近年、外来種が急激なスピードで分布を広げる例がいくつか見られます。代表的なものはチュウゴクアミガサハゴロモです。この3年ほどであっという間に広がりました。今、注目されているのは中国や台湾原産のムシャクロツバメシジミです。大きさや色合いが在来種のヤマトシジミによく似ています。翅(はね)の下面が比較できる写真で見ても、そっくりです。

ヤマトシジミ

ムシャクロツバメシジミ 赤丸部分の突起と小さなオレンジ色の斑点が識別点
識別のポイントは後翅の下の方にある突起(1枚目の写真の赤丸部分)と、その近くにある小さなオレンジ色の斑点です。ムシャクロツバメシジミは、「ツバメシジミ」という名の由来となるこの突起が目印です。
翅の上面はヤマトシジミのオスは瑠璃色ですぐに見分けられますが・・

ヤマトシジミ(オス)
メスはこの瑠璃色が無く黒っぽいので、下の写真のムシャクロツバメシジミとよく似ているので注意が必要です。

ムシャクロツバメシジミ
博物館周辺では、ヤマトシジミが多いものの、よく観察しているとムシャクロツバメシジミも混じっています。市内の住宅地で両種が同じくらいの比率で見られることもあります。ヤマトシジミはシロツメクサなどを幼虫の食草としていますが、ムシャクロツバメシジミは住宅地では園芸種のセダム類(マンネングサの仲間)を食草としています。この仲間はコンクリートの隙間などにも意外と普通に生えているので、ムシャクロツバメシジミの分布拡大の土台となっているのでしょう。
ところで、相模原市緑区には在来のセダム類であるツメレンゲが自生し、やはり在来種のクロツバメシジミが生息しており、どちらも希少種です。クロツバメシジミは近縁種であるムシャクロツバメシジミと交雑することがわかっています。なんとも心配な状況です。
(博物館長・学芸員)
















































