アリに似たクモ

以前、ヤサアリグモを紹介しましたが、今回紹介するのはアリグモ。林や公園、校庭などに、普通にいるクモです。しかし、慣れない目には、アリにしか見えないので、見落としてしまいます。それにしてもなぜアリに似ているのか不明です。

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やっぱりアリに見えます。

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それにしてもオスのアゴの長さは「やりすぎ」。ここはアリに似ていないところ。 この中途半端な擬態ぶりも不思議です。

ところで、アリそっくりさんをもう1種。

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背側から見たところ。

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横から見たところ。
これはアオオビハエトリです。やはり林や公園などでも見られる種。あまりアリに似ていないようですが、アリの群れに混じって、第1脚を触角のように持ち上げて歩いていると、ちょっと目には見分けがつきません。そして、ただアリに似ているだけではなく、アリを襲って食べるのです。アリが視覚的に仲間を認識しているとも思えないので、これまたなんで手間暇かけて姿を似せているのかよくわかりません。ただ、東南アジアなどでは他の生き物でもアリに擬態しているものが結構いるようですし、本当にアリそっくりのクモもいるので、本来、かなり大きなメリットがある事のようです。それが何かを突き止めるのは容易ではないでしょうが、解明されるべき謎があるというのは、ワクワクします。
ところで、今回驚いた事があります。このアオオビハエトリ、博物館のある職員が採っておいてくれたのですが、彼は10年ほど前はクモ恐怖症でした。自然に治る事もあるんだなあ、と感心しました。それが私の影響だったらうれしいのですが、どうやらそうではなかったようです。(学芸班 木村)

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思い切り第1脚を持ち上げてのけぞるアオオビハエトリ。姿が面白いので掲載します。

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