紅葉が進む晩秋

博物館の駐車場のサクラが紅葉のピークを過ぎつつあり、地面を黄色く覆っています。地面の紅葉は、晴れの日よりも、今日(11月8日)のような雨模様の日の方があざやかに見えます。

曇りや雨の方があざやかな、地面の落ち葉

ちなみにこのサクラの木は、春は花びらで白く覆います。サクラはドラマチックな木です。

4月の同じ場所の地面は、白

近くのハリエンジュには梢近くまでナツヅタが絡まっているのですが、ナツヅタは真っ赤に紅葉するので、この時期とても目立ちます。

ナツヅタの紅葉

落ち葉にもその色は残ります。

ナツヅタの落ち葉

ところで、市内の街路樹のイチョウを見ていると、今年は早くも色づいている木が多くあります。例年、イチョウは紅葉の締めくくりで一番最後、11月下旬に色づくはずなのですが・・今年は8月の天候不順や秋の長雨などで、木の種類によって少し紅葉の時期もずれているようです。
さて、紅葉ではありませんが、度重なる虫害にも耐えて、駐車場で栽培中のカワラノギクが開花しました。

カワラノギクの花

ちょっと花が小さめですが、それでもこれからしばらく花を楽しめそうです。

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今年も無事に終了!鳥類標識調査

毎年10月下旬から11月上旬にかけて、博物館お隣の樹林地内で鳥類標識調査を実施しています。日に日に秋色を強める樹林内の調査、今年は天候に恵まれました。

少し色づき始めたコナラ

ナツヅタの紅葉はすでにピークとなっています。

ナツヅタの紅葉

この調査では野鳥を捕獲して足環をつけ、放鳥するのですが、こうした調査方法でないとなかなか確認することのできない種類や、ふだん間近で見ることのできない野鳥の形態を詳しく観察できる機会でもあります。思いがけず捕まった猛禽類の足です。この爪が獲物に食い込むさまを想像すると、ちょっと身震いしてしまいます。

猛禽類の足

こちらは一番小さなキツツキのコゲラです。

コゲラ

こちらは冬鳥のシメ。この嘴で噛まれるととても痛いです。

シメの顔

さて、今年の春から初夏にかけて、この樹林はキアシドクガが大発生しました。ミズキを食べる蛾なので、葉を食べ尽くし、花芽も勢い食べ尽くしました。その結果、葉はその後復活したものの、花芽は付けられず、この時期にたくさん実っているはずの果実が皆無です。渡来してきた冬鳥の食料として重要なミズキが無いことを心配していたのですが・・やはり、今年はそのミズキを当てにしている大型のツグミ類が少ない結果となりました。例年、シロハラという鳥がたくさん捕まり、足環付けの作業中に浴びる黒紫色のフンが、ミズキを大量に食べていることを示してくれるのですが、今年はシロハラがほとんど捕まりませんでした。かわりにアカハラが捕まりましたが・・

アカハラ

ミズキを食べたことを示すフンをしませんでした。
ミズキをあてにして渡来してきた冬鳥たちが、これからどのように冬を乗り切るのか、ちょっと心配になりますね。

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【採用情報】相模原市では学芸員を募集しています【申し込みは11/30まで】

11月1日号の広報さがみはらで情報が公開されました。

受付期間は、平成29年11月1日(水曜日)から平成29年11月30日(木曜日)まで。当日消印有効です。

詳しくは相模原市のホームページをご覧ください。

職員採用選考案内(平成29年度 学芸員(天文)社会人経験者)

職員採用選考案内(平成29年度 学芸員(考古)社会人経験者)

 

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カワイイ顔の虫

今週は博物館そばの樹林内で野外調査をしているのですが、長い時間野外にいると、いろいろな生きものに出会います。
今日(11月2日)は、とびきりおもしろい昆虫に出会いました。一見すると、それほど変わりダネにはみえないのですが・・

翅を広げても3センチほどの小さな虫です

ズームアップ!!

マンガに出てくる虫のような顔です

なんでしょうこの愛嬌のある顔は!!
ハネナガウンカのなかまなのですが、このなかまはどれもこんな顔つきをしています。
さらに昨日は、めずらしい昆虫もいました。

しばらく観察していたら、ちゃんと元気に飛んでいきました

これが夏なら、珍しくも何ともないのですが、ツクツクボウシのメスです。
まさか11月にも生きているセミを見つけるとは思いませんでした。
野外調査の醍醐味ですね!

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11月から12月にかけて天文や宇宙に関するイベントが盛りだくさんです!

この前まで半袖だったのに、あっという間に自動販売機の飲み物の「HOT」が恋しくなってきてしまいました。

さて、博物館では11月から12月にかけて宇宙天文関係のイベントが盛りだくさんです。

具体的には下記の通り。

(1)11/18 未知なる宇宙の謎を解き明かす新たな鍵 ~ハッブルからジェームズ・ウェッブへ~
(2)11/23 11月の「さがみはら宇宙の日」宇宙フェスタさがみはら2017 月面探査最前線
(3)12/ 2 12月の「さがみはら宇宙の日」はやぶさ2トークライブVOL.12「はやぶさ2」に期待するサイエンスの成果
(4)12/ 9 あかつきトークライブ
(5)12/16 プラネタリウムでクリスマスコンサート開催

これらのうち、(4)(5)については改めてご案内します。
今回紹介するのは(1)から(3)まで。

まず(1)は、約25年にわたり宇宙から画像を送り続けているハッブル宇宙望遠鏡の後継機として開発されている宇宙望遠鏡についての講演会です。

(c)Northrop Grumman

実際にジェームズウェッブ宇宙望遠鏡の開発に携わっている技術者や研究者が来日して講演します。今回の来日期間中、一般の方が参加できるイベントとしては、当館開催の講演会が最大規模になります。質疑応答などの時間もたっぷり用意していますので、実際の研究者にいろいろな質問ができる貴重な機会です。日本語通訳者がついていますので英語についての心配はありません。どうぞたくさん質問してくださいね!
イベントの詳細については博物館のホームページに情報を掲載してありますのでご覧ください。

つぎに(2)は昨年度に引き続き開催する「宇宙フェスタさがみはら」です。

宇宙フェスタさがみはら2017 月面探査最前線

今年のテーマは「月面探査最前線」。おりしも先日、月の縦孔についての記者会見があり、注目を浴びています。今回はその記者会見をした春山先生も登壇する講演会をメインに、音楽イベントなども交えて開催します。プラネタリウムの番組編成も月をフィーチャリングした内容になっています。特筆すべきは久しぶりにこどもプラネタリウムに「さがぽん」が登場すること!11時からの回は「おしえて!さがぽん お月さまってなぁに?」を投影しますので、ぜひご覧くださいね!その他、詳しくは博物館ホームページの情報をご覧ください。※リレー講演会のみ事前予約必要(11/7からコールセンターで受付)、音楽イベントは当日の開館と同時に整理券配布します。

(3)は恒例のはやぶさ2トークライブです。昨年12月も同様に海外からのゲストをお呼びして開催しました。今回はその第2弾となります。こちらも貴重な機会となります。詳しい内容は博物館ホームページの情報ご覧ください。事前申し込みは11/15からコールセンターで受付します。

(c)JAXA

かなり忙しい日程となりますが、興味があるイベントをお見逃しなく!

11/7は宇宙フェスタさがみはら2017月面探査最前線の事前申し込み受け付け開始、11/15ははやぶさ2トークライブの事前申し込み受け付け開始、11/18は「未知なる宇宙の謎を解き明かす新たな鍵 ~ハッブルからジェームズ・ウェッブへ~」開催、11/23は宇宙フェスタさがみはら2017月面探査最前線開催・・・

ぜひ手帳に書いたりアラームをセットしたりしてくださいね!

 

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生きものミニサロン 空飛ぶタネを観察しよう!

10月28日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。
今回のテーマは「空飛ぶタネを観察しよう!」です。風に乗って空を飛ぶタネと言えばタンポポを思い出しますが、じつはたくさんのタネがいろいろな方法で空を飛びます。例えばこちらのカエデ。

トウカエデの果実

Vの字のようについていますが、これが真ん中で分かれて落下すると、種子本体部分を中心に回転します。
正確には、「空を飛ぶ」というよりも、できるだけ滞空時間を長くして、風で親の木から離れた場所へ落ちるしくみです。
同じように回転するしくみを持つユリノキ。こちらは街路樹としておなじみです。

ユリノキの果実

実際に、参加者のみなさんに落としてもらい、回転のようすを観察しました。

踏み台からくるくる

こちらのニワウルシも同じしくみですが、ニワウルシのすごいのは、タネそのものがクルクル回るだけでなく、重心が傾く位置にあるため、らせん状に回転しながら落ちていきます。

ニワウルシの果実

こちらも試してもらったら。みなさんから歓声があがりました。

細かい動きでよく回ります

そして、オオウバユリ。これはせっかくなので、この種子が大量に入った果実を振って、雪のように舞うようすを見て頂きました(あとでお掃除が大変でしたが・・)。

この果実の中に大量の種子が入っています

さて、一番人気はこちらでした。ガガイモです。

滞空時間がとても長いのが特徴です

果実からそっと出すと、その瞬間にそれまで一本に束ねられていた綿毛がふわっと放射状に広がります。その瞬間の美しさに見とれる方が多く、何度も実演してしまいました。
今回は風散布の植物を見て頂きましたが、最後に風だけじゃないよ、ということで動物散布、いわゆる「ひっつきむし」の代表としてオオオナモミを見て頂き、さらにこちら・・

イビセラのなかまの果実

海外のものですが、超大型のひっつきむしであるイビセラを観察しました。
写真はありませんが、カエデやニワウルシと同じ原理で回転して落ちる簡単な工作をしていただいたりして、あっという間に30分が過ぎました。
次回は11月25日(土)12時からです。

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新潟からマイスター教員のみなさんがいらっしゃいました

新潟市から「マイスター教員」の方々が博物館にいらっしゃいました。

数年前から新潟市と相模原市は人事交流をしています。

参考記事→http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/dbps_data/_material_/localhost/kikaku/113500/pdf/houdou/2012_11/20121102_04.pdf

今回の4人のお客様には、まずは座学でざっと博物館についてご説明。

その後は

博物館の展示物のなかで、新潟県とかかわりのあるものをご紹介するところからご案内をスタート!

その後、博物館の展示物をどのように学校教育に活用しているかなどについて重点をおいてご案内しました。

最後にはエントランスで記念撮影!

駆け足の見学になりましたが、今後の教育活動の参考になれば幸いです。

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またやられた!カワラノギク受難

博物館で栽培しているカワラノギクが、この1週間ほどでまた虫にやられてしまいました。

葉だけでなくつぼみも食べられてしまいます

先週末の台風で相模川が上流のダムの放水により増水し、今年はカワラノギク自生地の多くが流失したはずです(でも、大量の肥沃な土砂を新たに運んで来てくれるし、競争相手の植物ごと流してくれるので大水は必要です)。来春、自生地に「相模川産」と由来のはっきりした種子を蒔くためにも、開花してもらわないと困ります。そこで急遽、犯人さがしをしました。
じっと目を凝らすと・・

茎に化けているつもりのイモムシ

茎に化けているつもりでしょうが、こちらも必死です。正体見たり!!
葉のウラにいるのも見逃しません・・

葉のウラでじっとしています

すると、どうやらこれが成虫かな?というのまでとまっていました。

イモムシの成虫と思われる蛾

おそらく、○○ウワバというヤガ科の蛾でしょう。しかし、この仲間は食草の選択幅が広いものが多く、成虫も幼虫も似たものが多くて種類まではわかりません。
とりあえず採集しておきました。葉の食害をどうにか逃れてつぼみをたくさんつけてくれた株もあります。

カワラノギクのつぼみ

来週には咲き始めることでしょう。開花したらまた写真をアップします。

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畑にこんなものが!!

10月24日、市内にお住まいの方が博物館へ来られて「うちの畑にこんなものがなったんです!植えてもいないのに!」と持ち込まれたのは・・

植えてもいないのにこんな大きな果実が畑になっていたら驚きますね!

500ミリリットルのペットボトルが小さく見えるほどの巨大な果実!
袋に入れられていた時は、スイカが間違えてなってしまったのかと思いました。しかし取り出してみると、頭が若干尖り、おしりが少しくぼんでいて、典型的な瓜の形です。
ちょうどボランティア作業に来られていた相模原植物調査会のメンバーにもご意見を伺い、だいたいアタリがついてきたので、持ち込まれた方の許可を得て割ってみました。

皮はかなり固くてスイカではないことがわかります

皮がかなり固くて、苦労の末どうにか割れました。

種子もしっかり稔っています

ちゃんと種子も稔っていて、正体はハッキリしました。かんぴょうの原料である、ユウガオです。
おそらく、堆肥やほかの苗の土にでも種子が混じっていたのでしょう。
かんぴょうにしなくても、中身を切り出してスープにすると美味しいですよ、とお伝えしたら、嬉しそうに持って帰られました。

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ひっぱりだこ!?の博物館!★ラジオ出演情報あり★

今年は例年にも増して、新聞や雑誌、タウン紙などに取り上げていただくことが多く、本当にありがたいことです。

最近ではエイ出版社『相模原本』や、雑誌「天文ガイド」最新号などに掲載していただきました。(もしまだご覧になっていなかったら、「天文ガイド」11月号は博物館の天文研究室でもご覧いただけますので、どうぞご来館の際にご覧くださいね。)

神奈川新聞やネット版の毎日新聞、各タウン紙にもいろいろ掲載していただいています。

掲載の例はこちら

神奈川新聞掲載例

毎日新聞(ネット版)掲載例

タウンニュース掲載例

こうしたことを通じ、今まで博物館をご存知なかった方や、イベントなどの情報が伝わりにくかった方に、必要な情報が届くといいなと願っています。

また、ここ数年、市内の不動産会社からお声掛けいただくことも多くなっており、相模原市へ転居を考えている方や淵野辺駅周辺へのお引越しをお考えの方に、相模原市立博物館が近くにあることが当地の魅力の一つと感じていただけるとしたら、とても嬉しいことだと思っています。

今年度はテレビ番組への出演も既に数回ありました。そのうち1回は、神奈川県のテレビ広報番組なので、今もご覧いただくことができます。博物館とJAXA相模原キャンパスを取材した内容(7月2日放送分)なので、お楽しみいただけると思います。未見の方はぜひご覧ください。

また、地元のFMラジオ局にもレギュラー枠があり、毎月第3日曜日には16:40ごろから博物館の最新情報やおすすめイベントなどをご案内していますので、どうぞお聴き逃しなく。過去の放送はこちらからお聞きいただけますよ!

このことに加え、このたび同じくエフエムさがみの相模原市中央区の「大好き!中央区」にも出演することとなりました。こちらの放送は10月26日(木)の午後7時からの番組の時間内だそうです。ぜひこちらもお聴きくださいね!

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