エナガの巣材集め

3月18日、お隣の樹林地を歩いているとエナガの声がしました。見上げると、樹上で妙な動きをしていました。

糸のようなものを引っ張っています

よく見ると、何かを懸命にひっぱっていました。しかも、かなりしつこく・・

小さな体全体を使って引っ張っています

昆虫かクモが作った繭の繊維をひっぱっているのでした。

懸命に引っ張ります

なぜこんなことをするのかというと、エナガの巣は、コケや地衣類などをこうした繊維で絡み合わせて球状の巣を作るからです。小さなか体のわりにソフトボールくらいの大きな巣を作り、中で10羽以上のヒナを育てます。

エナガの巣 以前、博物館の敷地内に作られていたもの

ひとしきり繊維を口にくわえると、つがいの2羽で連れ立って飛んでいきました。

繊維をくわえて巣の場所へ飛んでいきました

エナガの大忙しのシーズンが始まっています。
(生物担当学芸員)

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進む春

3月18日、博物館お隣の樹林地を春の花チェックをしながら歩きました。咲き始めた花がたくさんあって紹介しきれないのですが、まずはこちら、タチツボスミレです。

タチツボスミレ

毎年、春の間中、長い期間たくさんの花を楽しませてくれます。そして、同じ色合いのこちらはオオアラセイトウ(別名ショカッサイ)も咲き出しました。この花が咲くと、春も本格的になったと感じられます。

オオアラセイトウ

青系統の花色が続きますが、オオイヌノフグリです。日当たりの良い場所では冬の間から咲いていますが、この樹林地では春になってから咲きます。

オオイヌノフグリ

こちらはあまり目立つ花ではありませんが、かわいらしい姿のシロイトスゲです。カヤツリグサ科のスゲの仲間では樹林地などで比較的普通に見られる種類です。

シロイトスゲ

花と言えば、こちらも紹介せざるを得ません・・スギです。枝先の赤いところは、雄花や雌花が開花しているしるしです。

スギ

花ではありませんが、サンショウも芽吹きはじめました。昨年末にこのブログで紹介した時とは、なんだか表情も変化しているように思えます。

サンショウの芽吹き

まだまだ他にもいろいろと春の訪れを感じさせてくれる植物がありますが、また次の機会に・・
(生物担当学芸員)

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生きものミニサロン「敵を知る!スギ花粉を顕微鏡で見てやろう!」を実施しました

3月14日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは、こちらも毎年恒例になりました、スギ花粉の観察です。今、花粉症に悩まされていない人を探すほうが難しいくらい、メジャーなアレルギーです。その原因物質をこの目で確かめてやろう、ということです。
と、その前にせっかく開花しているので、先日このブログでもお伝えしたミミガタテンナンショウを、普段は閉まっていて入れない中庭に、今日は特別にカギを開けて中へ入って見ていただきました。

ミミガタテンナンショウを観察

子供たちも、不思議なカタチの花に興味津々でした。
その後、満開のウグイスカグラの花粉も観察するため、採集します。

ウグイスカグラの花を採集

スギ花粉の採集場所は、公用車の駐車場です。フロントガラスなどに積もったスギ花粉を、セロハンテープに貼りつけます。

セロハンテープに貼りつけます

それを穴の開いたボール紙に貼りつけて、特製の簡易プレパラートのできあがり。顕微鏡で観察します。

早く見たい!

敵は見えたかな?

顕微鏡は慣れないと見えにくいのですが、全員がスギの花粉を観察できました。

スギ花粉の特徴は球体の一部分から突起(パピラ)が出ていることです

リンゴのへたのようなパピラ(突起物)がスギ花粉の特徴です。それが見えたら、次はウグイスカグラです。花粉の写真はいずれも縮尺がバラバラなので大きさはわかりにくいのですが、ウグイスカグラの花粉は特大です。そして、四角形。

大きくて、低倍率でもはっきり見えたウグイスカグラの花粉

さらに、最初に花を観察したミミガタテンナンショウは、事前に採って用意してあったものを見てもらいました。

こちらは小さな花粉なので、かなり拡大しないとよく見えませんが、表面のトゲトゲは見えました

きれいな球形ですが、表面がトゲトゲしていました。ちなみに、ウグイスカグラもミミガタテンナンショウも、目立つ花を咲かせるということは、虫にくっついて花粉を運ばせるタイプなので、風で飛ばないことから花粉症の原因にはなりません。
この季節の憂鬱な花粉ですが、みなさん、時折くしゃみをしながらもいろいろな形を楽しそうに観察してくれました。
今年度最後の生きものミニサロンでしたが、来年度も引き続き実施する予定です。来年度の日程については改めて、博物館のホームページでお知らせします。
(生物担当学芸員)

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コブシとヒサカキも開花!

博物館前庭のコブシが咲き出しました!

コブシの花

まだ開ききっていませんが、同じ木に開きかけのつぼみもたくさんあり、次々に咲きそうです。
こちらは咲き姿は目立たないものの、匂いで開花に気づくヒサカキです。

ヒサカキの花

この花の匂いは好き嫌いがはっきりしていますが、では何の匂いに似ているか尋ねると、なかなか定まりません。人によってはガスくさいとか、油くさいとか・・

ヒサカキの花(拡大)

個人的には春を告げる匂いのためか、嫌いではありません。むしろ、人によって表現が異なるので、それを尋ねては楽しんでいます。
先日のこのブログで、開きかけの花を紹介した中庭のミミガタテンナンショウが開きました。

ミミガタテンナンショウ

「花が開いた」というのは正確な表現ではありません。尖った花びらが前へ折れ曲がっているように見えますが、これは仏炎苞(ぶつえんほう)と言って、花を包む苞葉(ほうよう)です。本物の花は、仏炎苞に包まれたこん棒状の部分です。

中央にひっそり立つのが本物の花

ミズバショウやザゼンソウと同じくサトイモ科の植物なので、構造的には似ています。
春のお知らせはまだまだ続きます。
(生物担当学芸員)

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カントウタンポポ開花

3月11日、2011年の東日本大震災から15年目の日に、博物館前の歩道沿いでカントウタンポポが咲きました。

カントウタンポポ

一昨年より前は、歩道沿いは雑種のタンポポが優勢で、カントウタンポポはお隣の樹林地の外ではほとんど見ることがありませんでした。しかし昨年、この株が在来種のカントウタンポポであることを確認しました。昨年、当館が開館30年を迎え、地面も安定してきた証拠と考えています。
こちらは、つるから新芽が出てきたシロバナハンショウヅルです。お隣の樹林地の一画に自生する株から増やして駐車場のフェンスに絡ませています。

シロバナハンショウヅル

子どもが頭を両手でポンポンしているようにも見えてかわいいですね。
昨秋、季節外れに開花してしまって、翌春咲くのか心配していたオキナグサも、花芽が立ち上がってきました。

オキナグサ

こちらは市内の自生地から種子をとってきて、当館で系統保存のために育てているものです。
あちらこちらで春のお知らせが届いています。
(生物担当学芸員)

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当館エントランス+黒曜石=??

3月7日(土)、当館エントランスには黒曜石を割る音が響いていました。

考古担当学芸員はエントランスで年に数回石器を作っており、今回は群馬県みどり市の岩宿博物館学芸員の小菅将夫さん、鈴木秋平さんをお招きし、3名で石器を作りました。

人だかりが!皆さんの視線がうれしいです。

小菅将夫さん(左)、長澤(当館学芸員)、鈴木秋平さん(右)

旧石器時代の出土品は石器が主体で、当館の常設展示にもあります。
ただ専門性が高く分かりにくいことも事実です。
それならば割って説明しようということで「石割実演」を考案しました。

石を割った際の石くず

上の写真のように、黒曜石を割って石器を作りますが、鋭い石の破片が多数出るので大変危険です。そのため、自作の石器レプリカを触れるコーナーを作り、さらに「岩宿遺跡・岩宿博物館」と「田名向原遺跡・旧石器ハテナ館」について解説パネルを設置しました。それぞれ日本屈指の重要な遺跡です。

石器レプリカ以外にも鹿角などもあります。

13:30~15:30の2時間のみでしたが、101名も見学していただきました。
石器や旧石器時代に興味を持ってくれる方が増えていただければ大変嬉しく思います。

質問を多くいただきました。

おびのっちも看板役で活躍しました。

これからも遺跡の貴重さや面白さを分かりやすく発信できるよう、取り組んでいきます。
(考古担当学芸員)

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大野中公民館で境川についてお話しました

3月7日(土)の午後、大野中公民館の歴史講座で、境川の歴史や自然について当館生物担当学芸員がお話しました。テーマは、「都市を流れる生きものの宝庫 境川の歴史と自然」です。“歴史や自然”と言っても、生物の学芸員がお話できるのは、ほんのわずかなことだけなので、ほぼ、生きものの話をしました。

講座の様子

歴史というより、境川の基礎知識として、源流と河口について、あるいは、河川用語としての「流域」という言葉について、そして、現在の境川は、その名のとおり相模原市と東京都町田市との境を流れていますが、一部の地域には「相原」や「小山」など、共通する地名があり、かつては必ずしも「境目」ではなかったことなども触れました。
生きものについては、北向きが多い川沿いの斜面林に特徴的な早春の植物や・・

 

アズマイチゲ

ヤマエンゴサク

境川と言えば!1月にNHKのニュース番組でも取り上げていただいたカワセミです。

カワセミ

さらに、様々な野鳥を紹介しました。

バン

「自然豊かな都市河川」であるとともに、境川が抱える外来種の問題についても触れました。

特定外来生物クリハラリスが2021年に市内で初めて確認されたのは、境川の斜面緑地でした

こうした問題を把握し、希少な植物などを保護するには大きな労力がかかり、それを実践する特定非営利法人境川の斜面緑地を守る会などの活動あっての自然であることも紹介しました。そして、まずは境川を実際に歩いて楽しみ、見守ることが、境川の貴重な自然を守る第一歩であることを強調して終わりました。
参加者のみなさんから「これまでとは違った視点で境川を見られそう」などと感想をいただきました。これをきっかけに、境川の自然を守る担い手が一人でも増えたら嬉しいです。
(生物担当学芸員)

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開きかけた天南星

博物館中庭で、怪しげな花が開きかけています。

ミミガタテンナンショウ しっかり咲くと、花を包む仏炎苞(ぶつえんほう)の付け根が耳のように張り出します

ミミガタテンナンショウです。サトイモ科の植物で、相模原市域では丘陵地などによく見られる野草です。博物館周辺にも多く見られますが、ここ何年か、増えてきたように思います。テンナンショウ(天南星)とは漢方の原料となる生薬(しょうやく)の名前ですが、この植物になぜその名が付けられたのかは諸説あってよくわかりません。また、生薬と言っても、塊根などに強い毒成分を持ちます。
同じ仲間にはマムシグサという名前が付けられるものが多く、それは地面から出てきた茎の模様がマムシに似ているからと言われていますが、こちらも諸説あります。近くに芽を出したばかりの株があって、その様子を確かめられます。

こちらはまだ開いていないミミガタテンナンショウ 茎を包む鞘の模様が、確かにマムシを思わせます

いずれにしても、3日前に見た時はまで出ていませんでしたから、あっという間に伸びてきたのでしょう。しっかり開花すると、それもまたちょっと怪しげなので、改めて紹介したいと思います。
(生物担当学芸員)

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地形観察会「縄文集落を生んだ地形を探ろう」

3月8日に相模原市文化財課主催の「縄文集落を生んだ地形を探ろう」が開催され、当館地質担当学芸員が講師を務めました。

相模原市南区磯部の勝坂遺跡公園周辺の地形と地層を観察し、縄文人がどんな場所で暮らしていたのかを歩いて感じる観察会です。

勝坂遺跡公園は縄文時代の遺跡が発見された場所に整備されています。この辺りは2時間程度歩けば、相模野台地を構成している地形や地質をほとんど見ることができます。狭い範囲にいくつも坂や谷があり、登ったり、降ったりしながら地形や地層、湧水などを観察しました。

観察会に出かける前に概要を室内で説明し、その後で野外に出かけました。

まず、室内で地形や地質の概要を説明しました。

湧水の湧き出し口を観察しました。湧水は集落の立地を考える上で重要です。

相模野台地をつくっている地層の観察です。地層の違いは農作物などに影響を与えます。

相模川対岸の中津原台地の地形も観察しました。縄文人も同じ風景を見ていたのでしょう。

湧水を集めた小川が刻んだ小さな谷です。谷の両側で崖の高さが違っており、地形のでき方を考える上で重要な場所です。

地形や地質は、その地域の歴史や文化と深く結びついています。どのような場所に縄文時代の人々が集落をつくり、生活していたのかを地形学や地質学の観点から眺めてみると、新たな発見があるかも知れません。

(地質担当学芸員)

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早春の音

3月7日、博物館周辺の樹林地では、ウグイスが「ケキョ、ホケキョ」と控えめに囀りを始めました。

ウグイス(過去に撮影したもの)

「早春の鳴きはじめは下手だね」とよく言われるのですが、それもそのはずで、ウグイスの囀り「ホーホケキョ」の「ホー」をしっかり大きく伸ばすには、喉を大きく膨らませて空気をためなくてはいけません。鳴きはじめはまだ喉が伸びずに膨らまないため、ホーが短かったり、寸詰まりになったりするのです。上の写真は昨年の初夏に撮影したものですが、鳴いていない時でも喉が少し膨らんでいるのがわかります。

囀るオス 喉が膨らんでいるのがわかります(過去に撮影したもの)

これからどんどん大きな声で美しく鳴いてくれるはずです。しばらくは、早春の音と思って楽しみましょう。
さて、植物の方はどんどんと春の歩みを進めています。ノイバラは早くも新芽が開いてきました。

ノイバラ

コブシは、街路樹などですでに開花している株もありますが、博物館周辺ではもう少しかかりそうです。

博物館前庭のコブシの花芽

そして、テングチョウは晴れ間と共に現れます。

日向ぼっこするテングチョウ

成虫で越冬していたので翅(はね)がボロボロですが、春の陽ざしを浴びて温まると、元気よく飛び立ちます。
季節が加速しているのが感じられます。
(生物担当学芸員)

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