玄関から20歩の自然 その11 ハルジオンが満開だけど・・

雑草の中の雑草、と言うとちょっと植物には可哀想な呼び方かもしれませんが、ハルジオンは思わずそう言いたくなるくらい、雑草のイメージが強い植物です。

ハルジオン

花をよく見ればかわいらしくて繊細です。でも、本当に「どこにでも」生えています。
そして、もう少し季節が進むと、ハルジオンから別のそっくりな植物へ入れ替わることを意識している人は少ないでしょう。
その交替選手は、ヒメジョオンです。花だけ見るとそっくり!

ヒメジョオン

名前も似ていて、「ハルジオン」と「ヒメジョオン」と微妙に違います。これは漢字をあてるとわかりやすいでしょう。「春紫菀」と「姫女菀」となります。さて、花はよく似ていますが、識別は慣れれば簡単です。葉の付き方が違います。ハルジオンの葉の付け根は茎に巻き付くように見えます。このような葉の付き方を図鑑などでは「葉の付け根は茎を抱く」と表現します。

ハルジオン 葉の付け根が茎を取り巻くように付いています

ヒメジョオンの葉は茎を抱きません。

ヒメジョオンの葉の付け根は茎を抱かない

他には、ハルジオンはつぼみがお辞儀をするように下を向くことや、白い花弁が少しヒメジョオンの方が幅広いといった違いもあります。

ハルジオンの花の拡大 花弁が細い

ヒメジョオンの花の拡大 花弁が少し幅広い

ヒメジョオンは夏草だけに、真夏に咲く株は茎も太くがっしりしています。識別ははじめちょっとわかりにくいかもしれませんが、どこでも見られる2種類の草なので、ぜひチャレンジしてみてください。

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カベアナタカラダニ(2020)

毎年この時期になると、コンクリートの壁や手すりの上をちょこまかと走り回る赤い奴。

カベアナタカラダニ

体長0.5mm程なのに、とにかく早い。カメラに収めるのに苦労します。名前はカベアナタカラダニ。
大量に発生するのと、その体色のせいでかなり嫌われがちな生き物ですが、主な食べ物は花粉。現代人の天敵を食べてくれるので、もしかしたら益虫かもしれません。ただし、うっかり潰したりすると赤い色が服についたり、アレルギー反応を起こす事もあるようなので、指先で愛でたりしない方が良いでしょう。いずれにしても吸血をするダニとは全く別の種類で、昆虫などに寄生するタカラダニの仲間とも違う食性です。
さて、なぜこのダニがこの時期に目立つのかというと、春に卵がかえり、梅雨頃には産卵して死んでしまうからです。その卵は来年の春までふ化しないので、必然的に姿を見ることはありません。
すごい勢いで走り回るのは、繁殖に向けて食べ物を探して栄養を蓄えているのでしょう。因みに、この種にオスはまだ発見されていないそうです。こんなに小さいのに、色々と興味が尽きません。安易に嫌ってはもったいないですね。

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玄関から20歩の自然 その10 花粉症に注意!

ゴールデンウィークが過ぎた頃、道端でこんな植物がいつの間にか大きく育っていて、気がつくと花がムズムズ・・、眼がグシュグシュ・・ということがありませんか?

カモガヤ

カモガヤという牧草由来の雑草です。これで立派に花が咲いていて、雄しべの葯(やく)がプラプラしていて、風に花粉を飛ばしています。

カモガヤの花 黄色い葯(やく)から花粉が飛びます

さらにこちらは、ネズミムギです。5月に入ると道端や駐車場脇などあちこちで咲き始めます。

ネズミムギ

これも黄色い葯が見えている時は開花状態です。指でトントンやると煙のように花粉が飛びます。花粉症の人は気軽にやらない方がよいでしょう。

ネズミムギの花

スギやヒノキの花粉の季節が過ぎて、爽やかな季節なのになぜかアレルギー症状が出る人は、これらのイネ科植物の花粉症である可能性があります。イネ科の植物はあまり目立ちませんが、ほかにも道端にたくさん生えています。一番身近なアレルゲンかもしれません。

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「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No.7・一番古い写真は?)

これまで今の時期の春先の行事や農作業などを紹介してきましたが、もちろん撮影された写真はそうした内容に限りません。

 博物館の建設準備が本格的に始まったのは、今から39年前の昭和56年(1981)です。それでは写真がいつから残されているかというと、翌年の昭和57年(1982)1月6日の中央区・田名八幡宮での的祭(まとまち)がもっとも古いものです。

 この祭りは、境内に作られた大きな的に四名の男の子が矢を射て、その当たり具合で吉凶を占うもので、起源は鎌倉時代とか元禄時代に始まったとする説もあります。相模原市を代表する民俗行事として、市指定無形民俗文化財に指定されています。
 後には行事全体の準備から実施に至る調査も行われましたが、この時は当日の的や子どもが矢を射る様子が撮影されています。

 次に古いのは、中央区上溝の田尻地区で行われた初午(はつうま)の稲荷講で、昭和57年(1982)2月10日の撮影です。市内では各地で稲荷社が祀られており、その祭りとして2月初めの午(うま)の日に、稲荷にお供え物をするほか、近所や親戚同士が集まり、稲荷講をすることが広く行われました。当時は、まだ各地で初午の行事や稲荷講が見られ、別の地区の写真も残っています。

 写真は、竹筒に入れたお神酒のほか、赤飯やメザシ・油揚げなどが稲荷にお供えされています。撮影の際には何が供えられているかにも注意します。

 職員ブログ「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」の第1回目として、中央区淵野辺本町での醤油搾り(昭和58年3月5日)を紹介しましたが、写真の入力作業も継続中です。大量の写真のうち、古い時期のカラースライドから始めており、現在はモノクロ(白黒)写真に取り掛かっています。
 
 この醤油搾りは、昭和58年(1983)4月6日に南区下溝で行われたもので、やはり古い時期の撮影の一つです。先の初午のように、同じ行事や作業でも地区によって違いがあるため、なるべく多くの写真を撮影するようにしてきました。
 もしかすると、さらに古い時の写真が見つかるかもしれません。

 今後ともいろいろな話題に基づきながら、さまざま写真を紹介していきたいと思います。

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玄関から20歩の自然 その9 咲き始めたつる植物

つる植物というのは、自分自身の茎や幹を太くすることなく、ほかの支えを利用して高い所へ伸びて太陽の光を受ける生存戦略をとっています。
街路樹の植え込みにもさまざまなつる植物が見られ、その一つのヤブカラシを前回のブログでご紹介しました。今回は、コヒルガオです。
低い位置でも、日向で遮る物が無い場所ではもう咲き始めています。

コヒルガオ

アサガオと同じ仲間で、花も葉もよく似ていますが、コヒルガオの葉は頂角(葉先)が鋭角な三角形で、底角はあまり目立ちません。

コヒルガオの葉

コヒルガオというからには、ヒルガオもあるのでしょうか・・。あります!こちらがヒルガオです。コヒルガオよりも遅く、初夏に咲き始めるものが多いようです。

ヒルガオ

写真では見分けがつきません。たしかに「コ(小)」が抜ける分、花が少し大きめなのですが、生育条件や季節によって花の大きさは変わるので識別点にはなりません。どこで区別するかというと、決定打はこちらです。花を支える苞葉(ほうよう)の下の花の柄が平坦ですっきりしています。

ヒルガオの苞葉と花の柄の部分

コヒルガオは、この部分にちぢれた感じのヒダがあります。

コヒルガオ

また、ヒルガオの葉はこんなふうに細長くて葉先が丸いのが特徴です。

ヒルガオの葉

ただし、葉も変異が激しくて、コヒルガオのような三角形のものもあります。
花の下にヒダがあればコヒルガオと判断し、無ければ葉など他の識別点を見て総合的に判断するしかありません。
ありふれた路傍の雑草なのに、実は識別困難な植物なのです。

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玄関から20歩の自然 その8 伸長中のつる植物

街路樹の植え込みや、垣根などにスルスルとつるを伸ばしつつある植物があります。

ツツジの垣根の上につる植物が・・

この植物は、ヤブカラシといいます。こんな風に、ツツジなどの低く刈り込まれた植込みだと、つる植物であるにもかかわらず、結構立ち上がっています。と思ってよく見ると、上の写真はネズミムギというイネ科の植物に巻き付いて立ち上がっていたのでした。おそらく、もう少し伸びると重みで倒れてしまうでしょう。
でも、陽当たりさえあれば、倒れようがまだまだ伸びます。そして、真夏になるとこんな花を咲かせます。

ヤブカラシの花

金平糖(こんぺいとう)のような色合いで、小さくて花弁は目立たないものの、咲き始めはオレンジ色、少し時間が経つとピンク色になるかわいらしい花です。特徴はこの葉っぱです。

5枚の葉(小葉)で構成されるヤブカラシの葉

5枚の小葉(しょうよう)が手のひら状にきれいに並んで、1組の葉を構成しています。庭などでは垣根から雨樋(あまどい)などをつたっていつのまにか屋根まで登ってしまう、やっかいな雑草です。さらに、上の写真のような花が咲くと甘い蜜を出すために、ハチも呼び込んでしまったりします。でも、道端であまり管理されていない植込みなどではハチだけでなく、いろいろな昆虫が集まる虫のレストランになります。虫の好きな人は、この植物の開花を楽しみにしていてください。

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玄関から20歩の自然 その7 タンポポに似たもの②

道端でタンポポに似た植物というのは、結構あります。その中でもダントツでよく似ているのは、前の記事のブタナです。次によく間違われるのは、こちらです。

ノゲシの花

ノゲシと言います。全体を見るとタンポポとはずいぶんと違うのですが、この花だけを見たらタンポポかも、って思ってしまいます。
見分け方は、やはり複数の花が同じ茎から枝分かれして咲くことです。

ノゲシの花は茎にたくさんの花がつきます

タネもこんな風に綿帽子になるので、タンポポそっくりです。

ノゲシのタネの綿帽子

でも、背は高いし、茎にたくさんの葉がついているので、冷静に観察するとタンポポではないとわかります・・ただし、ノゲシにはもうひとつやっかいなことがあります。それは、ノゲシとオニノゲシという2種類が混在していることです。違いは葉にあります。ノゲシはこちらです。

ノゲシの葉

オニノゲシはこちらです。鬼と名に付くイメージどおり、トゲが荒々しいですね。

オニノゲシの葉

道端で観察していると、葉を見てもノゲシとオニノゲシのどちらか迷うような中間的なものもあり、迷います。実際、両種の雑種もあるので、識別は困難を極めます。雑種だとしたら識別は“お手上げ”なのですが、一つ大きな性質の違いがあります。それは、花の咲く時間帯が違うことです。ノゲシは午前中、オニノゲシは午後に咲きます。朝、花を開いているのはノゲシと考えてよいでしょう。

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「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No.6・養蚕②)

養蚕は一年に3~4回程度行われ(後にはさらに多くなります)、最初が5月上旬~6月上旬で、その後、7月下旬~8月中旬、8月下旬~9月下旬と続きました。このうち春の蚕の規模が一番大きく、現金収入の中心でした。

養蚕は、蚕の種(卵)を羽根で掃き下ろすハキタテの作業から始まります。春蚕は五月節供頃に「柿の葉が大きくなって、柿の木に止まったスズメが隠れて見えなくなるとハキタテの旬」と言ったりしました。写真では、前回も紹介したエガあるいはエビラという平らなカゴの上に紙を敷き、蚕の種を掃き下ろしています。この時の蚕は非常に小さく「ケゴ」と言います。

 こうしたケゴも桑葉を食べて次第に大きくなり、農家は桑を与えたり、蚕の糞を掃除したりで忙しくなっていきます。前の写真と比べると、桑の葉がずいぶん大きいのがわかります。ハキタテから約10日ほどたった時の様子です。

 部屋に作った棚の間で作業をしているところですが、棚にも多くの蚕が乗ったカゴが見えます。最初はわずかなカゴに掃き立てた蚕も、蚕の成長に応じて増やしていき、たくさんのカゴが必要となりました。
 

 蚕は成長の途中で桑を食べなくなる時が四回あり、その時に脱皮して大きくなります。そして、五回目に蚕は口から糸を吐き出して繭を作ります。写真は繭を作る直前の蚕で、上側を向くのが繭を作る合図です。

 蚕も生き物であり、繭を作りだす時期がそれぞれ違います。蚕の様子を見極めて先に繭を作る状態になった蚕を拾い、繭を作る場所に運びます。広い場所が必要で、住宅の一階で蚕を飼い、二階を繭を作らせる場所とすることがよくありました。

 蚕に繭を作らせる道具をマブシといい、より使いやすいものを求めて時代によって変化していきました。映画ではその移り変わりを追っており、古くはいろいろなものが見られたようですが、これはハガチマブシという、ムカデ(ハガチ)の形に似ているところから付けられたものです。

 昭和初め頃まで使われていたのがシマダマブシで、自家で藁を折って作りましたが一回しか使えず、また、蚕が繭を作る際に藁に押されて跡がついてしまうという欠点がありました。これだけカラー写真があったシマダマブシと、繭を取っているところです。


 シマダマブシの後に一般的になったのが改良マブシです。藁の跡が少ない上に、使い捨てではない利点があります。これも前回紹介したように、各家で冬場の藁仕事に作りました。このマブシも繭を一つずつ外していきます。


 その後、第二次世界大戦頃から普及したのがボール紙製の回転マブシで、ごく近年まで使われていました。繭を作る状態になった蚕は上に昇っていくため、一つ一つの空いた空間に一匹の蚕が入ります。また、何回も使えるとともに、折り畳みできるために繭を取り出すのも簡単になりました。
 
写真は、蚕を下に撒いて回転マブシに昇らせようとしている様子と、回転マブシからマユカキといって繭を取り外しているところ、併せて、平成22年(2010)に緑区上九沢で行われた養蚕での回転マブシで、たくさんの回転マブシが使われているのがわかります。
 ちなみに、平成22年は、神奈川県で最後まで養蚕を行っていた12軒(うち4軒は相模原市内)が養蚕を終了し、県内から産業としての養蚕がなくなった年です。



今回は、文化財記録映画の際に撮影した写真を中心に掲載しましたが、これまで撮影してきた写真には養蚕に関わるものも多くあり、今後もいろいろな内容を紹介していきたいと思います。

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「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No.5・養蚕①)

市内の農業は、畑での麦やサツマイモ作りなどとともに養蚕が重要であり、特に蚕が作った繭や生糸(絹)を売った収入は家計の中心と言えるものでした。

 これまで紹介してきた「文化財記録映画」でも養蚕や糸取り・機織りを扱っており、今回紹介するのは、昭和58年(1983)製作の第二作目「さがみはらの養蚕」の際に撮影されたものです(そのため今回もモノクロ写真が中心です)。

 当時はかなり少なくなっていたとはいえ、まだ自宅で養蚕を行っている家があり、映画はそうした一軒であった南区大沼の方にお願いして撮影されました。ただし、すでに実際には行われていない古い作業の様子も含まれています。

 養蚕は、春蚕(ハルゴ)という春の時期に蚕を飼うものが5月の節供頃から始まり、少し前の4月下旬には養蚕に使う道具を洗います。川で洗ったという話がよく聞かれますが、ここでは近くに川がないので屋敷で洗っています。
              

 蚕を飼う場所は、人間が普段生活する住まいを使うことが普通でした。そのため部屋の畳を上げ、蚕を竹などを平らに編んだエガあるいはエビラと呼ぶカゴに乗せて飼うため、そのカゴを入れる棚を作ります。棚は部屋一杯に立てるのではなく、一部屋に2か所にして間を通路や作業場所とします。
               

 養蚕は時代によっても異なり、年に数回、春から秋にかけて蚕を飼いましたが、冬の間には作業がなかったかというとそんなことはなく、蚕に繭を作らせるマブシという藁製の道具をたくさん作って翌年の養蚕に備えました。写真は改良マブシを作っているところです。
              

 蚕はどんどん桑の葉を食べ、特に蚕が成長すると桑葉を畑に取りに行くのが大変でした。春に飼う蚕と秋の蚕では葉の取り方が違い、春蚕では枝ごと伐ってもそこからすぐに次の枝が出てくるので枝ごと伐っても大丈夫で、家で枝から葉を取ります。
              

 これに対して、秋の養蚕では畑で一葉ずつ桑を摘み、首から下げた桑摘みビクに入れていきます。
              

 桑葉は、蚕が大きくなるとそのまま与えましたが、小さいうちは細かく切る必要があり、包丁で切ったりしましたが、のちには桑切り用の機械を使うようになりました。桑葉を取りに行くことと並んで、蚕に桑を与える作業も大変なものの一つでした。
              

 今回は養蚕の第一回目として、養蚕の諸準備や桑を取り上げました。「養蚕」と一口に言っても、さまざまな作業が必要であったことがわかります。映画では、蚕の成長に応じた作業の流れだけでなく、こうした関連する内容も撮影されています。

 ※文化財記録映画は、博物館でビデオテープの視聴が、また視聴覚ライブラリーでDVDでの視聴・貸し出しができます(現在、休館中)。

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玄関から20歩の自然 その6 タンポポに似たもの①

二十四節気の立夏、今年は5月5日でした。この季節は、春真っ盛り。道端ではタンポポが元気です。典型的なタンポポはこちら。

タンポポ(在来種と外来種の雑種)

上の写真は、最近道端に多い、在来種と外来種の雑種と言われるタンポポです。雑種についてはちょっと複雑なしくみなので、また機を改めて紹介します。とにかく今、道端に多いタンポポは圧倒的にこの雑種タイプです。
それに加えて今、タンポポ?でもちょっと背が高いなあ・・と感じる花が増えています。

やたら背の高いタンポポ?

タンポポは、日向では高さ15~20センチメートルくらいのものが多いのですが、上の写真の植物は50センチ以上あります。でも、花はタンポポそっくり。

上から見るとタンポポそっくり

この植物の名は、ブタナ。ヨーロッパ原産で、世界中の温帯に分布する外来種です。タンポポと同じくキク科の植物ですが、タンポポとの決定的な違いは、タンポポが花のつく茎に1つの花が付くのに対して、ブタナは茎が途中で二つ以上に分かれて、たいてい二、三個ずつ咲くことです。

地上茎から複数枝分かれして花が咲きます

正確に言うと、タンポポは地下茎から直接花柄(かへい)が出るので、地上部で見ると1本の茎に1つの花に見えるということになります。ブタナは地上茎(ちじょうけい)から花柄が分枝しています。
もちろん背の高さや、葉が少し毛深いなどの違いはありますが、並べて比べないとわかりにくいかもしれません。

ブタナの葉。出方はタンポポそっくり。

タンポポによく似たキク科の花はほかにもたくさんあり、その代表格はノゲシの仲間です。それはまた次回、紹介いたします。

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