初夏の花

博物館の前庭はすっかり初夏の彩りです。キキョウソウがかわいい花をたくさんつけています。

よく見ると、近縁のヒナキキョウソウも並んで咲いています。

違いがわかりにくいのですが、名前のとおり小ぶりで、葉が細長いのが特徴です。また、キキョウソウのように葉が茎を抱きません。

どちらも外来植物ですが、とても好きな花です。

木陰になっているところでは、ドクダミがたくさん咲いています。

あれ?なんか雰囲気がヘンですね。よく見てみると・・

花びら状の白いものが余計についてる!

ドクダミの花本体は、中心に立っている穂状の部分です。黄色く見えるのが雄しべの葯で、白くて三つに分かれているのが雌しべのの柱頭です。花弁は無くて、花を支える白い花弁状のものは総苞片です。

先ほどの総苞片が余分についているように見える花は、雌しべの下にある小苞(下の写真の赤丸の部分)が、白く花弁状に発達したものです。

じつは、ドクダミにはたまにこうした花が見られます。もっと大きく発達して、まるで八重咲きのようになった花もあり、園芸では珍重されます。下の写真は昨年、ある場所で撮ったものです。個人的には珍しいというだけで、きれいだとは思えないのですが・・。

ドクダミは群落がだいたい地下茎でつながっているので、一つ見つけると、まわりの花もだいたい同じような特徴を持っています。

(生物担当学芸員 秋山)

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