市役所本館のてっぺんで「相模原ふるさといろはかるた」展

このブログをご覧の皆さまは、相模原市役所展望室を訪れたことはありますでしょうか?
本館6階からさらに階段を上ること76段…、地上34メートルの高さから相模原市街が一望でき、お天気に恵まれれば遠くの山々の中に富士山を見ることもできます。

この日は津久井や丹沢方面の山々がうっすらと見えるのみでした。(令和7年5月21日撮影)

市役所本館の最も高い場所である展望室で、当館のボランティア「市民学芸員」が手がけた「相模原ふるさといろはかるた」を紹介する展示が始まりました。

相模原ふるさといろはかるた

「相模原ふるさといろはかるた」とは、市内47か所の名所・旧跡を楽しく遊びながら学ぶことができる「かるた」です。47のお題選び、読み句・解説文作成や札づくりなど、市民学芸員が7年がかりで完成させました。現在、当館で貸出しも行っています。
出張展示などの様子は度々このブログでも取り上げており、先日まで当館と連携に係る覚書を取り交わしている麻布大学いのちの博物館で展示していました。

かるた札づくりの様子(令和6年10月)

今まで様々な施設で展示を行ってきましたが、市役所本館での展示はこれが初めてです。当面の間、展望室内の壁面に貼り付けて展示することになるため、いつもの展示用セットではなく、今回のための展示レイアウトを市民学芸員有志が作成しました。

展示の様子

展望室からの眺望を楽しみつつ、ぜひ「相模原ふるさといろはかるた」展をご覧いただきたいと思います!市役所展望室の開放時間等はこちらをご確認ください。

(歴史担当学芸員)

カテゴリー: おしらせ, ふるさといろはかるた, 市民学芸員 | タグ: , , , | 市役所本館のてっぺんで「相模原ふるさといろはかるた」展 はコメントを受け付けていません

カイコ日記(6/17)いよいよ終齢(5齢)

6月17日、給桑開始から18日目。前日までに4回目の眠(みん)に入っていたカイコでしたが・・

4回目の眠のカイコ 古い小さな頭部が前へずれています

朝には3分の1ほどのカイコが脱皮して5齢になっていました。5齢と4齢の頭部の大きさの違いをご覧ください。

4齢(左)と5齢(右)のカイコ

今はまだ全長4センチメートルほどですが、数日食べると6センチメートルくらいまで一気に大きくなり。6日後には最大の大きさ、全長約7センチメートル強になります。

早速クワを食べだした5齢のカイコ

5齢で1週間食べ続けると、体がやや縮んで黄色っぽく変化し、熟蚕(繭を作り始めるカイコ)と呼ばれる状態になります。つまり、来週の火曜日から水曜日にかけて繭を作り始めるということになります。ここから1週間でどれだけクワを食べさせられるかで、繭の大きさが決まります。せっせとクワ摘みに励みたいと思います。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: オカイコサマ, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | カイコ日記(6/17)いよいよ終齢(5齢) はコメントを受け付けていません

図書館で山城を知る【津久井城出張ミニ展示~7/9まで】

6月13日から津久井城跡のミニ展示を市立図書館にて開催中です。
これは今年の3月から博物館エントランスで展示していたもので、昨年の11月に行った発掘調査の成果を紹介しています。12日に展示を設営してきました。

出土した土器など展示中です。

展示場所は階段を上がってすぐです。

きれいに並べます。

今回は展示スペースの余白に津久井城跡に関する本を入れています。

また、ラジオ録音もしました。これはFMHOT839の「図書館に行こう!」というコーナーがあり、6月17日午前11時35分ごろ、18日18時05分ごろ、19日16時15分ごろ、
20日9時05分ごろ放映いたします。

録音の様子。

相模原市が誇る貴重な山城ですので、ぜひご覧いただき、当時の雰囲気を感じていただければと思います。(考古担当学芸員)

カテゴリー: 考古・歴史・民俗 | 図書館で山城を知る【津久井城出張ミニ展示~7/9まで】 はコメントを受け付けていません

ハムシの標本調査

先日、ハムシという昆虫の研究者の方が当館所蔵の標本の調査のために来館されました。
今回は当館の収蔵標本を概観し、現在取り組まれている研究に使える標本があるか検討される、とのことです。

研究中の種(しゅ)の標本があったそうです

当館には、市内で採集されたものを中心に4万点ほどの昆虫標本が所蔵されています。

ハムシとゾウムシの標本箱

それらの標本を、当館の研究・教育活動だけではなく、今回のように全国の研究者の方の調査研究にも活用いただくことで、相模原の昆虫に対する理解がより深まるといいな、と考えています。
(動物担当学芸員)

カテゴリー: 未分類, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | ハムシの標本調査 はコメントを受け付けていません

アメリカオニアザミ

市内の住宅街の路傍などに、とても刺々(とげとげ)しい植物の巨大な株が目立っています。アメリカオニアザミです。

アメリカオニアザミ

その名から想像できるとおり、外来植物です(ただし、原産地はヨーロッパと言われています)。21世紀に入るころから各地で目立ち始め、特にこの15年ほどで急速に分布を広げました。

アメリカオニアザミの花 トゲはとても鋭い

アザミの仲間はどれもトゲがありますが、例えば春に明るい草原などに咲く在来のノアザミはこちらです。

ノアザミ(在来種)

アメリカオニアザミに比べると、むしろかわいらしく見えます。
アメリカオニアザミは乾いた路傍でも生育し、茎が伸びてくるころには鋭いトゲが全草から出ているため、うっかり手を出すと怪我をしてしまうので手に負えません。おまけに、たくさんの花からたくさんの種子を作るので、繁殖力も旺盛です。

種子をつけたアメリカオニアザミ

まだ特定外来生物法では指定されていませんが、同法で定める生態系被害防止外来種のリスト(現在指定について検討中、あるいは注意を要する種のリスト)に入っているため、近い将来、特定外来生物に指定されるかもしれません。いずれにしても、私たちの生活に直接影響を及ぼす植物なので、今後も市域の分布状況を注視していきたいと思います。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | アメリカオニアザミ はコメントを受け付けていません

ニガイチゴの果実

6月13日、博物館周辺の樹林地では明るい朱色の果実が目立ってきました。ひとつは、ニガイチゴです。

ニガイチゴの果実

名前からすると苦くて食べられないのかな、と思ってしまうのですが、甘くておいしい、れっきとしたキイチゴの一種です。ただ、しっかりかみしめるとちょっと苦みを感じるため、その名の正しさを知ることになります。ちなみに、春に咲く花はバラ科らしく清楚な美しさがあります。

ニガイチゴの花(4月8日に撮影)

ちなみに、先日訪れた横浜国立大学のキャンパス内には栽培種のキイチゴ(ラズベリー)がたくさん自生していました。

正真正銘の?キイチゴ 美味しさも抜群でした

どこか近くで栽培していたものを、野鳥が食べてあちこちに広げたのでしょう。
そして、ニガイチゴと同じような場所にたくさん生えていて、色も形もよく似ている果実がこちら、ヒメコウゾです。

ヒメコウゾの果実

こちらはクワにとても近い仲間の樹木であり、果実はキイチゴに似てるし、いかにも美味しそうです。ところが食べてみると、確かに甘みは感じられるのですが、ねっとりとして、しかも固い毛など飲み込みたくない食感のものが口の中に残り後味が最悪です。鳥は気にならないようで、ムクドリなどが食べてフンから芽生えるので、伐採跡の林内が数年でヒメコウゾだらけになることがあります。
ワイルドの果実は見た目に惑わされないよう注意深く口にしなくてはいけませんね。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | ニガイチゴの果実 はコメントを受け付けていません

カイコ日記(6/12)4齢に脱皮

給桑開始から13日目、3齢以降は日々の変化がそれほど目立たないため、ブログの更新も少しお休みになりました。しかし、そうは言ってもカイコの成長は早いです。6月11日には3回目の眠(みん)に入りました。

3回目の眠のカイコ

早いカイコは、6月12日朝には4齢に脱皮していました。頭がまた大きくなっています。

4齢に脱皮したカイコ(6月12日朝)

まだ半分以上のカイコが眠のため、9割以上が出そろうまで給桑は休止しています。今日の夕方、様子を見て再開しようと思います。
4齢は5日ほど食べ続け、最後の眠に入ります。つまり、来週火曜日ころに眠に入り、木曜までには終齢(5齢)に脱皮します。現在、体長は25mmくらいですが、5齢の一番大きくなるころ(再来週)には約3倍の、70mm以上になります。ほんとうにすごい成長速度ですね。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: オカイコサマ, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | カイコ日記(6/12)4齢に脱皮 はコメントを受け付けていません

梅雨空の下の植物

6月11日、緑区川尻の緑地へ相模原植物調査会のみなさんと植物調査へ行きました。
梅雨らしい天候となり、朝から雨模様でした。しかし、勾配の少ない場所なので傘をさしながら歩きました。歩けば何かしら見られるのが、フィールドワークです。ちょうど、イチヤクソウが満開でした。

イチヤクソウ

下向きの丸い花がきれいに並び、雨の滴が似合う花です。

イチヤクソウの花

近くではギンリョウソウも咲いていました。

ギンリョウソウ

菌従属栄養植物といって、樹木の根などに着いて樹木と共生している菌根菌に寄生するという、なかなかすごい生態の植物です。葉緑素を持つ必要が無いため全草が透き通るような白色です。キノコと言った方がしっくりくる姿で植物に見えませんが、れっきとした種子植物です。
開けた場所ではネジバナもたくさん咲いていました。

ネジバナ

帰りに近くの大戸緑地へ寄りました。町田市の緑地ですが、市内には見られないちょっと珍しい木、ユクノキが開花しているという情報を得たからです。

ユクノキ

今年はそれほど花つきが良くないようですが、しっかり咲いていました。
雨の中、半日だけでしたがしっかり植物を観察して終了しました。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , , | 梅雨空の下の植物 はコメントを受け付けていません

博物館の「はやぶさWEEK」実施中!

小惑星探査機「はやぶさ」が幾多の困難を乗り越えて地球に帰還した偉業を記念し制定した「はやぶさの日(6月13日)」を中心に、相模原市では毎年様々なイベントを展開しています。今年度も盛りだくさんの内容となっています!
博物館でも6月8日にはエントランスに、5月28日から6月1日まで「大阪・関西万博2025」で行われた、内閣府主催イベント「地方創生SDGsフェス」へ実際に出展した銀河連邦ブースが再現されました。そしてその前では、「マインクラフトで月面レース」や・・

マインクラフトで月面レース

「宇宙VR体験」・・

VR体験

そして、その横では「宇宙飛行士訓練服試着」コーナーが。この時は「宇宙なんちゃら こてつくんグリーティング」で現れたこてつくんが飛び入り!

宇宙なんちゃら こてつくんと一緒に!

2階の実習実験室では、「キッズワークショップ 月のレジンチャーム作り」

紫外線をあてて固めています

午後は、はやぶさ2プロジェクトのサンプリング装置(試料回収装置)の開発責任者であり、現在は火星衛星探査機計画MMXの運用や、サンプリング装置など重要機器開発のとりまとめを担うMMXプロジェクトファンクションマネージャの澤田弘崇さんをお招きして、MMX計画の最新情報をわかりやすく解説していただく講演会が行われました。

講演会は満席!

さらに、淵野辺駅北口では、にこにこ星淵野辺商店会による「にこにこバザール」の一環として、当館天文担当学芸員による講演会や・・

くつろいだ雰囲気で街かど講演会

当館で活動する市民学芸員紙芝居チームによる宇宙紙芝居の実演が行われました。

宇宙紙芝居の実演

はやぶさWEEKはまだまだ続きます。博物館では6月15日までミニプラネタリウムで、「HAYABUSA BACK TO THE EARTH 帰還バージョン」を上映します(6月9日は休館)。詳しくはこちらをご覧ください。

カテゴリー: 今日の博物館, 天文 | タグ: , , , | 博物館の「はやぶさWEEK」実施中! はコメントを受け付けていません

カイコ日記(6/8)3齢に脱皮しはじめました!

給桑開始から9日目、前日までにすべてのカイコが眠(みん)に入り、6月8日朝には多くのカイコが3齢に脱皮しました。

3齢に脱皮し、頭がベージュ色になったカイコ

頭がベージュ色になり、すっかりカイコらしい色合いになっています。
ただ、まだ2齢の眠のカイコが2~3割ほどいるので、まだ給桑は再開していません。

2眠のカイコ 黒く古い頭部の殻がすでに前へずれています

今日の夕方の状況を見て、9割以上が脱皮を済ませていたら給桑を再開しようと思います。
(生物担当学芸員)

カテゴリー: オカイコサマ, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | カイコ日記(6/8)3齢に脱皮しはじめました! はコメントを受け付けていません