春のさわやかウォーク 地形・地質から地域を知る

3月20日に大野南公民館主催の「春のさわやかウォーク」が開催され、当館地質担当学芸員が地形や地質について解説しました。

町田市と相模原市の境界を流れる境川の旧流路や関東ローム層、かつての沼の地形などを観察しました。

現在の境川は河川改修により直線的に流れている場所が多いのですが、もともとは曲がりくねって流れていました。宅地開発などにより旧流路がわからなくなっているところもありますが、まだ残されているところもあります。

河川改修により直線的に流れる境川。

境川の旧流路の観察。かつては曲がりくねって流れていたことがわかりました。

「古淵の露頭」では相模野台地をつくる地層である関東ローム層を観察しました。「露頭」とは地層や岩石が露出している場所のことです。

「古淵の露頭」では高さ約20mの崖に関東ローム層が露出しています。

小沼と呼ばれる沼があった場所の地形を観察しました。

沼があったところに向かって下り坂となっています。

小沼の近くでは、かつて深堀川が流れていた場所も観察しました。深堀川は相模大野駅の南側に文字どおり深い谷を刻んで流れていますが、昔は大沼や小沼まで続いていました。相模大野駅周辺は開発により深堀川の痕跡はわかりません。

今は暗渠となっていますが、ここに深堀川が流れていました。

雨が降ったり止んだりのあいにくの天気でしたが、地形や地層を観察しながら歩くことができました。普段,気にしていない坂道なども昔の川や沼の痕跡だったりします。ちょっとした高低差に気をつけながら歩くと、いつも見慣れている景色が違ったものに見えてくるかもしれません。

(地質担当学芸員)

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高校で自然探求

3月24日、市内南区当麻(たいま)の光明学園相模原高校主催の「自然探求」というイベントで、当館の生物担当の学芸員2名が講師を務めました。場所は、当麻山公園です。穏やかに晴れた春の日、地面はすでに多くの小さな花が咲いています。まずはそこを訪れていたビロードツリアブを観察。

ビロードツリアブ ミルビンに入れて全員で観察

モフモフの丸い体がかわいいですね。
春はたくさんの素材があふれているため、次々と観察を進めます。

植物と動物を交互に観察しました

こちらは落ち葉が土壌へと分解されていく様子を、実際に落葉層を丁寧に拾って確かめていきます。さらに、分解を進める役割を担っている虫たちを採集。

落ち葉めくりで土壌の生態系を観察

がぜん、やる気を出している生徒さんもいて、盛り上がります、ババヤスデの仲間やハサミムシなども見つけてくれて、半分悲鳴のような歓声が上がりました。
このイベントは一般市民も参加していて、お子さんが拾ったアシナガバチの古巣を頭に乗せて満足気です。

参加者のお子さんがアシナガバチの古巣を頭に乗せてくれました

園内のケヤキの樹皮をそっとめくってみます。

樹皮の裏側は小さな生きものの宝庫です

樹皮に集団でくっついてザワザワ動くフサヤスデの仲間やチビタマムシの仲間に、「これ、ムリムリムリ!」と言いながら生徒さんが撮影に協力してくれました。

必死の形相で手に持ってくれました 黒いチビタマムシの仲間と、たくさんのフサヤスデの仲間

最後にノビルを紹介しました。春の香りを感じてもらいながら食べ方をお伝えすると、数名の生徒さんが「食べたい!」とのこと。

ノビルのにおいを感じてもらいました

解散後、学校へ戻る道すがら道端のノビルを採集し、生物室を借りて湯がいて食べていました。
いろいろな楽しみ方を見つけて盛り上がってくれて、楽しい観察会となりました。
(生物担当学芸員)

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【市民学芸員かわら版】この銅像の人物はだれ?

3月18日(水)、当館のボランティア「市民学芸員」情報発信チームによる『市民学芸員かわら版』の最新第20号が発行されました。題して、「この銅像の人物はだれ?」です。

1階の自動販売機の奥にあります。

『市民学芸員かわら版』とは、テーマ選定から情報収集、記事のレイアウトまで全て市民学芸員が行い、自然・歴史・文化に関する様々なトピックスについて、市民目線を取り入れながらわかりやすく紹介している不定期刊行の壁新聞です。


今回の『市民学芸員かわら版』では市域にある12名の銅像が紹介されています。例えば「憲政の神様」である尾崎行雄(咢堂)、地域の文化や歴史に精通されていた座間美都治など、地域に貢献された方ばかりです。

ご来館の際は、1階自動販売機付近の『市民学芸員かわら版』をチェックしてみてください。

(考古担当学芸員)

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エナガの巣材集め

3月18日、お隣の樹林地を歩いているとエナガの声がしました。見上げると、樹上で妙な動きをしていました。

糸のようなものを引っ張っています

よく見ると、何かを懸命にひっぱっていました。しかも、かなりしつこく・・

小さな体全体を使って引っ張っています

昆虫かクモが作った繭の繊維をひっぱっているのでした。

懸命に引っ張ります

なぜこんなことをするのかというと、エナガの巣は、コケや地衣類などをこうした繊維で絡み合わせて球状の巣を作るからです。小さなか体のわりにソフトボールくらいの大きな巣を作り、中で10羽以上のヒナを育てます。

エナガの巣 以前、博物館の敷地内に作られていたもの

ひとしきり繊維を口にくわえると、つがいの2羽で連れ立って飛んでいきました。

繊維をくわえて巣の場所へ飛んでいきました

エナガの大忙しのシーズンが始まっています。
(生物担当学芸員)

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進む春

3月18日、博物館お隣の樹林地を春の花チェックをしながら歩きました。咲き始めた花がたくさんあって紹介しきれないのですが、まずはこちら、タチツボスミレです。

タチツボスミレ

毎年、春の間中、長い期間たくさんの花を楽しませてくれます。そして、同じ色合いのこちらはオオアラセイトウ(別名ショカッサイ)も咲き出しました。この花が咲くと、春も本格的になったと感じられます。

オオアラセイトウ

青系統の花色が続きますが、オオイヌノフグリです。日当たりの良い場所では冬の間から咲いていますが、この樹林地では春になってから咲きます。

オオイヌノフグリ

こちらはあまり目立つ花ではありませんが、かわいらしい姿のシロイトスゲです。カヤツリグサ科のスゲの仲間では樹林地などで比較的普通に見られる種類です。

シロイトスゲ

花と言えば、こちらも紹介せざるを得ません・・スギです。枝先の赤いところは、雄花や雌花が開花しているしるしです。

スギ

花ではありませんが、サンショウも芽吹きはじめました。昨年末にこのブログで紹介した時とは、なんだか表情も変化しているように思えます。

サンショウの芽吹き

まだまだ他にもいろいろと春の訪れを感じさせてくれる植物がありますが、また次の機会に・・
(生物担当学芸員)

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生きものミニサロン「敵を知る!スギ花粉を顕微鏡で見てやろう!」を実施しました

3月14日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは、こちらも毎年恒例になりました、スギ花粉の観察です。今、花粉症に悩まされていない人を探すほうが難しいくらい、メジャーなアレルギーです。その原因物質をこの目で確かめてやろう、ということです。
と、その前にせっかく開花しているので、先日このブログでもお伝えしたミミガタテンナンショウを、普段は閉まっていて入れない中庭に、今日は特別にカギを開けて中へ入って見ていただきました。

ミミガタテンナンショウを観察

子供たちも、不思議なカタチの花に興味津々でした。
その後、満開のウグイスカグラの花粉も観察するため、採集します。

ウグイスカグラの花を採集

スギ花粉の採集場所は、公用車の駐車場です。フロントガラスなどに積もったスギ花粉を、セロハンテープに貼りつけます。

セロハンテープに貼りつけます

それを穴の開いたボール紙に貼りつけて、特製の簡易プレパラートのできあがり。顕微鏡で観察します。

早く見たい!

敵は見えたかな?

顕微鏡は慣れないと見えにくいのですが、全員がスギの花粉を観察できました。

スギ花粉の特徴は球体の一部分から突起(パピラ)が出ていることです

リンゴのへたのようなパピラ(突起物)がスギ花粉の特徴です。それが見えたら、次はウグイスカグラです。花粉の写真はいずれも縮尺がバラバラなので大きさはわかりにくいのですが、ウグイスカグラの花粉は特大です。そして、四角形。

大きくて、低倍率でもはっきり見えたウグイスカグラの花粉

さらに、最初に花を観察したミミガタテンナンショウは、事前に採って用意してあったものを見てもらいました。

こちらは小さな花粉なので、かなり拡大しないとよく見えませんが、表面のトゲトゲは見えました

きれいな球形ですが、表面がトゲトゲしていました。ちなみに、ウグイスカグラもミミガタテンナンショウも、目立つ花を咲かせるということは、虫にくっついて花粉を運ばせるタイプなので、風で飛ばないことから花粉症の原因にはなりません。
この季節の憂鬱な花粉ですが、みなさん、時折くしゃみをしながらもいろいろな形を楽しそうに観察してくれました。
今年度最後の生きものミニサロンでしたが、来年度も引き続き実施する予定です。来年度の日程については改めて、博物館のホームページでお知らせします。
(生物担当学芸員)

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コブシとヒサカキも開花!

博物館前庭のコブシが咲き出しました!

コブシの花

まだ開ききっていませんが、同じ木に開きかけのつぼみもたくさんあり、次々に咲きそうです。
こちらは咲き姿は目立たないものの、匂いで開花に気づくヒサカキです。

ヒサカキの花

この花の匂いは好き嫌いがはっきりしていますが、では何の匂いに似ているか尋ねると、なかなか定まりません。人によってはガスくさいとか、油くさいとか・・

ヒサカキの花(拡大)

個人的には春を告げる匂いのためか、嫌いではありません。むしろ、人によって表現が異なるので、それを尋ねては楽しんでいます。
先日のこのブログで、開きかけの花を紹介した中庭のミミガタテンナンショウが開きました。

ミミガタテンナンショウ

「花が開いた」というのは正確な表現ではありません。尖った花びらが前へ折れ曲がっているように見えますが、これは仏炎苞(ぶつえんほう)と言って、花を包む苞葉(ほうよう)です。本物の花は、仏炎苞に包まれたこん棒状の部分です。

中央にひっそり立つのが本物の花

ミズバショウやザゼンソウと同じくサトイモ科の植物なので、構造的には似ています。
春のお知らせはまだまだ続きます。
(生物担当学芸員)

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カントウタンポポ開花

3月11日、2011年の東日本大震災から15年目の日に、博物館前の歩道沿いでカントウタンポポが咲きました。

カントウタンポポ

一昨年より前は、歩道沿いは雑種のタンポポが優勢で、カントウタンポポはお隣の樹林地の外ではほとんど見ることがありませんでした。しかし昨年、この株が在来種のカントウタンポポであることを確認しました。昨年、当館が開館30年を迎え、地面も安定してきた証拠と考えています。
こちらは、つるから新芽が出てきたシロバナハンショウヅルです。お隣の樹林地の一画に自生する株から増やして駐車場のフェンスに絡ませています。

シロバナハンショウヅル

子どもが頭を両手でポンポンしているようにも見えてかわいいですね。
昨秋、季節外れに開花してしまって、翌春咲くのか心配していたオキナグサも、花芽が立ち上がってきました。

オキナグサ

こちらは市内の自生地から種子をとってきて、当館で系統保存のために育てているものです。
あちらこちらで春のお知らせが届いています。
(生物担当学芸員)

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当館エントランス+黒曜石=??

3月7日(土)、当館エントランスには黒曜石を割る音が響いていました。

考古担当学芸員はエントランスで年に数回石器を作っており、今回は群馬県みどり市の岩宿博物館学芸員の小菅将夫さん、鈴木秋平さんをお招きし、3名で石器を作りました。

人だかりが!皆さんの視線がうれしいです。

小菅将夫さん(左)、長澤(当館学芸員)、鈴木秋平さん(右)

旧石器時代の出土品は石器が主体で、当館の常設展示にもあります。
ただ専門性が高く分かりにくいことも事実です。
それならば割って説明しようということで「石割実演」を考案しました。

石を割った際の石くず

上の写真のように、黒曜石を割って石器を作りますが、鋭い石の破片が多数出るので大変危険です。そのため、自作の石器レプリカを触れるコーナーを作り、さらに「岩宿遺跡・岩宿博物館」と「田名向原遺跡・旧石器ハテナ館」について解説パネルを設置しました。それぞれ日本屈指の重要な遺跡です。

石器レプリカ以外にも鹿角などもあります。

13:30~15:30の2時間のみでしたが、101名も見学していただきました。
石器や旧石器時代に興味を持ってくれる方が増えていただければ大変嬉しく思います。

質問を多くいただきました。

おびのっちも看板役で活躍しました。

これからも遺跡の貴重さや面白さを分かりやすく発信できるよう、取り組んでいきます。
(考古担当学芸員)

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大野中公民館で境川についてお話しました

3月7日(土)の午後、大野中公民館の歴史講座で、境川の歴史や自然について当館生物担当学芸員がお話しました。テーマは、「都市を流れる生きものの宝庫 境川の歴史と自然」です。“歴史や自然”と言っても、生物の学芸員がお話できるのは、ほんのわずかなことだけなので、ほぼ、生きものの話をしました。

講座の様子

歴史というより、境川の基礎知識として、源流と河口について、あるいは、河川用語としての「流域」という言葉について、そして、現在の境川は、その名のとおり相模原市と東京都町田市との境を流れていますが、一部の地域には「相原」や「小山」など、共通する地名があり、かつては必ずしも「境目」ではなかったことなども触れました。
生きものについては、北向きが多い川沿いの斜面林に特徴的な早春の植物や・・

 

アズマイチゲ

ヤマエンゴサク

境川と言えば!1月にNHKのニュース番組でも取り上げていただいたカワセミです。

カワセミ

さらに、様々な野鳥を紹介しました。

バン

「自然豊かな都市河川」であるとともに、境川が抱える外来種の問題についても触れました。

特定外来生物クリハラリスが2021年に市内で初めて確認されたのは、境川の斜面緑地でした

こうした問題を把握し、希少な植物などを保護するには大きな労力がかかり、それを実践する特定非営利法人境川の斜面緑地を守る会などの活動あっての自然であることも紹介しました。そして、まずは境川を実際に歩いて楽しみ、見守ることが、境川の貴重な自然を守る第一歩であることを強調して終わりました。
参加者のみなさんから「これまでとは違った視点で境川を見られそう」などと感想をいただきました。これをきっかけに、境川の自然を守る担い手が一人でも増えたら嬉しいです。
(生物担当学芸員)

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