養蚕日誌(6/12)2齢に脱皮

掃立て(給桑開始)から6日目(6月12日)となりました。昨日の昼頃、概ね2齢への脱皮が完了したのを確認したので、給桑を再開しました。下の写真は、6月11日のようすです。下側はまだ1齢で、眠(脱皮前の休息期)の状態です。頭部の殻(黒い部分)がすでにはずれかかっています。頭部の大きさの違いがよくわかりますね。

上が2齢に脱皮後、下が1齢で脱皮直前のカイコ

脱皮直後の頭部はベージュ色ですが、時間が経つと黒くなります。
脱皮したての2齢のカイコです。脱皮殻が後ろに残っています。

脱皮直後のカイコ 後ろの黒いのは脱皮殻

脱皮してしばらくすると、モリモリとクワを食べ始めます。

2齢までは脱皮から少し時間が経つと頭部は黒くなります

頭部が黒くなるのは2齢までで、3齢からは時間が経ってもベージュ色のままです。
さて、2齢になったところで、恒例の飼育展示を開始しました。

飼育展示のようす(1階エントランス)

これから20日ほどですが、カイコの成長のようすを来館者のみなさまにご覧いただきます。

まだ小さくて、虫めがねがないと見えにくいかもしれません

カイコの状態や担当者の都合により展示を休止する期間もありますのでご了承ください。

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なぜか後翅(うしろばね)が出ています

通勤途中で、木の幹に鮮やかな色があるのが目につきました。
シタバという、後翅が美しい事で人気のある仲間です。


これはコガタキシタバのようです。
本当はこうなっていると木の幹によく擬態できるのに…と思って、ちょっと指先で後翅を見えなくしてみました。


素晴らしい擬態です。


でも、すぐに元に戻そうとします。
翅に故障でもあるのでしょうか。
目立ってしまわないか、ちょっと心配になります。

※後日「このガの種名は『フシキキシタバ』ではないか」というご意見をいただきました。

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植物学教室「花の観察と植物画」終了

先週6月2日と本日9日の2回にわたり実施した植物学教室「花の観察と植物画」が無事に終了しました。
午前10時から午後4時まで、みっちりと濃密な時間を過ごされたみなさん。

実物を前に集中して描いています

こちらが「筆を置いて休みましょう!」とお声かけしないといけないくらい、集中されていました。
でも、休憩時には講師の豊田路子さんやほかの受講生のみなさんが、なごやかに植物談議に花を咲かせました。

基本的に、みなさん植物好きの方ばかりです

きめ細かな指導もあり、みなさんしっかりと植物画を描かれました。

手元を凝視

客観的に見て、それが何の植物であるかはっきりわかることが植物画の一つの条件のようなものですが、全員の作品がその条件をクリアしていました。

今日の課題は樹木

時間の関係で、どうしても「完成」とはいきませんが、簡易のマット(枠紙)を置くことで、作品として成立します。

ヤマボウシ

ヤマモモ

植物画のはじめの一歩を体験する二日間でした。帰り際のみなさんの笑顔が、充実した時間だったことを感じさせてくれました。

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養蚕日誌(6/9)掃立てから3日目

掃立て(給桑開始)から3日目の朝、カイコはすでに毛蚕(けご)と呼ばれる毛虫のような状態から、いっぱしのカイコの姿になっています。

1齢3日目に突入のカイコ

大きさも、二日前とは1.5倍ほどになっています。1齢とは言え、食べる量もなかなかのものです。食べ痕の葉は、まるで葉脈標本のようです。

カイコが食べたあとのクワの葉

あと丸1日くらい食べ続けて、最初の眠に入る見込みです。さらに1日半ほどで脱皮して、来週月曜日から火曜日には2齢となるでしょう。

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二度目の春

博物館のまわりのミズキやクマノミズキはいま、二度目の春を謳歌しています。

“今ごろ”瑞々しい新緑のミズキ

なぜ今ごろ春なのかというと、新緑瑞々しいはずの4月には、キアシドクガの幼虫に食べられてこんな状態だったからです。

4月下旬のミズキ(左)

葉脈の主脈(中央の一番太い葉脈)だけを残して食べ尽くされた葉は、下の写真のように休眠芽を揺り起こして成長させ、ふたたび展葉しました。

中央から休眠芽が成長して新しい葉を伸ばしつつあります(5月)

とはいえ、キアシドクガの大発生が5年も続き、木自体には相当ダメージを受けています。すでに枯れてしまった株もあります。
そんな中、異様なほど緑が復活している株が駐車場にあります。
一見、何事もなかったかのような復活のしかたですが、よく見ると通常のミズキの樹形ではありません。
なんと、枝がすべて枝垂れ(しだれ)状になっているのです。

異様に緑の濃いミズキ

枝垂れがなぜ起こるのかはよくわかっていません。ただ、通常の枝は全体として太陽光を効率よく受け取るために枝が上向きに伸びるよう、枝の付け根では上側の組織が強く太く成長します(上側の組織が下側を引っ張り上げることになります)。実際、年輪を見ると上側が広くなっています。それに比べて枝垂れの場合、年輪が上側も下側も同じ幅で、上側の組織が引っ張り上げる強度が無いために枝垂れることがわかっています。さらに、枝垂れの性質がある株に植物ホルモンの一種であるジベレリンを処置すると、枝垂れなくなることがわかっています。

“シダレ”ミズキ?

どうやら、度重なる食害によってホルモンバランスが崩れたために、枝垂れてしまったのではないかと考えられます。ちょっと興味深い現象ですね。

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養蚕日誌(6/7)掃立て=給桑開始!

昨日、続々とカイコの孵化が進みました。写真は昨日のようすです。

卵から頭を出したカイコ

頭が見えてしばらくじっとしているかと思うと、モゾモゾ動き出して、体をくねらせながら数分で殻から出てきます。

8割くらい出ました!

カイコの孵化が概ね出そろったので、本日(6月7日)、掃立て(はきたて)ました。掃立てとは、孵化したカイコを蚕座へ移して給桑を開始することです。なぜ掃立てと言うのかというと、たくさんの毛蚕(けご)と呼ばれる小さな蚕を移動させるのに、羽箒(はねぼうき)を使って掃き落としたからです。博物館ではそれほどの量ではないので、いきなり、刻んだクワの葉をそばに置いていきます。すると・・

クワの葉を置いた直後 置いた瞬間に小さなカイコの頭が葉の方へ振られます

何もしなくても、自然とカイコが寄ってきます。においを感知しているのでしょうか。ものの5分としないうちに、クワを食べ始めます。

あっというまに、カイコだらけになります

20分後、もう葉は穴だらけです。食欲旺盛ですね。

20分ほどで、食べ痕の穴がたくさんあいています

今は黒い頭ばかりが目立ちますが、夕方にはもう体の大きさが二回りくらい大きくなっているはずです。

孵化直後のカイコは毛蚕(けご)と呼ばれます

これから3日ほど食べ続けて、最初の眠(みん)に入り、脱皮の準備に入ります。約25日間の養蚕の始まりです!

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地上の星

博物館お隣の樹林地の一画では、今年も地上に星が降り注いでいます。

地上に降り注いだ星

地上に瞬く星の正体は、アカメガシワ(トウダイグサ科)の雄花です。
ほかの花々と同じく、例年よりも10日ほど早めの降臨です。

拡大すると、こんな感じです

アカメガシワは雌雄異株(雄木と雌木が別々の植物)で、雄木の花はこんなふうに咲きます。

アカメガシワの雄花

拡大すると、星がついています。

アカメガシワの雄花

雌木の花はこんな形をしています。柱頭の紅色がオシャレです。

アカメガシワの雌花

河原など、攪乱(かくらん)の激しい場所に真っ先に育つ先駆植物の一つです。この樹林地でも、ミズキと競うように大きく育っています。ただし、このところミズキがキアシドクガの食害で痛めつけられているせいか、アカメガシワがいっそう勢いを増していると感じるのは気のせいでしょうか・・。

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毒グモではありません

先日、カバキコマチグモという、ススキの葉を巻いて中に潜んでいるクモを「外来種ではないが、毒性がある種」としてご紹介しましたが、今日はこちら。

ちょっとわかりにくいですね。ススキの葉を2枚合わせてあります。

中を覗くと、何かいます。

正体はこれ。ヤハズハエトリというクモのメスです。
ヤハズハエトリは、ススキの葉の上でよく見られるクモで、網は張らずに徘徊して獲物を狩ります。人間を咬む事はありませんし、そのための毒もありません。
因みに、この隠れ家は、夜間身を守るためのテントのようなものです。
ところでこのクモ、ちょっと細長い形をしています。ハエトリグモの仲間でも、ススキの上で見られる何種かは同じような体型なので、ススキ=細長い、と、なんとなく納得してしまうのですが、よく考えると根拠がありません。本当のところ何故なんだろうと、時々不思議に思います。

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今年のカイコ、始まります!

今年も初夏のカイコの飼育が始まります。今日(6月5日)、蚕種(カイコの卵)が届きました。

蚕種(3000粒くらいあります!)

ぼやけた写真のように見えますが、ハトロン紙に包まれているためです。すでに少数が孵化していますが、おそらく、明後日にかけて全数が孵化するものと思われます。それまでは、紙に包んだままにしておき、出そろったところで給桑を開始します。
市内の小学校での出張授業も今日から始まりました。1校目は作の口小学校です。

作の口小3年生のみなさんへ、カイコの授業中

これからカイコを育てる期待と不安が入り交じる中、カイコを育てるのは農業であるということをみっちりとお話ししてきました。

真剣にきいてくれました!

博物館では、カイコの成長が安定する来週あたりから、飼育展示を開始する予定です。
これからしばらく、天気予報とにらめっこしながらクワの調達にいそしむ毎日になります。

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植物学教室「花の観察と植物画」第1回

強い夏の日差しが降り注いだ6月2日(土)、植物学教室「花の観察と植物画」の第1回目を実施しました。この講座は2週連続で、植物画家の豊田路子さんを講師にお招きしています。

はじめはみなさん、少し緊張気味です

こちらはお手本の、豊田さんの描かれた植物画です。実物大、背景を描かない、透明水彩で着色といった基本的な技術が解説されます。

お手本の植物画

学芸員の植物の話も途中に織り交ぜながら、1日で1枚の植物画を描く初心者向けの教室です。ほとんどの受講者のみなさんが、久しぶりに絵筆を持ったという方ばかりです。それでも、10時から16時までみっちりと集中して、しっかりと植物画を形にしてくれました。

描き始めると、みなさんでおしゃべりしながらなごやかに進みました

今回は草本(草)、第2回の来週は木本(木)を題材にします。どんな作品に仕上がったかは、来週またご紹介します。
※この教室は事前申込み制です。受付けは終了しています。

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