博物館の花(予告編)

博物館の中庭では、こんなつぼみがニョキニョキと立ち上がってきました。

エビネのつぼみ

エビネのつぼみです。野生ランとして有名な花ですが、市内では生育地が減っている上に盗掘に合いやすく、野外で見るのが難しい花の一つです。
ゴールデンウイークには美しい花を咲かせてくれるはずです。
さらに、市内の自生地からつるを取ってきて挿し穂をしたカザグルマも、つぼみをつけています。今年はちょっとつぼみが少なそうです。

カザグルマのつぼみ

こちらはゴールデンウイークの半ば頃に咲くでしょうか。
つぼみの写真ばかりでは寂しいので、フデリンドウの、二色が隣同士で咲いているようすを。

フデリンドウ

こちらは、ヒトリシズカです。博物館正面入口の脇に咲いているのですが、この花はいつも、気がつくとすでに花が終わろうとしています。地上に茎と葉を伸ばしてからあっという間に咲くようです。

ヒトリシズカ

そして、同じ場所にはシャガがたくさん咲いています。

シャガ

色とりどりの花に囲まれて、気持ちの良い博物館へぜひお越し下さい。

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: | 博物館の花(予告編) はコメントを受け付けていません

ジグモ

博物館近くの公園で、ふと目に留まったのはジグモの住居。岩に袋状のものが張り付いていて、地中に続いています。
もしかしたら子どものころ、ジグモの住居を釣り上げて遊んだ記憶をお持ちの方もいらっしゃるかも知れません。

釣り上げるのは失敗するリスクが大きいので、ちょっと失礼して掘り起こすと…

中にはこんなクモがいます。

ずんぐりしていて、つやつやしています。大きさからしてまだ幼体のメスです。

正面から見ると、地面を掘るのに使う太い大顎が迫力満点です。

ジグモは40年ほど前には生垣の根元などに普通にいたのですが、最近ではあまり見かけなくなりました。
大人になってあまり気に留めなくなった、という事もあるかも知れません。気になった方は散歩のついでなどにでも探してみてはいかがでしょうか。

カテゴリー: 学芸員のひとりごと, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | ジグモ はコメントを受け付けていません

激しい縄張り争い

昨日(4月17日)の野外調査の折、野みちを歩いていたら下の方からキョッ!キョッ!と強い不規則な声が聞こえてきました。
声の方向を見ると、なんと、5メートルほど先の地面の上でオスのウグイスが2羽、取っ組み合いのケンカをしていました。

地面で取っ組み合うオスのウグイス

あっけにとられながらもカメラを構え、シャッターを切りました。するとそのシャッター音で我に返ったのか、1羽が飛び立ちました。それを追いかけるもう1羽・・。ふつうは逃げるなら人間と逆方向へ飛び去るはずが、カメラに向かって飛んできて、頭上スレスレを猛スピードで通過していきました。よほど気が立っていたのでしょう。
ウグイスは一夫多妻の繁殖形式を取ることが知られています。こうした激しいせめぎ合いの上に繁殖縄張りが形成されているのだと、改めて実感できました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | 激しい縄張り争い はコメントを受け付けていません

春真っ盛りの植物調査

4月17日、緑区のいろいろな場所へ、相模原植物調査会のみなさんと絶滅危惧植物の生育状況調査に行きました。
県内でもわずかな自生地しか残っていないオキナグサ(県:絶滅危惧1A類)は、あるお宅の裏山でひっそりと残っています。

オキナグサ(左は花、右は実りかけの果実)

こちらも県北地域にごくわずかしかない、ザイフリボク(県:絶滅危惧1A類)です。まだ花はつけていませんでしたが、特徴的な二つ折りの若葉の白銀毛が輝いていました。

ザイフリボク(若葉)

ちなみにザイフリボクは、公園などにもジューンベリーとして植えられていますが、あちらはセイヨウザイフリボクという別の種類です。
そして、こちらは今のところ絶滅危惧種には入っていませんが、減少著しいオカオグルマです。

オカオグルマ

オキナグサやザイフリボク、オカオグルマは比較的良好な生育状況だったのですが、中には生育を確認できなくなってしまったものもありました。人里付近で生育していたものは、ちょっとした水分条件などでも生育環境が失われてしまうことがあり、保全の難しさを痛感しました。
帰りがけ、幹線道路から少し入ったところにある、春植物の楽園を訪ねました。
こちらは、アネモネに近いなかまの在来種、イチリンソウです。

イチリンソウ

イチリンソウの名は、同じキンポウゲ科で二輪ずつ咲くニリンソウと区別して、一輪ずつ咲くという意味です。しかし上の写真の株は一度に二輪咲いていました。
こちらはヤマブキソウです。低木のヤマブキも今、花真っ盛りでよく似ていますが、分類上はまったく異なる仲間の植物です。

ヤマブキソウ

若葉の優しい色あいを楽しみながらの野外調査となりました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | 春真っ盛りの植物調査 はコメントを受け付けていません

クマバチの季節

春の日差しが強くなってきて、博物館のまわりでもクマバチが飛び始めました。

クマバチの飛翔

ロシアの作曲家リムスキー・コルサコフの「熊蜂の飛行」という楽曲があります。細かい音符がうねるように続くメロディーは、オスの飛行のようすを表しているのでしょう。ちょっと開けた陽当たりの良い空間でホバリングをして、何かが近づくとそちらへすかさず飛んでいき、縄張りに侵入してきたほかのオスか、交尾相手のメスなのかを見極めます。うしろ姿は、お尻がちょっとかわいらしいですね。

クマバチのうしろ姿

正面から見ると、大きな黒い複眼がサングラスのようで愛嬌があります。

クマバチの正面顔

気温が上がって昆虫の動きも活発になってきましたが、地面付近はまだ少し寒いのでしょうか。ニホンカナヘビが日向ぼっこをしていました。

日向ぼっこをしながら振り向くニホンカナヘビ

暖かい日だまりと、ちょっと冷たい風と、変化の激しい気候です。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , | クマバチの季節 はコメントを受け付けていません

今年はツバメの巣!

4月14日(日)、相模原市立環境情報センターで今年度最初の自然環境観察員制度環境学習セミナーが行われました。

初登録の方も含めてたくさん集まってくださいました

博物館ではこの制度発足当初から調査活動に関わってきましたが、実はその初年度の平成13年に行われたのが、全体調査テーマであるツバメの巣の分布調査でした。その後、18年、26年と行われ、初回から19年目の今年、第4クールとなるツバメの巣の分布調査を行うことになりました。

ツバメの巣

ツバメは春の使者として気象庁の生物暦にも使われていますが、さまざまな要因から、全国的に数が減っているのではないかと言われています。自然環境観察員の調査でも、その傾向が見られています。果たして今年の調査からどのような結果が得られるでしょうか。

巣材の泥と枯れ草をくわえる親鳥

市域にはツバメのほかに、イワツバメが生息しています。

イワツバメ

イワツバメはツバメよりもさらに減少傾向が強く、特に低地ではほとんど巣が見られなくなっています。ほかにコシアカツバメも前回までの調査ではごくわずかの地域で確認できていましたが、今回はどうでしょうか。
さらに、ツバメの仲間ではありませんが、ヒメアマツバメ(アマツバメ科)も限られた地域で繁殖しています。

ヒメアマツバメ

市民科学として市域の自然の基礎情報として欠かすことのできない存在である自然環境観察員制度の全体調査が今年もスタートしました。博物館でも、得意とする緑区の県境付近を担当することにしました。どんな調査結果が得られるのか、今から楽しみです!

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | 今年はツバメの巣! はコメントを受け付けていません

フデリンドウだけではなく・・

このところ、フデリンドウの開花にはしゃいでたくさん写真をアップしてきましたので、ほかにもたくさん咲いている植物の写真もアップしなくては不公平、ということでご紹介します。まずは、フデリンドウよりもずっと低く地面にぺったり張り付いて咲くキランソウです。サクラの花びらと比べても小さな花ですね。

キランソウ

こちらも咲き始めは不自然なほど低く咲いていますが、もう少し季節が進むと立ち上がってくる、ヤブタビラコです。

ヤブタビラコ

年明けの頃から少しずつ咲いていたオオイヌノフグリも元気よく咲いています。

オオイヌノフグリ

そして、花はそっくりだけどずっと小さく、3ミリメートルほどしかない、タチイヌノフグリも隣り合って咲いていました。

タチイヌノフグリ

上を見上げれば、サンショウも花芽を伸ばしていました。葉っぱの方も、いわゆる「木の芽」として料理に使うのにちょうどよいくらいの若葉ですね。

サンショウの若芽

そして、やっぱりフデリンドウについて一つご紹介したい写真があります。博物館お隣の樹林(ミズキ林)には、キアシドクガの食害で立ち枯れたり、大きな枝が折れたりした木が多くあるため、先月末に重機が入り、林内の危険木を除去しました。バックフォーが動いた後は当然、植物は踏みつけられているのですが・・

キャタピラ痕に咲くフデリンドウ

そんな中にもフデリンドウは咲いています。植物は私たちが考えているよりずっとたくましく、そしてしたたかです!

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | フデリンドウだけではなく・・ はコメントを受け付けていません

枝?いえ、針金にも似てました(マネキグモ)

この頃急に暖かくなって、博物館周辺で見られる生き物も急に増えてきました。
写真は、マネキグモ幼体。今シーズンは初めてお目にかかります。

林の縁などで、数本の糸を張った簡単な網を張るクモですが、体の形や模様が木の枝にあまりにも似ているので感心します。
しかし、今回見つけたのはご覧のとおり、鉄条網の棘の先。
まさか自分がどんな風に見えているか知っているわけでもないでしょうに、こんな人工物にまでうまく溶け込んでいるのにびっくりします。
特に斜めにカットされた針金との類似、絶妙だと思いませんか?

カテゴリー: 学芸員のひとりごと, 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , , , | 枝?いえ、針金にも似てました(マネキグモ) はコメントを受け付けていません

キアシドクガの発生と天敵による捕食(毛虫の拡大写真あり:閲覧注意)

4月9日、春まっさかりの樹林地で、フデリンドウや、訪花昆虫のビロードツリアブの写真を撮っていました。

フデリンドウ

風が少し強めだったものの、たくさんのビロードツリアブが飛んでいて、飛翔中の写真なども撮ることができました。

ホバリングでフデリンドウに近づくビロードツリアブ

そして、まわりのミズキは崩芽が進み、瑞々しい葉を広げつつあります。

ミズキの崩芽

そろそろキアシドクガも出てくるだろうと少し探してみると・・・、いました!

キアシドクガと思われる1齢幼虫

1齢幼虫なので確定はできませんが、この時期ミズキにいて複数見られたことから、間違いないはずです。
しかし幼虫を探していると、アリがたくさん幹を登り下りしていて、これはキアシドクガも相当数捕食されるはずだと感じました。
キアシドクガの食害で枯れて伐採された幹の上に、黒く動くものがいました。ヨコヅナサシガメの亜成虫です。

ヨコヅナサシガメの亜成虫

その口吻(こうふん)の先に何かくっついていたので、写真を拡大してみると・・

ヨコヅナサシガメに捕食されるキアシドクガの幼虫

キアシドクガの幼虫が体液を吸われてしぼんでいました。
ヨコヅナサシガメは外来昆虫なので、在来種のキアシドクガが捕食されているのは好ましくはありません。しかし、この5年大発生を続けてきたキアシドクガも、予測では今年、急激に数が減ると考えています。それを象徴するような光景です。もちろん、この1シーンで確定することはできませんが、さまざまな要因が重なって大発生が終息するのだろうと改めて感じました。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , | キアシドクガの発生と天敵による捕食(毛虫の拡大写真あり:閲覧注意) はコメントを受け付けていません

臨時の生きものミニサロンを実施しました!

4月6日、咲き始めたフデリンドウをご紹介するために、通常は第4土曜日に実施している生きものミニサロンを臨時で実施しました。

咲き始めたフデリンドウ

昨日のブログを見て来て下さった方もいて、小さくて可憐なフデリンドウをたっぷり観察しました。

踏まないように気をつけて・・

とりわけ人気だったのは、やっぱりピンク色の株です。

ピンク色の花弁の株はちょっと珍しい!

フデリンドウは、夜はもちろん、曇って暗くなると花を閉じてしまうことをご紹介しました。らせんに巻いたつぼみが開閉するようすを想像して、精巧な花の造形にみなさん感心されていました。

夕方、花を閉じたフデリンドウ 翌朝晴れていればまた開く

そして、さらにみなさんに「かわいい!」と大人気だったのが、ビロードツリアブです。

フデリンドウの花の蜜を吸うビロードツリアブ

捕虫網で捕まえて、手元でモフモフの体や長い口、サングラスをかけたような眼などをじっくり観察していただきました(観察した後は放しました)。

つかまえられるかな?

うららかな春の日差しが心地よく、楽しい観察会となりました。

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 臨時の生きものミニサロンを実施しました! はコメントを受け付けていません