遺跡を知ってもらうために。

4月に入り、新年度がスタートしました。
考古分野では令和8年の2~3月に遺跡に関する普及事業をいくつか行いましたので、簡単に紹介します。

2月21日(土):まちさが考古学講座 概要はこちら
3月  1日(日):縄文土器の拓本体験(学びの収穫祭)
3月  7日(土):石割実演
3月11日(水):津久井城と城主内藤について(津久井中央公民館  歴史講座)
3月18日(水):津久井城跡の調査成果のミニ展示
3月21日(土):相模野台地の旧石器(綾瀬市旧石器時代シンポジウム)
3月22日(日):土器×2タッチ

まずは、まちさが考古学講座。今年度は町田市生涯学習センターで開催しました。町田市・相模原市の学芸員が境川両岸をテーマに、旧石器時代・縄文時代の様子を解説しました。考古担当学芸員は縄文時代中期の集落を担当しました。

115名の方にご参加いただきました。(まちだ縄文キャラクターまっくうインスタグラムから引用)

 

また、学びの収穫祭2日目である3月1日(日)には拓本体験。合計89名の方が体験され、お子さんの参加が多いのが印象的でした。学びの収穫祭はこちら

相模原縄文研究会の方も大活躍!!

上手に文様がでています。

 

3月7日(土)は石割実演です。詳細は過去の記事をご覧ください。 当館エントランス+黒曜石=???

黒曜石を材料に石器づくり

 

3月11日(水)は津久井中央公民館の歴史講座で講師依頼をいただき、津久井城跡や城主の内藤氏について、発掘調査からわかることを中心にお話ししました。
また、18日(水)には津久井城市民協働調査のボランティアさんと一緒にミニ展示を作成しました。詳細はこちら

とても熱心に聞いていただきました。

 

3月21日(土)は綾瀬市生涯学習課より講師依頼をいただき、相模野台地の旧石器時代を解説しました。講演は東京大学の森先一貴准教授、かながわ考古学財団の栗原伸好部長も発表されました。こちらは78名の方にご参加いただき、旧石器時代への関心の高さがよくわかります。ちなみに考古担当学芸員が作った石器などを会場へ持ち込んで、皆さんにさわってもらいました。

大変有り難いことにほぼ満席です。

 

そして最後は、土器×2タッチ。22日(日)は131名の方が土器や石器をタッチされました。ちなみに、令和7年度の土器×2タッチは12回開催し、合計1,823名でした。1,000名を超える方にさわってもらい、大変嬉しく思います。

子供も大人も、関心を寄せてくれています。

普及事業で扱った遺跡は旧石器時代、縄文時代、戦国時代とそれぞれ異なりますが、出土品や遺跡から何を伝えるのか、この視点は変わらず共通しています。
そして、手に取った土器や、現地での遺跡の様子・地形など、現地(遺跡)・現物(土器など)をより多く体験し、学習し続けることが重要と考えます。

今年度も遺跡の重要性を伝えるために、いろいろな手法を駆使して取り組んでいきます。
(考古担当学芸員)

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津久井城跡のミニ展示を開催中です【5/31まで】

3月20日からエントランスにて、2025年11月に実施した城坂曲輪群7号廓のミニ展示を開催しています。
発掘調査の詳細はこちら

3月18日に津久井城の講習会として、パネル作成と配置、有孔ボードへの打ち付けを行いました。

パネルは当館の考古担当学芸員が案を作成したものを、パネル用の紙に打ち出しし、ボランティアさんと一緒に作成しました。

ゆっくり、慎重に切ります。

パネルの厚さは5㎜。一度では切れないので、3~5回ほど繰り返して切ります。

見やすい高さでしょうか?パネルの感覚はどうでしょうか?

パネルが完成したら配置を検討し、有孔ボードへ打ち付けます。実際に11月の発掘調査に参加された方も多く参加しており、発掘現場で分かったことが提示され、改めて遺跡からわかることを実感されていました。

幟で津久井城をアピールしています。

その後、考古担当学芸員が出土品をケース内に列品し、完成しました。

昨年11月の調査成果を年度末からGW明けまで、速報としてエントランスで公開しています。ご来館の際にはぜひご覧ください。
(考古担当学芸員)

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「文化財探訪マップ」好評発売中

企画展「相模原のたからもの」は好評のうちに終わり、先日、お借りしていた資料も全て持ち主の方の元へ無事にお返しすることができました。

資料の運搬には美専車(美術品専用車)を使用しました。

展示は終了しましたが、ミュージアム ショップでは、「文化財探訪マップ」が販売中です。
今回の展示を機に作成したもので、 市内の指定文化財のうち、実際に足を運べば見ることができるものを中心にマッピングしています。表面には車で回る際の所要時間も掲載しました。

「文化財探訪マップ」表面

裏面には、文化財の種別ごとに説明文が掲載されています。

「文化財探訪マップ」裏面

これまで相模原市では、地域ごとに歴史文化を紹介したマップはありましたが、市全体を網羅した文化財のマップは発行していませんでした。こうして見ると、市内には多くの文化財があることが分かります。

市内では桜やカタクリなどの花たちが見頃を迎えています。
マップ片手にぜひ市内の文化財も一緒に巡ってみてください。

文化財探訪マップは400円で当館ミュージアム ショップほか、市役所本庁舎本館1階、緑区合同庁舎5階、南区合同庁舎4階、津久井総合事務所1階、相模湖総合事務所2階、藤野総合事務所1階の行政サービスコーナーにて販売中です。

(民俗担当学芸員)

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お囃子の伝授

市内には多くの囃子連があります。
今回、城山地区の久保澤囃子連が、向原囃子連と若葉台囃子連に、囃子を伝授されるというので、見学をさせていただきました。

久保澤囃子は、明治時代に鑓水(現八王子市)の「神田囃子」が伝わったとされているものです。

向原と若葉台との関係については、向原は久保澤から、若葉台は向原から囃子を伝授されたという経緯があります。
その際、すべての囃子を伝授していなかったということで、今回に至りました。

当日は、三つの囃子連の皆さんが20名ほど集まりました。
事前に渡された「拍子覚え」を手に、みんなで合わせていきます。

 「天」はテン 「占」はトロと読みます。それぞれ、小太鼓や大胴(大太鼓)などの音を表します。
このリズムを口ずさみながら、練習用のタイヤ、もしくは太鼓を叩きます。

最初はおぼつかない様子だったのが、回数をこなしていくうちに、揃っていきました。 習熟の速さに驚いていたら、皆さんそれぞれの囃子連の幹部だそうです。
皆さん真剣だけれども楽しそうに取り組んでいるのが印象的でした。

お祭りには欠かせない祭囃子ですが、このような背景を知ると、その音色がより深く心に響くように感じます。

今回、芸能の伝授の実際を拝見させていただきましたが、今後も引き続き、見守っていきたいと思います。

(民俗担当学芸員)

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「プラネタリウム×大島の獅子舞」開催しました!

ちらしと当日プログラム

 3月20日(金祝)に「プラネタリウム×大島の獅子舞」を開催しました。

大島の獅子舞は、緑区の大島に伝えられており、神奈川県の無形民俗文化財に指定されています。
毎年8月下旬に開催される大島諏訪明神の例大祭の時に、大島諏訪明神獅子舞保存会の皆さまにより奉納されますが、今回は当館のプラネタリウムで披露していただきました。

チケットは開場前に満席となり、関心の高さがうかがえました。

前半は小倉橋の全天周映像でした。 大島は相模川の小倉橋近くに位置します。

 

「頭(ず)の舞」は獅子が水を飲む仕草だといわれています。
青いラインがちょうど水面の波紋に見立てられています。

今回、獅子舞の際に投影した星空は、天文11年の夏の星空です。
大島の獅子舞の歴史は古く、末尾に天文11年(1542)と記された『日本獅子舞来由』が残されています。今回、このことにちなんだ演出となっています。

参加者の皆さんには、484年前にタイムスリップした気持ちで、大島の方々が伝えてきた獅子舞をご覧いただけたのではないでしょうか。

右端に天の川が見えます。

獅子舞の前には星空解説や獅子舞クイズなどを行い、盛りだくさんな内容でした。

大島の獅子舞が奉納される諏訪明神の例大祭は、令和8年度は8月23日(日)に予定されています。
次はぜひ、現地でご覧いただければと思います。

(民俗担当学芸員)

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ヒトリシズカの咲きはじめ

3月27日、博物館前庭のアプローチ脇のヒトリシズカが咲きました。

ヒトリシズカ

山野草として有名な花で、開館当時に植栽されたもののようです。毎年咲くのですが、だいぶ開ききってから気づくことが多く、今年は咲きはじめをしっかり写真でとらえようと狙っていました。咲き進むと葉が開き、それを舞台上で舞う静御前(しずかごぜん)に見立てて名付けられたという説があります。
これから開く株は、幕前でひっそりと集中する姿と言えるかもしれません。

咲く前のヒトリシズカ

この数日しか見られない姿なので、ご来館の際には正面入り口のアプローチ右側をご覧ください。
そして、同じ前庭にはシャガも咲き出しました。

シャガ

あまりにも普通に見られる園芸植物ですが、立体的で複雑なデザインの花です。
歩道脇のカントウタンポポもかわいらしく開花しています。

カントウタンポポ

そしてフデリンドウも、まもなく開花の様子です。

フデリンドウ

毎日のように移り変わる季節に、気持ちがちょっと焦ります。
(生物担当学芸員)

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春のさわやかウォーク 地形・地質から地域を知る

3月20日に大野南公民館主催の「春のさわやかウォーク」が開催され、当館地質担当学芸員が地形や地質について解説しました。

町田市と相模原市の境界を流れる境川の旧流路や関東ローム層、かつての沼の地形などを観察しました。

現在の境川は河川改修により直線的に流れている場所が多いのですが、もともとは曲がりくねって流れていました。宅地開発などにより旧流路がわからなくなっているところもありますが、まだ残されているところもあります。

河川改修により直線的に流れる境川。

境川の旧流路の観察。かつては曲がりくねって流れていたことがわかりました。

「古淵の露頭」では相模野台地をつくる地層である関東ローム層を観察しました。「露頭」とは地層や岩石が露出している場所のことです。

「古淵の露頭」では高さ約20mの崖に関東ローム層が露出しています。

小沼と呼ばれる沼があった場所の地形を観察しました。

沼があったところに向かって下り坂となっています。

小沼の近くでは、かつて深堀川が流れていた場所も観察しました。深堀川は相模大野駅の南側に文字どおり深い谷を刻んで流れていますが、昔は大沼や小沼まで続いていました。相模大野駅周辺は開発により深堀川の痕跡はわかりません。

今は暗渠となっていますが、ここに深堀川が流れていました。

雨が降ったり止んだりのあいにくの天気でしたが、地形や地層を観察しながら歩くことができました。普段,気にしていない坂道なども昔の川や沼の痕跡だったりします。ちょっとした高低差に気をつけながら歩くと、いつも見慣れている景色が違ったものに見えてくるかもしれません。

(地質担当学芸員)

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高校で自然探求

3月24日、市内南区当麻(たいま)の光明学園相模原高校主催の「自然探求」というイベントで、当館の生物担当の学芸員2名が講師を務めました。場所は、当麻山公園です。穏やかに晴れた春の日、地面はすでに多くの小さな花が咲いています。まずはそこを訪れていたビロードツリアブを観察。

ビロードツリアブ ミルビンに入れて全員で観察

モフモフの丸い体がかわいいですね。
春はたくさんの素材があふれているため、次々と観察を進めます。

植物と動物を交互に観察しました

こちらは落ち葉が土壌へと分解されていく様子を、実際に落葉層を丁寧に拾って確かめていきます。さらに、分解を進める役割を担っている虫たちを採集。

落ち葉めくりで土壌の生態系を観察

がぜん、やる気を出している生徒さんもいて、盛り上がります、ババヤスデの仲間やハサミムシなども見つけてくれて、半分悲鳴のような歓声が上がりました。
このイベントは一般市民も参加していて、お子さんが拾ったアシナガバチの古巣を頭に乗せて満足気です。

参加者のお子さんがアシナガバチの古巣を頭に乗せてくれました

園内のケヤキの樹皮をそっとめくってみます。

樹皮の裏側は小さな生きものの宝庫です

樹皮に集団でくっついてザワザワ動くフサヤスデの仲間やチビタマムシの仲間に、「これ、ムリムリムリ!」と言いながら生徒さんが撮影に協力してくれました。

必死の形相で手に持ってくれました 黒いチビタマムシの仲間と、たくさんのフサヤスデの仲間

最後にノビルを紹介しました。春の香りを感じてもらいながら食べ方をお伝えすると、数名の生徒さんが「食べたい!」とのこと。

ノビルのにおいを感じてもらいました

解散後、学校へ戻る道すがら道端のノビルを採集し、生物室を借りて湯がいて食べていました。
いろいろな楽しみ方を見つけて盛り上がってくれて、楽しい観察会となりました。
(生物担当学芸員)

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【市民学芸員かわら版】この銅像の人物はだれ?

3月18日(水)、当館のボランティア「市民学芸員」情報発信チームによる『市民学芸員かわら版』の最新第20号が発行されました。題して、「この銅像の人物はだれ?」です。

1階の自動販売機の奥にあります。

『市民学芸員かわら版』とは、テーマ選定から情報収集、記事のレイアウトまで全て市民学芸員が行い、自然・歴史・文化に関する様々なトピックスについて、市民目線を取り入れながらわかりやすく紹介している不定期刊行の壁新聞です。


今回の『市民学芸員かわら版』では市域にある12名の銅像が紹介されています。例えば「憲政の神様」である尾崎行雄(咢堂)、地域の文化や歴史に精通されていた座間美都治など、地域に貢献された方ばかりです。

ご来館の際は、1階自動販売機付近の『市民学芸員かわら版』をチェックしてみてください。

(考古担当学芸員)

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エナガの巣材集め

3月18日、お隣の樹林地を歩いているとエナガの声がしました。見上げると、樹上で妙な動きをしていました。

糸のようなものを引っ張っています

よく見ると、何かを懸命にひっぱっていました。しかも、かなりしつこく・・

小さな体全体を使って引っ張っています

昆虫かクモが作った繭の繊維をひっぱっているのでした。

懸命に引っ張ります

なぜこんなことをするのかというと、エナガの巣は、コケや地衣類などをこうした繊維で絡み合わせて球状の巣を作るからです。小さなか体のわりにソフトボールくらいの大きな巣を作り、中で10羽以上のヒナを育てます。

エナガの巣 以前、博物館の敷地内に作られていたもの

ひとしきり繊維を口にくわえると、つがいの2羽で連れ立って飛んでいきました。

繊維をくわえて巣の場所へ飛んでいきました

エナガの大忙しのシーズンが始まっています。
(生物担当学芸員)

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