日替わりの季節 今日は春

朝、外出しようと着替える時、今日は春かな?冬かな?と迷う毎日です。でも、今日(3月23日)は文句なしの春です。昨日のブログでしっとり湿ったお天気も似合うコブシの花と紹介しましたが、やっぱりなんと言っても青空が似合います。

青空をバックにコブシの花

明日、24日(土)に実施する生きものミニサロンの下見で樹林地を歩いていたら、カントウタンポポが咲いていました。

この樹林はカントウタンポポが多い場所です

ただし、明日はタンポポの観察までは手が回らないくらい、いろいろ観察ネタがあります。その一つのミミガタテンナンショウを見ていると、ハエのなかまが数匹集まっていました。

ミミガタテンナンショウの花

まさに、これから花の中へ入っていこうというタイミングでした。明日もこんなシーンが見られると良いですね。
この樹林のスターであるフデリンドウは、さすがにまだ早いようです。

つぼみがまだ小さいフデリンドウ

まだつぼみが7ミリメートルくらいなので、花は例年より少し遅いかもしれません。来月のミニサロンの頃まで見ごろが続きそうです。今年は花が早めのソメイヨシノとは逆ですね。
そして、こちらも明日、みなさんと観察する予定のコナラのドングリです。「よっこいしょ」と重たいものを持ち上げている感じが春らしいですね。

コナラのドングリ

今日のようなお天気になることを祈りつつ、みなさまのご参加をお待ちしております。
「生きものミニサロン」は明日3月24日(土)12時から約30分間。お申し込み不要、参加費無料です。博物館1階エントランスへお集まり下さい。

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週末の生きものミニサロンは、春先のヘンな生きもの!

今週土曜日(3月24日)は月1回恒例の生きものミニサロンを実施します。
今回のテーマは「春先のヘンな生きもの探検」です。春先、生きものたちの生命力が爆発する季節。ちょっと見慣れない形の花や、このブログでもご紹介したおかしな色の樹液など、ヘンな生きものがいろいろと見られます。

妖しげなミミガタテンナンショウの花

お昼12時から30分間、春の明るい日差しの下でヘンな生きもの探検をしてみましょう!お申し込み不要です。参加をご希望の方は博物館のエントランスへお集まりください。
さて、ヘンな生きもの探検なので、ネタバレの写真を掲載できませんから、そのかわり、昨日の時ならぬ雪の風景の写真をアップします。
前庭のアズマネザサに降り積もった雪です。

アズマネザサに積もった雪

このところの春の陽気で色合いの強いものを見慣れていたせいか、水墨画のような渋い色が美しく見えました。
こちらはブログでもご紹介したヤブレガサの芽生えです。

ヤブレガサの芽生え

雪がちょっと重たそうですね。
こちらは今朝ですが、いきなり降り出した雨にあたるコブシの花です。

驟雨(しゅうう)に濡れたコブシの花

青空も似合いますが、しっとりとした水気もよく似合う春の花です。
午後からは晴れそうです。生きものミニサロンの土曜日も晴れるといいですね!

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ヤブレガサの見ごろ

今日(3月21日)は春分の日だというのに、激しく雪が降っています。今年は春と冬のせめぎ合いが激しいですね。
そんな中、博物館の中庭ではおなじみの毛むくじゃらが地面から突き出てきました。

落ち葉をかき分けて頭を出した芽生え

ヤブレガサの芽生えです。
もう少し伸びた葉はこんな感じに本葉を開いています。

正体は、ヤブレガサ!

これが、そのお化けのような種名の由来です。
花は梅雨時に咲きますが、拡大するとなかなかおもしろい形をしているものの、芽生えほどのインパクトはありません。

6月に撮影したヤブレガサの花

ふつう、植物の見ごろは花や紅葉など色鮮やかな季節がふつうですが、ヤブレガサの見ごろは、芽生えの今という、ちょっと珍しい植物ですね。

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「博物館deトレジャーハンター」オープンしました!!

本日(3月17日)、「相模原市の遺跡2018 博物館deトレジャーハンター お宝なぞ解き考古展vol.2」がオープンしました。昨年に続いてクイズや体験コーナーなど、小さなお子様連れのご家族からコアな考古ファンまでたっぷりと楽しめる内容となっています。

特別展示室入り口

クイズラリーは今日を含めて8回実施します。しっかり展示を見ないと解けない問題ばかりですが、そのかわり、このクイズを制覇すると展示をバッチリと観覧したことになります。

答えは展示の中に!

答え合わせコーナーで一喜一憂しています!

パネルをめくって答え合わせ

お疲れさまのオリジナル考古グッズをプレゼント!

クイズラリー実施日はオリジナル考古グッズをプレゼント!

クイズラリーは今日を含めて8回、3月17日(土)、24日(土)、31日(土)、4月7日(土)、14日(土)、21日(土)、28日(土)、5月5日(土)です。ただし、設問や問題用紙は会期中は会場に常置していますので、いつでもチャレンジできます。
ほかにも、体験コーナーでは土器パズルや・・

意外と難しい土器パズル

土器の文様つけ体験もあります。

粘土に“縄文”を刻みます

さらに、自分が展示の中に入ってしまう記念撮影コーナーも!オリジナルキャラクターの「さがぽん」と「おびのっち」は、展示のガイド役でもあります!

「さがぽん」と「おびのっち」と記念撮影!

運が良ければ、縄文人コスプレができるかも!(博物館の考古ボランティアグループの縄文研究会の方がいるときに限ります。)

縄文人だ!

ほかにも関連イベントとして、記念講演会や遺跡の発掘現場の現地説明会など、盛りだくさんの内容でみなさまをお待ちしています!
詳しくはホームページをご覧下さい。

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つくし

博物館の前庭には玉砂利が敷かれている場所があります。そこは毎年、真っ先につくしが顔を出します。今年もすでに何本も立ち上がってきました。

つくし(スギナの胞子茎)

つくしの植物としての名前はスギナと言います。頭の部分は花ではなく、胞子を出すところです。あまり意識されることはありませんが、つくしはシダ植物なのです。整理すると、つくしはスギナというシダ植物の胞子茎(ほうしけい)です。そして、スギナの本体?とも言える栄養茎(えいようけい:光合成をする茎と葉)も同時に出始めています。

スギナの胞子茎

つくしは胞子を飛ばしきるとしぼんでしまいますが、こちらは夏までどんどんと大きくなっていきます。
博物館ではほかにも、中庭ですでに咲き始めている花があります。

ウグイスカグラ

ウグイスカグラです。市内でも林の縁などでふつうに見られる低木で、春真っ先に(場所によっては2月から)咲き始めます。
ミヤマガマズミの冬芽がだいぶ大きく伸びてきました。2枚の葉が開くのと同時に、純白の花が咲くのは来月中旬でしょうか。

ミヤマガマズミの冬芽

オオアラセイトウ(ショカッサイ)も駐車場のフェンス沿いに少しずつ咲き出しました。こちらも来月には地面を紫色に染めるようにたくさん咲くので、見ごろになったら写真をアップします。

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春最初の植物調査

3月14日、相模原植物調査会のみなさんとこの春最初の植物調査に行きました。緑区の津久井地域の山中ではすさまじい量のスギ花粉が舞っていましたが、めげずにスギ植林地を進むと・・

ミスミソウ

ミスミソウが出迎えてくれました。この季節の数少ない開花植物です。
さらに、今日の目的であるこちらの花は・・

ウスギオウレン(雄花)

ウスギオウレンの雄花です。林床にひっそりと咲く直径数センチの花は、あると分かっていても見つけるのに苦労します。
こちらは雌花です。

ウスギオウレン(雌花)

ほかにも、目立たないもののしっかりと花をつけている木々がいくつもあり、そのうちの一つがこちら、ツノハシバミです。

ツノハシバミの雌花

雌花は芽鱗と呼ばれるカプセルに包まれながらも、しっかり柱頭を開いています。
林道を歩いていたら、前方でカモシカがじっとこちらを見つめていました。

カモシカ

よく見ると角が片側しかありません。でも、健康そうでしばらくこちらのようすを見た後にゆったりと去って行きました。

片角でした!

スギ植林地からは風がふくたびに煙のような花粉が舞い上がり、厳しいコンディションでしたが春を満喫できる調査となりました。

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気がつけば、今年もオレンジ色

博物館の駐車場では春先になると、毎年おなじみのオレンジ色が現れます。

自然界にはあまりない蛍光色です

木は、何の変哲も無いミズキなのですが・・ちょっと異様な色ですね。
この正体は、樹液にカビと酵母がとりついてコロニーを形成したものです。樹液は初め透明ですが、糖分をエサにカビと酵母が繁殖してしだいに白濁してきます。その後このようなオレンジ色に変化してくるそうなのですが・・。博物館のミズキで見ていると、白濁期はほとんど見られず、いきなりオレンジ色になるように見えます。ちなみにこのオレンジ色の状態は、スライム・フラックスと呼ばれています。触ってみると、まさにスライムのように「ひんやりプニプニ」です。

触り心地は、まさしくスライムです

ミズキは春になると、地面からたくさんの水を吸い上げます。この時期に枝を切ると、切り口から見る見る樹液がしみ出て滴り落ちるほどです。

枝を切ると、すぐに樹液が滴となります

この木は駐車場を仕切るフェンス際にあって、枝が伸びると駐車の邪魔になってしまうのでいつも剪定されています。そのため、古い切り口からも毎年たくさんの樹液がしみ出るために、スライム・フラックスが形成されるようです。

これからオレンジ色になりそうな部分もあります

この色を見ると、春が本格的にやってきたのを感じます。

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レンジャク当たり年

日本に渡ってくる冬鳥の多くは、その年の食糧事情などによって飛来数が大きく変動します。バードウォッチャーたちの間では、「今年は○○が当たり(飛来数が多い)だね!」などという会話が日常的に交わされるのですが、そんな会話の中でひときわニュース性が高い鳥のひとつがこちらです。

ヤドリギにとまるヒレンジャク

ヒレンジャクです。冬、日本へ渡ってくると、上の写真のようにヤドリギという常緑の着生植物の果実を好んで食べることが知られています。飛来数が極端に変動することもさることながら、この独特の風貌が人気の鳥です。

美しく独特の姿

今年は1月下旬くらいからチラホラとヒレンジャク情報が入り始めたので、ここ数年無かった当たり年か!?と期待が高まっていました。2月下旬には相模原市内でも数羽の飛来が確認されていたのですが、いよいよ3月に入り本格的な「当たり年」であることが明らかになりました。こちらは市内ではありませんが、神奈川県西部での3月9日の写真です。

いくつかの群れが集合して80羽以上にふくれあがっていました

なんと、普通の住宅地の庭や電線に、80羽を超える群れがいたのです。もはや近隣のヤドリギの果実は食べ尽くしたようで、住宅地の庭でピラカンサなどほかの果実を食べていました。こんな年は冬に実る果実ならなんでも食べますし、春一番に咲くヤナギの花も食べたりします。
そしてこの群れの写真を後からじっくり見ていたら、尾の先の色が異なる1羽を見つけました。

矢印の個体の尾の先だけ黄色です

ヒレンジャクよりひとまわり大きく、尾の先が赤色ではなくて黄色なのが特徴のキレンジャクです。もともとヒレンジャクよりもずっと飛来数が少ない鳥ですが、今年はキレンジャクにも期待が持てます。しばらくはレンジャク探しの楽しみが続きそうです。

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今度こそ!ヒキガエル

啓蟄の3月6日にアズマヒキガエルの産卵が見られないかと訪れた場所は相変わらず静まりかえっていましたが、3月7日夜、もう1カ所の中央区のある池を訪れると・・始まっていました!カエル合戦です!

たくさんのアズマヒキガエルが臨戦態勢です

抱接(ほうせつ:産卵に備えてオスがメスの背中にしがみつくこと)しているオスとメスが約10ペア、抱接できていないオスが10匹ほど群がっています。
すでにペアになったオスはその地位を手放すまいと必死です。背後から横どりしようとする別のオスを後ろ足でキックしてはじき飛ばします。

我も我もとメスの背中を確保しようと集まるオス

断続的にそうした小競り合いが起きますが、当然、オスがオスにしがみついてしまうこともあります。そんな時は「おれ、オスだぞ!」という声(リリースコール)を出すので、間違えたオスはすぐに離れます。

背後から狙いを定めるオスが・・

すでに数日前に産んだと思われる卵紐(らんちゅう:紐状の卵塊)もありました。

水中には卵が見えます

この場所もあと1週間ほどは夜な夜なカエル合戦が繰り広げられることでしょう。

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地質学講座4回目(最終回)大地の変化

3月3日は全4回の地質学講座の最終回でした。
最終回は「大地の変化」についてです。火山については前回、解説したので、今回は地震についてです。

地震の基本事項について、ペーパークラフトの模型を使って解説しました。その後で、断層が作った地形を地形図から読み取りました。

プレート境界地震のしくみを説明する模型です。

正断層と逆断層を説明する模型です。

横ずれ断層を説明する模型も作りました。

液状化現象の実験も行いました。ワゴンを揺すったり、容器を手で叩いたりして地震の揺れを起こしました。

ワゴンを揺すって地震を発生させます。

重いものが沈んで、軽いものが浮かんできます。

噴砂の実験は容器を手で叩いて地震を発生させました。真ん中に開けた穴や周囲から砂が吹き出してきます。

今年度の地質学講座は、小学校の内容を大人向けに解説するという、初めての試みでした。また、パソコンのプレゼンテーションソフト(昔はOHPとスライドでした!)を使わずに解説するのも初めてでした。実験は小規模で簡単なものでしたが、それでも写真やビデオでは伝わらない“実物”や“実体験”の良さがあったと思います。
参加者の皆様からは、「模型や実験により、自然現象についてわかりやすく説明してもらい、良かった」、「基本的なことをすっかり忘れていたので、すごくわかりやすかった」などの感想をいただきました。。
小学校の内容といっても、なかなか奥深く、こちらも解説するにあたって、改めて勉強し直しました。初回のブログにも書きましたが、やはり基本は大切だと強く感じました。

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