カイコは2回目の眠、そして脱皮、3齢へ

6月8日、ほとんどのカイコが眠(みん)に入りました。

2回目の眠に入ったカイコ

そして本日、6月9日、ぼちぼち、脱皮をして3齢になっています。給桑開始から9日目です。3齢のカイコは、それまでと大きく異なる部分があります。それは、頭部です。

3齢に脱皮したカイコ(頭部がベージュ色です)

2齢までは真っ黒な頭ですが、3齢になるとベージュ色になります。最初の写真で、はずれかけた頭部の殻が前へずれているのがわかります。これは、眠に入っている印にもなります。3齢になると体長が2センチメートルほどになり、扱いやすくなります。そのぶん食べる量も増えるので、これからせっせとクワを取ってくる毎日となります。

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撤収完了!がろあむし展

6月5日までの会期だった舘野鴻絵本原画展「がろあむし 描かれた相模原の自然」は無事に終了しました。6月7日は、1日かけて撤収を行いました。

撤収作業もみんなでやると楽しい!

設営・列品の時と同様、舘野さんの本の編集者やお弟子さんなど関係者が集まり、作業を進めてくれました。下の写真は会期中の原画展示の様子です。

会期中の原画展示

それが、撤収を始めてから1時間もかからないうちに、すべて撤収。箱に収められました。

撤収後

この印象的な導線の空間も、見納めです。

大人気だったプロムナード

上を覆っていたオーガンジー布を取り外したところで、記念撮影。

撤収に集まったみなさんで記念撮影!

取り外した長さ8メートルの超特大複製図は、丁寧に巻かれていきました。

長さ8メートルの複製図を巻いています

午前中にはほとんどの展示資料の撤収が完了し、午後はさまざまな演出装置や、演示台の片づけなどが進み、午後3時半くらいには解散となりました。あっという間の撤収は寂しい気持ちもあるものの、これでまた次の企画に向けて動くことができます。
撤収にご協力いただいたみなさま、ありがとうございました!

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がろあむし展最終日、舘野さんは語る

6月5日、舘野鴻絵本原画展「がろあむし 描かれた相模原の自然」がいよいよ最終日を迎えました。開館と同時に、展示室内には何やら熱気があふれています。

朝イチバンからたくさんの観覧者にお越しいただきました

それもそのはず、突如開催が決まった舘野鴻トークショー第2弾「舘野鴻の仕事、これから」が11時から実施されるためです。会期初日のトークショーでは『がろあむし』の朗読、そして制作秘話などが語られました。今回は、舘野さんが今、取り組んでいる仕事や、構想が進んでいる本のお話をじっくり聴くことができました。

密度の高いトークです

その構想は、今年秋に発売となる本から、なんと10年以上先の刊行計画にも及びました。それにしても、これだけの仕事を同時進行しているとは、作家の驚くべき創作意欲と言うしかありません。

3月と異なり、今回は左手のギブスも取れました!

終了後はもちろん、サイン会です。

トークショーの前後はサイン会です

舘野さんはこの5月に立て続けに3作品を世に送り出しました。まだまだ広がる舘野鴻ワールドの今後にも期待ですね。
さて、トークショー終了後には、舘野さんと共に調査に入り、土壌動物の美しい写真をたくさん撮影された吉田譲さんも在室して、知られざる小さな生きものたちの魅力について語ってくれていました。

吉田さんによる写真の解説

音楽活動もされていた舘野さんの、即席ミニライブ・・といきたいところでしたが、腕を怪我された影響で、まだ本格的な演奏とはいきませんでした。でも、ちょっとしたサプライズに会場が盛り上がりました。

サックスプレーヤーでもある舘野さん

原画だけでなく、調査地の土壌動物の写真、ガロアムシの生息地の地質、制作過程を垣間見ることのできるラフ画、そして超拡大複製図の写真コーナーなど、いつもとちょっと違う雰囲気の博物館展示となりました。全面的にご協力いただいた舘野さん、吉田さん、そしてご協力いただいたすべてのみなさま、ありがとうございました!

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博物館収蔵資料紹介~菓子作り道具②

本ブログ「博物館収蔵資料紹介」の初回に当たる前回では、南区磯部にあった和菓子店・吉川屋の菓子作り道具を取り上げました。当家の資料にはそのほかにも興味深いものがあり、引き続き今回も紹介します。

最初の写真は何だと思いますか。和菓子というとアンコがつきものですが、その餡(アン)にするために茹でた小豆の水分を抜くのに使った絞り機です。高さが約90cmあり、一連の菓子作り道具の中では比較的大きいものです。                

 

次のものは何だかすぐお分かりでしょうか。吉川屋では和菓子の製造・販売のほか、夏場には店頭でかき氷も売っていて、その氷削り器です。下側にあるのは、かき氷を入れるのに使っていたガラス皿と食べるためのスプーンです。                  

 

最後の写真は重さを量る台秤(だいばかり)です。実は和菓子屋として営業しながら砂糖などを売っていたそうで、それらを量るために使われました。確かに和菓子屋には砂糖があり、小売りをする商店としての性格も持っていたことが分かります。                

 

当家からは、このほかにも各種の菓子製造用具や菓子を運搬する木箱、つめ合わせる紙箱、看板、書類など、さまざま資料を寄贈いただきました。このような資料を見ることでかつての地域の生活の状況をうかがうことができます。

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カイコは眠、そして脱皮、2齢へ

カイコ飼育展示5日目。6月1日から給桑を開始したカイコは、4日目にほとんどが眠(みん)に入りました。眠とは、脱皮前、内側に新しい皮膚ができるのを待つために、食べず動かず、丸1日ほど過ごす状態のことです。

眠(みん)に入っているカイコ。上体を少し持ち上げて、頭を下げた姿勢をとります

そして、6月5日朝、一部のカイコが脱皮をしていました。

脱皮したてのカイコ 葉脈の上に、脱皮殻が見えます

黒光りした大きな頭が、脱皮した印です。2齢まではこのように頭が黒く、3齢以降はベージュ色になります。

脱皮した2齢のカイコ

脱皮したカイコはお腹を空かせて新鮮なクワを探していますが、まだ給桑は再開しません。順次クワを与えてしまうと、成長がばらついてしまうからです。ふ化の時と同様、大方のカイコの脱皮が終了するまで、しばしの間おあずけとなります。

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津久井城市民協働調査の講習会を開催しました。

5月18日に今年度の津久井城市民協働調査の講習会を津久井湖城山公園で開催し、15名の参加がありました。

午前中の様子

この日は講座を行ったのちに、津久井城を登り、根小屋周辺や山頂付近の本城曲輪などを見学しました。

講座は2本立てでした。はじめは文化財保護課学芸員による「津久井城市民協働調査の概要」です。

これまでの調査成果などを発表

2010年から始まった「津久井城市民協働調査」の歴史や、見つかった遺構などから分かった津久井城の特徴について説明がありました。

次に、神奈川県公園協会職員による「津久井城の概要」です。

どのようなお城か、その特徴は。

津久井城が内藤氏により整備され「根小屋式山城」として著名であることや、旧石器時代から現代までの城山地区における歴史的概観が説明されました。

その後、津久井城の現地見学を行いました。津久井城での曲輪(くるわ)などの位置は以下のとおりです。(図の出典:『市民協働調査10年の歩み みんなで堀った津久井城』令和3年(公財)神奈川県公園協会発行)

麓と山頂に曲輪がつくられています。

はじめに、根小屋地区の解説が行われ、市民協働で現地調査を実施している城坂曲輪群を見学しました。

今年度の調査予定地である城坂曲輪群7号曲輪

 

手前の日陰が6号曲輪、奥が5号曲輪

 

続いて、御屋敷曲輪へ移動しました。当日は大変天気が良く、蛭ヶ岳もよく見えました。

御屋敷曲輪は城主の内藤氏の居館があったとされています。

お昼は山頂で休憩しました。午後からは本城曲輪、飯縄(いいづな)曲輪などを回りました。

本城曲輪の様子

飯縄曲輪。天狗山とも呼ばれ、戦勝の神である飯縄権現が祀られています。

今回は津久井城の主な場所を巡り、本格的な登山さながらでした。

今年も皆さんと一緒に津久井城がどのような城だったのか、いろいろな観点から考えていきたく思います。

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今年も始まります!カイコのシーズン

6月1日、博物館では今年もカイコの飼育を始めました。一昨日、業者さんから届いた蚕種(さんしゅ:カイコの卵)は、昨日からふ化が始まりました。

ふ化したてのカイコ 体長2.5ミリメートルほどです

ふ化した順にクワの葉をあげてしまうと、成長がばらついてしまうため、9割がたふ化するまで待ちます。

ふ化したばかりのカイコは、毛が生えているため、毛蚕(けご)と呼ばれます

そして、今日(6月1日)のお昼までにほぼ全数がふ化したため、クワを与えることにしました。下の写真は、クワを与える前です。

クワを与える前

クワを横に置くと、一斉にわらわらとクワの方へ歩き出します。

クワを与えると・・

数分で、このとおり!

葉の左の縁に食いついています

写真ではわかりやすいように、小さめの葉を丸ごと与えていますが、実際は、短冊状に切り、小さなカイコが取り付きやすくします。ルーペで見ると、もう頭を上下に動かしながらしっかり食べています。

そして、博物館から蚕種を提供した学校へ、今日から出張授業も始まりました。

大沢小学校(市内緑区)での出張授業の様子

今日は小学3年生に授業をしましたが、とても集中して聴いてくれて、たくさんの質問が出ました。
博物館では、6月2日から、繭になる6月下旬にかけて、飼育の様子を展示します。1階エントランス内に設置しますので、どうぞお楽しみに!
※カイコの状態に応じて展示を休止する場合がありますのでご了承ください。

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博物館収蔵資料紹介~菓子作り道具①

職員ブログでは、これまで「写真に見る昭和・平成の相模原」として、博物館が建設準備の期間から撮影した、民俗分野のさまざまな写真を掲載してきました。

博物館では常設展示室「川と台地と人々のくらし」で、それぞれのテーマのもとで資料を展示していますが、実はそうした資料以外にも多くの資料を保管しています。このブログでは、そのような資料の中から、特に民俗分野に関わる資料を中心に毎回二~三点ずつ紹介します。いろいろなものを取り上げたいと思いますのでお楽しみに。

第一回目の今回は、南区磯部にあった吉川屋という和菓子屋の資料で、明治27年(1897)生まれの方が始めたそうです。なお、現在は営まれていません。

最初の写真は菓子型の木型です。落雁(らくがん)など粉菓子は花などのきれいな形に仕上げますが、こうした木型に米粉などをつめて型抜きします。                 

 

次の写真は一枚目のものと似ていますが、地域のそれぞれの家の家紋(かもん)の木型です。かつては結婚式や葬式の時に客に配るための贈答用として、近隣の家々から菓子の注文を受けることが多く、葬式のまんじゅうにはその家の家紋を押しました。このように菓子屋は地域の生活にとって欠かせない存在でした。                 

 

また、粉菓子のほかにせんべいなども作っており、写真はせんべいを焼く金型です。                 

 

昭和58年(1982)度に実施した相模原地域の調査では、各地に和菓子製造の職人がいたことが分かっているものの、博物館で保管する菓子製造等に関する資料は当家だけです。そうした点からも興味深い資料と言えます。

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残りあと1週間!がろあむし展 トークショーもあります!

3月26日から始まった舘野鴻絵本原画展「がろあむし 描かれた相模原の自然」も、残りの会期があと1週間(6月5日まで)となりました。“舘野さんの絵の世界に入り込むコーナー”は今日も大人気です!

撮影ポイントになっています

会期最終日には、舘野鴻さんのトークショー第二弾も実施します!

トークショーのポスター

そして本日5月29日は、舘野さんが在室されています。

シャッター係も務めています!

作者による展示解説に聞き入っています。

展示解説中

アトリエ再現コーナーいつもにぎやか。

絵の描き方、観察のしかたを解説中

最終日もトークショー終了後、午後2時頃から舘野さんが在室されます。ぜひご来場ください!

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生きものミニサロン「木や草についてるヘンなもの」を実施しました!

5月28日(土)、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは、「木や草についてるヘンなもの」として、博物館駐車場入り口近くのクワの木についている、ちょっと不思議なものをじっくり観察しました。

クワの木のまわりで観察会!

ヘンなものってなんのこと?と開始前から興味津々のお子さんもいました。ここでは、二つのヘンなものとして「アワアワ」と「白いもじゃもじゃ」というキーワードで探してもらいました。

これのことかな?

参加者同士でも、あれかな?これかな?と議論しています。
そして、いよいよ手に取って観察です。まずは、「アワアワ」。

せっけん?いえいえ、違います

これを、紙でふき取ります。そこから出てきたのは・・

黒い小さな虫が出てきました

お尻が赤く光ったように見える、アワフキムシの仲間の幼虫でした。おしりからアワの成分を出して、アワの中に守られながら、樹液を吸って成長します。
続いて「白いもじゃもじゃ」。

クワの葉を裏返すと・・

こちらは、ルーペ付きのビンに取ってみます。するとほこりかゴミがくっついているように見えたものが、モゾモゾと動いています!

よく見ると、足や頭が見えます

さらに見ると、足や顔もはっきりと見えました。これは、クワキジラミという、クワの葉の汁を吸って成長する昆虫の幼虫でした。お尻からロウ状の物質を出して、それがこのようにもじゃもじゃに見えるのです。いったいなぜこのようなもじゃもじゃになるのか、よくわかりません。
そして、せっかくこの季節のクワの木を観察したので、クワの果実を味見しました。

クワの果実

「おいしい!」「うぇぇ・・」などいろいろな感想が聞こえてきます。

熟したクワの果実を食べてみると・・

紫いろになった指先で服を触らないように!とお願いしつつ、終了しました。
次回は6月25日(土)の実施となります。

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