弥生に迫る!

弥生時代:縄文時代に後続する時代で、古墳時代の前の時代です。おおよそ稲作がはじまった時代ともされます。

現在、旧石器ハテナ館では「遺跡の宝庫さがみはら~実はあるんだ弥生時代~」を開催しています(4/8まで)。考古担当学芸員も展示を見てきました。

展示の様子

 

今回の展示は「神奈川県指定重要文化財と市指定文化財の共演」が目玉です。
神奈川県指定重要文化財は「津久井郡三ヶ木遺跡出土品」であり、県立津久井高校の校庭造成工事の際に発見されたものです。市指定文化財は「中野大沢出土の弥生土器」で、道路工事中にみつかったと記録が残っています。

三ヶ木遺跡出土の弥生土器 その1(この土器はロビーにて展示しています。)

左:三ヶ木遺跡出土の弥生土器 その2 右:中野大沢出土の弥生土器

市内でも弥生土器は出土していますが、この2件はかなりの優品で全体の形がよく残っています。

 

川坂遺跡の弥生土器

また、令和5年3月~4月に開催していた「新発見!さがみはらの遺跡」で展示した川坂遺跡の弥生土器をはじめとして、市内の弥生土器(破片)が集合しています。

縄文時代や、奈良・平安時代の遺跡が特に多い本市ですが、弥生時代はどうなのか?
よくご質問いただく項目ですので、このように答えます。
「弥生時代の人は確実にいました。しかしどのような生活をしていたのか、よくわかりません。」

なんとも歯切れが悪いですが、具体的には弥生時代の住居、水田跡などが見つかっていないのです。つまりどんな住まいに暮らしていたのか、根拠がなく説明できない状況です。当館常設展示に弥生時代がないことも同様です。

今回の旧石器ハテナ館の展示は、市内出土の弥生土器が観察できる絶好の機会ですので、ぜひご覧ください。
(考古担当学芸員)

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