令和8年度 地質分野実習 ~展示解説編~

こんにちは!地質分野の実習生です。

いよいよ9日間の博物館実習も最終日。これまで準備してきた展示の前で、来館者の皆さんに展示解説を行いました。

実際に解説してみて感じたのは、「わからないことを、きちんとわからないと言う」ことの大切さです。

途中、地質にとても詳しい方から、私たちでは答えられないような質問をいただきました。正直に「そこまでわかりません」と伝えると、今度はその方が詳しく説明してくださいました。ついさっきまで説明する側だった私たちは、完全に聞く側です。

しかし、こうして来館者の方との対話から自分たちも学ぶことができることが、展示解説の面白さの一つなのだと感じました。

もう一つ難しかったのが、展示の前で待っていても、来館者の皆さんがそのまま通過していくことです。どう声をかけるか、どうすれば足をとめていただけるか。知識を伝えるだけではなく、展示に人々を引き込むことも学芸員の大切な力だと実感しました。

そして、足を止めてくださった方々は真剣に話を聞いてくださいました。

準備してきたことを自分の言葉で伝えられた瞬間、野外調査や展示づくりなど、この9日間が走馬燈のように頭の中に上映されました。今も生きてはいるのですが。

今回の実習を通して、展示は作って終わりではなく、来館者との会話によってさらに広がっていくものだと学びました。展示解説を聞いてくださった皆さん、本当にありがとうございました!

(地質分野 実習生)

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生きものミニサロン「雨!?だけど・・屋根の下でクモの巣観察」を実施しました

9月19日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは「雨!?だけど・・屋根の下でクモの巣観察」です。

クモの巣を間近で観察

秋になってだいぶ体が大きくなってきたジョロウグモが、博物館正面のアプローチ付近にたくさんの巣を作っています。その様子を観察しました。

ジョロウグモ 大きな方がメスで、右上の小さな方がオス

ジョロウグモの巣を見つけたら、その場所にシールを貼っていきます。

ジョロウグモの巣のマップを作りました!

参加したお子さんたちが、あそこにも!ここにも!と次々にクモの巣を発見してくれました。大人が気づかない、天井付近の巣も目ざとく見つけます。

短時間でたくさんの巣が見つかりました!

そして、クモの巣を観察しやすくする“秘密兵器”第一弾、背面に黒っぽい壁を立ててみました。

見えやすくなったかな?

みなさんの反応が今ひとつだったので、それならば、ということで第二弾、霧吹きです。

霧吹きで巣に水滴をつけます

こちらは細かい水滴がついて網の構造が見事にわかりました。

見やすくなりました!

平面的に見えるジョロウグモの巣は、じつは複雑な立体構造をしています。
ある巣では、ギンヤンマが巣にかかっていて、ジョロウグモがお食事をしていました。

ギンヤンマをつかまえたジョロウグモ 迫力ありますね!

クモの巣をたっぷり観察して、さらにおまけで昆虫の観察をして終了したら、待ってくれていたかのように雨脚が強くなってきました。今回も生きもの好きのお子さんたちにリードしてもらいながら、楽しく自然観察できました。
次回は10月17日(土)12時からです。お楽しみに!
(博物館長・学芸員)

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面白いキノコ

ここ最近の長雨のおかげか、山ではたくさんのキノコを見ることができます。
先日の調査の折に見かけた面白いキノコを2種、紹介します。
まずは、鮮やかなオレンジ色のカエンタケ。

「火炎」の名のとおりの見た目のカエンタケ

猛毒があるともいわれているキノコです。
枯れたコナラの根元から発生していました。
今回観察したように枯れたナラ類を好むきのこで、ナラ類が害虫により枯れる「ナラ枯れ」が市内で顕在化した際にはそれに伴ってしばしば見られたそうですが、最近はあまり見かけません。

エリマキツチグリも美しい姿を見せてくれました。

変わった形のエリマキツチグリ

真ん中の丸い部分の中には胞子が詰まっています。
雨粒が袋にぶつかると、その衝撃で、中央に開いた小さな穴から胞子が吹き出すのです。

この日は雨の翌日で、今にも雨が降り出しそうな中での調査でした。
こんな天気の日にひときわ元気なのは、そう、ヒルです。
この日も恐ろしい数のヤマビルが長靴についていました。

大小さまざまなヒル

(動物担当学芸員)

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キンモクセイ

外を歩いていると、キンモクセイの香りがどこかしらから漂ってくる季節になりました。博物館の前庭の隅、バス停近くにも1本植えられているので、風向きによっては正面入口付近でも匂っています。

キンモクセイ

ジンチョウゲ、クチナシと並んで日本の三芳香木に数えられますが、原産は中国で、江戸時代に持ち込まれたと言われています。

キンモクセイの花

個人的にはクチナシやジャスミンのような花の甘い香りが苦手なのですが、キンモクセイは秋の季節感とマッチしているためか、匂いに気づくとちょっと嬉しくなります。
秋の花と言えば、ヒガンバナも花の盛りを迎えつつあります。

ヒガンバナ

博物館近くの歩道では最近、植栽管理で草刈りが入りましたが、ちゃんとヒガンバナの花茎は刈り残されていました。この花ももともとは中国原産の植物で、とても古い時代に入って来たとされています。そのためか、日本の風土にすっかりなじんでいますね。
(博物館長・学芸員)

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花粉を見る

9月13日、博物館の実習実験室で日本固有のタンポポ全国調査プログラムのバックヤードプログラム「タンポポの花粉による同定会」を実施しました。これは認定特定非営利活動法人アースウォッチ・ジャパンの支援を受けて進めているタンポポ調査プログラムの一環として実施しました。全国から集まったタンポポの花のサンプルから花粉を取り出して、在来種のタンポポかどうかをボランティアのみなさんと同定します。今年で3年目の調査となり、今年は花粉の形成状況と雑種の花の形態の関係について明らかにすることを目的としています。最初に、横浜国立大学の倉田薫子教授からこの調査プログラムがネイチャーポジティブに対してどのように貢献するかについてお話をいただきました。

倉田教授によるレクチャー

花粉の採取方法と顕微鏡での観察方法について当館館長から説明を行った後、早速参加のみなさんに花粉による同定作業を行っていただきました。

熱心に作業するボランティアのみなさん

このバックヤードプログラムはあと2回実施して、全国から集まった600以上のサンプルすべてについて同定作業を実施します。結果についてはまた改めてお知らせします。

タンポポの花粉 このサンプルは雑種タンポポのもので、大きさが異なる花粉が多く含まれます

タンポポの花粉ばかり見ていると疲れてしまうため、博物館のまわりで今咲いている花の花粉も観察することにしました。写真の縮尺はそれぞれ異なるので、花粉の実際の大きさの差を表していませんのでご注意ください。
こちらは、ツユクサの花粉です。俵形で、くぼみのある独特な形状の花粉です。

ツユクサの花粉

ツユクサの花

続いて、ヌスビトハギです。こちらは長細く、ちょっと硬質な感じのする花粉です。

ヌスビトハギの花粉

ヌスビトハギの花

こちらはキツネノマゴの花粉です。中央にくびれのようなものがあり。日本の伝統的な繭形です。

キツネノマゴの花粉

キツネノマゴの花

花粉のミクロな世界に、参加されたみなさんも興味津々でした。
(博物館長・学芸員)

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個性豊かな全6分野の実習生展示が完成しました!

8月5日のブログで令和8年度の博物館実習が始まったことをお知らせしましたが、それから早くも1か月以上が経過……一部の分野を除き、ほとんどの実習生が全ての日程を完走しました。
現在、当館が今年度に受入れた実習生たちの集大成である「実習生展示」を館内各所でご覧いただくことができます。それぞれの分野の実習生が企画・制作した力作揃いの「令和8年度実習生展示」を紹介します。

多目的スペース(旧情報サービスコーナー)とエントランスでは、歴史、民俗、地質の3分野が展示を行っています。

歴史分野実習生展示

歴史分野は「上溝市場の記録から見る相模原と養蚕」と題し、かつて中央区上溝で開かれていた市場と、市域でさかんだった養蚕の関係について取り上げています。明治45・大正元(1912)年に上溝市場で取引された養蚕関連の物品売買の記録が残る貴重な資料や、実習生自身が足を運んで撮影した現在の上溝地区の写真など見どころ満載です!

民俗分野実習生展示

民俗分野は「うちわから見る昭和の人々の暮らし」というタイトルで、淵野辺駅近くの商店街で昭和期に暑中見舞いの贈答品として配布されていた「うちわ」を展示しています。当時の人々の生活や、地域の商店の様子を知ることができる涼やかな展示です。

地質分野実習生展示

地質分野の実習生展示は「岩石に残る火山の記録—猿橋と象の鼻で見つかった噴出物—」です。山梨県大月市の猿橋と象の鼻の地形や、岩石から分かる火山活動について解説しています。ケース内の岩石は、なんと実習生たちが実際に現場で採集したもの!必見のポイントです。

自然・歴史展示室内では、考古、生物の2分野の展示をご覧いただけます。

考古分野実習生展示

「郷土の歴史」コーナーの一角では、考古分野「相模原の土偶 縄文時代の祈り」を展示中です。実習生がひとつひとつ選んだ土偶が勢揃いしています。ぜひ展示をご覧いただきながら、お気に入りの1点を見つけてみてください。

生物分野実習生展示

生物分野の実習生展示は、「戦う!化ける!生き延びる!—チョウの生存戦略」です。魅力のアピールや擬態など、様々な意味をもつチョウの色や柄。厳しい自然界を生き抜くチョウの“戦略”を個性的な解説パネルで紹介しています。展示場所は、「人と自然のかかわり」コーナー内です。

天文分野「プラネタリウム番組企画と投影」は、天文研究室前で展示しています。実習生3名が「夜空に輝く夏の星座と赤い星」というプラネタリウム番組の企画・解説に挑戦しました。実際の投影映像(約35分)とあわせてご覧ください!

各分野の実習生展示の終期と展示場所をまとめると次のとおりです。本日から9月25日までは、全分野の展示をご覧いただけます。この期間にぜひご来館ください!

分野 終期 展示場所
考古 ~10/17(土) 自然・歴史展示室 「郷土の歴史」内
民俗 ~9/27(日) エントランス 自然・歴史展示室出口付近
歴史 ~9/25(金) 多目的スペース(旧情報サービスコーナー)内
生物 ~9/27(日) 自然・歴史展示室 「人と自然のかかわり」内
地質 ~10/8(木) エントランス 休憩コーナー付近
天文 ~10/17(土) 天文研究室前

※展示会期は変更となる場合があります。

(歴史担当学芸員)

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博物館実習民俗分野最終日

こんにちは!民俗分野の実習生です。
博物館実習最終日は、午前中に展示解説の準備を行い、午後は展示解説を行いました。

展示設営の様子

パネルの配置決めや、虫ピンの打ち込みなどが特に難しく、3人で意見を出し合いながらどんな配置が美しく見えるのか試行錯誤しながら設営しました。

展示解説の様子

展示解説は、通りすがりの来館者の方に向けて行いました。来てくださる方の年齢層によって解説を臨機応変に変えるのが難しかったです。自分たちの言葉で資料について伝えられるよう頑張りました!
今回の実習で得た経験を、今後の学びに活かしていきたいです。

展示は9月27日まで行っています。ぜひお越しください!
(令和8年度 民俗分野実習生)

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オトコエシ

博物館お隣の樹林地で、オトコエシが花盛りを迎えています。

オトコエシ

小さな白い花がびっしりと集合しています。一つ一つの花は拡大するとかわいらしい咲き姿です。

オトコエシの花

ところで、オトコエシ(男郎花)とはちょっと不思議な種名です。由来は諸説ありますが、秋の七草の一つであるオミナエシ(女郎花)によく似ているものの、茎ががっちりした様子を対比してこの名がついたと言われています。

オミナエシ(陣場山)

しかし・・オミナエシも結構大柄な植物ですし、それほど違いがあるとは思えません。
植物の名には、このように近縁の種どうしを「オ(男)」と「メ(女)」で呼び分けるものも多く、さらには小さな方を「ヒメ・・」や「オトメ・・」などと呼ぶ例も多くあります。いずれも現代の感覚からするとちょっと不適切なように思います。
ちなみに、春の七草が新年に健康や繁栄を願って食べる風習にならって選ばれているのに対して、秋の七草は万葉集にちなみ、秋の風情を楽しむための“草原の花”です。

キキョウ(栽培品)

秋の七草のハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウのうち、後半の4種はいずれも農地や草原の減少から、絶滅危惧種となっています。
(博物館長・学芸員)

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令和8年度 地質分野実習 ~展示作成編~

こんにちは!令和8年度の地質分野実習生です。

野外調査では、猿橋と象の鼻を訪れ、岩石の観察や採集を行いました。今回は、その成果ふまえて展示作成に取り組みました。

展示では、猿橋と象の鼻で見られる、約1,200万年前の火山活動によってできた岩石を紹介することにしました。

現地では崖や岩石と向き合っていましたが、博物館に戻ってからは文章と写真の配置と向き合っていました。

岩石より動かせるはずなのに、なかなか言うことを聞いてくれません。

迷ったときには館内の常設展示を見て回り、文字の大きさや写真の置き方などを参考にしました。

普段は何気なく見ていた展示も、作る側になると「こんなところまで考えられていたのか」と気付くことばかりです。

内容が決まったら、印刷した紙をパネルに貼り、カッターで形を整えていきます。

気泡やしわが入らないよう慎重に貼り、端をまっすぐ切ります。
とても簡単そうです。実際にやると、まったく簡単ではありません。

最後は、完成したパネルを展示ボードに取り付けます。

こうして、展示が完成しました。

今回の実習を通して、展示は資料を置くだけではなく、「どうすれば分かりやすく伝わるか」を考え、工夫を重ねて作られていることを学びました。

約1,200万年前の岩石を紹介するために、文字を数ミリ動かして悩む私たち。
時間のスケールはかなり違いますが、どちらも展示には欠かせません。

完成した展示は、ぜひ博物館でご覧ください。

また、9月19日には実習生による展示解説も行います。

岩石は自分では話してくれないので、その日は私たちが代わりにお話しします。

ぜひ、展示とあわせて見に来てください!

 

(地質分野 実習生)

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白露

9月7日は二十四節気の白露でした。気温が下がり、露ができはじめるころとなります。
翌日の9月8日に博物館お隣の樹林地に咲くセンニンソウの写真を撮影しようとシャッターを押したところ、ぼやけた写真が撮れてしまいました。

センニンソウ

おや?と思いレンズを確認すると、レンズフィルターが曇っていました。白露というより、秋の長雨の影響で湿度が高く、気温も高かったためフィルターが曇ってしまったようです。フィルターを拭いてから改めて撮影しました。

撮り直したセンニンソウ

この日は薄曇りで、気温は猛暑というほど高くはありませんが、晴れればまだまだ真夏並みの高温になりそうです。
近くのアケビのつるには、外来種のチュウゴクアミガサハゴロモの幼虫がびっしりとついていました。この3年くらいで急激に分布を広げて増加中の昆虫です。

チュウゴクアミガサハゴロモ(幼虫)

在来種のアオバハゴロモの成虫も向かい合ってとまっていました。

チュウゴクアミガサハゴロモと向かい合ってとまるアオバハゴロモ(成虫:右側)

急激に増えた新顔の外来種に何を思ってとまっているのか、ちょっと聞いてみたくなりました。
(博物館長・学芸員)

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