9月の星空情報②

最近は、日中の気温も過ごしやすく、「秋」を感じる日が増えてきました。

「秋」といえば今年は9月22日が秋分の日です。
この日は、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じとなります。

秋分の日の太陽の動き(国立天文台天文情報センター暦計算室HPより)

また、この日を境に太陽の沈む位置は真西から南寄りの空へと移り変わります。
太陽の沈む位置は日々少しずつ変わるため、沈む様子を毎日観察するのも面白いかもしれません。
ただし、太陽を直接見てしまうと、目を痛める危険があるため、観察をする際は、日食グラスなどを正しく使用して観察をしましょう。

8月30日の職員ブログで紹介した木星と土星は、秋も含め今年は12月下旬まで楽しむことができます。(木星と土星が夜空で見える位置は博物館ホームページの星図をご確認ください。)

そこで、今回のブログではもう少し、木星と土星の観察についてお話しします。

木星や土星にはその周りをまわる天体「衛星」があります。
特に木星の衛星のうち、ガリレオ衛星と呼ばれる「イオ」、「エウロパ」、「ガニメデ」、「カリスト」は比較的明るく、双眼鏡などでも観察することができます。

双眼鏡で見た木星とガリレオ衛星

日にちや時間により、見える位置が変わりますので、その様子を見ていると、地球の月のように、木星の周りをガリレオ衛星も本当にグルグル回っているのだと感じます。

土星の衛星も博物館の望遠鏡を使えば、土星最大の衛星「タイタン」など比較的明るいものは目で見ることができます。
また、望遠鏡にカメラを取り付けて撮影すると目では見えない、比較的暗い衛星の存在も確認することができます。

口径40㎝望遠鏡を使って撮影した土星と土星の衛星

前回のブログでも紹介した月と木星土星の接近(9/25~26)と併せて、観察の好機を迎えている木星と土星を今一度、夜空で探してみてはいかがでしょうか。

また、9月27日(日)まで博物館プラネタリウムでは木星や土星など、地球以外の惑星の衛星を紹介する『MOON~太陽系のいろいろな「月」』を投影しています。
前半には、解説員による当日の星空紹介もありますので、ご興味のある方はぜひご覧になってください。(プラネタリウム番組についてはこちら

カテゴリー: 天文 | タグ: | 9月の星空情報② はコメントを受け付けていません

いよいよ明日からオープン!企画展

明日、9月19日から、当館では7か月ぶりとなる企画展が始まります。
今回は2本立てとなり、「神奈川の植物、相模原の植物植物誌から考える生物多様性」と、「無量光寺文書・山崎弁栄遺墨展」です。
植物誌展の方をちょっとお見せすると・・

植物誌展の様子

一般にはあまりなじみの無い‘植物誌’を正面から取り上げました。生物多様性の重要な基礎資料として、神奈川県内では歴史的にも充実した植物誌の成果が蓄積されてきたことを紹介しています。壁面には木の葉のデコレーションが施され、展示室内を順路に従って一周しています。

木の葉が舞い散るイメージが全面に施されています

植物誌の調査(植物相調査)ってどんな人たちが携わっているのかも、しっかり紹介しました。

意外とシンプルな調査用具も

展示作業の大詰めの段階では、実習期間が終わっているにも関わらず生物分野の実習生が応援に来てくれました。

応援に来てくれた実習生

たくさんの方のご協力をいただき、展示は完成してあとはみなさまのご来場を待つばかり。
明日19日9時30分オープンです!

カテゴリー: おしらせ, 生きもの・地形・地質 | タグ: , | いよいよ明日からオープン!企画展 はコメントを受け付けていません

博物館実習歴史分野・・・ミニ展示に向けて始動

こんにちは。

歴史分野実習生の河本、松井、村田です。

本日は実習生ミニ展示に向けて、南区当麻にある無量光寺の伝説に関する展示パネルの作成や写真撮影などを行いました。

展示パネルの作成では、まず文案を練り、イラストレーターを使用してパネルに書き起こしました。

イラストレーターを使うのは初めてだったので、とても難しかったです。

また、展示に向けて資料の写真撮影を行いました。

緊張する展示資料の撮影

無量光寺の伝説の記載箇所を確認

 

ミニ展示は、博物館の企画展「無量光寺文書・山崎弁栄遺墨展」の中で、9/19(土)から展示します。

開催まであと少し!準備頑張ります。

カテゴリー: 未分類, 考古・歴史・民俗 | タグ: , , | 博物館実習歴史分野・・・ミニ展示に向けて始動 はコメントを受け付けていません

アサガオの害虫

博物館近くのフェンスに、薄紅色のきれいなアサガオが咲いていました。

美しいアサガオの花

最近よく見られるアメリカアサガオや、マルバアサガオではなく、いわゆる「アサガオ」です。咢(がく)がすっと細長く伸びているのが特徴です。

咢が細長くまっすぐに伸びるのがアサガオの特徴

写真を撮っていると、葉の上にこんなものが乗っていました。

カメノコハムシの一種

ヨツモンカメノコハムシです。サツマイモ類の害虫として知られ、琉球列島では古くから農業害虫になっていたのですが、近年、本州でもよく見るようになりました。アサガオはサツマイモの仲間なので、葉を食べにきたのでしょう。どこが頭かわかりにくいのですが、葉を揺らしたら触覚を出してモゾモゾ動き出しました。

ヨツモンカメノコハムシ

このところ、以前にこのブログでも紹介したホオズキカメムシなど、アサガオ類の害虫が増えています。アサガオ好きにはちょっと心配のタネになっています。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | アサガオの害虫 はコメントを受け付けていません

シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑱ ㋞

そびえ立つ グリーンタワーの 麻溝公園

相模原麻溝公園は南区麻溝台にある総合公園です。敷地内にはアスレチックなどの遊具や芝生広場、ふれあい動物広場などがあり、敷地全体で四季折々の草花も楽しむことができます。

隣にある県立相模原公園と併せて、1000台分以上ある駐車場も週末は混みあうほどの人気スポットです。

 

タワーから見た公園内の様子(一部)

絵札に描かれているのは、この公園のシンボルとして、まさに“そびえ立つ”高さ55メートルの展望塔「グリーンタワー相模原」で、1992年にここで開催された「全国都市緑化フェア グリーンウェーブ相模原」の際に建てられたものです。

公園内からみたグリーンタワー

外から眺めるだけでなく、“展望塔”ということで、中に入って登ることができ、高さ38mの展望室から360度ぐるりと景色を楽しむことができます。

4面の窓からの景色(画像をクリックで拡大)

昼間だけではなく、 公園の周りには、高い建物がほとんどないことから、このグリーンタワーを星景写真に取り入れることで、相模原ならではの星空の写真を撮ることができます。

グリーンタワーと月 撮影:相模原市立博物館天文クラブ会員

また、公園内は空も開けているため、季節の代表的な星座を探すのにもぴったりな場所です。
段々と夜も過ごしやすくなってきたこの季節。防虫対策など万全の準備の上、気分転換にでかけてみてはいかがでしょうか。

ただし、駐車場や園内施設には夜間の立ち入りはできません。また、夜間の利用は自然豊かな公園だけに足元や野生動物などにも、くれぐれもご注意ください。

今回ご紹介した麻溝公園の場所はこちら
園内施設や駐車場の利用時間についてはこちらのページなどからご確認ください。

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(現在は当面の間、貸出しを休止しております)。
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

カテゴリー: おしらせ, ふるさといろはかるた | タグ: | シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑱ ㋞ はコメントを受け付けていません

チラッとお見せします!準備中の企画展

9月19日から始まる開館25周年記念企画展「神奈川の植物、相模原の植物 植物誌から考える生物多様性」は1週間後のオープンに向けて準備作業の真っ最中です。見どころをチラッとお見せいたします!
こちらは、植物標本(押し葉標本)をいろいろな解説が取り巻いています。

押し葉標本について紹介しています

押し葉標本のチェックポイントを解説しています!たとえばこんなことを・・

アノテーションの説明

こちらは、「神奈川県植物誌」あるいは「神奈川県植物目録」と銘打たれた書籍が新旧ずらりと。

歴代の神奈川県植物誌

一番古いものは1933年刊行!神奈川県は植物相調査の歴史が古く、充実した植物誌が年代ごとに刊行されていることを紹介しています。
そして、今回は博物館的に最も注目していただきたい標本がこちら。

ヒメハッカの標本

ヒメハッカという県内では絶滅したとされる植物の標本です。1956年に鹿沼で採集されたとラベルに書かれています。当時の鹿沼は、その名のとおり湿地のような場所でした。現在の鹿沼公園(淵野辺駅南口前)あたりと考えられます。古い標本というだけでも貴重なのですが、じつは、ヒメハッカの県内採集標本で県内に残るのはこの1点だけなのです(東京大学に古い標本が1点あるそうですが、合わせても県内採集品は2点!)。
植物標本という学術資料の重要性を強調した展示です。お楽しみに!

カテゴリー: おしらせ, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | チラッとお見せします!準備中の企画展 はコメントを受け付けていません

博物館実習 民俗分野 ミニ展示開催中!!

みなさん、こんにちは!

民俗分野の博物館実習生(安東、丸山、渡辺)です。

本日(9月5日)9日間の実習が終わりました。

私たちは実習の中で「相模原とうどん」について研究をし、展示を作りました。

相模原とうどん

展示の中で、何を伝えるのか、どう見せるのか考えるのが大変でした。

また、解説パネルを張り付ける作業がとても大変で、パネルの切断面に苦労の跡が見受けられると思いますが、暖かい目で見ていただけたら幸いです。

苦労の痕跡

展示場所は、常設展示の自然・歴史展示室内にあります。

民俗分野実習生による展示

時間をかけて作ったので、ぜひ興味を持って見学してもらえたら嬉しいです。

 

 

カテゴリー: おしらせ, 報告 | タグ: | 博物館実習 民俗分野 ミニ展示開催中!! はコメントを受け付けていません

シマゴミグモ

博物館の前庭で見つけたクモ。シマゴミグモです。

シマゴミグモ

腹部が独特の形をしています。

体長4-8㎜程度、垂直円網を張ります。ゴミグモと言えば「網にゴミの飾りをつける」ことが特徴ですが、この種はあまり飾りをつけません。
過去に別種と混同されていた経緯があり、関東以北の分布はあまり正確に分かっていません。市内では2014年に確実な記録があります。
垂直円網を張るクモは、ほとんどが網の中心で頭を下にしてとまります。この写真の個体は上を向いていました。実は、シマゴミグモは「どちらを向くかあまり決まっていない」という特徴があります。
近縁のギンメッキゴミグモは大抵上向きですし、カラスゴミグモという種は横を向いているので、この仲間には何か特別な事情があるのかも知れません。
ところで、先日見つけたスズミグモもそうですが、博物館の前庭はさほど広い場所ではないのに、時々「そんなのいたっけ?」という生き物に出会います。周囲にまとまった樹林が残っているので、ここもその一部として生き物が利用しているのでしょう。おかげで毎日観察していても飽きません。 

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | シマゴミグモ はコメントを受け付けていません

久しぶりの!企画展準備中

当館は3月2日から新型コロナウイルス感染拡大に伴い臨時休館期間に入り、6月9日から再開しました。しかし、休館期間中に開催予定だった考古分野の企画展は、一度も公開できないまま終了してしまいました。さらに春と夏に予定していた企画展もそれぞれ中止となり、相模原市立博物館開館以来初めて、半年にわたり特別展示室が閉鎖されたままになりました。
そして9月、いよいよ、秋から企画展を開催することになりました!今、仕切りや展示ケースを設置して、徐々に展示資料を列品しています。

展示ケースに入った『神奈川県植物誌2018』

なにやら分厚い本がケースに堂々と鎮座しています。
こちらにもちょっと古めかしい本がずらっと・・

他県、あるいは全国版の植物誌

さらに、展示ケースの中に花が咲いている!

シンテッポウユリのレプリカ

わけではなく、これは精巧につくられた模型(レプリカ)です。
ふだんは収蔵庫に配架されている植物標本も並びます。いろいろとタグのようなラベルが貼られていますが、その意味も展示でご紹介します!

押し葉標本

9月19日から始まる企画展は、なんと2本同時開催です。
「開館25周年記念企画展「神奈川の植物、相模原の植物 植物誌から考える生物多様性」」
博物館開館25周年・山崎弁栄上人没後100周年記念 「無量光寺文書・山崎弁栄遺墨展

詳しくは、上のリンクから当館ホームぺージをご覧ください。
担当者も久しぶりの企画展の準備をはりきっていますので、お楽しみに!

カテゴリー: おしらせ, 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: | 久しぶりの!企画展準備中 はコメントを受け付けていません

シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑰ ㋹

レールは箱根 江の島へ 南の玄関相模大野

かるたに描かれた小田急線の前身である小田原急行鉄道が新宿~小田原間で開通したのは1927(昭和2)年で、その後、分岐した江ノ島線が1929(昭和4)年に開通します。その当時、相模大野駅はまだなく、前身となる通信学校駅が設置されたのが、1938(昭和13)年のことでした。当時の駅周辺には畑や山林が広がっており、駅の利用者は主に近くに建設された陸軍通信学校(現相模女子大学等)や相模原陸軍病院(現グリーンホール相模大野・相模大野中央公園等)の通勤、通学、通院者でした。

1954(昭和29)年修正 1:25,000地形図「原町田」に加筆

当時の村名「大野村」にちなみ駅名が「相模大野」と改められたのは1941(昭和16)年で、周辺の地名も1981(昭和56)年の住居表示の実施によって駅名と同じ「相模大野」となりました。戦後における相模大野の商業地化は目覚ましく、1959(昭和34)年に建設された公団相模大野団地の建設をきっかけに急速に人口が急増し、駅周辺の区画整理事業に加え、1981(昭和56)年の米軍医療センター(旧相模原陸軍病院)の返還によって、商業ビルや高層住宅が立ち並ぶ街へと大きく変貌しました。

相模大野駅周辺1959(昭和34)年

相模大野駅周辺の開発状況1998(平成10)年

平成に入ると市内初の百貨店が進出し、駅には14階建ての駅ビルが建ちました。さらに2013(平成25)年にはショッピングモールや大規模な都市型住宅を含む大型複合施設が駅西側に完成するなどして、市の南の玄関として現在も発展を続けています。

駅西側の大型複合施設(ボーノ相模大野)

通信学校の駅の設置からおよそ80年を経過し、駅周辺の景観はすっかり変わってしまいましたが、今も残る相模女子大学の正門や両方向にのびる石垣などは、陸軍通信学校建設当初のものであり、通信学校駅時代の面影をひっそりと残しています。

旧陸軍通信学校(現相模女子大学)の石垣

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(現在、貸出しは休止中です。)
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)。
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

カテゴリー: ふるさといろはかるた | タグ: | シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑰ ㋹ はコメントを受け付けていません