野鳥のお食事姿

先日のブログで、シジュウカラのお食事の様子について紹介しました。
今回は、その他の野鳥のお食事風景です。冬は木々や草の葉の量が少なくなるため姿を見やすくなりますし、何より厳しい食料事情の中で食べることに夢中な野鳥の姿を観察できます。どんなものを食べているのか詳しく知るチャンスです。
こちらの写真は、1月9日に横浜市保土ヶ谷区の横浜国立大学常盤台キャンパスで、学生さんたちの野鳥調査のお手伝いをいた際に撮影したものです。

イイギリの果実を食べるヒヨドリ

構内のイイギリの真っ赤な果実をヒヨドリが群れで食べていました。真っ赤に熟した果実はいかにも美味しそうに見えるのですが、真っ先に食べられるという感じではないため意外と栄養分が少ないのかもしれません。

ヒヨドリ

それでもこの季節の重要な食料なのでしょう。入れ代わり立ち代わり、ヒヨドリが食べていました。
茂みの中を静かに歩いて食事していたのは、キジバトです。

ドングリをくわえるキジバト

写真を拡大してみると、ドングリを食べていました。この場所はスダジイが植栽されているので、スダジイのドングリなのでしょう。次々とつまみ上げては食べていました。こちらは殻は固いものの、人間が食べても美味しいドングリです。栄養価も高いのでしょう。
同じ場所でスズメも食べていましたが・・

白いものを食べるスズメ

こちらは何を食べていたのか、わかりませんでした。嘴(くちばし)にくわえているのは、白っぽくてドングリの中身のようにも見えるのですが、さすがにスズメの嘴ではスダジイの殻は割れません。ただ、冬になると殻が割けてくるドングリもあるため、そうしたものからうまく中身を取り出していた可能性もあります。もう少し時間をかけて調べてみればよかったと、写真を確かめながら後悔しました。
まだまだ厳しい冬が続きます。1月下旬からはいよいよ天気予報の季節区分で言えば真冬、二十四節気でも大寒(1月20日~)となります。懸命に生きる冬の野鳥たちの姿を引き続き観察しようと思います。
(生物担当学芸員)

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相模経済新聞で新連載

相模原市域を中心に発行する相模経済新聞(月3回、1日、10日、20日発行)に、当館学芸員がリレー式で連載を始めました。その第1回が、令和8年1月1日号に掲載されました。

1月1日号の連載記事

メインタイトルは、「30年の歩みとこれから」です。初回は、開館30周年という大きな節目を迎えた昨年から、今年、新たな一歩を踏み出すにあたり当館が意識している博物館の使命について紹介しています。

連載は毎月1日号に掲載されます。このブログでも紹介していきますのでお楽しみに!
(生物担当学芸員)

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シジュウカラのお食事

先月のこのブログで、シジュウカラの水浴びの様子をお伝えしました。今回はお食事の様子です。
1月6日、博物館お隣の樹林地を歩いていると、シジュウカラの声がしました。ヤブの奥の方へ目を凝らすと、枯れた木の葉がまとまった場所がゆらゆらと揺れています。そこにシジュウカラがとまっていました。

枯葉の塊をつつくシジュウカラ

この塊の中へ顔を突っ込むことを繰り返し、数分は同じ動作を続けていました。そして、また少し離れた場所へ行くと、少し見通しの良い場所でまたしてもシジュウカラがケヤキの枯葉をつついています。

顔を突っ込んでいます

しばらく見ていると、ぶら下がっていろいろな方向から顔を突っ込んでいました。拡大すると、繊維のようなものが見えます。

繊維で葉をつなぎ合わせているようです

どうやらこれは、蛾などの昆虫の繭か、クモの卵嚢のようです。詳しいことはわかりませんが、蛹(さなぎ)か卵をつつき出して食べていたと思われます。繭とは本来、外敵から守るために作るものですが、シジュウカラには通用しないということですね。ひとしきりつついてから嘴(くちばし)を枝で拭いて手入れした後、飛び去って行きました。
(生物担当学芸員)

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文化財調査・普及員考古班研修会

相模原市文化財調査・普及員考古班の研修会が12月25日(木)に開催され、相模原市立博物館の地質担当学芸員が講師を務めました。

当初の予定ではJR相模線原当麻駅付近の地形・地質の野外観察を行う予定だったのですが、天気予報では雨が予想されたため、事前に相模原市立博物館での実施に変更となりました。

まず、自然・歴史展示室の「台地の生いたち」コーナーで相模野台地の地形と地質について解説しました。

「台地の生いたち」コーナー入り口での解説

地層の剥ぎ取り標本の解説

相模原市立博物館に展示してある剥ぎ取り標本は、実際に崖などに露出している地層に強力な接着剤のようなものを塗り、固まった部分だけ薄く剥ぐように地層を採集したものです。石ころでできた層は剥ぎ取れないので、川原の石ころを使って作った模型です。剥ぎ取り標本は大型なので、実際に野外で地層を見るのと同じ様な感覚で観察することができます。

展示解説の後、実習実験室で見学予定地点などの解説を行いました。

実習実験室での講義

剥ぎ取り標本は野外と同じ様な感覚で観察できるといっても、地層の一部を切り取ったものなので、本来の地層の広がりがわかりません。また、地層を触った時の感触も伝わりません。やはり野外でしか伝わらないことが多いので,野外観察はまた日を改めて実施できればと思います。

(地質担当学芸員)

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2026年初日、オープンしました!

1月4日、相模原市立博物館の2026年最初の開館日を迎えました。
特別企画展「ポケモン天文台」は本日を含めて、残すところ8日の会期となり、朝から大変多くのご来場者をお迎えしています。
なお、当館は明日、1月5日(月)は休館日となりますのでご注意ください。

さて、年末年始の写真を少しだけ紹介します。まずは、市内緑区の林道で見かけた、ウソです。

ウソ(オス)

種名を言うと「えっ?」と聞き返されることが多いのですが、ホントの種名です。というのも、この鳥の鳴き声が「フィ、フィ」と柔らかな音で、口笛のように聞こえます。「うそ」とは、口笛の古語で、これが種名の由来と言われています。上の写真の個体はオスで、頬や胸から腹にかけてお屠蘇(とそ)を飲んだようにほんのり赤いのが特徴です。
続いてこちらは、同じ林道でみかけたクサボタンの種子です。

クサボタン

クサボタンはキンポウゲ科のつる植物で、綿毛がクルッとカールしているのが特徴です。
こちらは12月29日、緑区の南側にそびえる仏果山(愛甲郡愛川町)の上に昇り始めた月です。上弦から2日ほど経ち、半月より少し膨らんでいます。

仏果山と昼間の月

そして、相模原市中央区の名物?国道16号線の初日の出です。

2026年1月1日の日の出(中央区富士見)

市役所付近の国道16号線は、元日あたりはちょうど横浜方面の延長上に初日の出が昇ります。今年は下の方に少し雲がかかり、雲の上からの日の出となりましたが、多くの市民がこの初日の出を見ようと歩道橋に集まっていました。

今日も朝からとてもよいお天気で、ピリリと冷え込んでいます。今年も気を引き締めてスタートしたいと思います。
(生物担当学芸員)

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今年もよろしくお願いします

2026年の元旦です。
昨年はプラネタリウムのリニューアルオープン(2025年7月)や特別企画展「ポケモン天文台」(1月12日まで)など、たくさんの来館者をお迎えできました。本年も引き続き、開館30周年記念企画展「相模原のたからもの」(1月31日~)をはじめ、様々な企画をご用意しています。31年目の博物館にぜひご期待ください。
さて、今年の干支は「丙午(ひのえうま)」です。十二支の午(うま)にちなんだ博物館の資料や、資料にまつわる写真を紹介します。
まずは、自然・歴史展示室のこの看板の頭には馬の絵が。

自然・歴史展示室の出口近くにある展示資料

「はき立紙」と書かれた看板です。掃き立(はきたて)紙とは養蚕の道具で、馬具ではありません。

一番上のパーツに、2頭の馬の絵が

養蚕のはじまりにまつわる伝承にはよく馬が登場するため、このようなデザインになっています。

こちらは、緑区青野原の「牧馬-煤ケ谷構造線」と呼ばれる断層の写真です。断層が、年代や性質が大きく異なる地層や岩石の境界となっている場合、構造線と呼ばれることがあります。青野原にあるキャンプ場付近の道志川は、牧馬-煤ケ谷構造線に沿って流れています。

牧馬-煤ケ谷構造線

写真の左上から右下までを横切るように、人物の足元付近に牧馬-煤ケ谷構造線が通っています。

正面に牧馬-煤ケ谷構造線が

上の写真は道志川下流方向(南東側)を見たところです。道志川が牧馬-煤ケ谷構造線に沿って流れています。正面に写っている尾根が低くなっているところに牧馬-煤ケ谷構造線が通っています。
最後は植物です。ウマノスズクサという名の、変わった形の花です。

ウマノスズクサ

珍しい花ではないのですが、どこにでも見られる植物ではありません。ジャコウアゲハという大きく美しいチョウの食草でもあるので、見つけるとちょっと嬉しくなります。

相模原市立博物館は1月3日まで年始休1月4日から営業となります。
本年もよろしくお願いいたします。

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霜の花

12月28日、相模原市立博物館は年内最後の開館日となりました。
新年は1月4日からの開館となります(1月5日は休館日)。

快晴の朝を迎えて、気温もぐっと冷え込みました。博物館お隣の樹林地にはたくさんの霜柱が立ちました。

青空の下の霜柱

そして、地面近くに残る葉には霜の花が。

ザラメをまぶしたお菓子のようです

紅葉と霜の美しいコントラストです。

ノイバラの紅葉におりた霜

落ち葉にも。

落ち葉には不思議な霜の結晶

拡大して見ると、クリスタルのような結晶が見えます。

氷の造形美

霜の花も、太陽が高くなってきて日が当たると、瞬く間に溶けていきます。そんなはかなさも、美しさを際立たせる理由の一つかもしれません。
(生物担当学芸員)

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野鳥が集まる木

12月27日、年内もラスト2日の開館となり、特別企画展「ポケモン天文台」やプラネタリウムをご覧になる来館者で館内は大変込み合っています。
ふと外に出たら、お隣の樹林地では野鳥の声で賑わっていました。

エノキに群れるツグミ

エノキに、ツグミが集まっていました。枝に残る果実を食べていたのですが、エノキの枝先は細いので、とまる場所が安定せず、入れ代わり立ち代わりとまっては食べています。

果実を一つずつとって食べます

ざっと数えて30羽ほどの群でした。

安定してとまれる枝が少なく、そんな場所は取り合いになっていました

よく見ると、シロハラもいました。

シロハラ

少し間を置いて、イカルもやってきました。こちらも20羽ほどの群で飛び回っています。

イカル

ヒヨドリも群れて鳴いていました。一年中いるように見えるヒヨドリですが、冬になると北日本で繁殖したヒヨドリが南へ移動してきます。さらに南へ移動したり、関東地方で繁殖したヒヨドリも南へ移動する個体もいるようで、なかなか複雑ですね。

ヒヨドリ

エノキは春の若葉の頃には多くのチョウやガの幼虫が葉を食べ、それを狙って野鳥も集まってきます。一年をとおして野鳥が集まる木と言えます。

博物館は明日、12月28日まで開館し、新年は1月4日からとなります。冬休み期間のプラネタリウム番組など、詳しくはこちらをご覧ください。
(生物担当学芸員)

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高校の先生の研修会

12月25日、博物館で高校の理科の先生たち向けの研修会を行いました。これは、神奈川県高等学校教科研究会理科部会が主催する生物研修会で、テーマは「授業で使える!自然観察ネタおろし」です。先生が自然観察のプログラムを持ち帰り、学校ですぐに取り入れられるよう実地で実習してもらいました。
まず、自然観察の考え方や、方法について簡単にレクチャーしてから、野外へ出ます。

落ち葉でいろいろと楽しんでいただきました

導入を意識した、落ち葉を使ったプログラムでは、高校生向けにはもちろん、高校生が小学生向けに実施する観察プログラムなどにも導入可能な、楽しく簡単なものを紹介しました。
また、植物社会学という専門的な学問分野の入り口として、森という空間をどの木が占めているのかを実感できるプログラムも実際に体験してもらいました。
生態系を考えるプログラムでは、落ち葉の層がしだいに土になっていく様子や、そこに生きる生きものを探して観察しました。

落ち葉の下では、冬でも意外とたくさんの生きものが見つかります!

お昼休みを挟んで、AIを活用したプログラムも紹介しました。AIを使って単に種名を調べるだけでなく、それをグローバルな生物情報システムへつなげる手法も、実際にご自身のスマホを使って体験していただきました。
最後は動物担当学芸員が、昆虫標本を使って博物館における標本の意義や、昆虫の多様性を実感してもらう実習を行いました。

室内で昆虫標本を扱いました

盛りだくさんの内容となりましたが、こうした実習を学校でも試していただき、生きものに興味を持つ生徒さんをたくさん“発掘”していただきたいと思います。
(生物担当学芸員)

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秘密の水浴び場

12月23日、特別企画展「ポケモン天文台」も会期終盤となり、たくさんのご来場者をお迎えしています。そんな中、博物館裏手のある場所では、ひっそりと、でも小鳥たちで賑わう場所があります。フェンス付近にシジュウカラの群が下りてきたかと思うと・・

シジュウカラ

博物館の裏手の排水路を塞ぐ金網に下ります。

金網の下には・・

一瞬様子を伺ったかと思うと、スッと網の下へと下りました。下りたところでは・・

たくさんのシジュウカラが慌ただしく水浴びしています

水が溜まった場所で水浴びをしていました。
水浴びは、大切な羽毛を清潔に保つために不可欠な行動です。一方、水場でバシャバシャやる瞬間は外敵にも狙われやすく、危険な瞬間でもあります。でも、この水路は金網でふさがれているため、大きな猛禽類などは入れません。それを意識しているかはわかりませんが、ここで水浴びするのを頻繁に見ます。近くの枝上では、水浴びを終えて整ったのか、フサフサの体羽をなびかせたシジュウカラがいました。

水浴び後のシジュウカラ

この場所は残念ながら一般の来館者が入れないエリアにあり、それもまた、安心して水浴びをできる理由かもしれません。
(生物担当学芸員)

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