ミニ展示「日本の植物学の父、牧野富太郎」が始まりました!

4月1日、令和5年度が今日からスタートです。
そして、エントランスでミニ展示「日本の植物学の父、牧野富太郎」が始まりました!牧野富太郎は、この4月から始まるNHKのテレビドラマの主人公のモデルとして注目が集まっています。

ミニ展示の様子

植物採集のために全国を歩き回り、日本の植物を調べ、記録することに生涯を捧げた植物学者の牧野博士は、1862年生まれです。

出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」

牧野博士は多くの写真を残しています。今回も、高知県立牧野植物園のご提供による写真をいくつか展示しています。牧野博士の時代は、現在のように写真に撮られることが日常的でなかった時代のはずですが、上の肖像写真は別としても、牧野博士の写真には大笑いしていたり、おどけたポーズで写っていたりするものが少なくありません。サービス精神旺盛だったことが伺えます。

『牧野日本植物図鑑』初版本も登場!

県内に生育する、牧野博士にゆかりのある植物の標本も展示しています。ぜひご覧ください。(生物担当学芸員)

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桜吹雪とともに令和5年度の幕開けです!(大切な予告付き)

4月1日、新しい年度が始まりました。

市役所前の桜並木の素晴らしいこと!
昨日通りかかったら、まさに桜吹雪でした。
まだご覧になっていない方はぜひお立ち寄りください。

先日、出張先で、桜はなぜきれいに見えるのかのお話を伺いました。
曰く、青空と桜の花のコントラストが良いから、そして桜は下を向いて咲くから、とのことでした。言われてみると、確かに桜って上向きではなくて、私たちの方を向いて咲いてくれていますね。

さて、新年度が始まり、振り返ってみると、令和4年度は行きつ戻りつつしながらも、日常を取り戻しかけた一年でした。

博物館では、予定した企画展やミニ展示、講演会などを全て実施することができました。
市内の全小学4年生の校外学習も再開されました。
プラネタリウムでのコンサートも復活させることができました。

市民会館との連携によるプラネタリウムコンサート

また、かつてない規模で連携事業を実施することができた一年でもありました。
6月の「はやぶさウィーク」ではプログラミング教室、夏にはスマホゲームアプリ「アイドルマスターSideM」とのコラボ、秋にはアリオ橋本を会場に実施した「縄文デイズ」、初冬には麻布大学いのちの博物館への出張展示を行ったほか、2月から3月にかけては再びアイドルマスターとのコラボ企画の会場となりました。

宇宙落語を開催したのも記憶に新しいですね!

館内では、エントランスのレイアウトや、触れる展示なども、コロナ禍前に概ね戻すことができました。あわせて年度末までにはWi-Fi環境を整備し、常設展示の一部ではスマホやタブレットで展示解説をお楽しみいただけるようにもなりました。
思い起こすと盛りだくさんな一年だったと感じます。

そして新しい気持ちで迎えた令和5年度。
博物館では現在開催中の考古企画展のほか、4本の企画展を予定しています。
また、プラネタリウムでも新しいプログラムの上映が始まりました。
そのほかにも多くの企画が進んでいます。画像

どうぞ、今年度もぜひ博物館にお越しください。
スタッフ一同、みなさまのご来館、ご観覧をお待ちしています。
ここで「大切な予告」その一。ご存じの方も多くいらっしゃるかと思いますが、10月からは、未就学児と市内在住在学の中学生以下のみなさんのプラネタリウム観覧料が無料になります!ぜひこの機会にプラネタリウムをお楽しみください。

ただし、ここで「大切な予告」その二。実は今年度は、設備の改修のため、12月から2月まで休館を予定しています。より快適に、より安全・安心にお過ごしいただくためのリニューアルになりますので、ご理解とご協力をお願いします。

最後にもう一言。
桜がきれいに見える理由、もう一つあるかな?と思っています。
それは、満開の桜を見ると、今まで桜の季節にあったいろいろな出会いやスタートの記憶を呼び起こすからではないかな、と。
みなさんの思い出の一ページに博物館を記録していただけるよう、様々な活動を続けていきます。どうぞご期待ください。

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かんじる学校 こどものための影絵ワークショップを開催しました!

3月21日、かんじる学校 こどものための影絵ワークショップを開催しました!

「かんじる学校」とは、相模原市民文化財団が、子どもたちが自主的に「芸術」を好きになる場の提供を目的に実施している事業です。

3年ぶりの開催となる今回の「かんじる学校」のテーマは、相模原市の沼地やくぼ地に由来する伝承「でいらぼっち伝説」です。講師に川村亘平斎さん(影絵師)、小林武文さん(音楽家)を迎え、参加者のこどもたちは、「でいらぼっち」を題材に影絵を制作して発表を行いました。

まず子どもたちに、「でいらぼっち」にまつわるお話を説明しました。

山本学芸員(民俗担当)が「でいらぼっち」について解説

その後展示室に移動して、影絵の題材を探しました。

河尻学芸員(地質担当)が「でいらぼっち伝説」にまつわる地形の特徴について解説

子どもたちは気になる展示品をスケッチして、思い描くままに「でいらぼっち」を制作しました。

子どもたちが制作した「でいらぼっち」は、小林武文さんの音楽に合わせて一人ひとり自己紹介をしました。

子どもたちが制作した「でいらぼっち」が自己紹介をしている様子

天井や壁に移して遊んでいる様子

最後に、みんなが制作した「でいらぼっち」で集合写真を撮り、かんじる学校は終了となりました。

集合写真

講師の川村亘平斎さん、小林武文さん、参加されたみなさん、相模原市民文化財団のみなさん、ありがとうございました。

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春真っ盛りのフィールド

3月29日、緑区の山麓部に春の植物の調査へ出かけました。毎年、絶滅危惧種の開花状況の確認に行っているのですが、今年は春の花が全体的に早めのため、慌てて3月中に実施しました。
まずはこちら、カタクリ(県レッドリスト・絶滅危惧Ⅱ類)の自生地へ行きました。

カタクリ

しかし、すでに咲き終わった花が多く、さらに、シカに食べられたのか、花芽の数がだいぶ少なめでした。今後の生育状況がちょっと心配です。
こちらはオキナグサ(県レッドリスト・絶滅危惧ⅠB類)です。

オキナグサ

地元の方が斜面地の草刈りをして下さっているおかげで維持されている自生地です。まだ咲きはじめでしたが、多数の株が現存していたので少し安心しました。
同じ場所にはオカオグルマ(県レッドリスト・絶滅危惧ⅠB類)もあります。

オカオグルマ

こちらも咲きはじめで、まだ少し背丈が低い株が多かったです。
畑の法面では、アマナ(県レッドリスト・準絶滅危惧)が咲いていました。久しぶりの青空に向かって気持ちよさそうでした。

アマナ

絶滅危惧種ではありませんが、沢筋などでは、ミツバツツジが満開でした。ミツバツツジは旧津久井町の花だったこともあり、津久井地域では庭先などにもよく植えられていて、道すがらもたくさんの花を見ることができました。

ミツバツツジ

ところで、汗ばむような陽気だったこともあり、彼らも元気よく動いていました。ヤマビルです。

ヤマビル

からりとしたお天気だったためか、被害はありませんでした。これからはフィールドにヤマビルの忌避剤が必携の季節になりました。

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相模女子大学連携パンフレットが完成!

相模女子大学の英語文化コミュニケーション学科・生活デザイン学科と連携して制作した、博物館英語版パンフレットと日本語版パンフレットが完成しました!

>>英語版はこちら

>>日本語版はこちら

学生さんたちが画像の撮影からパンフレットデザイン、英訳まで手掛け、博物館の魅力が伝わるステキなパンフレットとなっています♪

また、3月23日にはパンフレット完成の報告とお礼状の贈呈のため、教授・学生らによる教育長面会を行いました。

教育長から生活デザイン学科の学生へのお礼状贈呈の様子

左から教育長、生活デザイン学科学生2名、堀内教授(生活デザイン学科)、宮本教授(英語文化コミュニケーション学科)、生涯学習部長

歓談もあり、充実した時間となりました!

当日はFMHOT839(エフエムさがみ)の取材もあり、学生へのインタビューなどが3回放送される予定です。

≪FMHOT839放送予定≫
・3/31(金)8:35頃「竹中通義 モーニングワイド」
・3/31(金)16:15頃「HOTPRESS」
・4/3(月)12:15頃「とれたてランチボックス」

パンフレットは、ホームページのほか博物館などで配架していますので、ぜひお手に取ってご覧ください♪

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ミミガタテンナンショウ

3月27日、博物館の中庭で、ミミガタテンナンショウが咲きました。

ミミガタテンナンショウ 中庭に3株ほど咲いています

ミミガタテンナンショウは、マムシグサの仲間で、神奈川県内では西側の山地、つまり相模川の右岸側に分布する植物です。しかし、相模原市内では、相模川の左岸側となる博物館周辺や木もれびの森、相模川沿いの段丘崖などにも分布しています。博物館の中庭も、植えたわけではなく、鳥が種子を運んだのか、いつの間にか咲くようになりました。そして、株数も少しずつ増えています。
同じく中庭では、ヤブレガサが芽吹いています。

ヤブレガサの芽生え

お化けっぽいこの芽生えが、開く様子を左から順に示すように3本、並んで出ていました。
出始めは高さ5センチメートルくらいのかわいらしいお化けですが、梅雨のころには1メートル近くまで伸びて花を咲かせます。

成長したヤブレガサ(6月に撮影)

これからぐんぐん伸びて、白毛に覆われた芽生えからは想像つかないほど瑞々しく大きな葉を広げていきます。

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生きものミニサロン「葉っぱであそぼう!」を実施しました

3月25日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回は、お天気が良ければフデリンドウのつぼみ探しをする予定でしたが、天気予報どおりの本降りの雨模様だったため、急遽、雨プログラムに・・こんな時の定番、葉っぱの工作を行いました。
屋根のある正面入り口前のコリドーで、博物館の施設管理上、あまり増えて欲しくない植物について説明しました。アオキやシュロは、放っておくとどんどん伸びて藪を作ってしまうため、定期的に剪定(せんてい)します。そんな植物の葉を使って、工作を開始します。

ちょっと寒いけど、工作開始!

まずは、アオキの葉でサンダルを作りました。

アオキの葉のサンダル

一番簡単な葉っぱ工作で、みなさんかわいいサンダルを作ってくれました。
続いて、シュロの葉のカタツムリに挑戦です。こちらは葉が細いため、最初の3ステップくらいがちょっと難しい工作になります。みなさんそれでも器用に作ってくれました。

カタツムリの殻の部分

なかなかリアル!

シュロの葉のカタツムリ

残りの時間で、シャガの葉で違うタイプのカタツムリに挑戦です。

お父さんの力作の仕上げをしています

こちらも葉を折り曲げていく角度や向きが難しく、ちょっと難航しましたが、完成です。

ちょっと肌寒い中でしたが、みなさん葉っぱ工作を楽しんでいました。
今年度の生きものミニサロンは今回で終了となります。ただ、せっかくフデリンドウも咲き始めているので、来週の週末あたりにお天気が良ければ、臨時の生きものミニサロンを実施するかもしれません。こちらのブログでもお知らせしますので、よろしければフデリンドウのお花見をしましょう。

また、これまで生きものミニサロンは原則として第四土曜日に実施してきましたが、来年度は第三土曜日に実施する予定です。年間の日程などは近日中にホームページでもお知らせします。来年度もよろしくお願いします。

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フデリンドウが咲きました!

3月24日、博物館のお隣の樹林地で、フデリンドウが1輪だけ咲きました!

フデリンドウ

ほかの株はまだつぼみがそれほど大きくないので、まだ先駆けの1輪のようです。見ごろは4月に入ってからとなるでしょう。
樹林地では他にも、モミジイチゴや・・

モミジイチゴ

タチツボスミレ、

タチツボスミレ

カントウタンポポ、

カントウタンポポ

シロバナタンポポなどが見ごろです。

シロバナタンポポ

シロバナタンポポは、もともと関東地方には分布していない花ですが、15年ほど前から、博物館のまわりで咲くようになりました。株数は少ないので、少し注意深く探さないと見つかりません。
これから春が加速度をつけて進みます。開花情報も忙しくなりそうです。

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サクラの花を食べる鳥

3月22日、相模原市がサクラの観測基準木としているソメイヨシノに8割以上の開花が見られたことから、相模原市から「満開」情報が出されました。昨年は3月28日だったので、約1週間早い満開となりました。
博物館周辺のソメイヨシノもしっかり開花しています。サクラが開花すると、それを待っていた鳥たちも集まります。こちらは、ヒヨドリです。

ソメイヨシノの花の蜜を吸うヒヨドリ

嘴(くちばし)を花の中心部に差し入れて、蜜を吸っています。
こちらはメジロです。

メジロ

サクラの花1個の蜜はわずかですが、これだけ咲いていると、丹念に吸って行けばかなりの栄養を摂ることができそうです。鳥がこうして蜜を吸ってくれることで花粉が嘴や顔につき、他の花へと送粉してくれるため、花にとってもメリットがあります。ただし、ソメイヨシノは雑種起源の品種のため、基本的に果実を作らないのでメリットとも言えませんが・・
ところで、サクラの木の下に、こんなふうに花が丸ごと落ちているのをよく見かけます。

地面に落ちたソメイヨシノの花

これはやはり、蜜が目的でこんなことをしているのですが、ヒヨドリやメジロの仕業ではありません。このような蜜の吸い方(食べ方?)をするのは、スズメです。
スズメはもともとサクラの蜜を吸う鳥ではありませんでしたが、ここ数十年ほどの間に獲得した習性のようです。スズメの嘴はメジロのように細長くないため、花の中心に差し込めません。ならばと蜜のありかをバチンと切断しているわけですが、よくもそんな方法を発見したものだと思いつつ、でもやっぱりちょっと乱暴だなと感じてしまいます。

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【4/20まで】図書館×博物館連携展示を開催しています!

現在、淵野辺駅南口の市立図書館で、遺跡から出土した土器を展示しています。

これは図書館との連携で実施したもので、当館で開催中の考古企画展「新発見!さがみの遺跡」に関連した展示です。

正面の階段を上がって、2階です

大きな縄文土器が目を引きます

展示資料は南区上鶴間にある下森鹿島(しももりかしま)遺跡を選びました。この遺跡は旧石器、縄文、古墳、奈良平安と各時代が見つかっています。展示では約4600年前の縄文時代中期の縄文土器と、約1200年前の奈良・平安時代の土師器(はじき)、須恵器(すえき)を紹介しています。

縄文時代の土器です。

土師器(左)、須恵器(中央、右)です。

これらは昔の人々が境川沿いに生活していたことを示すものです。
この連携展示は4月20日まで開催しております。関連図書コーナーも併設していますので、当館の考古企画展と合わせてぜひ間近でご覧いただければと思います。

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