ムクドリ団襲来 【6月23日~25日は休館です!】

【メンテナンス休館のお知らせ】
6月23日~25日は、展示室の清掃及び設備メンテナンスのための休館となります。ご不便をおかけいたします。

この週末に入ってから、博物館のまわりをギャーギャーとけたたましく鳴きながら飛ぶ鳥の群が目立っています。その鳥とは、ムクドリです。

ムクドリの若鳥 暑いせいか、口をあけている個体が多くいました

駐車場の地面で何かをついばんでいたかと思うと、飛び立ってケヤキの樹上で休息したり・・

樹上で羽づくろいするムクドリの群

お隣の樹林地でやたら大騒ぎしていると思ったら、先日のブログでも紹介したヒメコウゾの果実を食べていました。

ヒメコウゾの果実

ただ、この果実がお目当てかと思っていたら、入れ代わり立ち代わり10羽前後の群が出入りしていて落ち着きません。
このムクドリの群は若い個体(今年産まれて巣立った若鳥)を中心に集まっているようで、おそらく、あまり統率がとれていないのだと思います。気になるところへ気の向くままに動き回っている、という印象でした。それにしても動き回るたびにギャーギャーと鳴くので、博物館の守衛さんも何事かと驚いていました。その無節操な飛び回り方を見ていると、鳥の暴走族といった雰囲気でした。

駐車場の地面もこれといっておいしいものがたくさんあるわけでもないのですが・・たまにイモムシなどついばんでいるようでした

若い群は夕方になると、ねぐらへ集合します。場所によっては数千羽以上集まり、鳴き声やフンが問題になってしまうこともあります。博物館付近では国道16号線沿いのケヤキにねぐらができることが多いので、そろそろそんな光景が見られるころかもしれません。
(生物担当学芸員)

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遺跡の大切さ、面白さを伝えるために。

5、6月と公民館で講座を2回実施してきました。
どちらも縄文時代を中心に、一部旧石器時代についても解説しました。
講師依頼をいただき、地域の方に地元の歴史を考古学の視点からお話しできることは大変光栄です。

5月31日に新磯公民館、6月19日に横山公民館へお伺いしました。
最近は所要2時間のうち、3~40分は土器・石器をさわってもらいます。

新磯公民館では、旧石器時代の田名向原遺跡、縄文時代の勝坂遺跡を中心にお話ししました。

市内出土の土器、石器です。

 

横山公民館でも旧石器時代と縄文時代について詳しく紹介し、横山公園の屋内プール建設に伴う発掘調査では旧石器時代の石器群が出土したこともお伝えしました。

どちらも実物の縄文土器、石器にふれることで、遺跡への興味関心を引き出すことができました。考古学の強みは実際に出土品からじっくりと学べる点にあります。

今後とも体験重視で分かりやすい講座となるように取り組んでいきます。
(考古担当学芸員)

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生きものミニサロン「白いふわふわ探偵団」を実施しました!

二十四節気の夏至となった6月21日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。

エントランスに集合

今回のテーマは「白いふわふわ探偵団」。博物館の周辺で見られるフワフワした昆虫をみんなで探しました。その白いふわふわとはこちら、アオバハゴロモとチュウゴクアミガサハゴロモの幼虫です。

アオバハゴロモの幼虫

チュウゴクアミガサハゴロモの幼虫

昨年から爆発的に増加した外来種のチュウゴクアミガサハゴロモは、今年もさらにたくさん見られています。在来のアオバハゴロモと一緒に観察することで、両種が今後どのように影響し合っていくのか注目していただくのもこのテーマの目的です。
今回は20名以上とたくさんの方にご参加いただき、みなさんとても熱心に探してくれました。

白いふわふわを探しています!

アオバハゴロモはまだ成虫は見られませんでしたが、こんな虫が植物の茎に並んでいるのを見たことがあるでしょうか。

アオバハゴロモの幼虫(左)と成虫(右)(過去に撮影した写真)

そして、チュウゴクアミガサハゴロモは、成虫も幼虫もたくさん見られました。

チュウゴクアミガサハゴロモの成虫(本日撮影)

最後におまけとして、ナワシロイチゴの果実をご紹介しました。ちょっとすっぱいけど美味しいですよ、とお伝えすると、みなさんパクパクと・・大人のみなさんは酸味があって美味しい!・・お子さんはすっぱい!とお話しされていました。

みなさん、一番夢中になった?ナワシロイチゴの果実摘み

ナワシロイチゴの果実

次回は、第3週がプラネタリウムのリニューアルオープンから最初の週末にあたるため、1週ずらして7月26日(土)12時から実施します。
(生物担当学芸員)

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カイコ日記(6/21)クワの葉を採っていると・・

給桑開始から22日目、終齢(5齢)になって4日目となりました。すでに大きさはマックスに近くなっていますが、もう1まわりほど大きくなります。

モリモリ食べる終齢のカイコ

この品種、かい・りょう×あけ・ぼのは、眼状紋がとても明瞭です。とてもかわいらしいですね。

眼状紋(目のような模様)が明瞭な品種です

さて、博物館では現在、250頭ほどのカイコを飼育しています。カイコは5齢の約1週間の間に、一生に食べるクワの葉の8割以上を食べると言われています。食べる勢いもすさまじく、毎日45リットルの袋いっぱいくらいの葉を採る必要があります。クワの葉を取ってくると、飼育展示に出した時に見えやすいよう、葉を1枚ずつ切り離しておきます。

ハサミで葉を一枚ずつ切り離して与えます

そんな作業をしていると、いろいろな虫がついていることがあります。代表的なのはクワコです。カイコと祖先を同じくする野生の蛾です。

クワコの3齢幼虫 鳥のフンに擬態しています

そして今日は、ちょっと嬉しいイモムシを見つけました。クワエダシャクです。室内では感じが出ないので、野外のクワの枝に付けると、見事に擬態してくれました。

擬態してとまったクワエダシャク(枝先の左側)

通りかかった他の職員に見せたところ、指さしているのに「どこ?」と言って見つけられませんでした。
クワコもまた見事な擬態をするのですが、それはまた別の機会に・・
(生物担当学芸員)

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令和7年度地質学講座「富士山の溶岩と湧水」3回目

6月15日(日)に地質学講座の第3回目を、前回(6月1日)に続いて山梨県都留市で実施しました。富士山の溶岩や泥流堆積物、湧水を観察しました。

最初の見学地点は長慶薬師霊命水源です。

ここでは、桂溶岩(約8,800万年前)、富士相模川泥流堆積物(約2万2千年前)と湧水を見ることができます.。富士相模川泥流堆積物の上に桂溶岩が積み重なっており、両者の間から水が湧いています。

きれいな水の中に生えるバイカモも咲いていました。

次の見学地点は「おいしがね」と呼ばれている巨岩です。平坦な地形面の上に数メートルの大きさの巨岩が乗っています。他にこのような巨岩はなく、なぜこのような巨岩がこの場所にあるのか諸説ありますが、よくわかっていません。

永寿院では桂溶岩、富士相模川泥流堆積物と湧水を観察しました。ここの池は湧水を溜めたものです。湧いている場所では湧水を飲むこともでき、小休止することができました。

最後の観察地点は田原の滝です。見応え十分な滝ですが、残念ながら岩のように見える部分はほとんど人工物でできています。写真ではわかりませんが、滝の最上部は天然の溶岩です。

雨が心配されましたが、途中は晴れ間も見えて暑いくらいでした。

無事2回の野外観察を終えることができました。最終回は6月29日に講座のまとめを博物館で行います。

(地質担当学芸員)

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いよいよ1週間前!アステロイドデースペシャルトーク2025

「地球衝突が指摘された小惑星、2024 YR4とアポフィスにフォーカス!」をテーマに開催する今年のアステロイドデースペシャルトークがいよいよ1週間後の6月28日(土)に迫りました!

JAXAプラネタリーディフェンスチームが、円谷プロとコラボして作られたカッコイイ、イメージ画像 ©JAXA ©TSUBURAYA PRODUCTIONS

プラネタリーディフェンスの最前線や、地球衝突の可能性が指摘された小惑星の最新の観測情報、そして、今も宇宙空間を旅している小惑星探査機はやぶさ2のこれからも紹介されるかもしれません。詳しい講演内容はこちらをご覧ください。
定員は200名(当日先着順)、入場無料で、YouTubeによるライブ配信もあります。世界が注目するプラネタリーディフェンスにぜひご注目ください!

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梅雨時の花 その2

タイトルに梅雨時とつけたものの、今週は真夏ようなの猛暑が続いています。そんな中咲いている花について、先日のブログに続いて紹介します。
こちらはアキノタムラソウです。

アキノタムラソウ

梅雨時なのにアキノタムラソウ?と思われるかもしれませんが、早いものは5月中から咲き出します。花期はダラダラと続き、秋まで咲きます。正確には「秋まで咲くタムラソウ」と呼んだ方が良さそうです。シソ科特有の立体的な花です。

アキノタムラソウの花のアップ

こちらはヤブジラミです。花に乗っているアリと比べても、その小ささがわかります。

ヤブジラミの花 アリと比べても花の大きさがわかります

同じような場所で大型連休のころに咲く近縁のオヤブジラミの方は、もう果実になっています。小さなかわいらしい花から、一転してトゲトゲのひっつき虫になっています。ヤブジラミも少し小さめですが、同じような果実をつけます。

オヤブジラミの果実

ちなみに、オヤブジラミの花はこちらです。今年の5月の初めにヤブジラミとほぼ同じ場所で撮影しました。

オヤブジラミの花(5月初旬に撮影)

オヤブジラミと同じころに開花して、すでに果実になっているのが、ナワシロイチゴです。

ナワシロイチゴの果実

野イチゴの一種で、果実は酸味が強いものの、美味しく食べられます。ナワシロイチゴの花はこちらです。

ナワシロイチゴの花(5月初旬に撮影)

次々と咲いては実る野草の勢いが止まりません。
(生物担当学芸員)

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梅雨時の花

6月18日、博物館の前庭ではオカトラノオが咲き出しました。

オカトラノオ

日当たりの良い草地などに生える植物で、博物館ではいつの頃からか、咲くようになりました。そしてこの5年ほど、株数がどんどんと増えて、入口のアプローチの南側(駐車場側)一面に広がりました。在来の野草なので増えるに任せています。これから2週間ほど、見ごろになるでしょう。
そして、駐車場(未舗装側)の一画では、ホタルブクロが咲いています。

ホタルブクロ

おもしろいことに、近縁種のヤマホタルブクロも隣り合って咲いています。

ヤマホタルブクロ

そっくりすぎて見分けがつきにくいのですが、両種の見分け方は過去のブログに書いてあるので、ぜひご確認ください。
アプローチへ戻って、オカトラノオと反対側には、こんな小さな花が咲いています。オランダキジカクシです。

オランダキジカクシ

オランダキジカクシと言われてもぴんとこないかもしれませんが、学名のアスパラガスと言えば馴染のある名です。食用にするのは、この植物の芽生えたばかりの茎です。これも誰が植えたわけでもなく、いつの間にか咲くようになりました。
他にもいろいろ咲いたり実ったりしているので、またお伝えしようと思います。
(生物担当学芸員)

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自然環境観察員 今年の全体テーマ調査は・・

エコパークさがみはら(相模原市立環境情報センター)で毎年実施している自然環境観察員制度の全体テーマ調査は、博物館学芸員がサポートしています。タンポポ調査、ツバメの巣の分布調査など、20年以上にわたって市域の自然を調べています。6月14日、エコパークさがみはらの講義室で環境セミナーが行われ、今年の調査の説明会が開かれました。
今年のテーマは「チュウゴクアミガサハゴロモとアカボシゴマダラ」です。

タラノキの枝に集まるチュウゴクアミガサハゴロモ(幼虫)

どちらもあまりなじみのない昆虫かもしれませんが、近年、急速に分布を広げています。特に、チュウゴクアミガサハゴロモは昨年、爆発的に増加しました。近年の在来種、アミガサハゴロモやアオバハゴロモなどとどのように競合するのか、気になるところです。

チュウゴクアミガサハゴロモとアオバハゴロモの幼虫

そして、アカボシゴマダラは、1990年代に湘南地域の昆虫愛好家が意図的に放蝶してしまったという、外来種問題の中でも最悪のストーリーと言える来歴を持つ外来種です。近縁で食草もエノキで一致する在来種、ゴマダラチョウとの競合が気になります。これらの昆虫の、市域での分布状況を調査するのが今年のテーマです。
動物担当学芸員が、識別方法や探し方などをレクチャーしました。

レクチャーする動物担当学芸員

標本も持ち込みました。

近縁の在来種のゴマダラチョウ(右)と比較できるアカボシゴマダラの標本(左)

こちらもチュウゴクアミガサハゴロモ(左)と近縁のアミガサハゴロモ(右)の成虫標本

終了後も観察員のみなさんが熱心に標本を見ています。

標本に見入る観察員のみなさん

全体テーマ調査は、概ね5年ごとに実施するタンポポ調査など定番のものの合間に、こうした気になる話題の生きものなどを扱います。はたして今年の調査はどのような成果が出るのか、楽しみです。
(生物担当学芸員)

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市役所本館のてっぺんで「相模原ふるさといろはかるた」展

このブログをご覧の皆さまは、相模原市役所展望室を訪れたことはありますでしょうか?
本館6階からさらに階段を上ること76段…、地上34メートルの高さから相模原市街が一望でき、お天気に恵まれれば遠くの山々の中に富士山を見ることもできます。

この日は津久井や丹沢方面の山々がうっすらと見えるのみでした。(令和7年5月21日撮影)

市役所本館の最も高い場所である展望室で、当館のボランティア「市民学芸員」が手がけた「相模原ふるさといろはかるた」を紹介する展示が始まりました。

相模原ふるさといろはかるた

「相模原ふるさといろはかるた」とは、市内47か所の名所・旧跡を楽しく遊びながら学ぶことができる「かるた」です。47のお題選び、読み句・解説文作成や札づくりなど、市民学芸員が7年がかりで完成させました。現在、当館で貸出しも行っています。
出張展示などの様子は度々このブログでも取り上げており、先日まで当館と連携に係る覚書を取り交わしている麻布大学いのちの博物館で展示していました。

かるた札づくりの様子(令和6年10月)

今まで様々な施設で展示を行ってきましたが、市役所本館での展示はこれが初めてです。当面の間、展望室内の壁面に貼り付けて展示することになるため、いつもの展示用セットではなく、今回のための展示レイアウトを市民学芸員有志が作成しました。

展示の様子

展望室からの眺望を楽しみつつ、ぜひ「相模原ふるさといろはかるた」展をご覧いただきたいと思います!市役所展望室の開放時間等はこちらをご確認ください。

(歴史担当学芸員)

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