カイコ日記(7/2)繭の乾燥を進めています

7月2日、先週までにすべてのカイコが繭を作りました。飼育展示も、できあがった繭の展示に移行しています。

蔟ごと展示しています

繭は順次、熱乾燥機にかけて乾燥しています。今、展示している繭も乾燥済、つまり、中の蛹は死んでしまっています。しかし、完全に乾燥させると、繭はこの状態でずっと保存しておくことができます。
この蔟(まぶし)では、一つだけ玉繭ができていました。

右上の繭が玉繭 ほかより少し大きくて、形がいびつなので見分けられます

玉繭とは、2頭のカイコが一つの繭を作ったもので、たくさん育てていると、けっこうな頻度で生じます。玉繭は形が不定形なだけでなく、中で繊維が絡み合っているため、糸取りで他の繭と一緒に扱えません。そこで、お湯の中でゆっくりと手でほぐして平らに延ばします。それを乾燥し、重ねたものが真綿(まわた)です。

通常の繭(左)と玉繭(右2つ)

真綿は言わずと知れた、高級寝具(今は高級座布団?)の中身です。こんなに手がかかるなら、高級品になるわけですね。
さて、飼育展示と銘打ちながら、生きたものを展示できていないので、クワコを透明のケースに入れて展示しています。

クワコ 野外で見つけて撮影したもの

今年は給桑中にクワコやクワエダシャクが目につきました。特にクワコはカイコと祖先を同じくする野生の蛾なので、カイコと同じところ、違うところを見出していただければと思います。
来週末くらいには、一部、乾燥させずに残してある繭から羽化した成虫が出てきます。そちらも展示しようと考えています。
(生物担当学芸員)

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