今朝届いたヤマドリの標本

今朝、緑区にお住まいの市民の方から、道路でヤマドリの死体を拾ったのだけど、とご連絡をいただきました。これまで、博物館の標本にヤマドリは無く、しかもオスで状態もきれいということなので、引き取らせていただくことにしました。

見たところ外傷は見られず、頸骨が折れているようすだったので、交通事故にでもあったのでしょう。さすがに死体写真を掲載するのはためらわれますが、部分的にその美しい羽をご覧下さい。腰から上尾筒のあたりです。

中央の尾羽(T1)の付け根近く。絶妙なコントラストの帯模様です。近いなかまのキジと比べると色合いは地味なのですが、その渋みのきいた羽色からバードウォッチャーの中では断然、ヤマドリの方が人気があります。

中央の尾羽は60センチ以上にもなります。

死体を見て喜ぶのはあまりよい趣味ではないかもしれませんが、こうして博物館資料として永久に残されることになれば、ヤマドリも少し浮かばれるかなと思います。このヤマドリの命が無駄にならないよう、学術資料として有効に活用していきたいと思います。

(生物担当学芸員 秋山)

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