タカの渡り観察体験会

10月2日、自然環境観察員制度野鳥部会(エコパークさがみはら主催)のみなさんと、タカの渡りポイントで「タカの渡り観察体験会」を実施しました。前々日にたくさんの渡りが見られていたため、この日も飛ぶかもという期待と、もう残っているタカが少ないのではないかという不安が入り混じる中、観察を始めました。

野鳥部会のみなさん

お昼近くまで、時々サシバやノスリ、ミサゴなどが飛ぶものの、「渡り」と言えるような飛び方のタカがなかなか現れません。

上空を羽ばたきながら飛ぶサシバ

カケス

その後も、双眼鏡でも見るのが厳しい距離で少し渡っていったほか、お昼までにタカはほとんど飛んでくれませんでした。半分くらいの方が午前中だけで帰りましたが、14時まで残ろうとねばる人も・・。
その願いは、終了間際に成就しました。東から西へと飛ぶサシバが次々と現れて、その数は28羽!西の空で再び上昇気流に乗って旋回するサシバのタカ柱も観察できました。

遠くの空でしたが、タカ柱もしっかり見ることができました

ほかにもノスリが渡っていったり、ヒヨドリの10羽以上の群が何度もわたっていったり、エゾビタキをじっくり観察したりと、思い返せばいろいろ見ることのできた観察会でした。
(博物館長・学芸員)

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2026年大月巡検

9月26日に日本地質学会関東支部主催の「2026年大月巡検~南部フォッサマグナの付加衝突帯の地質と甲州街道の酒蔵~」の講師を務めました。大月市の桂川(相模川の上流)で地層や岩石を観察しました。丹沢山地をつくる岩石や富士山の溶岩(ようがん)、昔の桂川の川原に堆積した砂礫層(されきそう)など、いずれも相模原と関係が深いものです。

まずは猿橋を訪れました。猿橋は日本三代奇橋の一つで、甲州道中(甲州街道)が桂川を渡るところに架けられています。珍しい構造をしており、はね木を両岸から張り出すように重ねて橋を支えています。猿橋が架かる渓谷の両岸には丹沢山地をつくる凝灰岩(ぎょうかいがん)が露出しています。

桂川にかかる猿橋。桂川は深い渓谷となっています。

桂川の岸壁をつくる凝灰岩は、1,200万年前の海底火山噴火によってつくられた岩石です。この岩壁から猿橋渓谷の成り立ちがわかります。

猿橋では、他にも約2万年〜約8千7百年前の間に噴出した猿橋溶岩と約2万の桂川の砂礫層も観察しました。

次に訪れたのは、大月駅の北方にある“象の鼻”です。猿橋で見られたのと同様の凝灰岩と猿橋溶岩を観察しました。ここでは、凝灰岩のすぐ上に猿橋溶岩が直接積み重なっているのがよくわかります。猿橋溶岩と凝灰岩の年代差は1千万年以上!地球のダイナミックな営みを感じることができます。このように異なる年代の岩石が直接、接しているところが見られる場所は意外と少なく、地質学的に重要です。

桂川に張り出した岩が象の鼻に見えることから、いつしか“象の鼻”と呼ばれるようになりました。

“象の鼻”から北側を見上げると、山腹に岩盤が露出している岩殿山(いわどのさん)が見られます。この岩盤は数百万年前にプレート境界で堆積した礫岩(れきがん)からできています。山頂には戦国時代の城跡があります。

“象の鼻”から見た岩殿山。中央高速道路やJR中央線の車窓からも見ることができます。

最後に大月市内にある酒蔵を見学しました。大月市の歴史や富士山信仰との関わり、仕込み水の水質と地形・地質の関係についてお話を伺いました。酒造りはその地域の歴史や文化と深く結びついており、日本酒の味を左右する仕込み水は地形や地質に大きく影響を受けています。

古くからの酒蔵は、その地域の歴史・文化・自然、すべてと関わっています。

一日中、雨が降り続ける中での観察会でしたが、参加された皆さんは熱心に観察していました。また、地形・地質はその地域の歴史・文化と深く関わっていることを感じていただけたようです。

(地質担当学芸員)

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小山公民館 地域を知る講座

9月20日に小山公民館 地域を知る講座「火山がつくった相模野台地」の講師を務めました。相模野台地の地形や地質の特徴と成り立ちについてお話ししました。

相模野台地をつくる地層は、相模川が上流から運んできた砂礫(されき)と富士山や箱根山から噴出された火山灰が降り積もってできたものです。また、遠く九州の火山から噴出された火山灰も降り積もっています。火山がなければ相模野台地の地形は全く違うものとなっていたでしょう。

相模野台地と火山は深く関わっていることをご理解していただけたようです。

(地質担当学芸員)

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雨の中渡るタカ

9月30日、記録的な秋の長雨が続く中、この季節の風物詩であるタカの渡りの観測に市内緑区の観測ポイントへ行きました。せめて曇り空なら飛ぶかなと思いつつ、しかし霧雨が降り続く空をうらめしく眺めていました。多いときは20人を超える観察者がいる観測ポイントですが、この日は渡らないだろうと諦める人が多く、お昼ごろには10人以下になっていました。それでも前日までの荒天から、渡らずにはいられないタカがいるかもしれないと空を眺めていると・・

雨雲の下を渡るサシバ

渡るタカの代表格であるサシバが頭上を飛びました。
後方を見れば雨雲を破るように飛び出す個体が次々と現れます。

次々と西へ渡るサシバ

来た来た!あっちもいる、こっちからも来た!!と残っていた人たちから歓声が上がります。

雨ニモ負ケズ、観測中

こんなコンディションに渡らなくても・・と思うような天候の中、この群は149羽が西へと渡り、さらにこの後も断続的に群が通過しました。結果としてこの日は400羽を超えるサシバが渡っていきました。
この観測ポイントで一日にこれだけの数が渡るのを初めて見ました。秋晴れの空を渡るイメージに反して、こんな日に記録的な観測数になるとは、改めてタカの渡り観測の奥深さを感じました。サシバだけではなく、少数ですがノスリも渡っていきました。

ノスリも渡りました!

タカの渡りの観測は10月前半まで続きます。秋雨に翻弄された9月から、10月はどんなドラマが待っているのか、今からドキドキしてしまいます。
(博物館長・学芸員)

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友の会サミット2026

9月26日~27日にかけて、神奈川県立生命の星・地球博物館において「友の会サミット2026」が開催されました。このイベントは、神奈川県立生命の星・地球博物館友の会、一般社団法人路上博物館、早稲田大学博物館支援サークル ミュゼさぽ、認定NPO法人大阪自然史センター、一般社団法人てこぽこ、~travelling museum~博物倶楽部の各団体有志が実行委員会を作り、昨年度の大阪市立自然史博物館から1年足らずで実現したものです。

会場は神奈川県立生命の星・地球博物館の星槎ミュージアムシアターでした

当館からは館長とさがみホネホネ団が参加しました。1日目には、館長が大阪市立自然史博物館の佐久間大輔学芸員とのクロストーク「ミュージアム・ファンダムによる文化的コモンズ ―みんなの居場所と出番をつくるために―」へ登壇しました。

写真提供 ~travelling museum~博物倶楽部さん

神奈川県内の地域博物館の活動がどのように進展してきたのか、さらにこれからの「博物館友の会」やそれに類するコミュニティがどのように博物館にコミットしていくべきかといった話題についてトークを展開しました。
また、各地の団体の活動紹介では、さがみホネホネ団も登壇。今回の最年少発表者でした!

最年少の登壇者 さがみホネホネ団

2日目は分科会でさらに活発な議論が行われ、友の会の横のつながりがさらに太くなりました。各地の博物館ごとに活動している“友の会”は、交流する機会が限られていますが、こうしたイベントによってお互いに刺激しあい、運営や活動の課題などを話し合うことはとても意義深いですね。
(博物館長・学芸員)

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令和8年度 地質分野実習 ~展示解説編~

こんにちは!地質分野の実習生です。

いよいよ9日間の博物館実習も最終日。これまで準備してきた展示の前で、来館者の皆さんに展示解説を行いました。

実際に解説してみて感じたのは、「わからないことを、きちんとわからないと言う」ことの大切さです。

途中、地質にとても詳しい方から、私たちでは答えられないような質問をいただきました。正直に「そこまでわかりません」と伝えると、今度はその方が詳しく説明してくださいました。ついさっきまで説明する側だった私たちは、完全に聞く側です。

しかし、こうして来館者の方との対話から自分たちも学ぶことができることが、展示解説の面白さの一つなのだと感じました。

もう一つ難しかったのが、展示の前で待っていても、来館者の皆さんがそのまま通過していくことです。どう声をかけるか、どうすれば足をとめていただけるか。知識を伝えるだけではなく、展示に人々を引き込むことも学芸員の大切な力だと実感しました。

そして、足を止めてくださった方々は真剣に話を聞いてくださいました。

準備してきたことを自分の言葉で伝えられた瞬間、野外調査や展示づくりなど、この9日間が走馬燈のように頭の中に上映されました。今も生きてはいるのですが。

今回の実習を通して、展示は作って終わりではなく、来館者との会話によってさらに広がっていくものだと学びました。展示解説を聞いてくださった皆さん、本当にありがとうございました!

(地質分野 実習生)

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生きものミニサロン「雨!?だけど・・屋根の下でクモの巣観察」を実施しました

9月19日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは「雨!?だけど・・屋根の下でクモの巣観察」です。

クモの巣を間近で観察

秋になってだいぶ体が大きくなってきたジョロウグモが、博物館正面のアプローチ付近にたくさんの巣を作っています。その様子を観察しました。

ジョロウグモ 大きな方がメスで、右上の小さな方がオス

ジョロウグモの巣を見つけたら、その場所にシールを貼っていきます。

ジョロウグモの巣のマップを作りました!

参加したお子さんたちが、あそこにも!ここにも!と次々にクモの巣を発見してくれました。大人が気づかない、天井付近の巣も目ざとく見つけます。

短時間でたくさんの巣が見つかりました!

そして、クモの巣を観察しやすくする“秘密兵器”第一弾、背面に黒っぽい壁を立ててみました。

見えやすくなったかな?

みなさんの反応が今ひとつだったので、それならば、ということで第二弾、霧吹きです。

霧吹きで巣に水滴をつけます

こちらは細かい水滴がついて網の構造が見事にわかりました。

見やすくなりました!

平面的に見えるジョロウグモの巣は、じつは複雑な立体構造をしています。
ある巣では、ギンヤンマが巣にかかっていて、ジョロウグモがお食事をしていました。

ギンヤンマをつかまえたジョロウグモ 迫力ありますね!

クモの巣をたっぷり観察して、さらにおまけで昆虫の観察をして終了したら、待ってくれていたかのように雨脚が強くなってきました。今回も生きもの好きのお子さんたちにリードしてもらいながら、楽しく自然観察できました。
次回は10月17日(土)12時からです。お楽しみに!
(博物館長・学芸員)

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面白いキノコ

ここ最近の長雨のおかげか、山ではたくさんのキノコを見ることができます。
先日の調査の折に見かけた面白いキノコを2種、紹介します。
まずは、鮮やかなオレンジ色のカエンタケ。

「火炎」の名のとおりの見た目のカエンタケ

猛毒があるともいわれているキノコです。
枯れたコナラの根元から発生していました。
今回観察したように枯れたナラ類を好むきのこで、ナラ類が害虫により枯れる「ナラ枯れ」が市内で顕在化した際にはそれに伴ってしばしば見られたそうですが、最近はあまり見かけません。

エリマキツチグリも美しい姿を見せてくれました。

変わった形のエリマキツチグリ

真ん中の丸い部分の中には胞子が詰まっています。
雨粒が袋にぶつかると、その衝撃で、中央に開いた小さな穴から胞子が吹き出すのです。

この日は雨の翌日で、今にも雨が降り出しそうな中での調査でした。
こんな天気の日にひときわ元気なのは、そう、ヒルです。
この日も恐ろしい数のヤマビルが長靴についていました。

大小さまざまなヒル

(動物担当学芸員)

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キンモクセイ

外を歩いていると、キンモクセイの香りがどこかしらから漂ってくる季節になりました。博物館の前庭の隅、バス停近くにも1本植えられているので、風向きによっては正面入口付近でも匂っています。

キンモクセイ

ジンチョウゲ、クチナシと並んで日本の三芳香木に数えられますが、原産は中国で、江戸時代に持ち込まれたと言われています。

キンモクセイの花

個人的にはクチナシやジャスミンのような花の甘い香りが苦手なのですが、キンモクセイは秋の季節感とマッチしているためか、匂いに気づくとちょっと嬉しくなります。
秋の花と言えば、ヒガンバナも花の盛りを迎えつつあります。

ヒガンバナ

博物館近くの歩道では最近、植栽管理で草刈りが入りましたが、ちゃんとヒガンバナの花茎は刈り残されていました。この花ももともとは中国原産の植物で、とても古い時代に入って来たとされています。そのためか、日本の風土にすっかりなじんでいますね。
(博物館長・学芸員)

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花粉を見る

9月13日、博物館の実習実験室で日本固有のタンポポ全国調査プログラムのバックヤードプログラム「タンポポの花粉による同定会」を実施しました。これは認定特定非営利活動法人アースウォッチ・ジャパンの支援を受けて進めているタンポポ調査プログラムの一環として実施しました。全国から集まったタンポポの花のサンプルから花粉を取り出して、在来種のタンポポかどうかをボランティアのみなさんと同定します。今年で3年目の調査となり、今年は花粉の形成状況と雑種の花の形態の関係について明らかにすることを目的としています。最初に、横浜国立大学の倉田薫子教授からこの調査プログラムがネイチャーポジティブに対してどのように貢献するかについてお話をいただきました。

倉田教授によるレクチャー

花粉の採取方法と顕微鏡での観察方法について当館館長から説明を行った後、早速参加のみなさんに花粉による同定作業を行っていただきました。

熱心に作業するボランティアのみなさん

このバックヤードプログラムはあと2回実施して、全国から集まった600以上のサンプルすべてについて同定作業を実施します。結果についてはまた改めてお知らせします。

タンポポの花粉 このサンプルは雑種タンポポのもので、大きさが異なる花粉が多く含まれます

タンポポの花粉ばかり見ていると疲れてしまうため、博物館のまわりで今咲いている花の花粉も観察することにしました。写真の縮尺はそれぞれ異なるので、花粉の実際の大きさの差を表していませんのでご注意ください。
こちらは、ツユクサの花粉です。俵形で、くぼみのある独特な形状の花粉です。

ツユクサの花粉

ツユクサの花

続いて、ヌスビトハギです。こちらは長細く、ちょっと硬質な感じのする花粉です。

ヌスビトハギの花粉

ヌスビトハギの花

こちらはキツネノマゴの花粉です。中央にくびれのようなものがあり。日本の伝統的な繭形です。

キツネノマゴの花粉

キツネノマゴの花

花粉のミクロな世界に、参加されたみなさんも興味津々でした。
(博物館長・学芸員)

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