勝坂遺跡発見90周年記念講演会「縄文人は植物を栽培したのか?」盛況に終了

本日、勝坂遺跡発見90周年記念講演会「縄文人は植物を栽培したのか?」を開催しました。
講師は、国立歴史民俗博物館 准教授 工藤雄一郎先生で、勝坂遺跡と他の遺跡を比較しながら、縄文農耕論、縄文中期の環境、植物利用などについてお話いただきました。

なぜ、勝坂遺跡の発見と「縄文人は植物栽培」が関係あるかとお思いの方もいるかもしれません。実は、90年前の大正15年に大山柏(明治期の軍人大山巌の次男)が、勝坂にて発掘調査を行った際、大量に発見した打製石斧を土堀用の道具と考え、「原始農耕」が行われていた可能性を報告書で触れています。そのため、勝坂遺跡は「勝坂式土器」発見の地としても有名!?ですが、さらに縄文農耕論を考える上でも考古学史上貴重な遺跡といえます。

ミニ展示状況 右下が大山柏の写真と勝坂遺跡の発掘報告書

今年度 工藤先生に相模原にお越しいただいたのはなんと2度目で、5月の旧石器ハテナ館での旧石器時代の古環境の講演に続き、本日縄文時代の植物利用について詳しくお話いただきました。講演のパワーポイントには写真や図などを多く入れていただき、大変見やすかったと参加者アンケートでも好評でした。

なお、博物館内の常設展示室内で勝坂遺跡発見90周年記念ミニ展示「大山柏公爵の勝坂遺跡初調査」を年内まで開催中です。本日の講演でも取り上げられた「縄文農耕」に関する展示も行っていますので、ぜひご来館ください。

ミニ展示「大山柏公爵の勝坂遺跡発調査」

また、市内の遺跡や考古資料について、5回にわたってお話しする「考古学連続」を来週10/30を皮切りに、11/6、12/4、12/18、1/15の各日曜日に開催しますので、ぜひご参加いただければ幸いです。
連続講座チラシ

(歴史担当学芸員 木村弘樹)
(考古担当学芸員 中川真人)

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