シラカシのドングリ

当館の駐車場には、駐車区画の境界木としてシラカシが植栽されています。シラカシはどんぐりのなる常緑樹ですが、あまり茂っては駐車の邪魔になるため、かなり強い剪定を行っていることもあり、これまでドングリがなることはありませんでした。しかし今年、駐車場の一画にドングリが落ちていることに気づきました。

シラカシのドングリ 殻斗(はかま)が縞模様なのがカシのドングリの特徴です

見上げると、駐車場の中ほどの2本の木の枝にドングリがなっていました。

たくさんのドングリがなっていました

もしかしたらここ数年なっていたのかもしれませんが、少なくともしっかりたくさん実ったのは今年が初めてではないかと思います。ただ、ここは駐車場です。高さのある木ではないので駐車した車に大きな影響はないと思いますが、頭の上に落ちてくるとそれなりに痛いので、ご注意ください。場所は、奥の砂利敷きの駐車場への出入り口付近です。
駐輪場付近のコナラは、今年もドングリが豊作です。形や色合いが、シラカシとだいぶ違います。来館した子どもたちが拾っている姿をよく見ます。

コナラのドングリ シラカシと比べると細長く、明るい色合い 殻斗はうろこ模様

博物館入口のアプローチ付近では、ニシキギが真っ赤な果実をつけています。

ニシキギの果実

木の葉もだいぶ色づいてきました。二日前は二十四節気の霜降(そうこう)でした。日中は汗ばむことも多いものの、秋が徐々に深まっています。
(博物館長・学芸員)

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Take Off!MMX

10月20日、JAXAが進める火星衛星探査計画(MMX)の最初の大きなイベントである火星探査機の打ち上げが行われました。博物館ではきらぼし銀河プラネタリウムで午前4時41分の打ち上げのパブリックビューイングを行うため、真夜中から準備が始まりました。

真夜中から始まった会場準備

そのころ、すでに入場待ちの行列が・・

入場待ちの列が長く伸びています(午前2時30分)

行列が駐車場の方へ伸びてきたので、少し早めに開館しました。そして入場の午前3時には、プラネタリウムに入れないほどの人数に・・

お子様や若い年代の来場者が目立ちました

急遽、エントランスのモニター前と、大会議室にも臨時の会場を設けました。プラネタリウム内に入れず、ちょっと残念な気持ちで中継をご覧になっていたみなさんへ、サプライズが!JAXA宇宙科学研究所の藤本所長と津田副所長が揃ってご挨拶に!

JAXA宇宙科学研究所の藤本正樹所長(左)と津田雄一副所長(右)

エントランス、大会議室、そしてプラネタリウム内で深夜から応援に集まってくれたみなさまへのお礼と、今後の展望など語って下さり、会場のみなさんのテンションが一気に上がります。
そしていよいよ、打上げのカウントダウンが始まり、会場は張り詰めた空気に。

カウントダウンが緊張感をさらに高めます

打上げの瞬間の様子は、動画をぜひご覧ください。

打ち上げは無事に成功し、約70分後に探査機がロケットから分離されたことが確認されました。

ちなみに当館公式Xには、博物館屋上からJAXAごしにとらえたH3ロケットの光跡(天文担当学芸員が撮影)をアップしていますのでぜひそちらもご覧ください。

モニターに映るお向かいのJAXAにある管制室から、分離成功の歓声が上がると会場でも祝福の大きな拍手が

安堵と期待の中、午前6時にパブリックビューイングは終了しました。真夜中からお集まりいただいた約300名のみなさま、ありがとうございました。
これからもいろいろな国々が協力し、それぞれの強みを生かして火星探査を行います。5年間でどんな成果を上げてくれるのか、しっかり見守っていきたいと思います。
(博物館長・学芸員)

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生きものミニサロン「葉っぱのすじって何?」を実施しました

10月17日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。
今回のテーマは「葉っぱのすじって何?」ということで、葉脈を観察し、紙にスタンプしてみる体験をしました。
今回は、いつもサポートスタッフとしてお手伝いいただいている、自然観察指導員の小田さんが中心となり、企画進行してくれました。

サクラの葉の葉脈を観察します

まずは、いろいろな種類の植物の葉脈を観察し、スタンプにしたい葉を2枚選びます。
種類によって葉脈が違うのが分かったかな?

お気に入りの葉を探します

持ち帰り、スタンプにチャレンジ。
さまざまな色のスタンプ台を使って葉っぱに色をつけ、紙に写しとります。

葉脈がくっきり写っています

きれいに葉脈が浮かび上がりました!大成功です。

美しい作品に仕上がりました!

次回は、いつもの第3土曜日ではなく第2土曜日の、11月14日(土)12時から実施します。
ぜひご参加ください。
(動物担当学芸員)

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日本昆虫学会第86回大会に参加しました

9月12日~14日に滋賀県大津市の龍谷大学瀬田キャンパスで開催された、日本昆虫学会の年次大会に参加しました。
当館で取り組んでいるギフチョウの保全活動について口頭発表を行い、多くの皆様から有益なご意見をいただきました。

講演中の動物担当学芸員(滋賀県博・I学芸員撮影)

学会の大会は、博物館の学芸員などとして活躍中の同年代の研究者との再会の場でもあり、各々の近況をはじめ、充実した情報交換を行うことができました。

休憩時間には会場周辺で、外来種のカメムシの1種であるアトジロサシガメを採集しました。

アトジロサシガメ

この種は近畿と四国地方に定着しており、分布域が拡大傾向にあります。
関東ではまだ発見されていませんが、今後の動向に注意が必要な昆虫です。

会期終了後には、会場から近い滋賀県立琵琶湖博物館を視察しました。
琵琶湖博物館では2016年から2020年にかけて常設展示のリニューアルが行われていて、最新の手法や考え方にもとづいてつくられた展示を見ることができます。

体験型の展示室「おとなのディスカバリー」

当館とは館の規模が大きく異なりますが、展示のコンセプトや手法、デザインなど、当館の今後を考えるうえで大変参考になる視察となりました。
ご対応いただいた琵琶湖博物館学芸員のIさん、ありがとうございました!
(動物担当学芸員)

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ハチには勝てない・・

10月14日、相模原植物調査会のみなさんと市内緑区の林道へ植物調査へ出かけました。神奈川県内ではここにしかない絶滅危惧種のシダの現況確認のためです。林道に目立っていたのは、レモンエゴマです。

レモンエゴマ

シカの不嗜好性植物(シカが好まない植物)です。人間にとってはその名のとおり、レモンのような香りで嫌な感じはしないのですが、シカは苦手なようです。
アオキをシカが食べた痕です。

シカに食べられたアオキ

なぜわかるのかというと、シカの頭くらいの高さだけ集中して食べられているからです。
ただ、アオキも好物であれば徹底的に食べられているはずなのに、食べやすいところしか食べていないということは、それほど好きではないのでしょう。
途中、こんなものも見つけました。

オニフスベ 直径20センチメートル以上のものが5個ありました

オニフスベというキノコと思われます。直径20センチ以上もありました。軽くたたくと、煙のような胞子を吹き出していました。

煙のように胞子を飛ばすオニフスベ

さて、問題の絶滅危惧種のある脇道へ入ろうとしたら、そこには地面を歩くオオスズメバチが・・そして、数匹が飛んでいて、1匹が手にとまろうとしてきました。慌ててその場を離れましたが、危ないところでした。どうやら脇道のまんなかあたりの地中に巣があったようです。いきなり踏み込んでオオスズメバチを怒らせていたら、大変なことになるところでした。
残念ながら調査は中止して、下山することにしました。ハチには勝てません・・

途中、見晴らしの良い場所にたたずむ相模原植物調査会のみなさん

来年春、まだハチの活動が活発になる前にリベンジしたいと思います。
(博物館長・学芸員)

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ホシクサ

かつて水田雑草と呼ばれた在来の植物の多くは、耕作方法の変化などから減少し、絶滅危惧種となっています。ホシクサは絶滅危惧種というわけではないのですが、生えている水田と生えていない水田がはっきりしていて、相模原市内ではあまり見られなくなっています。相模川右岸側の愛川町の水田には比較的普通に見られるため、観察してきました。

ホシクサ

ホシクサ(星草)の名の由来は諸説ありますが、いずれも花の咲いている様子から名付けられたとされています。有力なのは花序(花全体)の形と並び咲く様子からというものです。拡大するとその美しさに感動すら覚えます。

ホシクサの花(拡大)

さらに、株を真上から見ると・・

ホシクサの株

放射状に伸びた葉が、きらめく星のようです。
個人的に水田雑草の中で一番好きなものなので、由来などどうでもよくなっていろいろな角度から眺めては撮影してしまいます。
近くにはこんなかわいらしい花も咲いていました。アキノウナギツカミです。

アキノウナギツカミ

なぜこんな可憐な花に実利的な?名がついているのかというと、茎にびっしりとついた逆刺(ぎゃくし:下向きのトゲ)のせいです。

アキノウナギツカミの茎の拡大

これを使えば、ヌルヌルしたウナギをつかみやすいだろうと・・納得できるような、できないような・・でも、昔の人の発想力を尊重したいと思います。
秋の水田も見どころが多くて楽しい散策となりました。
(博物館長・学芸員)

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ムシャクロツバメシジミ

近年、外来種が急激なスピードで分布を広げる例がいくつか見られます。代表的なものはチュウゴクアミガサハゴロモです。この3年ほどであっという間に広がりました。今、注目されているのは中国や台湾原産のムシャクロツバメシジミです。大きさや色合いが在来種のヤマトシジミによく似ています。翅(はね)の下面が比較できる写真で見ても、そっくりです。

ヤマトシジミ

ムシャクロツバメシジミ 赤丸部分の突起と小さなオレンジ色の斑点が識別点

識別のポイントは後翅の下の方にある突起(1枚目の写真の赤丸部分)と、その近くにある小さなオレンジ色の斑点です。ムシャクロツバメシジミは、「ツバメシジミ」という名の由来となるこの突起が目印です。
翅の上面はヤマトシジミのオスは瑠璃色ですぐに見分けられますが・・

ヤマトシジミ(オス)

メスはこの瑠璃色が無く黒っぽいので、下の写真のムシャクロツバメシジミとよく似ているので注意が必要です。

ムシャクロツバメシジミ

博物館周辺では、ヤマトシジミが多いものの、よく観察しているとムシャクロツバメシジミも混じっています。市内の住宅地で両種が同じくらいの比率で見られることもあります。ヤマトシジミはシロツメクサなどを幼虫の食草としていますが、ムシャクロツバメシジミは住宅地では園芸種のセダム類(マンネングサの仲間)を食草としています。この仲間はコンクリートの隙間などにも意外と普通に生えているので、ムシャクロツバメシジミの分布拡大の土台となっているのでしょう。
ところで、相模原市緑区には在来のセダム類であるツメレンゲが自生し、やはり在来種のクロツバメシジミが生息しており、どちらも希少種です。クロツバメシジミは近縁種であるムシャクロツバメシジミと交雑することがわかっています。なんとも心配な状況です。
(博物館長・学芸員)

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秋晴れの河原

10月8日は二十四節気の寒露でしたが、そのちょっと前くらいからやっと秋晴れと言えるような天候が続くようになりました。市内緑区の相模川の河原へ、絶滅危惧植物の開花状況などを確認に行きました。
カワラノギクはまだ開花しておらず、つぼみが膨らんできていましたが、秋の長雨の影響か今年は開花が遅れそうです。カワラハハコは開花していました。

カワラハハコ

株数が少なく、ごく限られたエリアにしか残っていないので、株を増やす手立てを早急に打ちたいと考えています。
他の植物も元気です。アケビの果実が熟してきれいに裂けていました。

アケビ

スズメウリ、カラスウリも実っています。写真はスズメウリの果実です。

スズメウリ

コセンダングサの花に吸蜜に来ていたキタテハです。

キタテハ

頭上ではモズが元気に高鳴きをしていました。高鳴きとは、秋から冬にかけて単独でなわばりを持つモズによる「なわばり宣言」のさえずりです。

モズ

エナガも20羽以上の大きな群で動き回っていました。

エナガ

二十四節気の寒露は、秋が深まり、草花におりる露に冷たさを感じるころという意味です。明け方はだいぶ涼しくなり、それも実感できるようになりました。もう少しすると冬鳥もやってくるはずです。河原が賑やかになる季節が間近です。
(博物館長・学芸員)

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『縄文集落と勝坂式土器』開催中です <12月13日まで>

本日、10月10日から大山 柏 勝坂遺跡発掘100周年記念企画展『縄文集落と勝坂式土器』が始まりました。
詳細はこちら 当館HP

本市南区磯部に位置する勝坂遺跡は、ちょうど100年前の1926(大正15)年の10月に、
大山柏先生により発掘調査されました。これを記念し、この展示を企画・開催しました。

本企画展は勝坂遺跡の調査の歴史、市内の勝坂式土器とその集落、この2点を紹介することを目的としました。

特別展示室の入口

特別展示室に展示されている縄文土器・石器などは285点を数え、おおよその形がわかる土器は105点です。

博物館正面の表示も企画展に合わせて変更しています。

さらに展示解説書も用意しました。こちらは総合受付横のミュージアムショップにて160円(税込)で販売しています。

今回は市内遺跡のほかに、長野県富士見町の井戸尻考古館や、東京都教育委員会から縄文土器をお借りして展示しています。井戸尻考古館HPはこちら

また、関連事業として歴史シンポジウム、講演会3本、展示解説(すべて同内容)、勝坂遺跡の現地探訪を行います。詳細はこちら(当館HP)

ぜひご来館ください!
(考古担当学芸員)

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わぉ!わぉ!観察会「生きものフォト講座」の講師を務めました

10月3日、八王子市の長池公園で、わぉ!わぉ!観察会「生きものフォト講座」が行われました。わぉ!わぉ!生物多様性プロジェクトの一環であるこの講座は、当館館長が「わぉ!な生きものフォトコンテスト」の特別審査員を担っているご縁で講師を務めています。
はじめに、同公園の小林園長から園内の紹介があり、続いて博物館長から自然観察の中で写真を撮影することの意義と「まず撮る」のではなくて「まず観察する」ことの大切さをレクチャーしました。

館長によるレクチャー

そのあとは、いよいよ野外へ出ます。博物館長の班と小林園長の班の二手に分かれて観察しました。
身近な生きものの撮影では難易度の高い、クモの巣にいるクモの撮影に挑戦してもらいます。

ジョロウグモ 左がメスで、右がオス

スマホやコンパクトカメラではなかなかピントが合わない中、マニュアル撮影が得意な一眼カメラを持っている方がばっちり撮影していました。
大人も子どもも、いろいろなものを見つけては撮影しています。

ちょっと気になる生きものを観察してから、撮影に挑みます

子どもの参加者も見事な写真を撮ってくれました

そんな中、ヒメコウゾの葉に、見慣れないものがたくさんついていました。

クルっと巻かれたヒメコウゾの葉

これは、中に虫が隠れている証拠です。「中を覗いてみようか!」と提案すると「そんなことしていいの?」という小学生の参加者からの声。うーん、確かにそれもそうだと逡巡する中、やっぱり好奇心が勝って開いてみることに。一つ目はすでに空になっていて肩透かしをくらいましたが、二つ目を開けると・・

中にいたのはタイワンモンキノメイガの幼虫でした

イモムシがいました!調べてみると、タイワンモンキノメイガという外来種の巣でした。ごく最近公園内でもよく見られるようになったそうで、どうりで見た記憶が無かったわけです。ただし、博物館へ戻ってからお隣の樹林地を見ると、ちゃんとこちらにも巣がありました。
ちょっと楽しみにしていたのが、この季節のニシキギの葉によくいるキバラヘリカメムシです。観察の最後にみなさんと探しましたが、見つかったのは亜成虫だけでした。

キバラヘリカメムシの亜成虫

じつはこのカメムシ、みなさんの予想に反して青りんごのようなにおいを出すのです。それを確かめてもらおうとしていたのですが、残念ながら亜成虫はにおいを出してくれませんでした。ちなみに、小林園長班は別の場所のニシキギでこのにおいを堪能したそうです。
観察会を終了し、室内へ戻って参加者のみなさんからそれぞれ「この1枚!」という写真を出していただき、全員で鑑賞しました。事前に「タイトルをつけるつもりで撮影して」とリクエストしてあったので、タイトルも発表してもらいましたが、これがみなさん素晴らしいセンスで驚きました。
終了後、先ほど体験できなかったキバラヘリカメムシを探す参加者もいました。

キバラヘリカメムシの成虫

写真は、その生きものと一緒に出会いの思い出も残してくれます。キバラヘリカメムシの写真を撮影した方は、きっと後から写真を見ながらにおいも思い出すことでしょう。
(博物館長・学芸員)

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