生きものミニサロン 傘をさして自然観察!を実施しました

7月16日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。あいにく、外は土砂降りの雨です。でも、そんな中でも生きものたちは野外で生活していますし、雨の日は雨の日なりの自然を見ることができます。そこで、博物館正面入り口のアプローチの、屋根のある場所を中心に生きもの観察を行いました。

博物館入口のアプローチ

観察は、「生きものビンゴ」にチャレンジしながら進めます。自分でランダムに1~16の番号をマス目に書き入れてから、16個のお題にチャレンジします。

生きものビンゴ

例えば「ザラザラしている葉っぱ」というお題は、アプローチの脇にこんな植物があるのをご案内しました(雨脚が強かったので、なるべくヒントを出しました)。

ケヤキの葉

ケヤキの幼樹です。幼樹のころの葉は、とてもザラついています。実際に触ってくれた参加者から「ザラッザラ!」と声が上がりました。見つかった番号に〇をつけます。

見つけた番号に〇をつけて

さらに、「真っ白い虫」というお題では、コナラの枝にこんな虫を見つけてくれました。

アオバハゴロモの幼虫

アオバハゴロモの幼虫です。真っ白い虫ってあまり見ないのですが、この虫はカンペキな真っ白ですね。
そのほかにも「着ている服と同じ色の花」や「まきヒゲでからみつく、つる植物」など、しっかり探さないと見つからないお題にもチャレンジしてもらいました。
すこーし雨脚が弱くなったのを見計らい、屋根の無い場所にちょっと出て、ちょうど咲いていたヤマユリのにおいをかいでもらいました。

暈をさして自然観察!

花が終わりかけているのと、大雨でちょっとにおいは淡かったのですが、「甘いにおい」といってくれた参加者がいました。こちらは、「好きなにおいの葉っぱか花」「きらいなにおいの葉っぱか花」のどちらかに〇をつけてもらいました。
最後はチャレンジナンバー17番で「雨の音を文字でかいてみてください」というお題です。「ザーザー」や、「バラバラ」など、今日の雨音らしい表現をしてくれました。このナンバーは好きなマスに入れてよいことになっています。全員が2つ以上のビンゴを達成して終了しました。
次回は8月27日(土)12時から実施の予定です。

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カイコの産卵

7月13日に羽化したカイコの成虫2匹は、オスとメスでした。せっかくなので半日ほど交尾させました。

交尾するカイコのオス(左)とメス(右)

その後、オスとメスを離してメスを紙の上に置いて産卵させました。オスとメスを離すときはちょっとコツがいります。オスの交尾器がかぎ状になっていてメスをがっちりとつなぎとめているため、そのまま引っ張るとメスが怪我をしてしまいます。そのため、オスとメスの腹部をつまんで、少しねじるようにしながら引くと、スムーズに離れます。
そうしてメスを産卵させる紙の上へ乗せます。すると・・

産卵するカイコ

丁寧に1卵ずつ、重なり合わないように産みつけていきます。

産卵するカイコ

1晩かけて産んだ卵は約600粒。

7月15日朝、産み終わりました

この卵や、オス、産卵後のメスは7月15日から来週前半くらいまで展示します。カイコの成虫は食べるための口が無いため、産み終えたカイコは、このまま衰弱して1週間ほどで死んでしまいます。ふ化してから6週間ほどの間に劇的な成長と命の営みを見せてくれたカイコの姿を、ご来館の際にはぜひご覧ください。

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「アイドルマスター SideM」×相模原市、本日スタート!

人気ゲーム「アイドルマスター SideM」に登場するアイドルと、「宇宙を感じられるまち」としての相模原市とのコラボ、「アイドルマスター SideM」×相模原市、本日スタートです!

「アイドルマスター SideM」に登場する315プロダクションの「Jupiter」と「DRAMATIC STARS」のユニット名が宇宙にちなんでいることから、宇宙を感じられるまち相模原をPRします。
コラボを記念して、相模原市立博物館と淵野辺駅周辺の参加店舗を利用していただいた方に特製クリアカードをプレゼント。また、各所にアイドルのパネルが登場します。
当館ではこちら、火星探査機「のぞみ」地上実験機モデルの横に、特別衣装のスペシャルパネルが設置されました!8月31日まで設置の予定です。

そして、なんといってもこちらのクリアカード!

プラネタリウム(おためしタイムを除く)を観覧いただいた方に1枚ずつ差し上げます。
初日の本日7月15日は「HAYABUSA2REBORN~帰還バージョン」を13時から追加上映することになりました。クリアカードの数に限りがありますので、ご希望の方はお早めにお越しください。配布状況などは当館公式Twitterでも随時お知らせしますので、そちらもぜひご覧ください。

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カイコが羽化しました!

6月1日から育てているカイコは2週間前に繭をつくりました。その中から3粒だけ繭を乾燥させずに展示していたところ、7月13日夜、2匹が羽化しました。

7月13日に羽化したカイコ

成虫のカイコは翅(はね)はありますが、飛べません。指にのせるとしっかりつかまって動かないので、手乗りカイコになります。とてもかわいいですね。
いつもカイコを観察に来てくれる、ご近所の大野村いつきの保育園へお知らせしたところ、早速見に来てくれました。

早速駆けつけてくれた、大野村いつきの保育園のみなさん

とても熱心に観察していたので、手乗りカイコを体験してもらいました。

手乗りカイコ!

さらに、ちょうどオスとメスが羽化したので、交尾の瞬間を見てもらいました。フェロモンに誘われてオスが近づき、メスとオスがピタッとくっついた瞬間は、歓声が上がりました。

交尾の瞬間

最後に、記念撮影!

記念撮影

園児のみなさんは、生命の不思議を観察してどのように受け止めたでしょうか。感想をお聞きするのが楽しみです!

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市民学芸員かわら版「リニューアル相模原」を掲示中!

1階の自販機のあるコーナーでは現在、市民学芸員によるかわら版「リニューアル相模原 ~変ぼうするあの場所~」を掲示中です。

今回は、橋本駅、相模原駅、相模大野駅周辺の過去・現在・未来の姿を写真などで紹介しています。大きく姿が変わっていく街の様子に、改めて驚かされます。

小さなコーナーですが、充実した内容となっています。

博物館へお越しの際は、ぜひこちらもご覧ください!

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ヤマユリが見ごろです

今年も博物館の前庭のヤマユリが見ごろになりました。

博物館前庭に咲くヤマユリ

一輪だけでも大きな花なのに、7月12日現在、4輪咲いています。まだつぼみも2つあるので、数日中に6輪の花が見られることになりそうです。

4輪の花と2つのつぼみがつきました

花がちょっと重そうなので、茎の途中で支えを当てています。
市内でも川沿いの斜面地や、林道、登山道脇の法面などに自生しています。斜面なら、下へ向かって垂れるように咲くので問題ありませんが、博物館に植えられたものは平らな場所なので、そのまま支えを当てないでいると、花が地面に着いてしまいます。
見ごろは今週いっぱいくらいなので、博物館へ来られたら前庭(国旗や市旗を掲げるポールの裏あたり)をぜひご覧ください。

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フクロウの食べ物を調べる

7月10日午後、博物館に相模原市自然環境観察員制度の有志のみなさんや、光明学園相模原高校理科研究部のみなさんなどが集まりました。目的は、この鳥、フクロウの食べ物を調べるためです。

フクロウの巣立ちビナ

上の写真は巣立ったばかりの幼鳥です。親鳥が巣の中へ運び込んだ餌は、ヒナが食べると、骨などの不消化物はお団子のようにして口から吐き出されます。そうした「残り物」を調べることによって、フクロウが子育てにどのような餌を利用しているのかがわかります。
この巣内の残り物は、公益財団法人日本鳥類保護連盟が全国各地に設置したフクロウ用の巣箱から回収されたもので、その拾い出しや分析を、有志のみなさんとこれから勉強しながら進めていこうとしています。今回はその最初の勉強会です。まず、高槻成紀さん(麻布大学いのちの博物館)から、フクロウの体の構造や餌の分析からわかることについて講義を受けました。

両目で立体視していることを確認しています

続いて、実際に試料を机に出して骨を拾い出します。

みんなで協力して試料を仕分けします

高槻さんによるすばらしい線画の資料が配られているので、骨一つでも「何の、どこの」骨かが意外とわかるものです。

高槻さんによる線画の資料

仕分けされた試料をラベルとともに小袋に入れていきます。

だんだんと目が慣れてきて、作業が進みます

巣箱の設置された環境によって、餌の種類や比率が違うことが予測されます。どのような結果になるか、楽しみですね。
終了後には、参加していた大学生が、高校生たちから進路相談の質問攻めに。

即席の進路相談

こんな光景も久しぶりです。リモートでできることもたくさん「発見」できたこの2年ですが、やはり、実際に顔を合わせてこそできることがあると、再確認しました。

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博物館収蔵資料紹介~最近見ない調理具

今回取り上げるのは、かつてはよくあったのに、最近は台所であまり見かけなくなった調理用の道具です。

最初の写真は、「鰹節(かつおぶし)削り」です。鰹節は昆布(こんぶ)などと並び、和食には欠かせない出汁(だし)用の食材ですが、引き出しの付いた箱の上に鉋(かんな)の刃を乗せ、手で鰹節を押さえて前後に動かしながら削っていくと箱の引き出しの中に削られた鰹節が溜まります。

中央区星が丘の方から寄贈いただいたもので、写真で鉋の上に置いた鰹節も一緒に寄贈されました。朝起きると、味噌汁などに使う鰹節を削ったという思い出を持つ方も多いのではないでしょうか。                  

 

次の写真は、胡麻(ごま)やとろろ等をすりつぶしたり、和え物(あえもの)を混ぜたりするのに使う「すりばち」と「すりこぎ」(収集地・中央区田名)です。すりばちは陶製の鉢で、内側に細かい筋目が付いています。そして、木製のすりこぎでかき混ぜていきます。これらが広く普及したのは中世からで、すりつぶして食べる調理法は新しい食文化をもたらしたと言われています。                     

 

ところてんは、暑い夏場の食べ物として親しまれ、原料となる「てんぐさ」を煮だして固めたものを麺(めん)のように切って、酢じょうゆなどで食べます。次の写真はところてんを麺状に切る「ところてんつき」(緑区大島)で、箱の口から固まったところてんを入れて棒で突くと、箱の先に格子状の金属の網が張ってあり、細長く切れて押し出されてきます。

ところてんつきは、どの家にもあったわけではなかったようですが、それでも博物館には他の家から寄贈されたものがいくつかあります。                                    

 

今回紹介したのはいずれも調理の時に使う道具ですが、少し前には現代のように多くのものを手軽に買って食べるのではなく、自ら手間をかけて作っていた時代があったことを教えてくれます。

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カエンタケ

7月7日、市内緑区でカエンタケが出ているとの情報があり、調査に行ってきました。丘陵地の遊歩道の真ん中に、真っ赤なカエンタケが出ていました。

カエンタケ

形は様々なで、大きなもの(と言っても高さ5センチメートルほどですが)人の手のひらが地面から突き出たようにも見えてちょっと不気味です。このキノコは猛毒で、食べると死に至ることもあるそうです。また、触れただけでも激しい炎症を起こすことがあると言われる危険なキノコです。

カエンタケ

事故があってはいけないので、今回見つかったカエンタケはすべて採集し、博物館の標本にすることにしました。

コナラの根から4株見つかりました

アリがカエンタケの上に登っていましたが、アリは触れても問題無いようですね。

アリがカエンタケに登っていました

ちなみにカエンタケは、かつてかなり珍しいキノコでした。それがここ数年、県内でもあちこちで見つかっています。どうやら、ナラ枯れと関連があるようで、ナラ枯れ病に侵された樹木について出ています。今回のカエンタケも、ナラ枯れ病のコナラの根から出ていました。今後、市内の緑地で頻繁に見られる可能性があります。このようなキノコを見つけても絶対に触らないよう、お気を付けください。

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段丘礫、出張中!

相模原市立博物館所蔵の段丘礫の標本が、神奈川県立生命の星・地球博物館へ出張中です。令和4年7月16日から11月6日まで開催される特別展「みどころ沢山!かながわの大地」で展示されるためです。

相模原(相模野)台地は相模川沿いに発達した階段状の地形である河岸段丘(かがんだんきゅう)が特徴です。相模原台地の河岸段丘は段丘礫層(だんきゅうれきそう)と関東ローム層で構成されています。

上空から見た相模原台地。画面中央やや左を流れるのが相模川。上流方向を望む。

画面下半分が段丘礫層、上半分が関東ローム層。

段丘礫層はかつての川原の石ころの地層で、数万年前に相模川が上流から運んできて川原に堆積したものです。関東ローム層は箱根山や富士山から噴出した火山灰が少しづつ降り積もってできた地層です。

段丘礫層は相模原台地だけでなく、神奈川県の大地の成り立ちを考える上でとても重要な地層です。

段丘礫層。

相模原市立博物館所蔵の段丘礫の標本。

相模原市立博物館には相模原台地を構成する段丘礫層が所蔵されており、そのうちの4セットを神奈川県立生命の星・地球博物館へ貸し出しました。どのように展示されるのか、とても楽しみです。

機会があれば、神奈川県立生命の星・地球博物館にお立ち寄りいただき、出張中の礫たちの活躍をご覧いただければと思います。

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