地質学講座 第2回 麻溝公園〜原当麻

5月25日に地質学講座の2回目を開催しました。
相模原市南区の麻溝公園からJR原当麻駅付近まで、地形や地層を見ながら歩きました。

まずは麻溝公園で相模原面(上段)上にある谷状の地形の観察です。谷ではなく、実際は細長い凹地(おうち)です。一番低い部分で地形を観察している様子です。写真右手に見える高まりは人工的に埋め立てたられた部分です。

凹地の東側から一番へこんでいるところを見るとこんな感じです。中央に見える橋のあたりが一番低い部分です。

段丘をつくっている地層が見られる大正坂です。相模原面(上段)と田名原面(中段)の間の急な崖で、関東ローム層が見られます。

大正坂を下りきって、道保川を渡ったあたりには中世の豪族館の堀跡が残っています。この堀は道保川の旧河道を利用したと言われています。ちょうど堀跡を歩いているところです。

最後に姥川の河床(かしょう)を観察しました。姥川の河床にある礫(れき)は姥川が上流から運んできたものではなく、約3万年前に当時の相模川が運んできた礫です。約3万年前の相模川の川原が姥川によって洗い出されて顔を見せています。

当日は、よく晴れて暑いくらいでしたが、風は爽やかで、気持ちよく観察をすることができました。3回目は6月8日、JR原当麻駅から当麻山公園までを歩きます。

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約10万年前の遠くからの火山灰

5月22日、相模原市緑区青根で約10万年前の地層の調査を行いました。

この地層は湖に堆積したと考えられる泥、砂、砂利が積み重なってできています。

この地層には、九州にある火山と中部地方にある火山から噴出された火山灰が挟まっています。

白い層は鬼界葛原(きかいとずらはら)火山灰と呼ばれている火山灰です。鹿児島県の薩摩半島と屋久島の間にある鬼界カルデラから、約9万5千年前に噴出された火山灰です。鬼界カルデラは現在の硫黄島や竹島のあたりです。

こちらは長野県と岐阜県の県境にある木曾御嶽山(きそおんたけさん)から約9万年前に噴出された御岳伊那(おんたけいな)火山灰です。

山間部にどうして湖ができたのか、また、湖がどれくらいの規模だったのかは、わかっていません。しかし、相模原から遠く離れた火山の噴火の様子を伝える重要な地層です。

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ツバメの巣の調査

6月6日、緑区澤井方面へツバメの巣の分布調査に行きました。これは、相模原市立環境情報センターの自然環境観察員制度の全体調査の一環で、市域全域(車道の通っていない区域を除く)を対象に実施しています。本当はもっと早い時期に行きたかったのですが、企画展の準備などで6月に入ってしまいました。行ってみるとやはり、一両日中に巣立ちそうなヒナがギュウギュウで巣内に・・

ギュウギュウに巣内で給餌を待つツバメのヒナ

藤野北小学校を訪ねると、ここは校舎の1階と2階に営巣中。こちらはまだふ化から1週間くらいでした。親鳥は給餌(きゅうじ)と同時に、ヒナが排泄するフンを巣外へ捨てます。ヒナがおしりを上に向けたところを逃さずに・・

親鳥がヒナのおしりから出たフンをくわえています

サッとくわえて巣外へ持ち出したところです。

そのままくわえて飛び去る親

こうして巣内の衛生環境を保ちます。
ところで、今日の藤野北小周辺では、あるチョウが大量に飛んでいました。尋常ではない数だったので校長先生に尋ねると、今朝から!とのことでした。

テングチョウ

時折大発生するテングチョウですが、ここまでたくさん飛んでいるところは初めて見ました。
場所によってはキアシドクガもたくさん飛んでいて、昆虫大発生の初夏の様相でした。

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吉野宿ふじや「懐かしのレコード鑑賞会」開催されました

吉野宿ふじやでは現在、「昭和の娯楽」展が開催されています。

6月2日に「懐かしのレコード鑑賞会」が行われました。

「白い花の咲く頃」(岡本敦郎)や「君の名は」(織井茂子)、「港町十三番地」(美空ひばり)など18曲が流れました。
レコード独特のノイズ音が耳に心地よく、みなさん懐かしみながら音楽を楽しみました。
また、曲や歌手についての解説もあり、なじみの曲の知らなかった一面に驚く一幕も。

想い出のある曲が、当時と同じようにレコードで聴ける機会はそうそうありません。昔の事を思い出して涙が出そうになった、という感想を述べられた方もいました。

レコード鑑賞会は終わってしまいましたが、展示は6月9日まで開催されています。
「昭和の娯楽」展、ぜひご来館いただければ幸いです。

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クワと似たもの

5月29日から給桑を開始したカイコは順調に育ち、すでに1回脱皮をして2齢になっています。もうすっかりカイコらしい姿です。

2齢のカイコ

その2齢も6 月4日で3日目に入り、またそろそろ眠(脱皮前の休眠期間)となって、明後日までには多くのカイコが3齢になるでしょう。3齢になると、それまで黒かった頭部がベージュ色になります。頭が真っ黒なカイコは、この1日か2日で見納めとなります。
さて、こんな小さなカイコでも、何百頭も育てているとそれなりにクワの葉が必要になります。毎日クワの葉を採っているのですが、今、クワの木は果実がたわわに実っています。

右の黒紫色の果実が熟したもの

大木のクワにはスズメやムクドリなどが食べに来て、お祭りのようになっています。
ところで、クワの葉はいろいろな形がある上に、違う種類の植物に、よく似た葉がたくさんあります。見慣れてくるとすぐに見分けがつくのですが、例えばこちら。オオブタクサです。

オオブタクサの葉

花粉症の原因植物としても名が知られている外来植物ですが、かつて、クワモドキとも呼ばれていただけに、ちょっと似ていますね。
さらに酷似しているのがこちら、ヒメコウゾです。

ヒメコウゾの葉

オオブタクサはキク科でクワと縁遠い植物ですが、ヒメコウゾはクワと近縁なので、葉がそっくりです。色が少し濃い(深緑に近い)のと、切れ込みが左右非対称で大きく丸く切れ込むのが特徴ですが・・見慣れないと本当にわかりにくいですね。ちなみにこちらの果実はオレンジ色から赤色に熟すので、黒紫色に熟すクワとは違いがはっきりしています。

ヒメコウゾの果実

クワの葉自体にもかなり変化があり、切れ込むもの、まったく切れ込まないものなどいろいろあるので、それはまた別の機会にご紹介したいと思います。

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キララシロカネグモ

キララシロカネグモ


樹林地や草地などにいます。体長6-9mm。草の間に水平円網を張り、よく葉裏に隠れています。
腹部全体が金色に輝いていて、とても美しい種です。ただし、捕獲すると…

なんだか黒っぽくなっていしまいました。
このクモの腹部には「キラキラ」した色を含む細胞が分布しています。驚いたりストレスを感じるとその細胞が縮んで、色が変わって見えるのです。

だいぶ色が回復しています


少し回復するとこんな感じです。

ところで、このクモの名前の由来。「シロカネ」は銀の古い呼び名ですが「キララ」は雲母の事だというのはご存知でしょうか。言われて見ると、少し黒っぽくなった時の様子は、雲母片が散りばめられているようにも見えます。最初に名前を知った時は「キラキラだから」と思っていたのですが、そうじゃないんですね。

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尾崎咢堂94歳時の直筆の書「互譲共援」を公開!~尾崎咢堂記念館にて~

博物館所管施設の尾崎咢堂記念館では、6/1から尾崎咢堂関係資料公開として、額「互譲共援」の特別公開を行っています。

尾崎咢堂は現在の緑区又野に生まれ、明治23年から60年以上衆議院議員を務めた郷土出身の偉人です。東京市長も務め米国ワシントンDCに桜3000本を贈ったことなどでも有名です。

博物館には咢堂に関する資料も多く収蔵しており、多くの方に咢堂について関心を持ってもらうため、緑区又野の尾崎咢堂記念館にて、関係資料を定期的に特別公開することとしました。

尾崎咢堂生家跡地に建つ記念館

今回は、咢堂94歳時の直筆の書で、かつて旧津久井町の議場に掲げられていた額「互譲共援」を紹介します。この資料は、横193.5cm、縦81.6cmもある大きな額で、額が大きいためタイトルパネルや解説パネルが小さく見えてしまいます。

額が大きすぎてタイトルや解説が目立ちません(悲)

この書は、昭和27年(1952)頃の咢堂最晩年の作品です。少し字が震えているようですが、達筆ぶりは健在です。
咢堂は、戦後の混乱期に、政党は譲り合って挙国一致の内閣をつくり独立回復を目指すべきと主張しています。この書はこうした咢堂の思いのもとで書かれたものかもしれません。

額「互譲共援」の公開は7月14日(日)までです。ぜひ、間近で資料をご覧いただけると幸いです。

なお、この額の寄贈経過をご存じの方や、旧津久井町議場においてこの額が写っている写真などをお持ちの方は博物館までご連絡いただけると幸いです。

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図書館でも出張展示が始まりました!

相模原市の図書館は、図書システムの更新に伴う休館期間が終了し、本日(6月1日)から通常開館しています。
中央区の市立図書館では、以前から博物館の企画展と連動した展示を行っています。今回も、市立図書館で企画展「闇に生きる 相模原にすむ夜行性の生きもの」の出張展示がスタートしました。

図書館での出張展示

企画展の見どころをコンパクトにまとめています。

タヌキ、イタチ、トラツグミのはく製を展示しました

JR淵野辺駅前の市立図書館にお越しの際は、ぜひ2階の出張展示もご覧下さい!

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ちょっと甘やかしていたら・・

博物館で系統保存のために育てているカワラノギクのプランターに、寄生植物のアメリカネナシカズラがとりついていることを以前ブログに書きました。
この仲間の植物に興味があることもあり、そのままにしておいたところ・・

プランターにはびこるアメリカネナシカズラのつる

だいぶはびこってしまいました。カワラノギクが枯れるほどに取り付かれてしまっては本末転倒なので、まめにつるを排除していこうと思います。

寄生根をくいこませながら伸びていきます

そう思ってつるを切りながら隣のプランターを見ると、なんとこちらにも!

ちょっと雰囲気の異なるネナシカズラ

おまけに、こちらはネナシカズラという在来種です。つるが赤っぽく太いのが特徴です。

こちらの方がつるが太いので、寄主のダメージが大きそうです

今まで見たことがなかったので、どこから入ってきたのかわかりません。標本を採った時に種子をくっつけてきてしまったのか・・。こちらもあまり大々的にはびこると良くないのですが、ネナシカズラにも花を咲かせてもらいたいという衝動にも駆られ、ジレンマに陥っています。

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飼育展示も始まりました!おかいこさま

5月27日からふ化が始まり、5月29日に掃き立て(給桑開始)したカイコの一部を、本日(5月30日)から展示しています。

カイコの飼育展示の様子

1階エントランス、総合案内横にありますので、ご来館の際にはぜひカイコのカワイイ姿を見ていって下さい。
なお、カイコのコンディションや担当者の都合により展示していない場合もありますのでご了承ください。
ところで、クワを食べ始めて2日目のカイコは、1日で目に見えて大きくなります。

左が2日目、右がふ化直後のカイコ

上の写真の、左側がクワを食べ始めて2日目、右側は少し遅れて今朝ふ化したカイコです。計ってみると、2日目が4.5ミリメートル、ふ化直後が2.5ミリメートルなので、1日で実に1.8倍の大きさに成長したことになります。これから22日後くらいに最大の大きさになり、ふ化直後と比べると長さ約30倍、体重は約2000倍になります。驚異の成長量ですね。これからしばらく、カイコの成長のようすをご報告していきたいと思います。

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