エビネ開花!そして明日は生きものミニサロンです!

博物館中庭のエビネが開花しました。ランの仲間らしくゴージャスな花であるのに加えて、雨に濡れてちょっと重そうですね。

エビネの花

今年は花茎がたくさん出ていて、見応えがありそうです。

“群生”と言ってよいくらい、たくさん花茎が出ています

明日(4月27日)は毎月恒例の生きものミニサロンを実施します。今回は、エビネをはじめ、春の花がまだまだたくさん見られたり、虫たちもいろいろと活発に動いたりしているので、「春のお散歩観察会2」(1は先月実施)とします。
お天気が明日のお昼までには回復することを祈って、たくさんの生きものたちと出会えることを期待しましょう。
生きものミニサロンは4月27日(土)12時から12時30分まで、参加無料、お申し込み不要です。お気軽にご参加ください。

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小雨に際立つ新緑

4月24日、緑区の仙洞寺山(せんとうじさん)で相模原植物調査会のみなさんと植物相調査を行いました。この調査は、仙洞寺山の中腹に位置する「フォレスト21さがみの森」を管理するNPO法人森づくりフォーラムと合同で行っているものです。
天気予報のとおり、朝からあまり安定しない天気模様となり、小雨がぱらつく中、林内へと入りました。明るい斜面に咲くチゴユリです。

チゴユリ

春先のこうした白い花は、晴天よりもむしろ少し雲りがちだったり、この日のように小雨でしっぽり濡れ気味だったりした方が色が映えることがあります。
こちらはイヌブナの新緑です。若い葉の表面には細かい毛がたくさん生えているので、表面張力で丸くなった雨粒が、葉の瑞々しさを際立たせています。

イヌブナ

そんな新緑に合わせてさえずるのは、センダイムシクイです。そこかしこで鳴いていました。

センダイムシクイ

こんなふうに書くと、さぞ気持ちよく調査を進められたように見えます。

相模原植物調査会のみなさん

しかし、こうして調査をしている足下には・・

ヤマビル

たくさんのヤマビルがうごめいていました。落ち葉が堆積した場所では、大小のヤマビルが、私たちの体温や呼気を感じ取って大慌てで近づいてきます。
でも、ヤマビルを恐れていては相模原市の山中で野外調査はできません。足下はヤマビル対策を万全に施して調査に臨んだので、誰も血を吸われることなく調査を終えることができました。

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吉野宿ふじや「昭和の娯楽」展

吉野宿ふじやでは、4月27日(土)から6月7日(日)まで「昭和の娯楽」展を開催します。
藤野地域住民が収集した昭和時代の懐かしいマンガ、映画ポスター、レコード。
また、地域住民の娯楽として親しまれた「藤野の村歌舞伎」についても写真パネルで紹介する盛りだくさんな展示となっています。

 

準備中の様子をご紹介しましょう。

マンガは実際に手をとって読むことができます。
また映画のポスターも、印刷されたものだけではなく、収集家の方が映画看板絵師の方にお願いして描いてもらった手描きのものが展示されます。

貴重な機会ですので、是非この機会にお立ち寄りください。

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こちらも開花!クワの花

博物館に植えられているクワの木は、カイコを飼育するためのものです。葉がだいぶ大きく広がってきました。

瑞々しいクワの葉

カイコのためなら、葉っぱさえたくさん展開してくれればよいのですが、クワの木には他にもいろいろな楽しみがあります。その一つはやっぱりクワの果実。初夏、プリプリの黒紫色に実る様子は、なぜか郷愁を誘います。
さて、そんな果実の様子は、すべてのクワの木で見られるわけではありません。なぜなら、クワは雌雄異株(しゆういかぶ)なので、木によって雌雄が分かれます。博物館で一番大きなクワの木は雌木(めぎ)です。花はこちらで、今、満開です。

これでも?満開のクワの雌花

花弁が無いので花らしくありませんが、カブトムシの角のような雌しべが、開花のしるしです。こうした目立たない花は風媒花(ふうばいか)のことが多く、花粉を風に運ばせます。実は、博物館でこれまで植えた木には雄木(おぎ)が見当たらず、100メートルほど離れた場所の大木の雄木が受粉の頼りでした。しかし今年、2年前に植えたクワの枝に花が初めて咲いたので、よーく見てみると・・

雄しべが目立つ花

雄花です!雄しべをしっかり伸ばしていました。まだ木も小さくて花が少ないので、送粉(そうふん:花粉を送り出すこと)には十分ではないかもしれませんが、これでだいぶ隣の雌木の実りも良くなるでしょう。じつは毎年、開花の季節に雄木の花付きの枝を何本か切って、強制受粉させたりしていたのです。来年あたりはこの作業も必要なくなるでしょう。
クワの花が咲くと、そろそろカイコの準備を始めなくてはいけません。今年も博物館では、6月初旬からカイコを育てる予定です。

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博物館の花(予告編)

博物館の中庭では、こんなつぼみがニョキニョキと立ち上がってきました。

エビネのつぼみ

エビネのつぼみです。野生ランとして有名な花ですが、市内では生育地が減っている上に盗掘に合いやすく、野外で見るのが難しい花の一つです。
ゴールデンウイークには美しい花を咲かせてくれるはずです。
さらに、市内の自生地からつるを取ってきて挿し穂をしたカザグルマも、つぼみをつけています。今年はちょっとつぼみが少なそうです。

カザグルマのつぼみ

こちらはゴールデンウイークの半ば頃に咲くでしょうか。
つぼみの写真ばかりでは寂しいので、フデリンドウの、二色が隣同士で咲いているようすを。

フデリンドウ

こちらは、ヒトリシズカです。博物館正面入口の脇に咲いているのですが、この花はいつも、気がつくとすでに花が終わろうとしています。地上に茎と葉を伸ばしてからあっという間に咲くようです。

ヒトリシズカ

そして、同じ場所にはシャガがたくさん咲いています。

シャガ

色とりどりの花に囲まれて、気持ちの良い博物館へぜひお越し下さい。

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ジグモ

博物館近くの公園で、ふと目に留まったのはジグモの住居。岩に袋状のものが張り付いていて、地中に続いています。
もしかしたら子どものころ、ジグモの住居を釣り上げて遊んだ記憶をお持ちの方もいらっしゃるかも知れません。

釣り上げるのは失敗するリスクが大きいので、ちょっと失礼して掘り起こすと…

中にはこんなクモがいます。

ずんぐりしていて、つやつやしています。大きさからしてまだ幼体のメスです。

正面から見ると、地面を掘るのに使う太い大顎が迫力満点です。

ジグモは40年ほど前には生垣の根元などに普通にいたのですが、最近ではあまり見かけなくなりました。
大人になってあまり気に留めなくなった、という事もあるかも知れません。気になった方は散歩のついでなどにでも探してみてはいかがでしょうか。

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激しい縄張り争い

昨日(4月17日)の野外調査の折、野みちを歩いていたら下の方からキョッ!キョッ!と強い不規則な声が聞こえてきました。
声の方向を見ると、なんと、5メートルほど先の地面の上でオスのウグイスが2羽、取っ組み合いのケンカをしていました。

地面で取っ組み合うオスのウグイス

あっけにとられながらもカメラを構え、シャッターを切りました。するとそのシャッター音で我に返ったのか、1羽が飛び立ちました。それを追いかけるもう1羽・・。ふつうは逃げるなら人間と逆方向へ飛び去るはずが、カメラに向かって飛んできて、頭上スレスレを猛スピードで通過していきました。よほど気が立っていたのでしょう。
ウグイスは一夫多妻の繁殖形式を取ることが知られています。こうした激しいせめぎ合いの上に繁殖縄張りが形成されているのだと、改めて実感できました。

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春真っ盛りの植物調査

4月17日、緑区のいろいろな場所へ、相模原植物調査会のみなさんと絶滅危惧植物の生育状況調査に行きました。
県内でもわずかな自生地しか残っていないオキナグサ(県:絶滅危惧1A類)は、あるお宅の裏山でひっそりと残っています。

オキナグサ(左は花、右は実りかけの果実)

こちらも県北地域にごくわずかしかない、ザイフリボク(県:絶滅危惧1A類)です。まだ花はつけていませんでしたが、特徴的な二つ折りの若葉の白銀毛が輝いていました。

ザイフリボク(若葉)

ちなみにザイフリボクは、公園などにもジューンベリーとして植えられていますが、あちらはセイヨウザイフリボクという別の種類です。
そして、こちらは今のところ絶滅危惧種には入っていませんが、減少著しいオカオグルマです。

オカオグルマ

オキナグサやザイフリボク、オカオグルマは比較的良好な生育状況だったのですが、中には生育を確認できなくなってしまったものもありました。人里付近で生育していたものは、ちょっとした水分条件などでも生育環境が失われてしまうことがあり、保全の難しさを痛感しました。
帰りがけ、幹線道路から少し入ったところにある、春植物の楽園を訪ねました。
こちらは、アネモネに近いなかまの在来種、イチリンソウです。

イチリンソウ

イチリンソウの名は、同じキンポウゲ科で二輪ずつ咲くニリンソウと区別して、一輪ずつ咲くという意味です。しかし上の写真の株は一度に二輪咲いていました。
こちらはヤマブキソウです。低木のヤマブキも今、花真っ盛りでよく似ていますが、分類上はまったく異なる仲間の植物です。

ヤマブキソウ

若葉の優しい色あいを楽しみながらの野外調査となりました。

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クマバチの季節

春の日差しが強くなってきて、博物館のまわりでもクマバチが飛び始めました。

クマバチの飛翔

ロシアの作曲家リムスキー・コルサコフの「熊蜂の飛行」という楽曲があります。細かい音符がうねるように続くメロディーは、オスの飛行のようすを表しているのでしょう。ちょっと開けた陽当たりの良い空間でホバリングをして、何かが近づくとそちらへすかさず飛んでいき、縄張りに侵入してきたほかのオスか、交尾相手のメスなのかを見極めます。うしろ姿は、お尻がちょっとかわいらしいですね。

クマバチのうしろ姿

正面から見ると、大きな黒い複眼がサングラスのようで愛嬌があります。

クマバチの正面顔

気温が上がって昆虫の動きも活発になってきましたが、地面付近はまだ少し寒いのでしょうか。ニホンカナヘビが日向ぼっこをしていました。

日向ぼっこをしながら振り向くニホンカナヘビ

暖かい日だまりと、ちょっと冷たい風と、変化の激しい気候です。

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今年はツバメの巣!

4月14日(日)、相模原市立環境情報センターで今年度最初の自然環境観察員制度環境学習セミナーが行われました。

初登録の方も含めてたくさん集まってくださいました

博物館ではこの制度発足当初から調査活動に関わってきましたが、実はその初年度の平成13年に行われたのが、全体調査テーマであるツバメの巣の分布調査でした。その後、18年、26年と行われ、初回から19年目の今年、第4クールとなるツバメの巣の分布調査を行うことになりました。

ツバメの巣

ツバメは春の使者として気象庁の生物暦にも使われていますが、さまざまな要因から、全国的に数が減っているのではないかと言われています。自然環境観察員の調査でも、その傾向が見られています。果たして今年の調査からどのような結果が得られるでしょうか。

巣材の泥と枯れ草をくわえる親鳥

市域にはツバメのほかに、イワツバメが生息しています。

イワツバメ

イワツバメはツバメよりもさらに減少傾向が強く、特に低地ではほとんど巣が見られなくなっています。ほかにコシアカツバメも前回までの調査ではごくわずかの地域で確認できていましたが、今回はどうでしょうか。
さらに、ツバメの仲間ではありませんが、ヒメアマツバメ(アマツバメ科)も限られた地域で繁殖しています。

ヒメアマツバメ

市民科学として市域の自然の基礎情報として欠かすことのできない存在である自然環境観察員制度の全体調査が今年もスタートしました。博物館でも、得意とする緑区の県境付近を担当することにしました。どんな調査結果が得られるのか、今から楽しみです!

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