4月20日、生きものミニサロンやります!

今年度も毎月恒例の「生きものミニサロン」を実施します!
じつは、4月6日にも臨時で実施しましたが、基本的に第3土曜日に実施するので、今月は4月20日が定例日となります。
今回のテーマは、「タンポポの種類をしらべよう」です。

カントウタンポポ

博物館お隣の樹林地には、もともと日本にあった在来種のカントウタンポポがたくさん生育しています。でも、一歩、博物館の駐車場へ入ると、見た目はそっくりなのに、ちょっと違うタンポポが生育しています。実はこのタンポポ、カントウタンポポとセイヨウタンポポの雑種なのです。

雑種のタンポポ

外見からはわかりにくその違いを、なんと顕微鏡を使って確かめます。
ご希望の方は博物館エントランスへ直接お集りください(申込み不要)。
4月20日(土)12時~12時30分です。
5月以降の実施予定はこちらからご覧ください。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | 4月20日、生きものミニサロンやります! はコメントを受け付けていません

ウグイスのさえずり

相模原市緑区の相模川の河原を歩いていると、すぐ近くでウグイスがさえずりました。薮を好む鳥ですが、この時はライバルのオスが接近していたのか、アカメガシワの枝上にススッと上がってきました。

ウグイス(オス)

日なたに出てくることがあまりない鳥なので、撮影できてラッキーでした。しばらくケキョッ、ケキョッと「谷渡り」と呼ばれる連続した鳴き方をしていましたが、ライバルが遠ざかったのか、ヤナギ類の込み入った枝へ戻っていきました。すると、通常のさえずりである「ホー、ホケキョ」と鳴き始めます。

さえずるオスのウグイス

始めの「ホー」のところでよく観察してみると、喉が膨らんでいるのがわかります。ウグイスは春を告げる鳥として、気象庁が「ウグイスの初鳴き前線」を生物季節観測の一つとして記録しています。初鳴きと呼ばれる鳴きはじめの頃は、「ホ、ケッキョ」などとうまくさえずることができません。それは、上の写真のように喉がしっかり膨らまないためなのです。それが、練習を重ねていくうちに喉が膨らむようになり、大きな音でしっかりフレーズを刻むことができるのです。
ウグイスを観察していたら、近くでエナガの声がしました。目で追うとオニグルミの幹の股の部分に、つがいで巣を作り始めていました。

巣作りするエナガのつがい

しかし、この時期で巣作りの初期ということは、1回目にしては遅すぎますし、1回目が巣立って2回目というには早すぎます。おそらく、1回目の巣が、巣立ち間際にカラスなどに襲われて失敗し、2回目に入ったということでしょう。今度は失敗せずに無事に巣立ってほしいですね。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | ウグイスのさえずり はコメントを受け付けていません

津久井城跡市民協働調査のミニ展示を開催しています!

現在、当館のエントランスにて津久井城跡の市民協働調査の成果を展示しています。
展示の期間は6月30日までです。

津久井城跡は、小田原北条氏に与した内藤氏の居城です。現在では相模原市緑区根小屋にある県立津久井湖城山公園の区域となっています。
この津久井城跡がどのような山城なのか、相模原市教育委員会文化財保護課、当館、(公財)神奈川県公園協会とそれぞれに所属する市民ボランティアにより、市民協働調査の一環として、毎年発掘調査を行っています。

今回のミニ展示は、津久井城跡城坂曲輪(しろさかくるわ)群の7号曲輪の発掘調査成果を速報展として展示しています。
過去のブログでも7号曲輪の調査の様子を紹介しています。
https://www.sagami-portal.com/city/scmblog/archives/33429 (2023年の調査の様子。)

 

展示の様子(博物館エントランス)

7号曲輪の出土遺物(中世戦国期のかわらけなど)

このような展示は学芸員により設営されることがほとんどですが、このミニ展示は違います。
実際に掲示するパネルの文案やデザインは学芸員が作成し、パネルに貼り付けて展示ボードに打ち付ける作業は市民ボランティアにお願いしました。

展示パネルの順を検討

見やすい配置になっているか?

手作業で打ち付けるので、パネルの間隔や高さがちょうど良いか、来館者から見やすい配置か、それそれ意見を出し合いながら作業を進めます。参加者はいつも何気なく見ている展示がかなり細かい部分まで調整されていることを実感されていました。

市民ボランティアには、発掘調査の成果についてミニ展示の設営から詳細に知っていただくことができました。
山城の調査成果を知る貴重な機会ですので、お近くにお越しの際はぜひご覧ください。
(考古担当学芸員)

カテゴリー: 考古・歴史・民俗 | 津久井城跡市民協働調査のミニ展示を開催しています! はコメントを受け付けていません

シロバナハンショウヅルの開花

博物館お隣の樹林地の一角にキンポウゲ科のつる性木本(樹木)のシロバナハンショウヅルが生育しています。4月16日、開花を確認しました。

シロバナハンショウヅルの花

この場所は、博物館が許可をいただいて調査を行っている場所ですが、残念ながら一般の立ち入りができないエリアです。シロバナハンショウヅルは挿し穂で殖やせるため、昨年から増殖を試みて一部が成功しました。博物館駐車場のフェンスなどにつるをのばせるよう、さらに増殖していきたいと考えています。
近くでは、先日このブログで崩芽を紹介したヌルデがどんどんと新葉を展開しています。

ヌルデ

ヌルデはウルシ科の植物で、特に新緑の季節は葉に触れるとかぶれるおそれがあるので、慎重に撮影しました。
今年は花期が遅れているフデリンドウは、今がピークのようです。まだまだ花を楽しむことができます。

フデリンドウ

博物館前の道路沿いにもあるので、ご来館の際はぜひご覧ください。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | シロバナハンショウヅルの開花 はコメントを受け付けていません

【市民学芸員かわら版】魅力あふれる相模湖

4月9日(火)から、当館1階情報サービスコーナー入口横の定位置に市民学芸員かわら版の最新号を掲示しています。
第14号となる今回のタイトルは、「潤水都市さがみはらPart3 魅力あふれる相模湖」です。

近くに休憩コーナーもあります!

「市民学芸員かわら版」とは、当館の博物館ボランティア「市民学芸員」の情報発信チームが作成する壁新聞です。テーマ選定から情報収集、記事のレイアウトまで全て市民学芸員が行い、自然・歴史・文化に関する様々なトピックスについて、市民目線を取り入れながらわかりやすく紹介しています。

今回は、旧相模湖町の町名にもなった市内の人造湖「相模湖」をテーマに、歴史・ 生き物・特産品・観光スポットなどの切り口からその魅力を伝えています。
トピック別に色分けし、見やすく記事をレイアウトしたところも市民学芸員による工夫点です。

市民学芸員かわら版「魅力あふれる相模湖」

タイトルに‟Part3”とあるとおり、これまで津久井湖、宮ヶ瀬湖と「潤水都市さがみはら」が有する豊かな水資源を紹介してきたシリーズの第3弾となります。

今月末には待ち遠しいゴールデンウィークがやってきます。市民学芸員かわら版をチェックして、これからグリーンシーズンを迎える相模湖におでかけしてみてはいかがでしょうか?

(歴史担当学芸員)

カテゴリー: おしらせ, 今日の博物館, 市民学芸員, 生きもの・地形・地質, 考古・歴史・民俗 | タグ: , , , | 【市民学芸員かわら版】魅力あふれる相模湖 はコメントを受け付けていません

木もれ日に照らされるキノコ

4月16日、博物館お隣の樹林地を歩いていると、キノコがポコポコと出ていました。

アミガサタケの仲間

アミガサタケの仲間です。落ち葉にまぎれてしまう色合いですが、木もれびを受けて傘の濃淡が目立つ時間帯には見つけやすくなります。このキノコ、フランス料理ではモリーユ、イタリア料理ではモリケッタと呼ばれ珍重される食材のようです。ただ、国内で秋に多く発生する著名な山のキノコと比べて特別美味しいとも思えませんが(個人の感想です)、毎年同じ場所に出るとは限らない希少性が滋味を加えているのかもしれません。
駐車場の脇に植えてあるクワの木を見ていたら、ハラグロオオテントウの成虫がいました。

ハラグロオオテントウ

こちらは西日本から徐々に分布を広げてきて、この5年ほどの間に市内でも見られるようになった昆虫です。体長は1センチメートルを超えるものが多く、国内最大のテントウムシです。クワの葉を食害するクワキジラミという昆虫を食べてくれるので、カイコを育てるには都合のよい虫なので、大切に見守っています。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | 木もれ日に照らされるキノコ はコメントを受け付けていません

相模原ふるさといろはかるた、れんげの里あらいそで出張展示中!

4月11(木)から5月14日(火)までの期間、れんげの里あらいそ(南区新戸)でミニ展示「相模原ふるさといろはかるた」を開催しています。

施設に入ってすぐの展示ホールで展示しています!

「相模原ふるさといろはかるた」とは、市内47か所の名所・旧跡を紹介したかるたで、当館の博物館ボランティア「市民学芸員」が7年がかりで制作したものです。
これまで、麻布大学いのちの博物館吉野宿ふじやでも出張展示をしましたが、今回はかるたで‟た”の札になっている「相模の大凧」にゆかりの会場での開催です。

‟た”の読み句「端午(たんご)の空 相模の大凧 舞い揚がる」

出張展示を開催している相模の大凧センター展示ホールは、世代交流型複合施設「れんげの里あらいそ」の一部で、訪れる人に本市の伝統「相模の大凧」の魅力を伝えています。ホール天井に展示されている「相模」の文字が力強い大凧は「7間凧(ななけんだこ)」とも呼ばれ、その大きさは12.1m四方、たたみ88畳分に相当します。
大迫力の大凧展示や「相模の大凧まつり」などの映像とともに、「相模原ふるさといろはかるた」展をお楽しみください。

展示設営はもちろん、かるたの制作者である市民学芸員自ら行いました。

手際よくパネルのピン打ちをこなします。

博物館活動で磨かれたスキルにより、パネルのピン打ちなどの設営作業はお手のもの。手際よく展示を仕上げ、最後は参加メンバーで仲良く記念撮影しました。

展示設営に参加した市民学芸員のメンバー。

設営日の4月10日(水)は雲一つない晴天で、施設のお向かいにあるJR相模線沿いの桜並木が青空に映えてとてもきれいでした。

JR相模線沿線の桜並木

おでかけが心地よいこの季節、かるたで楽しく市内の自然や歴史、文化を学べる「相模原ふるさといろはかるた」展をぜひご覧ください。

(歴史担当学芸員)

カテゴリー: おしらせ, ふるさといろはかるた, 市民学芸員 | タグ: , , , , | 相模原ふるさといろはかるた、れんげの里あらいそで出張展示中! はコメントを受け付けていません

春の勢い

博物館周辺の植物を見ていると、春の勢いを象徴しているように、次々と花が咲いたり、新緑が広がっています。
こちらは上向きの葉が日に日に広がるミズキです。

ミズキの若葉

カントウタンポポは、葉が地面に円を描きつつ、すくっと花茎を伸ばして咲いています。

カントウタンポポ

アケビもつるの途中から花を垂らしています。こちらは大きくて色の濃い雌花です。

アケビの雌花

こちらが雄花。少し小さく、色が薄めです。

アケビの雄花

ヌルデはバンザイするように葉を広げつつあります。これからあっという間に大きな葉を展開するはずです。

ヌルデの新芽

地面の緑もどんどん濃くなっています。今年はフデリンドウの花が遅めなので、ほかの植物に埋もれてしまうのではないかとちょっと心配です。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | 春の勢い はコメントを受け付けていません

二つのキイチゴ

ラズベリーというとジャムの種類を思い出しますが、原料はキイチゴ(木苺)の一種です。在来種のキイチゴもたくさんの種類があり、身近なところにも生えています。博物館周辺の樹林では今、2種類のキイチゴの花が満開です。
その一つ、ニガイチゴです。

ニガイチゴの花 上向きに咲くのが特徴

梅雨の頃に実る果実は赤く、甘みもあって美味しいのですが、その名のとおり、小核(タネの部分)をかみ砕くと苦みが出ます。

梅雨のころに実るニガイチゴの果実

もう一種は、モミジイチゴです。

モミジイチゴの花 下向きに咲きます

果実の味は酸味と甘みのバランスがとても良く、美味しいです。

春の終わりころに実るモミジイチゴの果実

ただし、キイチゴ全般に言えることですが、野生のキイチゴの果実にはたいてい、アリがついています。見つけていきなり口へ入れないよう、注意が必要ですね。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | 二つのキイチゴ はコメントを受け付けていません

ギフチョウの春

4月7日、市内緑区でギフチョウを観察しました。この場所は、「ギフチョウとその生息地」として神奈川県の天然記念物に指定されています。発生する山の麓の、ミツバツツジの花で吸蜜する様子を撮影しました。

ミツバツツジで吸蜜するギフチョウ

薄紫色のミツバツツジをバックに飛ぶ姿は、幻想的です。

突然現れては、すっと飛び去っていきました

3月下旬から4月上旬の数週間しかその姿を見ることができず、しかも晴天時でないと極端に目撃のチャンスが減ってしまいます。この日は太陽が傾き始めた午後の遅い時間帯になって盛んに飛び回ってくれました。

ミツバツツジとギフチョウ

県内では唯一の発生地なので、これからも見守っていきたいと思います。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: | ギフチョウの春 はコメントを受け付けていません