【市民学芸員かわら版】津久井地域の日本固有種

12月2日(火)、当館のボランティア「市民学芸員」情報発信チームによる『市民学芸員かわら版』の最新第19号が発行されました。題して、「津久井地域の日本固有種」です。

『市民学芸員かわら版』とは、テーマ選定から情報収集、記事のレイアウトまで全て市民学芸員が行い、自然・歴史・文化に関する様々なトピックスについて、市民目線を取り入れながらわかりやすく紹介している不定期刊行の壁新聞です。

今回の『市民学芸員かわら版』は津久井地域の日本固有種の哺乳類を、市民学芸員による写真を添えて紹介しています。

動物たちの豊富な写真や冬はどのようにすごしているのか、わかりやすく解説しています!


ご来館の際は、2階市民研究室前の『市民学芸員かわら版』をチェックしてみてください。

(考古担当学芸員)

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勝坂遺跡縄文まつりで土器×2タッチ!

一か月前になりますが、11月3日(月・祝)に、市内南区磯部の勝坂遺跡公園にて、勝坂遺跡縄文まつりが開催されました。
その一環として、当館の考古ボランティアとともに土器×2タッチを行いました。

会場は勝坂遺跡公園管理棟です。

左:勝坂南方遺跡出土、右:田名坊山遺跡出土 どちらも勝坂式土器です

今回は勝坂遺跡が会場のなので完形土器を2点追加しました。
午前10時から午後1時までの時間でしたが、合計380名近くの方が参加してくれました。

家族連れが大半で、幼い子たちも縄文土器を興味深そうにさわってくれました。
高校生からは学芸員のお仕事について質問を受け、遺跡の重要性を遺跡現地や出土品の特徴を端的にお知らせする楽しさをお答えしました。

地域の貴重な歴史を出土品からお伝えする貴重な機会となり、今後も継続的に取り組んでいきます。
なお、次回の土器×2タッチは1月24日(土)に博物館エントランスにて行います。
ぜひご参加ください。

(考古担当学芸員)

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神奈川県博物館協会の研修会を実施

12月5日午後、神奈川県博物館協会(県博協)の研修会を当館で実施しました。県博協とは、県内の博物館、美術館、水族館、動物園、植物園、科学館など100以上の施設が加盟する団体です。学芸員や施設職員が定期的に研修会などを実施し、交流や情報交換を行っています。今回は、7月にリニューアルオープンした当館のプラネタリウムについての研修会です。まずはプラネタリウム内で、リニューアルした機器や設備、性能などについて天文担当学芸員から解説しました。

プラネタリウム内でレクチャー

レクチャー終了後には、多目的室など新しい施設への注目が集まります。

プラネタリウム内の多目的室(遮音室)から

科学館からの参加者も多いため、プラネタリウムのコンソール(操作卓)にもみなさん興味津々です。

真新しいコンソールにも注目が

プラネタリウムの一般投影を観覧していただいた後、大会議室へ移動して、同じく天文担当学芸員からリニューアルへ至る経過を説明しました。

予算のことや庁内外との折衝など現場の話が語られました

庁内外での様々な調整や予算確保、施工に至る過程などを説明しました。
施設のリニューアルは、どこも遠からず大きな課題となることなので、みなさんとても熱心に聴講されていました。
こうした研修会を通じて県内の博物館等の施設職員が交流し、時には展示資料の貸し借りなどにつながるため、当館学芸員も積極的に参加するようにしています。
(生物担当学芸員)

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博物館で科学コミュニケーションの実習

12月4日、桜美林大学教育探究科学群3年生約60名が博物館で実習を行いました。科目は「科学コミュニケーション論」です。
まず、学芸員から博物館周辺の樹林地の成り立ちと、そこに生息する哺乳類について講義を受けました。

学芸員による講義

そして、その哺乳類の剥製(はくせい)を観察してスケッチをします。短い時間の中で足や顔などのパーツを選び、2種類以上スケッチして比較します。

科学的なスケッチとは・・意識しながら描きます

他の種の剥製の写真と比較しながらスケッチしています

スケッチの結果を各班内でディスカッションします。科学的な観察は、客観的な視点が重要です。頭の中やネット上に存在する情報ではなく、目の前の剥製に集中して観察した結果を話し合うことが狙いです。

ディスカッションもみなさん積極的です

その概要をそれぞれの班から発表してもらいました。どの班のみなさんも自主的に発表してくれて、しっかりと科学コミュニケーションできていることがわかりました。
そして後半は、博物館の常設展示室を見学し、展示の意図や狙いを推察しながら、それを的確に来館者へ伝えるために改善すべき点などを見出す実習です。ここでは批評する視点が重要です。

常設展示室で、展示だけでなく一般来館者の動きなども観察

五感を使って観覧中

各グループでそれをまとめてレポートしてもらいました。すべての班が発表する時間はありませんでしたが、みなさん真剣に展示を見て考えてくれたことがよくわかる結果で、博物館としても大変参考になりました。すべてのレポートを共有していただけることになっているので、これは今後の展示を考えていく上でとても参考になりそうです。

みなさん集中していてあっという間の3時間でした

半日みっちりと密度の濃い実習でしたが、学生さんたちの、明るく前向きな雰囲気がとても印象的でした。
(生物担当学芸員)

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テイカカズラ

博物館お隣の樹林地で、あずき色の細長い鞘(さや)がぶら下がっているのに気づきました。

テイカカズラの鞘果

これは、テイカカズラの鞘果(さやか)です。すでに割れて中身の果実が見えています。

割れて中身が出かかっています

取り出してみました。いかにも風に乗りそうな見事な冠毛です。

テイカカズラの果実と冠毛

テイカカズラは春から夏にかけて花を咲かせるつる性の樹木で、花は風車を思わせるかわいらしい花です。

テイカカズラの花(初夏に撮影)

果実も繊細で美しいのですが・・じつは、盛大に育つとなかなか恐ろしい姿になります。木が弱って枝ぶりが悪くなってくると、日照を感じてか、急につるを伸ばして木を覆いつくしてしまいます。下の写真は、鞘果を撮影したすぐそばで茂っていたテイカカズラのつるで、一昨年の様子です。

テイカカズラに覆われたミズキ すでにミズキの枝が見えなくなっています

枯れかけたミズキにとりつき、おばけのような状態になってしまいました。昨年、このミズキは重さに耐えかねて途中で折れてしまったのです。
つる植物は、チャンスがあれば上へ上へと伸びていき、たとえ台になっている植物が枯れたり、もとろも倒れたりしても、その一時に大繁殖できればよいという戦略です。なんとも刹那的ですね。
(生物担当学芸員)

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友の会サミット2025に参加しました!

大阪市立自然史博物館において「友の会サミット2025 博物館コミュニティの未来を考える」が11月29日~30日に行われ、当館学芸員が参加・発表しました。このサミットは、認定NPO法人大阪自然史センターが主催し、10年ごとに開催され、今回が3回目となります。

ポスター発表会場

全国の博物館の友の会やそれに類する組織のみなさんや、博物館学芸員など2日間でのべ約250人(オンラインを含む)、46団体が参加し、事例紹介や情報交換を行いました。基調講演では、美術館におけるアートコミュニケーションの現場から、コミュニケーターの養成課程や、そうした活動がICOM(国際博物館会議)が2022年にまとめた「博物館の定義」に呼応したものであることなどが紹介されました。

基調講演後のディスカッション

当館は友の会組織はありません。しかし、多数の市民グループが博物館の専門領域のすべてに参画していることを考えると、組織の形態に関わらず同様の活動が行われていると言えます。その全体像についてポスターで発表するとともに、その中の「さがみホネホネ団」の成り立ちなどについて口頭で紹介しました。

当館のポスター発表

分科会では、運営形態や世代交代の課題と事例紹介、ユニークな活動事例やグッズ開発の事例などの情報交換が行われました。全国の博物館関係者が集まる会議は毎年開催されていますが、博物館コミュニティと言える、友の会などのコアユーザーが集う機会は多くありません。参加者のみなさんが口々に、次は10年待てないとおっしゃっていたことが、充実した有意義なイベントだったことを物語っています。
(生物担当学芸員)

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晩秋の小倉山

11月27日、市内の希少な植生の状況を調査するため、相模原市の文化財審議会委員の方と、相模原植物調査会有志で緑区の小倉山へ入りました。
晩秋の山と言えば、この花。コウヤボウキです。

コウヤボウキの花

すでに紅葉は終盤でしたが、イタヤカエデの見事な紅葉が林内のあちらこちらで見られました。

イタヤカエデの紅葉

小倉山は、コンクリートの骨材を採取するため、現在、山頂を含む北側斜面全体が掘削されています。山頂も消失しているため、登山道は途中で立入りができなくなっています。入れる登山道の、元山頂があった場所に一番近い場所に、だれが置いてくれたのか、山名の書かれたかわいい石標がありました。

山名の書かれたかわいい石標

目指すは、この地域では珍しいスダジイ林です。西日本の暖地に多い植生ですが、なぜか小倉山には尾根筋にスダジイ林が残っています。アップダウンの多い道を進み、スダジイやタブノキ、イズセンリョウなど暖地性の樹木の多い林内を歩きました。

アップダウンの多い山道でした

もうひとつ、暖地性のシダ植物であるホソバカナワラビも大群落を作っています。

ホソバカナワラビ

10年ほど前に、相模原植物調査会でこの樹林を詳細に調査しましたが、ほぼ、それ以来の訪問でした。枯死した樹木があったり、若齢木の背が伸びていたりと変化は見られたものの、スダジイ林がそこにあって安心しました。
ところで、帰りに林道から少し入ったところで、同行のお一人が思わぬ植物を発見しました。リンボクです。

リンボク

相模原市内では初めての確認であるだけでなく、県内では現在、県西部の湯河原にしか自生地が確認されていない希少な植物です。
幼植物もたくさん芽生えていたので、こちらも引き続き注目していこうと思います。
(生物担当学芸員)

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秋祭り最終日 昼間の星の観望会!

秋晴れに恵まれたこの3連休は開館30周年記念イベント「博物館の秋祭り」を実施しました。3日目の11月24日は、いつもは閉じている、天体観測室のドームが開いています・・

 

天体観測室のドームが開いています!

そう、この日は「昼間の星の観望会」です。当館自慢の40センチ反射式望遠鏡で、快晴の空の星を見てしまおう!というイベントです。

40センチ反射式望遠鏡

10時30分からと、13時30分からそれぞれ1時間、観測室を開放して、うしかい座のアークトゥルス(うしかい座α星)という1等星を見ていただきました。

見えた!

午前の回は星が高い位置にあって見るのがちょっと難しかったかもしれませんが、全員がしっかりと赤っぽい星を見ることができました。午後は少し角度も低くなり(上の写真)、見やすくなったために順番の待ち時間も少なくて快適に見ていただくことができました。
それにしてもこの3連休のお天気は格別でした。博物館周辺の紅葉も見ごろです。天体観測テラス(屋上)から見た前庭付近です。

紅葉を上から見たところ

前庭に下りて、ツタの紅葉を見上げたところです。

ツタ(ナツヅタ)の紅葉

前庭のコナラ、クヌギ、ケヤキが黄金色に染まっています。

前庭の紅葉 館内のガラス壁越しに見てもとても美しいです!

開催中のポケモン天文台のメインポケモンの色に合わせたかのような見事な紅葉、あと1週間くらいが見ごろとなります。今のうちにぜひご来館ください。
(生物担当学芸員)

 

 

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博物館の秋祭り!バックヤードツアーを開催

三連休で開催中の開館30周年記念イベント「博物館の秋祭り!」では、日曜日の23日にバックヤードツアーを実施しました。
今年度4回目となるバックヤードツアーですが、前回までに引き続き、開館前から何名もの方に並んでいただく盛況ぶりでした。
今回は、地下のコントロール室と冷温水発生器の見学ののち、収蔵庫を見てもらうコースです。
地下のコントロール室では博物館全体の空調管理の様子を、そして冷温水発生器では、空調設備の心臓部を間近で見ていただきました。

コントロール室

つづいて、収蔵庫エリアでは生活資料収蔵庫や動植物資料収蔵庫にて、たくさんの資料が保管されている様子をご紹介しました。

生活資料収蔵庫には、手前にたくさんの農具があります

動植物資料収蔵庫では、ちょっとマニアックに剥製の作り方の違いについてもお話しました。

こちらは昆虫標本をご紹介!

バックヤードツアーでは、各回の担当学芸員ごとに少し違った視点から「博物館のウラ側」を紹介しています。
今後の開催の際もブログ等で宣伝しますので、ぜひご参加ください!
(動物担当学芸員)

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ワークショップ縁日! 博物館の秋祭りから

開館30周年を記念して、11月22日から24日かけて実施している「博物館の秋祭り」、初日の「ワークショップ縁日」の様子をお伝えします。
このイベントは、大会議室全体を使い、各専門分野と市民学芸員がワークショップを縁日風に同時実施する企画です。

大賑わいの“縁日”会場

これまでも各分野でさまざまなワークショップを実施してきましたが、同じ会場で一斉に実施するのは初めての試みです。ポケモン天文台で多くの来館者をお迎えしていることもあり、終日、たくさんの方にご来場いただきました。
すべてのワークショップをお伝えできませんが、こちらは市民学芸員による「ぶんぶんゴマで遊ぼう」です。

ぶんぶんゴマで遊ぼう

ぶんぶんゴマのイベントは毎年何度か実施しているため、市民学芸員のみなさんはテキパキと、しかも和やかに参加者を楽しませてくれていました。
こちらは生物分野の相模原植物調査会による「葉っぱ工作にチャレンジ」。4種類ほどの葉っぱ工作に挑戦していただきました。

葉っぱ工作にチャレンジ

苦戦しながら見本のとおりに作る参加者もいれば、オリジナリティのある“作品”に仕上げてしまう方もいました。

シャガの葉でドラゴン!

同じく生物分野のもう一つのブースでは、「実演!昆虫標本づくり」を実施しました。動物担当の学芸員が実際に昆虫標本の作製作業をお見せしました。標本箱に並んでいる昆虫標本にも興味を持たれる方も多く、話が弾みました。

たくさんの昆虫標本に興味津々

考古分野の縄文研究会は、「縄文土器の拓本体験」。本物の土器片を使って拓本を取る作業は、考古ファンだけでなく多くの方が楽しんでいました。

縄文土器の拓本体験

歴史分野は「掛軸取扱体験」。こちらも本物の掛軸を使い、矢筈(やはず)を使って取り付けたり、巻いてもらったりしました。

緊張しつつ、掛軸を扱ってもらいました

他にも、地質分野の「地質資料を顕微鏡で見てみよう ミニ」や考古分野の「この穴、なんだろう?」、民俗分野の「チャレンジ!今と昔の道具マッチング」が行われ、たくさんの方にお楽しみいただきました。
23日にはバックヤードツアーが行われ(後日改めて紹介します)、明日、24日は天文分野による「昼間の星の観望会」(10時30分~、13時30分~、各1時間)が行われます。
(生物担当学芸員)

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