ケヤキコプター

この時期、少し風が強めの日に博物館の駐車場を歩いていると、クルクルと回転体が落ちてくるのを見ることがあります。
落ちているところの写真はさすがに撮れなかったのですが、地面に落ちているところは・・

小枝に葉が数枚。ケヤキです。
拾い上げてみると・・。

なぜケヤキの小枝がこんなふうに落下してくるのかというと、答えはここにあります。

ケヤキの果実です。ニワウルシやカエデのなかまなどは、種子散布のために果実に翼(よく)が付いていて回転しながら落下します。これは滞空時間を長くして、できるだけ親から遠くへ到達させるためです。ケヤキも理由は同じですが、こちらは枝先の葉をプロペラにして回転します。ふつう、葉は葉柄(ようへい)の付け根に離層(りそう)が出来て落葉するものなのですが、枝の途中に離層を作るということなのでしょう。身近な植物に秘められた種子散布のため工夫にはいつも驚いてしまいます。

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