楽園再訪

毎年この時期にお邪魔する、緑区のあるお宅の裏山は、楽園です。5月11日、その楽園を相模原植物調査会のみなさんと再訪しました。しっかり管理をしていないと消えてしまう絶滅危惧種が咲き誇るこの場所のようすを、感謝の気持ちを込めてご挨拶に伺いつつ現況確認に行くのが目的です。その楽園の主役はこちら、オキナグサです。

オキナグサ

すでに若い果実をつけた株がたくさんありました。

オキナグサの若い果実

そして、オカオグルマも。

オカオグルマ

今年は花期がだいぶ早く、いつもは入れ替わりになるクマガイソウが今年は少し咲き始めていました。

クマガイソウ

花期の早さはツツジの仲間にもおよび、ミツバツツジも満開でした。

ミツバツツジ

相模原植物調査会のみなさんも、桃源郷のようなこの場所を訪れるのを毎年楽しみにしています。

美しい里山を満喫する相模原植物調査会のみなさん

少し場所を移動して植物調査をしていたら、ミツデカエデの花を見つけました。

ミツデカエデ

新緑がまぶしく、何を見ても美しい春の里山に圧倒された一日でした。
ただし・・・暖かくなれば活発になるのが、ヤマビルです。たくさん写真を撮影しているうちに、いつの間にか取り付かれたのでしょう。今期初ヤマビルの洗礼を受けました。

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銀河連邦のみなさんが・・・

みなさん、銀河連邦ってご存知ですか?

相模原市のホームページから引用

宇宙開発の最先端技術を研究している宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究施設が縁で交流を始めた5市2町が、ユーモアとパロディの精神で連邦国家を組織し、それぞれの共和国が手を取り合い、相互の理解と親善を深めることにより、宇宙平和の一翼を担うとともに、人々の笑顔あふれるユートピアの創造をめざしています。

ということで、具体的には、サガミハラ共和国(神奈川県 相模原市)、タイキ共和国(北海道大樹町)、ノシロ共和国(秋田県 能代市)、サンリクオオフナト共和国(岩手県 大船渡市)、カクダ共和国(宮城県角田市)、サク共和国(長野県 佐久市)、ウチノウラキモツキ共和国(鹿児島県 肝付町)という7つの共和国で構成されています。

4/8はその銀河連邦各国の皆さんが相模原市に集合する機会をとらえて、相模原市立博物館とJAXA相模原キャンパス宇宙科学探査交流棟の見学をしていただくという運びになりました。

まずは博物館のエントランスで集合写真!やはり小惑星探査機はやぶさ実物大モデルの前は絵になりますね!

「はいチーズ!」ではなく「ハヤブサツー!」の掛け声でパチリ!みなさんの笑顔の写真が撮れたかしら?

その後は、エントランスの展示品の解説、そして天文展示室へと移動してJAXAからお借りしている実物資料や、当館の太陽望遠鏡の説明、そして・・・

県内最大級のプラネタリウムのドーム内などをご覧いただきました。時間の都合上、プラネタリウムの投影をご覧いただけなかったのが残念です。ぜひ次の機会に!

銀河連邦をご存じだった方はもちろん、ご存じでなかった方、ぜひ機会をとらえて各共和国を訪問したり、あるいは思いを馳せてくださいね。

 

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センサーカメラのお手柄

博物館お隣の樹林地に、センサーカメラ(赤外線感知式無人カメラ)を設置しています。普段目にすることが少ない夜行性の動物たちの姿を生きものミニサロンでもご紹介しました。春になってから、昼間も頻繁に動物たちが写るようになりました。こちらは定番のタヌキです。

タヌキ 親子か夫婦か?

個体の特徴から、少なくとも3頭はいるようです。
そして、最近すごいものが写りました!フクロウです。

撮影成功!フクロウ

冬の間から鳴き声は聞こえていたのですが、センサーカメラの前にどっかりとたたずむ姿が初めて撮影されました。
ハクビシンも時々写ります。

早朝のハクビシン

そしてこちらもまだ1度しか写ったことはありませんが、イタチです。

こちらも1度しか写ったことがないイタチ

ほかにも野良ネコが3頭以上は住んでいます。住宅地に囲まれた森で水辺も無いのに、これだけの動物たちが生息していることにちょっと驚かされます。見つけにくい動物たちの生息を確認できたのは、センサーカメラのお手柄といえますね。

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フデリンドウ開花!

いよいよ、博物館周辺の樹林地や駐車場のフデリンドウが開花しました!

フデリンドウ

まだ開花数はそれほど多くないので、見ごろは来週後半からになると思います。

フデリンドウ

慣れないと見つけにくいので、今週末は臨時に生きものミニサロン「フデリンドウ鑑賞会」を行いたいと考えています。
天候などにもよりますが、7日(土)、8日(日)ともに14時頃からを予定しています。
ほかにも、キランソウや・・

キランソウ

オオアラセイトウ(ショカッサイ)もたくさん咲いています。

オオアラセイトウ(ショカッサイ)

紫色の花ばかりでなく、カントウタンポポも見ごろです!この週末、市民桜まつりも賑わうことと思いますが、博物館も花がたくさん見られますのでぜひお越し下さい!

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フデリンドウはあと少し!

博物館の駐車場やお隣の樹林地の春を代表する花、フデリンドウ。
今年はすこーし遅めでしたが、来週には見ごろとなりそうです。すでに、開花直前の株がありました!

フデリンドウのつぼみ(真上から見たところ)

ただ、小さな植物なので、咲き始めはよほど目が良くないと見つけられません。いたずらに探し回ると踏みつけてしまうため、見ごろまでもう少しお待ち下さい。またこのブログでお知らせします。桜が散って、そのあとのお花見はぜひ博物館周辺でフデリンドウのお花見をどうぞ!
フデリンドウはまだでしたが、ニワトコは満開です!

ニワトコの花

先日の生きものミニサロンで何組かのご家族に持ち帰っていただきましたが、コナラのドングリからの芽生えが本葉を広げ始めました。

コナラの芽生え

そんな植物のまわりの開けた場所では、クマバチが縄張り争いにいそしんでいます。

クマバチ

丸っこくてモフモフの体にサングラスをかけたような顔が、ちょいワルを演出しています。
まだまだ春は走り続けます!

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臨時的任用職員を募集しています

平成30年4月1日付の人事異動に伴い、相模原市立博物館では企画情報班で勤務する臨時的任用職員を募集する運びとなりました。

任期は平成30年5月1日から9月末までですが、延長する可能性もあります。

仕事内容は施設管理や広報にかかる各種事務です。

詳しい条件などについてはこちらをご覧ください。
臨時的任用職員の募集

応募の締め切りまであまり期間がありませんので、希望の方は是非お早めにご応募ください。

また、お知り合いの方でこうした仕事に興味がある方がいらっしゃれば、ぜひ情報を広めていただければと思います。

※この職務に従事したことにより市の正規職員採用につながるということはありません。あくまでも臨時的に任用するものですので予めご承知おきください。

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防災訓練を実施しました!

年度末のあわただしい時期ではありますが。3/28に防災訓練を実施しました。

今回は1階エントランスで火災が発生した想定で、通常の出入り口である自動ドアではなく、常設展示室やプラネタリウムから避難誘導する訓練を実施しました。

毎回、訓練のたびに何かテーマを設けています。たとえば水消火器を用いた消火訓練、あるときはAEDの操作講習、別の回では実際にホースを伸ばしてみる訓練など。

今回の訓練のポイントは、通常は出入りしない非常口からの避難誘導が円滑にできるかどうか、非常放送のアナウンスの練習(誰でもアナウンスできるようにしておかないと!)、火災報知機の操作方法の習得(誤操作でベルを鳴らせてしまったときに復旧方法など)、でした。

備えあれば患いなし!

これは初期消火訓練。消火器は2台持ちで駆けつけるのがポイントです!

日ごろは操作する機会がなかなかありませんが、今回のレクチャーで理解が深まりました。

災害に見舞われないことが一番ですが、万が一の事態にも「慌てず急いで正確に」行動できるよう、これからも防災訓練に取り組んでいきたいと思います。

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満開はサクラだけでなく

今日(3月28日)は博物館の植物ボランティアグループである相模原植物調査会のみなさんと緑区へ植物調査へ行きました。
絶滅危惧種の開花状況のチェックが主な目的でしたが、満開のサクラの下にも、たくさんの野の花が咲き誇っていましたのでご紹介します。まずは、女王、カタクリです。

春の花の女王 カタクリ

そして、スター集団と言えるキンポウゲ科からはキクザキイチゲ。

キクザキイチゲ

同じくキンポウゲ科で、和製アネモネのイチリンソウ。

野生のアネモネと言えるイチリンソウ

早春に咲いて結実すると地上部が消えて無くなってしまう花たちを総称してスプリング・エフェメラル(春のかげろう)と呼びますが、その象徴的存在のアマナ。

お天気が良くないと花を開かないアマナ

花が咲くということは、彼らも大忙しです。ビロードツリアブ。

なわばり争いも忙しそうだったビロードツリアブ

こちらは樹木ですが、かんざしのように咲くキブシ。

キブシ(雄花)

そして最後に、寝ぼけまなこで林道脇にいたシュレーゲルアオガエル。

文字どおり寝ぼけまなこでした

アクセルを踏み込んだように春の歩みがスピードを上げています。野生生物に関わる者としては、焦りばかりがつのる毎日です。

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どんどん広がる!

つい先日、雪をかぶっていた博物館中庭のミヤマガマズミの新芽です。

ミヤマガマズミの新芽(葉と花)

今日(3月25日)は朝から快晴で、新葉に挟まれた中央の花芽もしっかり顔を出しています。
アオキの花もだいぶ咲いてきました。青空をバックにするとなんだか別の植物のように見えます。

アオキの花(雄花)

フッキソウは真冬から少しずつ咲いていましたが、今が花盛りです。

フッキソウの花

博物館のまわりにたくさん生えている(植えたものではありません)ミズキがだいぶ崩芽して、瑞々しい新葉を開いてきています。この先、見る見るうちに葉を広げることでしょう。

ミズキの新芽(葉)

ミズキと言えば、この4年ほど大発生しているキアシドクガは昨年、このあたりのミズキとクマノミズキを丸坊主にしました。あまりの大量発生で明らかに食料不足となり、さすがにミズキも樹勢が弱っているものが多く見られます。一般的に5年程度続くとされるキアシドクガの大発生は、昨年がピークと思われますが、さて今年はどんなようすになるでしょうか。注意深く見守っていこうと思います。

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「春先のヘンな生きもの探検」 ミニサロン実施しました!

今日(3月24日)は生きものミニサロンを実施しました。予告どおり、テーマは「春先のヘンな生きもの探検」!
まずは博物館を出てすぐ、こんな小さな花を観察してもらいました。

ヒサカキの花 直径5mmほどしかありません

ヒサカキの花です。ふつう、花はできるだけ目立つように咲くのに、ヒサカキの花は「ここにあるよ」と教わらないとわからないくらい地味で小さな花です。ヘンですね。でも、地味なわりに強烈な個性で主張しているのが、ニオイです。みなさんにもかいでもらいました。

ヒサカキの花のニオイをかいでいます

花のニオイらしくないためみなさん意識したことがないようで、「知ってるけどこの花のニオイとは知らなかった!」という反応でした。
さて、次はこのブログでもたびたびご紹介しているミズキの樹液酵母です。

ますます強烈に膨張中の樹液酵母

目の前までご案内すると、みなさん目を丸くして驚かれていました。「ナニコレ?!」と今日のテーマが大げさではないことを実感・・。樹液酵母が成熟してできたオレンジ色の部分(スライム・フラックス)を存分に観察していただこうと、シャーレに採集して触っていただきました。

スライム・フラックスをさわっています!

お子さんたちは最初はこわごわ触っていましたが、毒も刺激も無いとわかると、意外と気持ちいいようで、記念写真も撮らせてくれました!

もちろん、食べてはいません!「ポーズ」だけです!

続いて、これはヘンなものでもありませんが、ドングリの芽生えの観察です。ドングリの中身が「子葉(ふたば)」であることがわかり、さらに、ふだん食べている甘栗がドングリのなかまで、じつは食べているのが子葉の部分だということも判明し、「へーっ!」という反応をいただきました。

芽生えているドングリ探し

最後にお隣の樹林へ入り、ビロードツリアブのモコモコのかわいい姿を観察したり・・・

ビロードツリアブはかわいらしさで大人気!

ビロードツリアブ

ミミガタテンナンショウの不思議な花を見たりして、今回も身近な自然観察を楽しみました。
次回は4月28日(土)12時から、たくさんの春の花と虫を観察する予定です。

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