【伊勢との同時展も!】出張ミニ企画展「憲政擁護運動と尾崎行雄(咢堂)」

昨年、本市出身の政治家・尾崎行雄(咢堂)が議会史上に残る「桂内閣弾劾演説」を行ってから110年の節目にちなんだミニ企画展「憲政擁護運動と尾崎行雄(咢堂)」を当館で開催しました。

当館の展示をお見逃しの方や、もう一度展示をご覧になりたい方に朗報です!
好評いただいたこのミニ企画展を、本日1月27日(土)から尾崎の生誕地である市立尾崎咢堂記念館(緑区又野)で出張展示します。展示情報はこちらをご確認ください。

憲政擁護運動と尾崎行雄(咢堂)

第三次桂太郎内閣を倒閣に至らしめた「桂内閣弾劾演説」や、盟友・犬養毅とともに「憲政の二柱(ふたはしら)の神」と並び称された第一次護憲運動における尾崎の活躍を中心に紹介していますので、この機会にぜひ市立尾崎咢堂記念館へお出かけください。
(※パネル展示の内容は、昨年当館で開催したものと同一です。)

展示の様子

また、今回の出張ミニ企画展には、もうひとつ特別な意味合いが込められています。このブログをご覧の皆さまは、三重県伊勢市にも「尾崎咢堂記念館」があることはご存知でしょうか?
尾崎は本市で生まれた後に上京しますが、13歳の頃から2年半ほど伊勢で過ごした時期がありました。その当時に政治家になることを志し、第1回衆議院議員総選挙で三重県から立候補して初当選、のちに連続当選25回の偉業を成し遂げます。いわば、伊勢は尾崎の立身の地なのです。

尾崎咢堂記念館(三重県伊勢市)

このたび、縁あって伊勢市の尾崎咢堂記念館でもこのミニ企画展を開催することになりました!尾崎の生誕地である相模原、尾崎が政治家を志した伊勢、ふたつの「尾崎咢堂記念館」による同時展をたくさんの方にお楽しみいただければと思います。
本市とは展示期間が異なりますので、詳細はこちらをご覧いただき、あわせて伊勢市ホームページもご確認ください。

(歴史担当学芸員)

【休館のお知らせ】相模原市立博物館は館内エレベーターの改修工事のため、令和6年2月29日まで休館となります。休館期間中も職員は出勤しております。電話や電子メールなどは通常どおりつながります。また、休館期間の学芸員の活動の様子などはこのブログや、SNSなどで発信してまいります。ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をいただきますようお願いします。

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1月星空情報②「カノープス」

冬の夜空には多くの一等星が輝いています。
この中の星をいくつか結ぶことで、この時期の夜空のシンボル「冬の大三角」と「冬のダイヤモンド」を作ることができます。

冬の大三角
(相模原市立博物館天文クラブ会員 撮影)

冬のダイヤモンド
(当館職員 撮影)

そして、そのいずれにも使われていない一等星、
それが今回ご紹介する「カノープス」です。

相模原から見たカノープス
(当館職員 撮影)

この時期、南の空で見頃になるカノープスですが、相模原市内から見る空では、地平線に近いところまでしか昇りません。そのため、相模原市内で目にする際は、南の低い空が見渡せるところを探す必要があります。

カノープスは全星座の中で二番目に明るく輝く白い星です。しかしながら、相模原市内から実際に目にすると少し暗めの赤っぽい星として見えます。空の低い位置に見える星は、夕日が赤く見えるのと同じように地球大気の影響などにより、本来の明るさや色と比べて暗く赤っぽく見えるようになります。

カノープスを見つけるには、冬の大三角や「シリウス」を目印に使うと探しやすくなります。

カノープスの探し方
(当館職員 撮影)

また、見頃となる時間はわずかなため、南の空に昇る時間帯を調べておくのも大切です。相模原市内の空で、カノープスが真南に見える時間は以下になります。

1月20日 22時07分頃

2月1日  21時20分頃

2月10日 20時45分頃

2月20日 20時06分頃

中国では、カノープスを見た人は長生きできると伝えられています。
めったに見えないことから、このような伝説が作られたのかもしれません。
今月と来月はカノープス探しにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
(当館プラネタリウム解説員)

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光明学園相模原高校理科研究部が文部科学大臣賞受賞を市長へ報告

1月23日、昨年11月29日に行われた第57回全国野生生物保護活動発表大会(環境省、公益財団法人日本鳥類保護連盟主催)において文部科学大臣賞を受賞した光明学園相模原高等学校理科研究部が、本村賢太郎相模原市長へ受賞の報告を行いました。

特別応接室(相模原市役所本庁舎)での面会の様子

理科研究部の発表テーマは、「STOP!クリハラリス~特定外来生物の分布を抑えるために~」で、昨年11月に当館で開催した「学びの収穫祭」でも発表されたものです。高校生たちが進めてきた地道な調査と、解剖を含めた食性分析などの研究成果が、特定外来生物の分布拡大を食い止めるための基礎的なデータとなるという説明に、本村市長も大変興味を持たれていました。

説明に聴き入る本村市長(左)

部員のみなさんは、緊張しながらも調査の様子やクリハラリスの生態についての質問などにしっかりとこたえていました。

部員のみなさんと本村市長で記念撮影

今回の活動発表を、じかに聴くチャンスもあります。2月25日(日)の午後、相模原教育会館3階大会議室で開催される「さがみはら生物多様性シンポジウム 身近な生物多様性を考える」(さがみはら生物多様性ネットワーク主催)で、理科研究部が発表を行います。お申込みは、同ネットワーク(相模原市水みどり環境課内:042-760-8242)へお問い合わせください。
なお、理科研究部の活動は、クリハラリスの分布拡大に危機感を抱く大学など研究機関、行政、そして当館など組織する「クリハラリス情報ネットワーク」と連携して行っています。相模原市域は、クリハラリス分布拡大の水際線が迫っている、いわば最前線です。そうした危機感から、当館ではこのネットワークと共にクリハラリスや分布の状況、対策などを紹介する展示を3月下旬から計画しています。理科研究部をはじめ、さらに多くの調査研究成果を紹介する予定です。
(生物担当学芸員)

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鵜野森柏木北遺跡 発掘調査の様子

現在、発掘調査中の鵜野森柏木北遺跡について、1月18日に現地を見学してきました。

発掘現場は南区にある古淵鵜野森公園の西側です。
実際に発掘調査をしている場所はA、B区の2か所です。

A区の様子

A区では、古代の住まいが2軒、調査されていました。

写真に写っている黒い棒状のものは、当時の屋根材が燃えて炭化したものと考えられます。

炭になった屋根材と焼けた土(赤い土)

 

 

B区でも住まいを調査していました。

B区の様子

 

古代の焼き物である土師器(はじき)、須恵器(すえき)が出土しています。

現地公開は27日に予定どおり行われ、盛況のうちに終了しました。

鵜野森柏木北遺跡 現地公開チラシ

博物館ホームページや職員ブログでも案内しております。
博物館ホームページ 職員ブログ

鵜野森柏木北遺跡の人々がどのような生活をしていたのか、部分的ではありますが発掘調査の現場から知ることができる貴重な機会です。この機会にぜひお越しください。

博物館では平成15年に付近で行った発掘調査の出土品が保管されており、いつもは公開しておりません。
発掘調査の現地公開に合わせて、調査現場で展示しますので、こちらもぜひご覧ください。

(考古担当学芸員)

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的祭の的踏みと弓矢づくり

今年は、4年ぶりに中央区田名八幡宮で的祭(まとまち)が開催されました。

的祭は、毎年1月6日に、地域の4人の子どもたちが、順番に大きな的に向かって弓で矢を射て、その結果で新年を占う行事です。

的祭について過去のブログはこちら

今年は6日が土曜日だったこともあり、多くの見学者が集まりました。

(令和6年1月6日撮影)

今回、的祭で使用する的や弓矢作りの様子を見学させていただきました。

的祭で使用する的と弓矢は作る家が決まっています。
過去にはご近所の親戚の方と一緒に作り、1日がかりで仕上げたそうですが、今回はおひとりで作られたため、3日から始めて、祭り当日6日の11時頃までかかりました。

(令和6年1月4日撮影)

的に使う葦は、入手が難しくなっており、現在では市販されているヨシズを解体して使用しています。
葦を叩いて割って、広げた状態にし、網代に編んでいきます。この的作りは的踏み(まとふみ)と呼ばれます。

(令和6年1月5日撮影)

上の写真は、円形に切った的の上に障子紙を貼っているところです。
鍋に入っているのは糊で、小麦と水を煮詰めて作ります。
この糊が乾いた後、炭で的の円を書いていきます。

(令和6年1月5日撮影)

的の円を書く炭は、ナスの茎(ナスガラ)を焼いた灰に、墨汁を混ぜて作ります。
ナスガラの灰を入れる理由を尋ねたところ、墨汁だけだとかすれてしまうからだそうです。

(令和6年1月6日撮影)

できあがった的は、祭りの当日の朝、役員氏子の人々に渡されました。

 

(令和6年1月6日撮影)

矢は篠竹を使います。
上の写真は、彫刻刀で切れ目を入れたところに、半紙で作った矢羽根を入れています。
本来なら「肥後守」(折りたたみ式ナイフ)の方が使いやすいそうですが、現在では入手が難しいため、カッターや彫刻刀を使って作業をしています。

また、弓には桑を使います。
桑は一時期、手に入らなくなったので、その時は榎(えのき)を使っていたそうです。
田名は養蚕が盛んな土地だったので、桑が入手できなくなった時期があったとは意外です。

現在では、役員氏子が桑と篠竹を用意しており、的祭に使うものは葦以外は全て田名産のものを使っています。

今回、的・弓2本・矢4本・参加したこども達へ贈る記念用の弓4本が作られました。

最後に弓矢を熨斗に包みます。(令和6年1月6日撮影)

 

田名の的祭は相模原市を代表する行事として、市の無形民俗文化財に指定されています。

毎年同じように実施しているように見えますが、携わる人々や地域の事情などから少しずつ変化しています。
今回の調査でも、『相模原市史 民俗編』に記録された内容と比較すると変化している点がいくつもありました。

今後も様々な観点から、市域の民俗や行事について取り上げていきたいと思います。

(民俗担当学芸員)

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保育園で鳥のおはなし

1月19日、いつも博物館を利用してくれている、ご近所の保育園「大野村いつきの保育園」で、鳥のおはなしをしてきました。毎年、そのクラスの子たちが興味を持ったことについてとことん調べたり体験したりして、その成果は学びの収穫祭でも発表され、多くのみなさんの注目を集めました。
今回は、特に4歳児クラスのみなさんが鳥に興味を持っていて、5歳児クラスも、もともと生きものに興味のある子が多いということで、合同でお話しを聴いてもらいました。

オオタカ、カルガモ、ヤマシギの標本を持ち込んだところ、興味津々

保育園児を相手にどんなお話しをするかというと、内容は鳥の生物学的な特徴と進化、そして、形態から探る食性や生活の様子についてです。こう書くとすごく専門的な内容に感じられますが・・実際にかなり専門的なお話しをしました。もちろん、切り口や言葉は4歳から6歳の子どもたちが受け入れられるよう工夫しました。

標本を間近で見て、改めていろいろな発見や新たな発見があったようです

いろいろな質問も出て、鳥の視力や見え方についてもお話ししたときには、人間の見え方と鳥の見え方の違いを体を使って確認したり・・

どこまで見えるかな?

子どもたちからも、ふだん野外活動をしている近くの森の中で聴いた鳥たちの合唱を、実際に再現してくれるというサプライズもありました。

鳥たちの合唱の再現!

なんと!その合唱から、ヒヨドリ、シジュウカラ、ヤマガラ、メジロが含まれているのを聴き取ることができました。
最後に記念撮影をしたのですが、ここまで連続90分!。ここまで集中できるのはおそらく、ふだんから大人との信頼関係が培われているからだと思います。

記念撮影!

帰りがけには、園庭で遊んでいた3歳児のみなさんも駆け寄って来てくれました。

3歳児のみなさんも興味津々

興味津々の様子に、またここでいろいろな生きものの話しをしたいと思いました。
(生物担当学芸員)

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硬度計修復作業

1月13日(土)にボランティアグループの相模原地質研究会と一緒に鉱物の硬度計の修復作業を行いました。

硬度計といっても硬度(硬さ)を測定する器具や器械ではありません。硬さの基準となる10種類の鉱物を1セットにしたものを硬度計と呼んでいます。一般に使われているのはドイツの鉱物学者モースによって選定された次の鉱物からなるモース硬度計です。

硬度1:滑石(かっせき)、硬度2:石膏(せっこう)、硬度3:方解石(ほうかいせき)、硬度4:蛍石(ほたるいし)、硬度5:燐灰石(りんかいせき)、硬度6:正長石(せいちょうせき)、硬度7:石英(せきえい)、硬度8:トパーズ、硬度9:コランダム、硬度10:ダイヤモンド

今回修復した硬度計は、お茶の水女子大学から寄贈された岩石や鉱物標本に含まれていたもので、昭和初期のものではないかと考えられます。

モース硬度計の外箱

ふたを開けたところ。この硬度計には硬度10のダイヤモンドは含まれていません。

箱が汚れていたり壊れたりしているので、修復作業を行いました。はずすことができるパーツはバラバラにして、ブラシや雑巾で汚れやカビを拭き取りました。

標本の下にあった綿は新しいものと取り替えました。

標本はブラシで擦って、水洗いをしました。

箱のパーツは細かいところまで作り込まれており、全てのパーツに上下左右や裏表があるのですが、ちょっとした違いなのでよく見ないと気がつきません。この箱の組み立てが一番難しく、作業がはかどりませんでした。

箱の部品は細部までこだわって作られており、当時の職人技に感服しました。

鉱物標本の状態はとても良かったので、標本だけを残しておいて、箱は捨てることも考えましたが、丁寧に作られた箱を捨てるのはもったいなく思われたので修復することにしました。

なかなか作業が進みませんが少しずつ修復して、約10セットある硬度計をすべて元の状態に近づけたいと思います。

(地質担当学芸員)

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事件現場

1月18日、職員の一人から、駐車場に鳥の羽が散乱していると連絡がありました。早速見に行くと、まだ事件発生からあまり時間が経っていないと思われる現場がありました。

地面に散らばった羽

被害者はキジバトです。加害者は、おそらくオオタカなどのタカ類と推測できます。

キジバトの、翼についている羽(風切羽)

時間があまり経っていないことは、乾燥してフワフワの状態の羽が、まとまって落ちていることからわかります。夜露に濡れた様子は無いので本日の日中であり、極めて軽い羽(体羽)がまとまっていることから、風に飛ばされておらず、事件から間もないことがわかります。
とりあえず目立つ羽を拾い集めました。

すべては拾いきれませんでしたが、目立つ羽は概ね拾い集めました

タカの仲間は、狩りで仕留めた獲物をその場で食べることはあまりありません。お気に入りの食事場所があり、そこまで運びます。その際、運ぶのに邪魔になる、翼に付いた大きな羽や、尾羽を抜き取ってから運びます。そのために、こうした羽が一カ所に散らばることになるのです。一方、ネコなどの哺乳類は羽だけ抜き取るようなことはせず、丸ごと運ぶか、場合によって翼ごと引きちぎったりするため、血痕が残ります。そうしたことから、今回はそのような痕跡が無いため、タカ類の食痕(しょっこん)だと判断できるのです。

キジバト

館内に持ち帰り、翼の羽と尾羽だけ抜き出して並べてみました(並べ方はかなり適当で、必ずしも順番に並んではいません)。

翼の羽(上)と尾羽(下)を並べたところ

尾羽はすべて(12枚)ありましたが、翼の方は、特に初列風切(しょれつかざきり)の一番外側の大きな羽が両翼ともありませんでした。尾羽はあっさり抜ける構造になっている一方、風切羽は筋肉に埋め込まれるように付いているため抜くのにそれなりに力が必要です。外側の大きな羽は抜きにくかったのかもしれません。
野生動物のこうした痕跡をフィールドサインと呼びます。いろいろなことを想像しながらフィールドサインを観察するのはとても楽しいですね。
(生物担当学芸員)

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【きょうは何の日?】毎月19日は「食育の日」

「食育」とは、様々な経験を通じて“食”に関する知識と選択する力を身につけることです。このブログをご覧の皆さまは、日頃の食事についてどのくらい意識されているでしょうか?

毎月19日は「食育の日」として、国・地方公共団体・関係団体などが協力して食育の普及に取り組むことが食育推進基本計画で定められています。
ちなみに、諸説ある食育の日の由来はなんと語呂合わせで、食育の「食(しょく)」がそれぞれ「しょ→初→1」「く→9」と読めるから、また「育(いく)」が「19」を連想させるからとのことです。語呂合わせ以外だと、「食育推進会議」の第1回目が2005(平成17)年10月19日に開催されたことにも由来します。

本日1月19日は今月の食育の日ということで、当館の所蔵資料紹介を交えて“食育”のお話をしたいと思います。

相模原市食育推進マスコットキャラクター サガピー

相模原市のホームページでは食育に関するページが設けられており、本市の取り組みや相模原市食育推進マスコットキャラクターの“サガピー”が紹介されています。その中で、行事食や郷土料理を知ることで、食に関する興味を深め、食に関わる人への感謝の心を育むことが期待できるとあることから、本市の郷土料理・酒まんじゅうの関連資料を紹介します。

酒まんじゅうの包み紙

これは、市域(当時は津久井郡相模湖町)の和菓子屋さんの包み紙です。中央の「酒まんじゅう」という文字とともに縁起の良いモチーフが印字されています。お店で買った酒まんじゅうなどがこの袋に入れて手渡されていたのでしょう。いつ頃のものか正確な年代はわかりませんが、記載されている電話番号などから、少なくとも全国的に自動電話交換機に移行する1979(昭和54)年より前のものと思われます。
なお、酒まんじゅう作りについては以前のブログで紹介しており、市ホームページにもレシピが公開されているので、ご興味がある方はぜひ挑戦してみてください。「まんじゅう笊(ざる)」などの酒まんじゅう作りに関係する道具もこちらで紹介しています。

続いて、本市の特産品を知ることも食育につながるため、相模川の名物・鮎(あゆ)にちなんだ「鮎せんべい」の掛け紙を紹介します。

鮎せんべいの掛け紙(落ち着いたトーンのもの)

鮎せんべいの掛け紙(色鮮やかなもの)

こちらは津久井地域の和菓子屋さんのもので、デザイン違いが2種類あります。鮎といえば、例年6月になると漁が解禁される相模川の夏の風物詩です。泳いでいる鮎の姿が涼し気ですね。この「鮎せんべい」は、鮎をかたどったものなのか、鮎を原材料に用いたのか、掛け紙からだけでは定かではありませんが、現在でも市内で鮎せんべいを取り扱う別のお店があるようです。
この掛け紙と酒まんじゅうの包み紙は、昨年開催した市史ミニ展示でお馴染みの本市出身の郷土史家・鈴木重光氏コレクションから紹介しました。

最後はちょっと強引かもしれませんが、食料保存の歴史を知ることも食育の一環ということで、こちらの資料を紹介します。

氷冷蔵庫(昭和前期)

当館自然・歴史展示室「地域の変貌」コーナーにある昭和前期の氷冷蔵庫です。今や現役で使われていたところを見たことがある方もかなり少ないのではないでしょうか。
せっかくなので、特別に扉を開けてみましょう!

開けると中には…?(※通常は開くことができません。)

中に入っているのは美味しそうな本物のスイカ…ではなく、食品サンプルです。また、上段に入っている透明な塊が氷を再現したものです。電気冷蔵庫が普及する前は氷の力で食べ物を新鮮に保存していたことを伝えるため、小学校の来館学習などではこうして特別に中を開けて見せることがあります。そうすると、開けた瞬間は決まって児童の皆さんの元気な歓声が上がる、当館の人気資料のひとつです。

現代では技術の進歩や交通網の発達によって、氷冷蔵庫の時代よりも長く食材の鮮度を保つことができるようになりました。また、食に対する様々な研究が進み、わたしたちをとりまく環境の中で食事の選択肢も増えました。
「食育の日」をきっかけに“食”への関心を高め、美味しく健康的に日々の食事をいただきましょう。

(歴史担当学芸員)

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オシドリの求愛

市内南区下溝の相模原沈殿池では今、オシドリの“華麗なる争い”が見られています。
オシドリをはじめとして、カモの仲間の多くは越冬地でつがいとなる相手を獲得しなくてはいけません。一般には春から夏にかけて美しい繁殖羽になる他の野鳥と真逆ですが、夏が短い北方で繁殖するカモ類の戦略なのでしょう。
さて、オシドリのオスはどのようにメスを獲得するのでしょうか。まず、オスが水面に浮かぶメスの前に回り込みます。

メス(左)の前へ回り込もうとするオス

すると、オスは首を伸ばして頭を少し下に傾けます、頭の飾り羽を膨らませて強調しているのでしょう。もちろん、翼の銀杏羽(いちょうばね)もピンと立てます。この動作を何度も繰り返します。

「キメ」のポーズ! しかしメスはそしらぬ顔・・

オシドリのオスが持つ、きらびやかな色彩と飾り羽がここで最大限に強調されるのですが、人間から見るとちょっとユーモラスです。1羽のオスがそんな風にしていると、当然、周りのオスも黙ってはいられません。次々のやってきてメスを取り囲みます。

複数のオスが取り囲んでポーズを決めます

メスは迷惑そう?にそっぽを向くのですが、オスは必死です。他のオスを追い払ったりしながら、懸命にダンスを続けます。
そのうち、こうしたオス同士の攻防を見て見ぬふりをしているメスも、ダンスのうまさか、飾り羽の大きさか、はたまた他のオスより強そうか・・判断基準はわかりませんが、1羽のオスとペアになります。そうすると2羽が連れ添って泳ぐようになります。優雅なその様子が仲の良い夫婦を指す「おしどり夫婦」の言葉になったのでしょう。
近くではウメも花盛りを迎えようとしていて、寒風の中にも春が近づいていることを感じさせてくれます。

ウメの花

蛇足になりますが、オシドリのオスが毎年、こうして求愛合戦を繰り広げるということは・・オシドリのつがい関係は1年限り、というか、メスが産卵を終えると解消されます。抱卵・育雛はメスのみが行い、オスは関与しません。そんな生態を知ってしまうと、おしどり夫婦という言葉も安易に使えなくなってしまいますね。
(生物担当学芸員)

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