上)。網を振動させてメスに求愛の合図を送っているところ。メスは写真左側の白っぽいゴミの中にいます。

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おとりこみ中でした!

先日(5/15)、渓谷の調査のあと、近くの林道にも行って稀産植物の調査をしました。その植物は、ヒメヘビイチゴ。県内ではこれまで、箱根以外で記録がなかったのですが、数年前に博物館の調査で市内にも生育していることがわかりました。

草地などでふつうに見られるヘビイチゴと名前は似ていますが、キジムシロに近いなかまです。さて、標本を採ったり、写真を撮ったりしていたら、背後でやたら落ち葉をガサゴソやる音が聞こえてきました。トカゲかな、と思いつつ放っておいたのですが、ずいぶん長い時間ガサゴソやっています。なんだろうと思って近づくと、2頭があわてて離れていきました。写真はそのうちの1頭です。

悪いことをしました。求愛の最中だったようです。おとりこみ中のところを邪魔されて、心なしか顔つきも冴えません。ごめん!

ついでに、帰り道にチドリノキにいたワカバグモ。こちらはお食事中を失礼しました。

野生の生きものは文句を言いませんが、きっと「今やめてよー」と思ってるでしょうね。

(生物担当学芸員 秋山)

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先生たちもお勉強

今日は午後から市の総合学習センター主催の教職員向けスキルアップ研修会が開かれました。小学校低学年の教科である生活科の中で、自然を対象とした野外学習を取り入れるための考え方や方法について学んでいただく内容です。

前半は室内で、生物多様性の概念を低学年の段階でどのように伝えるかの講義です。その後、外へ出て実際にアクティビティを体験してもらいます。

今回は、自然の色の微妙さを、ごく単純なカラーチャートを使って感じてもらうものと、トランプのマーク(スペードやダイヤなど)に近い形の葉っぱを見つけてみようというものです。

ハートやスペードは、意外とみなさんバッチリと近いものを見つけてくれました。面白かったのは、おまけに入れておいた正方形です。これはないかなーと思っていたら、クズの小葉で菱形のものを、45度傾けて正方形にしてくれました。発想の転換!すばらしいですね。こうしていろいろな形の葉っぱがある、ということに気づいてくれれば、この学習の成果は達成したことになります。難しい概念の解説なんて不要です。

途中で、おなじみのクワキジラミやツタの吸盤などをワンポイントで観察しました。ちょっとクローズアップするだけで、いつもと違った世界が広がっているということを体験してもらいます。

それにしても、家庭訪問や運動会の準備や、忙しい中でも先生方は勉強されています。私たちも、楽しい授業計画を立てていただけるようにもっとがんばってネタを提供しなくてはいけませんね!

(生物担当学芸員 秋山)

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ちょっとハードな渓谷の調査

今日(5/15)は市内緑区の道志渓谷へ調査にでかけました。とある絶滅危惧植物の現況確認が主な目的です。
道志渓谷はまばゆいばかりの新緑です。

容易に人を寄せ付けないところが、この渓谷の自然度の高さが保たれている要因です。渓流を歩いてわたり、岩場をつたってようやく目的地へたどりつけます。

途中、ツチガエルの亜成体がぴょこぴょこと跳びだしてきました。ちょっとハードな調査のなか、気持ちが和みます。

マルバウツギも満開。

ただ、肝心の絶滅危惧種の現況は…あまり芳しいものではありませんでした。まさしく、風前の灯火。県内に残る自生地がほぼこの1カ所という現状を考えると、頭の痛いところです。

(生物担当学芸員 秋山)

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