アカボシゴマダラの受難

今日は津久井城址城山へ、植物調査に行きました。相模原植物調査会の面々が、いつものように登山道脇のシダを見てあれやこれやと意見を交わしています。

お昼を食べようと展望広場のベンチに座ると、「アカボシゴマダラの幼虫がいるよ」との声。

植栽されたエノキの枝に、まるで忍者のように張り付いています。どこにいるかわかりますか?

付近を見ると、さらに興味深いシーンが。ナニモノかが、アカボシゴマダラの幼虫を捕らえて体液を吸っています。同行の昆虫に詳しい方によると、ヒラタアブの幼虫だとか。

アカボシゴマダラは、人為的な移入によって近年急激に分布を拡げてしまっている外来昆虫です。その存在は決して好ましいものではありません。でも、こうして襲われている姿を見ると、やっぱり野生の世界は厳しいなあと感じました。

(生物担当学芸員 秋山)

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