当館エントランス+黒曜石=??

3月7日(土)、当館エントランスには黒曜石を割る音が響いていました。

考古担当学芸員はエントランスで年に数回石器を作っており、今回は群馬県みどり市の岩宿博物館学芸員の小菅将夫さん、鈴木秋平さんをお招きし、3名で石器を作りました。

人だかりが!皆さんの視線がうれしいです。

小菅将夫さん(左)、長澤(当館学芸員)、鈴木秋平さん(右)

旧石器時代の出土品は石器が主体で、当館の常設展示にもあります。
ただ専門性が高く分かりにくいことも事実です。
それならば割って説明しようということで「石割実演」を考案しました。

石を割った際の石くず

上の写真のように、黒曜石を割って石器を作りますが、鋭い石の破片が多数出るので大変危険です。そのため、自作の石器レプリカを触れるコーナーを作り、さらに「岩宿遺跡・岩宿博物館」と「田名向原遺跡・旧石器ハテナ館」について解説パネルを設置しました。それぞれ日本屈指の重要な遺跡です。

石器レプリカ以外にも鹿角などもあります。

13:30~15:30の2時間のみでしたが、101名も見学していただきました。
石器や旧石器時代に興味を持ってくれる方が増えていただければ大変嬉しく思います。

質問を多くいただきました。

おびのっちも看板役で活躍しました。

これからも遺跡の貴重さや面白さを分かりやすく発信できるよう、取り組んでいきます。
(考古担当学芸員)

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大野中公民館で境川についてお話しました

3月7日(土)の午後、大野中公民館の歴史講座で、境川の歴史や自然について当館生物担当学芸員がお話しました。テーマは、「都市を流れる生きものの宝庫 境川の歴史と自然」です。“歴史や自然”と言っても、生物の学芸員がお話できるのは、ほんのわずかなことだけなので、ほぼ、生きものの話をしました。

講座の様子

歴史というより、境川の基礎知識として、源流と河口について、あるいは、河川用語としての「流域」という言葉について、そして、現在の境川は、その名のとおり相模原市と東京都町田市との境を流れていますが、一部の地域には「相原」や「小山」など、共通する地名があり、かつては必ずしも「境目」ではなかったことなども触れました。
生きものについては、北向きが多い川沿いの斜面林に特徴的な早春の植物や・・

 

アズマイチゲ

ヤマエンゴサク

境川と言えば!1月にNHKのニュース番組でも取り上げていただいたカワセミです。

カワセミ

さらに、様々な野鳥を紹介しました。

バン

「自然豊かな都市河川」であるとともに、境川が抱える外来種の問題についても触れました。

特定外来生物クリハラリスが2021年に市内で初めて確認されたのは、境川の斜面緑地でした

こうした問題を把握し、希少な植物などを保護するには大きな労力がかかり、それを実践する特定非営利法人境川の斜面緑地を守る会などの活動あっての自然であることも紹介しました。そして、まずは境川を実際に歩いて楽しみ、見守ることが、境川の貴重な自然を守る第一歩であることを強調して終わりました。
参加者のみなさんから「これまでとは違った視点で境川を見られそう」などと感想をいただきました。これをきっかけに、境川の自然を守る担い手が一人でも増えたら嬉しいです。
(生物担当学芸員)

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開きかけた天南星

博物館中庭で、怪しげな花が開きかけています。

ミミガタテンナンショウ しっかり咲くと、花を包む仏炎苞(ぶつえんほう)の付け根が耳のように張り出します

ミミガタテンナンショウです。サトイモ科の植物で、相模原市域では丘陵地などによく見られる野草です。博物館周辺にも多く見られますが、ここ何年か、増えてきたように思います。テンナンショウ(天南星)とは漢方の原料となる生薬(しょうやく)の名前ですが、この植物になぜその名が付けられたのかは諸説あってよくわかりません。また、生薬と言っても、塊根などに強い毒成分を持ちます。
同じ仲間にはマムシグサという名前が付けられるものが多く、それは地面から出てきた茎の模様がマムシに似ているからと言われていますが、こちらも諸説あります。近くに芽を出したばかりの株があって、その様子を確かめられます。

こちらはまだ開いていないミミガタテンナンショウ 茎を包む鞘の模様が、確かにマムシを思わせます

いずれにしても、3日前に見た時はまで出ていませんでしたから、あっという間に伸びてきたのでしょう。しっかり開花すると、それもまたちょっと怪しげなので、改めて紹介したいと思います。
(生物担当学芸員)

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地形観察会「縄文集落を生んだ地形を探ろう」

3月8日に相模原市文化財課主催の「縄文集落を生んだ地形を探ろう」が開催され、当館地質担当学芸員が講師を務めました。

相模原市南区磯部の勝坂遺跡公園周辺の地形と地層を観察し、縄文人がどんな場所で暮らしていたのかを歩いて感じる観察会です。

勝坂遺跡公園は縄文時代の遺跡が発見された場所に整備されています。この辺りは2時間程度歩けば、相模野台地を構成している地形や地質をほとんど見ることができます。狭い範囲にいくつも坂や谷があり、登ったり、降ったりしながら地形や地層、湧水などを観察しました。

観察会に出かける前に概要を室内で説明し、その後で野外に出かけました。

まず、室内で地形や地質の概要を説明しました。

湧水の湧き出し口を観察しました。湧水は集落の立地を考える上で重要です。

相模野台地をつくっている地層の観察です。地層の違いは農作物などに影響を与えます。

相模川対岸の中津原台地の地形も観察しました。縄文人も同じ風景を見ていたのでしょう。

湧水を集めた小川が刻んだ小さな谷です。谷の両側で崖の高さが違っており、地形のでき方を考える上で重要な場所です。

地形や地質は、その地域の歴史や文化と深く結びついています。どのような場所に縄文時代の人々が集落をつくり、生活していたのかを地形学や地質学の観点から眺めてみると、新たな発見があるかも知れません。

(地質担当学芸員)

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早春の音

3月7日、博物館周辺の樹林地では、ウグイスが「ケキョ、ホケキョ」と控えめに囀りを始めました。

ウグイス(過去に撮影したもの)

「早春の鳴きはじめは下手だね」とよく言われるのですが、それもそのはずで、ウグイスの囀り「ホーホケキョ」の「ホー」をしっかり大きく伸ばすには、喉を大きく膨らませて空気をためなくてはいけません。鳴きはじめはまだ喉が伸びずに膨らまないため、ホーが短かったり、寸詰まりになったりするのです。上の写真は昨年の初夏に撮影したものですが、鳴いていない時でも喉が少し膨らんでいるのがわかります。

囀るオス 喉が膨らんでいるのがわかります(過去に撮影したもの)

これからどんどん大きな声で美しく鳴いてくれるはずです。しばらくは、早春の音と思って楽しみましょう。
さて、植物の方はどんどんと春の歩みを進めています。ノイバラは早くも新芽が開いてきました。

ノイバラ

コブシは、街路樹などですでに開花している株もありますが、博物館周辺ではもう少しかかりそうです。

博物館前庭のコブシの花芽

そして、テングチョウは晴れ間と共に現れます。

日向ぼっこするテングチョウ

成虫で越冬していたので翅(はね)がボロボロですが、春の陽ざしを浴びて温まると、元気よく飛び立ちます。
季節が加速しているのが感じられます。
(生物担当学芸員)

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相模経済新聞連載:地質分野の展示資料紹介

相模原市域を中心に発行する相模経済新聞(月3回、1日、10日、20日発行)に、令和8年1月1日号から「30年の歩みとこれから」と題した当館学芸員の記事が連載されています。毎月異なる分野の学芸員がリレー式で執筆しています。その第3回目の記事が令和8年3月1日号に掲載されました。

今回は当館自然・歴史展示室に展示されている剥ぎ取り標本について紹介しました。剥ぎ取り標本や当館で収集保存している地層中の火山灰について,その重要性などを紹介しています。
ぜひご一読ください!

連載は毎月1日号に掲載されます。このブログでも紹介していきますのでお楽しみに!

(地質担当学芸員)

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春の風景

3月に入り、明日、3月5日は二十四節気の啓蟄(けいちつ:冬ごもりしていた虫たちが土の中から目覚める頃)です。そんな陽気で、博物館の前庭ではフデリンドウのつぼみがだいぶ立ち上がってきました。開花はまだ1か月くらい先になると思いますが、楽しみです。

フデリンドウのつぼみ

隣には、カントウタンポポのつぼみもふくらんでいました。

カントウタンポポ 中央につぼみが見えています

どちらも博物館周辺の春を代表する植物です。本格的に季節が移り変わっているのを感じます。
春といえば、こんなものも・・

博物館のアプローチの屋根で太陽本体を隠して撮影しました

花粉光環です。スギ花粉の飛散が多いときに空気中の塵となり、太陽光を屈折させてできる現象です。花粉症の人にとっては憂鬱な光景ですね。
(生物担当学芸員)

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今年も大盛況!学びの収穫祭1日目

2月28日(土)と3月1日(日)に、以前のブログでも紹介した通り、学びの収穫祭を開催しました。

28日はエントランスでは展示発表がスタートし、大会議室では口頭発表会が行われました。展示発表は5月ごろまで展示予定です。

今年度の展示発表の件数は32件です。開館直後から盛況でした。

口頭発表の件数は9件でした。今年度も多くの方にご聴講いただきました。

会場からの質問もあり、実りの多い発表会となりました。

午後の展示発表の解説時間中には活発に情報交換や議論が行われていました。学問分野や世代を超えた交流をすることができました。

実物を展示する発表団体もありました。訪れた方々は標本に興味津々です。

雛飾りの前のフォトスポットコーナーでは、多くの家族連れが写真撮影を行っていました。

口頭発表後には毎年恒例の交流会も行なわれました。

年齢も専門分野も異なる方々と交流することは、お互いに刺激になったようです。多くの方々の縁を結ぶのも学びの収穫祭の大きな目的の一つで、新たな研究の着想を得るきっかけになれば幸いです。

ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。

(地質担当学芸員)

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学びの収穫祭、明日から!

博物館を拠点に活動する市民グループや、学芸員が活動に関わる学校の部活動や大学の研究室などの研究活動発表の場である「学びの収穫祭」が、この週末、2月28日と3月1日にわたって行われます。

今年のポスター

28日(土)は口頭発表会と展示発表で、保育園(発表は保育士さん)から高校、大学までさまざまな年代の発表があります。

昨年度の口頭発表会の様子

展示発表はポスターによる発表のほか、ワークショップのブースもあります。

昨年度のワークショップの様子

3月1日(日)は、展示発表に加えて、学芸員講演会「くさいだけじゃない!カメムシのはなし」(動物担当の嶋本学芸員)が午後2時から行われます。
市民と共に歩む当館を象徴するイベントです。ぜひご来場ください。
(生物担当学芸員)

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2月22日 企画展「相模原のたからもの」展示解説

2月22日に企画展「相模原のたからもの」の展示解説を行いました。4回にわたって行ってきた展示解説はこれで最後となります。今回は当館の地質担当学芸員と歴史担当学芸員がそれぞれの専門に関わる展示について解説しました。

まず地質担当学芸員が、第1部「相模原の文化財」 プロローグ「相模原の文化を育んだ自然」のコーナーで、相模原の地形と地質について解説しました。
相模原市の地形や地質は文化財指定されているものはありませんが、歴史と文化に大きな影響を与えています。

相模原市の地形は西部と東部で大きく異なります。西部は急峻な山地ですが、そこを刻んで流れる相模川などの河川沿いには街道が通り、人や物資が行き交う重要な交通路となっています。

相模原市西部の山地の地形や地質について解説しました。

東部は台地で平坦な地形ですが、近くを流れる川との標高差が大きく、また、水が貯まりにくい地質の影響のため、生活に必要な水が得にくい環境となっています。このことが農業などの人々の生業に影響を与えてきました。

相模原市東部の台地の地形や地質について解説しました。

後半は歴史担当学芸員にバトンタッチし、第1部第3章の近世コーナーを展示解説しました。
このコーナーは、江戸時代に整備された五街道のひとつである甲州街道(甲州道中)が通る津久井地域と、大規模な新田開発が進められた相模原地域という2つのテーマで構成しています。

甲州街道に関わる展示は、市域に設置された4つの宿場(与瀬宿、小原宿、吉野宿、関野宿)を代表する文化財の小原宿本陣吉野宿ふじやについて取り上げました。

展示資料の小原宿絵図と、宿場のまちなみが再現されたジオラマを照らし合わせて説明しています。

続いて相模原地域では、「相模野周辺三十六ヵ村入会絵図」に描かれた広大な原野“相模野”が、周辺各村の入会地(=飼料や堆肥、燃料などにするための萱・柴・落葉などを採取する共同利用地)だったものから開拓されていった歴史を紹介しました。
前半の地質分野からの繋がりを意識して、水が乏しかったために新しく拓かれた土地でも水田ができず、畑作や養蚕が主要な産業となったことをお伝えしました。

多くの方に解説を聞いていただきました。ありがとうございました。

企画展「相模原のたからもの」は3月1日までです。残り期間はわずかですが、相模原の文化財を一堂に見ることができる貴重な機会です。ぜひ会場でご覧下さい。

(地質担当学芸員、歴史担当学芸員)

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