お知らせ プラネタリウム寄席の中止について

来年1月17日(日)に予定しておりましたプラネタリウム寄席「ほしぞら亭」は、新型コロナウイルス感染拡大状況を考慮し、中止といたします。楽しみにしていた皆様には大変申し訳ありませんが、ご理解いただきますようよろしくお願いします。

通常のプラネタリウム番組につきましては、当面は予定どおり上映いたします。
そのほかの博物館のイベント等の予定につきましては、博物館ホームページに随時掲載して参りますのでそちらもぜひご覧ください。

※相模原市立博物館は12月28日(月)~1月4日(月)、年末年始休館となります。

カテゴリー: おしらせ | タグ: , | お知らせ プラネタリウム寄席の中止について はコメントを受け付けていません

冬のシジミチョウ

12月23日、お昼休みに博物館お隣の樹林地を歩いていると、ネズミモチの葉の上に何か青いものが止まっているのが見えました。

ムラサキシジミ

ムラサキシジミです。日向ぼっこをしています。
このシジミチョウは、真冬も晴れていればこうして日向ぼっこをします。さすがにこの寒さでは動きも鈍いだろうと近づくと、パッと飛び去ってしまいました。太陽のパワーで元気に飛べたようです。上の写真は1枚だけ撮れたものをトリミング(切り抜き)してあります。

ムラサキシジミは樹木の多い場所ならどこにでも見られます。春から秋に見られる幼虫はアリを手なずけて防衛隊を作るという、ちょっと変わった習性を持っています。身近なところにも自然の不思議がいろいろとありますね!

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: | 冬のシジミチョウ はコメントを受け付けていません

シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介 25 ゐ

今もなお 絹の道たどる 横浜線

 東京都八王子駅と神奈川県東神奈川駅間を走るJR横浜線の歴史は古く、明治41年(1908)に私鉄の横浜鉄道として開通しました(その後、大正6年[1917]に国鉄に編入)。

ちなみに開業当初から市内にあったのは橋本駅と淵野辺駅で、このほかの相模原駅は昭和16年(1941)、同25年(1950)に矢部駅、同63年(1988)には古淵駅が開業しました。

次の写真は、上が開業当初の淵野辺駅、下が昭和初期の橋本駅です。

読み札に「絹の道」とあるように、横浜鉄道は織物をはじめ養蚕・製糸の集積地であった八王子と開港地横浜を結び、生糸を輸送することを大きな目的として敷設されました。

ちなみに「絹の道」と言うと、現在では八王子市鑓水(やりみず)地区に残る道筋が有名ですが、これは近年の通称で特定の道があったわけではなく、鉄道開通以前は多くの道を通って横浜まで生糸や繭が運ばれました。

写真は、現在でもかつての様相を残す「絹の道」です(八王子市鑓水。道の名称は神奈川往還あるいは浜街道とも呼ばれました)。

 

そして、下の地図は、相模原地域の以前の主要な道を記したものですが、横浜線は「八王子道」「神奈川往還」と呼ばれた道に沿うように走っており、まさに八王子と横浜をつなぐ「絹の道たどる」路線であったことが分かります(出典・博物館特別展図録『“道”再発見―道の役割とその移りかわり―』)。

 

このように市内及び周辺地域の歴史や文化は、養蚕や製糸等を抜きにして捉えることはできません。博物館にも養蚕の展示や本などの資料がたくさんあり、見学したり調べたりできます。興味のある方は是非ご来館ください(写真は、上・製糸の道具、下・養蚕の信仰等)。

 

カテゴリー: ふるさといろはかるた | タグ: | シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介 25 ゐ はコメントを受け付けていません

「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No39・年神様の棚)

前回は、文化財記録映画「続・相模原の年中行事」に収録された正月準備としてしめ縄作りも紹介しましたが、もちろん映画以外にも正月飾りの写真を各地で撮影しています。

次の五枚の写真は昭和60年(1985)12月30日に中央区田名で、さまざまな形のしめ縄を作って実際に取り付けるまでを撮影させていただきました。まず神棚用のものを作り、それを飾ったところです。

お飾りは多くの神仏に供え、写真では玄関や井戸に取り付けています。

家の中の神棚とは別に、正月を迎えるに当たり年神を祀るための臨時の棚が作られることがあり、その年の縁起の良い方向である恵方(えほう)の方向に作ったり、その方向に年神の棚を向けたりしました。次の写真も、やはり田名の同じ家の年神棚です。

そして、市内では叺(かます)を年神棚に敷くことがあり、叺は藁むしろを二つに折り左右両端を縄でつづったもので、米麦などの穀物や肥料などを入れるのに使いました。年神棚に叺を使うことは、特に津久井地域から相模原地域にかけて見られ、県内の他の地域からの報告はあまりないことが知られています。

次の写真は年神棚を飾っているところで、叺が敷かれているのがよく分かります(昭和60年[1985]12月12日・緑区大島)。また、下の写真の緑区相原では、神棚の前側に年神棚を吊るしていますが、太いしめ縄とともに叺があるのが分かります(昭和60年[1985]12月26日・緑区相原)。

こうして正月飾りや餅つきも終わり、来るべき新たな年を迎える準備が整いました。この職員ブログ「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」も今年は本欄が最後となります。お読みいただき、まことにありがとうございました。来年もさまざまな内容の写真を取り上げますので、よろしくお願い申し上げます。

カテゴリー: 民俗むかしの写真, 考古・歴史・民俗 | タグ: | 「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No39・年神様の棚) はコメントを受け付けていません

シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介㉔ ㋒

美しい 四季折々の花 北公園

(うつくしい しきおりおりのはな きたこうえん)

相模原北公園は、緑区下九沢にある広さ10.5ヘクタールの広大な都市公園です。

敷地内の雑木林を含めて、公園全体に植物園のような雰囲気が感じられるように造られています。

静かな冬の雑木林(相模原北公園)

四季折々の花や野草・樹木などが数多く植栽され、例えば和・洋種あわせて200種・10,000株のアジサイ、紅梅、白梅入り交じりながら咲く約100本のウメ、他にもバラやラベンダーなど四季折々に楽しむことができます。今の季節はちょうど、紅白のウメが咲き始めたところです。

見どころがたくさんある相模原北公園ですが、今回は雑木林の地面を彩る春の野草をご紹介します。

キクザキイチゲ

ミスミソウ

ミミガタテンナンショウ

カタクリ

3月下旬から4月になると、明るい林内のあちらこちらでこんな花が咲いています。鳥たちのさえずりをBGMに散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

相模原北公園について、交通アクセスなど詳しくは相模原市のホームページをご覧ください。

カテゴリー: ふるさといろはかるた | タグ: , | シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介㉔ ㋒ はコメントを受け付けていません

生きものミニサロン「自然の素材だけでクリスマス・リースを作ろう!」

12月19日、今年最後の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは「自然の素材だけでクリスマス・リースを作ろう!」です。

今回も12時からスタートしたミニサロン

事前にスタッフが用意したクズやアケビのつるを、参加者のみなさんご自身で輪にしていきます。

つるを巻いてリースの台を作ります

これを台にして、博物館を拠点に活動するボランティアグループである相模原植物調査会のみなさんが用意した植物素材をデコレーションしていきます。

たくさんの素材がずらり!

マンリョウ、センリョウ、トキリマメ、サネカズラ、ハリギリ、リュウキュウハゼ、ジャノヒゲなどたくさんの赤い実、白い実、青い実のほかに、アカマツやヒマラヤスギの松ぼっくりなど、多種多様な植物が揃っていて、素材選びに迷うほどです。

どれにしようかな?

上手に作ってくれるかな?

完成したリースです!

豪華なリースができました!

二つの違う雰囲気のリースを作ってくれた参加者も!

参加者のみなさんは、完成したオリジナルのリースを大事そうに持ち帰りました。
次回の生きものミニサロンは、1月23日(土)です。お楽しみに!

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 生きものミニサロン「自然の素材だけでクリスマス・リースを作ろう!」 はコメントを受け付けていません

霜の輝き

氷点下まで冷え込んだ12月17日の朝、博物館お隣の樹林地の地面は、銀白色に輝いていました。

イネ科の葉の上に降りた霜

落ち葉に霜が降り、朝日に輝いていたのです。見る見る融けていく霜は、瞬間の芸術品と言えます。まだ朝日が当たらず、光る前の落葉と霜です。

紅葉と霜の組み合わせは絶妙です

よく見ると、水晶のような氷の結晶がたくさんついています。

立体的な氷の結晶

土の地面に霜柱が立つ日も近そうです。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 霜の輝き はコメントを受け付けていません

小さな白いクモ

博物館敷地内で見つけた小さなクモ。

小さな白いクモをみつけました

体長2mmほどで、垂直円網を張っています。
最初はギンメッキゴミグモか何かだろうと思ったのですが、それにしては網の目が粗すぎます。気になったので採集しました。

1cm角の目盛りがついたカッターマットの上で。なんだかダニみたいですね。

拡大してみると、意外にずんぐりしています。白くてずんぐりしたクモなんてこの辺りにいただろうか?と疑問は深まるばかりです。

ふと、これは水平の網を張る種ではないか?と思いつきました。たまたま垂直に張っていたとうのは、よくある事です。
そこで、飼育用のセットをつくり、網を張らせてみました。

飼育用のセット。基本部分は筒状にした紙です。左手前のにあるのは保湿用のティッシュです。

見事、水平円網を張りました。

網の上にいる幼体

が、よく見るとクモが網の上にいます。
水平円網を張るクモは、通常、網の下側にぶら下がります。
この辺にいるクモで、水平円網の上にとまるクモといったら、マルゴミグモしかいません。

マルゴミグモ成体(2019年6月撮影)。右側のゴミのようなものは卵のうです


マルゴミグモは、場所によって水平の網も垂直の網も張ります。
博物館敷地内ではあまり見かけませんが、周辺にはたくさんいる種です。
幼体だと、なかなかわからないものです。
このクモの成体は初夏と秋に現れます。この個体は秋に卵からかえったものでしょう。
このまま幼体で越冬するのでしょうか。こんな小さな体でよく寒さに耐えられるものだと思います。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , , , , | 小さな白いクモ はコメントを受け付けていません

「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No38・正月準備)

平成2年度制作の文化財記録映画第9作「続・相模原の年中行事」は、12月の正月準備から4月までの年中行事を紹介しています。ちなみに5月~11月は前年度の第8作目の「相模原の年中行事」で扱っていますが、両映画の撮影自体は平成元(1989)年~2年に行われました。今回の写真も平成元年12月から2年1月撮影で、記録用なのでモノクロです。

正月を迎えるために、年末に煤払い(すすはらい)があり、かつては家の中のものを畳まで外に出して大掃除を行いました。竹で作った箒(ほうき)で家全体を払い、神棚は小さな笹でほこりを払いました(撮影地・緑区大島)。

正月というと餅つきです。餅をつく日は12月28日か30日と決まっていて、神仏へのお供え用と自家で食べるのし餅の両方があるため、大量の餅つきをしました。二枚目の写真はのし餅です(緑区大島)。

また、餅つきと同様に、各家で正月飾りのしめ縄を作ります。しめ縄作りも28日か30日の作業で、神棚の他にも例えば物置や墓地・井戸など、いろいろなところに飾りました(緑区大島)。

大晦日の夕方に、屋内を払う「晦日祓い(みそかはらい)」を行う地区がありました。神社から来る小さな幣束(へいそく)を振りながら、「ミソカッパライ、ミソカッパライ」と唱え、神棚をはじめ家の中を祓います。終わると幣束を外の辻に差し立てました。晦日祓いは南区上鶴間や中央区淵野辺など、境川流域の地区から報告があります(南区上鶴間本町)。

こうした正月の準備を経て、映画では正月の若水汲み(わかみずくみ)も撮影されました。元日の朝に家の主人が初めて井戸から汲む水が若水で、神仏に供えるほか、雑煮もこの水で作ります。後に水道を使うようになってからも、その年の初めての水道水を若水に見立てました(緑区橋本)。

もちろん映画で撮影できなかった内容もありますが、今回は特に正月準備を中心に取り上げました。次回は映画に限らず、神棚とは別に作られた「年神棚(としがみだな)」を紹介します。

カテゴリー: 民俗むかしの写真, 考古・歴史・民俗 | タグ: | 「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No38・正月準備) はコメントを受け付けていません

シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介㉓ ㋰

無量光寺 一遍上人 仰ぎ見る

(むりょうこうじ いっぺんしょうにん あおぎみる)

読み札の無量光寺(むりょうこうじ)とは、市内南区当麻にある寺院で、山号の当麻山(たいまさん)とも呼ばれ親しまれています。

無量光寺山門

また、絵札に描かれている人物は、鎌倉新仏教のひとつ時宗(じしゅう)の開祖 一遍上人(いっぺんしょうにん)で、13世の終わり頃この地に庵(いおり)を建て、弟子の2世真教上人が無量光寺を建てたと伝えられています。

参道奥に建つ一遍上人像

無量光寺は市内でも代表的な寺院の一つであり、現在でも多くの文化財等がありますが、今回は絵札に描かれている一遍上人像について紹介します。

一遍上人像は無量光寺の山門をくぐり、参道を少し歩いた所に読み札どおり仰ぎ見るように建っていますが、実は現在の本堂内に寺の本尊となっている市指定文化財の上人像があります。

本尊の一遍上人像が安置されている現在の本堂

この本尊は、一遍上人が自ら水鏡に映した姿で頭部を刻んだとされたもので、現在は10/23の開山忌(かいざんき)にしか公開されていません。

来年の10/23まで待てないという方、実はこの像のレプリカを見られる場所があります。それは、当相模原市立博物館です。当館の常設展示の中でも唯一個人像のレプリカで、多くの方の目に映っているとは思いますが、今回特別に普段は気づきにくい部分を紹介します。

博物館での展示状況

実は一遍上人像には頭部に大きな刀キズがあります。この傷は一遍上人が出身の伊予河野家の家督争いに巻き込まれた際に負った傷とされています。像を仰ぎ見るのではなく、斜め上から覗いてみると次の写真のとおりバックリの傷跡がハッキリわかります。

痛々しい頭頂部近くにある刀キズもレプリカで再現

無量光寺はJR相模線原当麻駅から徒歩20分ほどで、境内も広く、緑に囲まれた場所で、歴史やお寺ファンでなくても心癒される場所だと思いますので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。   
*現在、博物館エントランスにて「さがみはら  ふるさと  いろは  かるた」の全ての札や紹介地マップ、解説文を紹介した展示を行っています。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(現在、貸出しは休止中です。)
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)。
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

 

カテゴリー: ふるさといろはかるた, 考古・歴史・民俗 | タグ: , | シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介㉓ ㋰ はコメントを受け付けていません