鈴木重光 絵はがきコレクション巡回展③ 南区合同庁舎!

現在、鈴木重光 絵はがきコレクション巡回展③を南合同庁舎の1階ロビーにて行っております。

これらの絵はがきは、津久井郷土資料室に保管されていた資料で、旧内郷村(現在の緑区若柳・寸沢嵐)の郷土史家鈴木重光氏が収集した12,000枚もの絵はがきのごく一部です。

展示しているのは、津久井地域の写真が掲載された絵はがきで、南区の皆さんには馴染みが薄い場所かもしれませんが、どこか懐かしさを感じる風景がきっとあるかと思います。
また、南区合同庁舎の近くで、遊歩道として親しまれている横浜水道の取水施設などの絵はがき写真もあるので、ぜひご覧ください。

横浜水道の城山隧道

また、いくつかの場所を選び、現在と絵はがきの写真を比べて展示しています。
現在と様変わりしている所もあれば、ほとんど風景が変わっていない所もあります。

昔の与瀬駅(現 相模湖駅)

平成29年1月にリニューアルした相模湖駅

        

この絵はがき巡回展を通して、自然豊かで、美しい景色や名所旧跡も多くある津久井地域の魅力を感じていただければと思います。開催は5月31日(水)までです。

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こんなところも、在来種タンポポの特徴です

博物館の周りの地面は、春の花が咲きそろって地上の楽園のようです。
前庭で春先からがんばって咲き続けているのは、カントウタンポポ(在来種)です。

在来種のカントウタンポポ

外来種のセイヨウタンポポと違うのは、総苞(そうほう)という花を下支えする葉の外側が、反り返っていないことです。下の写真は、カントウタンポポとセイヨウタンポポの総苞の比較です。

総苞ががっちりまとまっている在来種のカントウタンポポ

外側の総苞が反り返っている外来種のセイヨウタンポポ

ところが、これらのタンポポの雑種が増えてきているのは、これまでも何度かご紹介してきました。雑種の多くはカントウタンポポそっくりの外見で、総苞がしっかりとまとまっています。

外見はカントウタンポポにそっくりな雑種のタンポポ

これじゃ見分けられない!ということで今、博物館では確実な識別をしたいときは、花粉を観察しています。でも、いちいち顕微鏡を見なくても、種子が実って綿毛ができてくると、だいたい見分けられる特徴があります。それは、種子がしっかり実っているかどうかという点です。下の写真は、カントウタンポポです。

カントウタンポポの種子(見やすいように、手前の種子を一部抜いています)

次の写真は、雑種のタンポポです。

雑種タンポポの種子

一見すると同じように見えますが、カントウタンポポの綿毛の内側をよく見ると、実っていない種子も多いので、ちょっと空いた感じがします。それに対して雑種のタンポポは、しっかり実ってぎゅっと詰まった感じです。
カントウタンポポの種子を無造作につまんで持ち上げると、実った種子と実っていない種子が半々くらいで取れます。

同じ花からとったカントウタンポポの種子。左が実っていて、右は実っていない

カントウタンポポは自家不和合性(じかふわごうせい)といって、他株の花粉がつかないとちゃんと受精せず、種子が実らない性質があるためです。たくさんの小さな花の集合体であるタンポポは虫が訪れて受粉をしますが、すべての花に他株の花粉がつくとは限らないので、こうしたバラツキが出るのです。それに対して雑種のタンポポはセイヨウタンポポと同じく、無融合生殖(むゆうごうせいしょく)という方法で花粉の媒介無しに種子を実らせることができるため、ほぼすべての花が種子になるのです。
もちろん、確率的にはカントウタンポポでも実りの良い花もあるはずなので確実な識別法ではありませんが、野外で簡易にできる識別方法の一つです。

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図書館 × 博物館 ★コラボ企画のご案内★

図書館の階段に・・・

案内全景はこちら

博物館の最寄り駅、JR横浜線淵野辺駅のそばにある市立図書館はご存知でしょうか?

その図書館の階段にこんな案内が・・・。

すでに博物館のホームページのお知らせ欄やツイッターなどではお知らせ済みですが、現在、図書館の2階で、博物館の企画展の連動展示を行っているのです。

図書館の2階の展示

まさに地元!淵野辺の遺跡の展示ですので、多くのみなさんの興味を引いているようです。(口コミで?この展示を目当てに来館される方もおいでだとか!)

図書館ならでは!

関連図書のブックリストも作成していただけました。

29.4-2博物館展示ブックリスト

また、図書館の貸出し期限票の裏面でも考古企画展のキャラクター「考古学者さがぽん」と「おびのっち」が活躍しています!(このバージョンの期限票は期間限定ですので、出会えた人はラッキーだったかも・・・)

図書館での連動展示も、博物館の考古展と同様、5月7日までですので、ぜひ博物館の展示とあわせ、お早めにご覧いただければと思います。

また、プラネタリウムで上映中の全天周映画「いきものがたり」にちなんだ展示も相模原市立図書館で実施しています。

全天周映画「いきものがたり」関連展示

こちらもぜひご覧くださいね!

今後も機会を捉え、こうした連携を進めていけたらと思っています。

※いきものがたり関連展示の画像は図書館ツイッターからお借りしました。

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エビネが咲き始めました!

キアシドクガの大発生で幕を開けた今年のゴールデンウィーク、お天気もよくて、どんどん開花も進みそうです。そんな中、一気に咲き始めたのがエビネです。

里山の貴婦人と称されるエビネ

中庭には2カ所にありますが、そのうちの1カ所の株です。もっとたくさん咲くもう一方の株は数輪咲いているだけですが、明日には咲きそろいそうです。
さて、昨日(4月28日)のことですが、再びオカオグルマのサンプリングに行ってきました。相変わらず丘を黄色く埋めるように咲くようすが見事でした。

オカオグルマの咲く丘

野みちを少し進んだところには、こんな花の群落も。

花も葉も豪奢なクマガイソウ

クマガイソウです。大きな花をつける野生ランですが、現在、市内では乱獲・盗掘によりほとんど姿を消しています。このヒミツの場所は、地元の方が家の裏山で大切に守って下さっているので、こうして毎年花を咲かせています。
「楽園」と勝手に呼んでいる場所ですが、その称号にふさわしい貫禄で咲いていました。

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今年も大発生!キアシドクガ(写真あり)

博物館の駐車場や、そのお隣の樹林地では今、ミズキが花盛りです。

満開のミズキの花

でもよく見ると、たくさんあるミズキの木の半分以上は、こんなふうに丸坊主です。この木は枯れているわけでもなく、芽吹きが遅れているわけでもなりません。

下側の青々したトウカエデの緑とは対照的なミズキ

いったん芽吹いたものの、大発生中の毛虫に葉を食べ尽くされてしまったのです。お嫌いな方に申し訳ありませんが・・

おいしいところを食べ尽くしているところ

キアシドクガという蛾の一種です。ドクガ科に分類されるためにこんな名前がついていますが、幼虫にも成虫にも毒はありません。ここ4年ほど大発生が続いており、昨年は成虫の乱舞するようすがテレビのニュースなどでも紹介され、話題になりました。今年もすでに見てのとおりの大発生。あと1週間から10日ほどで蛹になり、5月下旬には純白の蛾の乱舞が見られるはずです。こちらは昨年の成虫の写真です。

成虫は美しい蛾です

昼間活動する蛾で、ミズキの木のまわりを乱舞するようすはとても美しいのですが・・今、こうして木からぶら下がっているところはやはりちょっと困ります。

みずから吐いた糸でぶらさがっています

駐車場内にも場所によってたくさんぶら下がってきていて、駐車場が混雑する連休の時期にちょっと困ったことになっています。ご来場の際にはお気を付け下さい。
年に1回だけの発生で、あと2週間ほどで落ち着きます。殺虫剤で駆除するのは、ほかの生きものや人間への影響を考えると得策とは言えません。私たち人間が一歩下がるという判断も必要だと思います。
お口直し、というわけではないのですが、同じ樹林で咲くウワミズザクラです。

ウワミズザクラは、サクラの開花リレーのアンカー選手

ソメイヨシノなどのサクラとはあまり似ていませんが、正真正銘、サクラのなかまです。この花が咲くと、本格的な青葉の季節を感じます。

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軍都さがみはら探訪~矢部から淵野辺周辺をめぐる~の下見

先日、5/28(日)に開催する「軍都さがみはら探訪~矢部から淵野辺周辺をめぐる~」の下見に行ってきました。当日は、4月にもかかわらず気温が25℃以上になる陽気で、半日歩いただけで日焼けしてしまいました(汗)

かつてあった旧陸軍兵器学校の正門(現存せず)

今回の「軍都さがみはら探訪」は、主に矢部から淵野辺周辺の旧陸軍兵器学校にかかわる場所などを巡ります。旧陸軍兵器学校は、昭和13年(1938)に東京小石川から移転してきた施設で、現在の淵野辺1丁目~2丁目にかけて広大な面積を有しており、戦争末期には5000人もの人が兵器にかかわる教育、修理や弾薬の調整などを行っていました。

正門があった場所付近に建つ兵器学校の石碑

兵器学校の跡地は、学校、住宅地、工場などに姿を変え、その名残りを留めるものはわずかですが、実は現在も戦前の建物が残っていたり、兵器学校の痕跡が所々に残っています。今回はそのような場所をご案内いたします。
     

現存する貴重な兵器学校時代の建物「旧弾薬庫」

兵器学校内にあった「細戈(くわしほこ)神社」の碑(新田稲荷神社内に移転)

申し込み等の詳細は、5/1号の広報さがみはらなどに掲載しますので、近現代史に興味のある方はもちろん、ちょっと散歩がてらに参加したい方もぜひ、ご応募ください。

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中庭はこれからすごいことに

博物館1階エントランスの真ん中、ガラスで仕切られた中庭に森があります。当館の建物の設計は「森の中の博物館」というコンセプトによって作られていて、それを象徴するものと言えます。

エントランス入口側から見た中庭

この中庭は雑木林をイメージしているのですが、市内の絶滅危惧植物をいくつか植栽しています。その一つがカザグルマ(キンポウゲ科)です。この株は、県内でも数少ない自生地の株から挿し木をして増やしたものです。ゴールデンウィーク中には開花するでしょうか。

カザグルマのつぼみ

そして、エビネ(ラン科)です。こちらも間もなく開花して、連休中に見ごろを迎えそうです。

エビネのつぼみ

そういえば先日(4月15日)ふと気付いて写真を撮っておいたヤツデの芽生えでしたが・・

ヤツデの崩芽(4月15日)

今日(4月27日)見たら、威勢良く手をひろげていました。ちなみにヤツデは絶滅危惧植物ではありませんが・・

若葉が飛び出しているヤツデ(4月27日)

そして、開いたばかりのコナラの若葉がなにやらもう刻まれているなと思ってよく見ると、こんなものがついていました。

中には小さな卵が・・

ヒメクロオトシブミのゆりかごです。親が葉に卵を産み付けると、丁寧に丸めていきます。孵化した幼虫は葉を食べつつ、このゆりかごで育ちます。こちらは昨年撮影した写真です。成虫成虫は5mmほどの小さな甲虫です。

ヒメクロオトシブミ

ほかにもたくさんのイモムシや毛虫もついていましたが、それに負けないくらい、植物にも勢いがあります。ゴールデンウィークに合わせるように、中庭の若葉と花が一番美しい季節を迎えます。

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4/22は「はや2トークライブ」でした。この模様は4/26に・・・

博物館の地下大会議室あたりから見上げた風景です。新緑が美しいですね!

4月22日は、4月のさがみはら宇宙の日・「はやぶさ2」トークライブを開催しました。今回も多くのみなさまにご参加いただきました。いつもありがとうございます。

今回の講師は、澤田弘崇さん(JAXA はやぶさ2プロジェクト 主任研究開発員)と、小川和律さん(神戸大学大学院 理学研究科 惑星学専攻 技術職員)。

澤田さんには以前、博物館のプラネタリウム番組にご出演していただいたこともあるので、その番組をご覧になった方もおいでかもしれませんね。

テーマは「はやぶさ2の代わりに目撃せよ!-分離カメラDCAM3 で衝突実験を観測する-」でした。

今回は、内容はもちろんですが、澤田さんと小川さんの掛け合いが最高に面白かった (まさにトークライブ!)という感想も聞かれました。見逃した方は、ぜひこちらの録画をご覧ください。

さて、この日、博物館の前ではこんな風景が・・・。

撮影隊のみなさんが・・・?

実は、テレビ神奈川「猫のひたいほどワイド」のみなさんの取材があったのです。

これは天文展示室内でのリハーサル風景。赤いツナギの人は、「猫の手も借り隊」レポーター太田 裕二さんです。

この模様は、4月26日に放送予定だそうです。ぜひご覧になってくださいね。澤田先生からのはやぶさクイズも必見です!太田さんの帽子にもぜひご注目を!

番組のホームページはこちら

さて、6月のさがみはら宇宙の日・はやぶさ2トークライブの予定も公表されました。次回は6月17日です。どうぞ次回もお楽しみに!

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花をたくさん見ました!生きものミニサロン

4月22日、今年度最初の生きものミニサロン(毎月第4土曜日12時から)を行いました。
今回は「3歩歩けば花が変わる!」ほどだくさんのお花が咲き乱れる季節ということで、お隣の樹林地でたくさんのお花を観察しました。
外へ出た瞬間に見られるシャガです。

アヤメのなかまの園芸種であるシャガ

さらに、昨日のブログにもアップしたクワの花を観察しました。「これが花?」とみなさん不思議そうに見ていました。

これが花?とみなさん不思議そう

実った果実を食べた子どもの頃の思い出を語ってくれるお母さんもいらっしゃいました。
そして、本日のメイン・・のはずが曇り空であまり開いてくれていなかったフデリンドウを探しつつ、こちらの花も。

木に咲く花には花びらの無いものが多くあります

クワと同じように花びらの無い花ですが、この木にはひとつ強烈な特徴があります。それはニオイ。若葉を少しちぎって嗅ぐと、強く香ります。
そう、サンショウの若葉と花なのです。いい匂い!といういう人と、きらーい、とハッキリ言ってくれた人もいて、感覚の違いを楽しみました。
ちょっと雲が薄く切れて明るくなってきたら、昆虫が飛び回り始めました。これは今日撮影したものではありませんが、ビロードツリアブが静かに花を訪れているところを観察できました。

毛におおわれてあったかそうなビロードツリアブ

このところ樹林地で増えつつあるシロバナタンポポや、ヤブタビラコを見たり・・・

本来は西日本の花であるシロバナタンポポ

小さいけれどレモンイエローが美しいヤブタビラコ

こちらの花を見てもらおうと指さしたとたん、枝をつかんでくれたお子さんが「イテッ!」
特徴を見事に表現してくれました。これはニガイチゴといって、バラ科の野イチゴのなかまなので、枝にはトゲがあります。

トゲに注意!ニガイチゴ

樹林地でそれぞれ花を見たり、虫を探したり・・

いっぱい観察してくれました!

今日も楽しい観察会でした!

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こちらも満開 今週末は生きものミニサロンです!

季節のうつろいは早いもので、一昨日(4月19日)から二十四節気ではもう穀雨(こくう)です。雨が降るとさまざまな穀物の苗が勢いを増して成長する晩春の時季を表します。そんな中、すでに数日おきの雨で花も葉も驚くようなスピードで展開しています。こちらもその一つ。

クワの雌花

クワです。小さくて目立ちませんが、これでも開花しています。クローズアップすると・・

花弁(かべん)はなく、柱頭(ちゅうとう)だけがニョキニョキと出ています

柱頭(めしべの先)が飛び出ているので、これで雌花が咲いています。満開です。
博物館にはカイコを育てるためのクワが何本か植えられていますが、一番大きな木にはたくさんの花が咲きます。ただし、博物館には雌木しかないので、残念ながらほとんど熟しません。ちなみに、こちらは相模川の河原で撮影したものですが、雄花です。

クワの雄花

どちらにしても、地味な花です。
あまりに地味なので、満開のフデリンドウの写真も。隣り合う花の色合いの違いをお楽しみください。

微妙に色違いのフデリンドウ

開花のピークを迎え、たくさんの株が出そろうと微妙に色の違う花が咲いていたりします。今年はまだ見つけていませんが、博物館おとなりの樹林地ではピンク色の花も毎年わずかに咲きます。
今週土曜日、4月22日の12時から、今年度最初の生きものミニサロンを実施します。フデリンドウをはじめとした春の花を観察するお散歩の予定です。ぜひご参加下さい。

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