地質学講座3回目 火山のはたらきでできる地層

地質学講座の3回目を2月17日に実施しました。
今回は火山のはたらきでできる地層についての解説です。

はじめは実習実験室で火山灰についての基本事項の解説です。

常設展示室に移動し、剥ぎ取り標本を使って解説しました。


実習実験室に戻り、火山灰が風に運ばれて拡がる様子を実験しました。

砕いた麩をペットボトルに入れます。ペットボトルが火山、麩が火山灰や溶岩の破片になります。ペットボトルには下の方に穴が空いていて、シリコンチューブが接着してあります。

シリコンチューブに自転車の空気入れを接続します。空気入れで送り込まれた空気が噴火のエネルギーになります。写真には写っていませんが、自転車の空気入れでペットボトルにうまく空気を送り込めるように、いろいろと工夫がしてあります。

日本列島の上空には偏西風が吹いているので、扇風機で風を送ります。吹き出した麩は風によって風下へ運ばれます。

細かいものほど遠くまで運ばれる様子がわかりました。

風を強くしたら大きなものも遠くまで運ばれました。

1回目よりもさらに風を弱くすると、大きなものはほとんど火山の周辺に落下し、細かいものだけが風下に運ばれている様子が観察できました。写真ではわからないくらい細かいものがテーブルの端まで運ばれています。

次回はいよいよ最終回です。地震について解説します。

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吉野宿ふじやで「ひな人形展示」はじまりました!

緑区吉野にある「吉野宿ふじや」で、恒例のひな人形展示が始まりました。

国道20号線からもよく見えます。

お内裏様とお雛様だけの親王飾りから、三人官女、五人囃子、随臣、仕丁まで15人がそろった7段飾りまで、様々なひな人形が展示されています。

その中でも、今回の目玉は、約300年前の江戸時代中期の享保期に作られたとされる「享保雛」の展示です。残念ながら、お雛様はなくお内裏様だけですが、非常に大きく、また顔や服装なども現代とは違い歴史の重みを感じます。

享保雛・・・お内裏様一人なのが誠に残念です。

会期初日の2月17日は土曜日のため、ドライブや古道めぐりの人たちなどが看板に目を留め、来場していました。また、お雛様に負けないぐらいかわいらしい地元の女の子も来場し、きれいなひな人形に目を輝かせていました。

お雛様にも負けないかわいい女の子も見にきてくれました

今回の展示は、ふじの里山くらぶさんが地元の藤野地域住民から多くのひな人形を借受け、展示しています。ご協力いただいた皆さまありがとうございました。

この日も展示の手直しをしました

2月24日、3月3日、3月17日、3月24日の土曜日には紙のお雛様作り体験も開催します。また、ひな人形の展示は3月25日(日)まで行っていますので、ぜひご来場ください。

※期間中の月曜日は休館日です。

 

 

 

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バレンタインコンサート、大盛況でした♫

2/11はかねてからお知らせしていたバレンタインコンサートでした。

観覧券は売り切れ、満席となりました。

(暗いプラネタリウムの中ではなかなか写真が撮れないのですが、場内の雰囲気は伝わりますでしょうか?)

どんな演奏が始まるんだろう・・・と会場もドキドキ。

まずは日の入りの情景できらきら星のメロディーに心洗われます。

冬の星空の解説を聞いた後はハンドベルコンサート本番です!

演奏中は場内は明るめに設定しましたので、ハンドベルを演奏する手元もよく見えました。

こんなに忙しく演奏するんだ!

ベルを振って鳴らすだけじゃなくて、いろんな音の出し方があるんだ!

みなさんもたくさんの発見があったのでは?

コンサートは途中にもう一度、星のお話を織り込みながら、バレンタインというタイトルにちなみ、ラブストーリーを紡ぐ構成となっていました。

予定されていた曲がすべて終わっても鳴りやまない拍手!

出会いの場面から始まったコンサートの締めくくりにふさわしく、アンコール曲は結婚行進曲が演奏されました。

星空解説とハンドベルが織りなすロマンチックなひと時を満場のみなさんにお楽しみいただけたのではないでしょうか。

実はすでに次回のイベントも企画中・・・バレンタインコンサートが終わった後のプラネタリウムでは、次回の下見&試奏(っていうのかな?)も行われました。

イベントの時期や内容は調整中ですが、演者さんからは次から次へとアイデアが湧き出し、お願いする側としても俄然楽しみになってきました。

どうぞこれからも相模原市立博物館で開催される様々な事業をお楽しみに!

たくさんのお客様、ご来館、ご観覧、本当にありがとうございました。

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楽しく作れました! 繭うさぎづくりワークショップ

2月12日、朝からとても気持ちの良い青空が広がり、穏やかな冬の一日となりました。

気持ちよく晴れ上がった冬の青空

今日は地階の大会議室で、繭うさぎづくりのワークショップが行われました。午前中からたくさんの人が繭うさぎを作りに来てくれました。

会場は楽しそうなおしゃべりの声が絶えませんでした

市民学芸員のみなさんがやさしく手ほどきしてくれます。

市民学芸員さんがやさしく教えてくれます

お気に入りの繭うさぎが完成!

とってもかわいくできました!

つくるのは、うさぎでなくても構いません。いろいろな動物ができていたようですが、うさぎ以外で多かったのは、やっぱりパンダ!

指人形にもなる繭パンダ!

こちらは市民学芸員のお一人が見本で作ったものですが・・シャンシャン?!

ちょっとリアルな子パンダ?


そして、こちらはお父さんの力作!繭ポケモン!!

お父さんがスマホの画面を見ながら夢中でつくっていました!

小さい頃家が養蚕をやっていたと、思い出話をされる方もいました。
今年もまた初夏には博物館でカイコを育てて、来年のワークショップに備えたいと思います。

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繭うさぎづくりワークショップ、始まりました!

今日、2月12日は年に1回の繭うさぎづくりワークショップの日です。繭うさぎとは、カイコがつくる繭(まゆ)を使った人形で、じつはうさぎだけでなく、いろいろなお人形をつくれます。

繭うさぎと、繭パンダ!

この繭は、昨年初夏に博物館で飼育展示していたカイコや、飼育協力者のみなさんが育てたカイコの繭です。
こちらも恒例、カイコが育つ過程の写真も展示しています。

カイコの成長過程がわかるパネルも展示

実用品種だけでなく、在来の伝統品種の繭や、黄色い繭など、いろいろな繭の実物も展示しています。

いろいろな繭

開始前、参加者につくりかたの手ほどきをする市民学芸員のみなさんが、今年度仲間入りしたメンバーにコツなどを伝授。

市民学芸員のみなさん

繭は200個限定で、無くなり次第終了となります。ご希望の方はお早めにお越し下さい。

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レンズ雲

2月10日は本州の多くの地域でお天気がゆっくりと下り坂となりました。上空に強い風が吹き、富士山のまわりでとても大きなつるし雲(レンズ雲の一種で山岳地形の影響でできる雲)が見られたと、ネット上でも話題になっていました。
相模原からも、もちろん富士山とは別の雲ですが、昼間から大小のレンズ雲が出ました。そして夕方、低い空にできる層積雲の一部が分離して大きなレンズ雲ができていました。

層積雲にできたレンズ雲(相模原市 2018.2.10)

まるで、巨大な宇宙船から着陸船が切り離されたような光景です。富士山のまわりにでていたのは高積雲という中くらいの高さにできる雲でしたが、こちらは雨雲よりも低い位置にできる雲なので、これはこれで巨大で迫力がありますね。

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イカルとモグラ(特に関係があるわけではありませんが・・)

博物館の駐車場(奥の砂利敷きの方)に立つと、頭の上の方から「コッ、コッ、ヒーコーキー」とささやかな声が降ってきます。その声の主はこちらです。

イカル 黒い頭巾と黄色く大きなくちばしが特徴

イカルという鳥で、かつてはJRの駅の売店のシャッターに描かれておなじみでしたが・・黄色い大きなくちばしが目立つので、確かに図案化したくなるはっきりした姿の鳥です。今、博物館周辺に30羽以上の群れが訪れていて、木々の冬芽などを食べています。
さて、イカルの写真を撮っていたら、足下にこんな穴が開いていました。

落ち葉をかき分けて、新しい穴があいていました

こちらは、アズマモグラの坑道(トンネル)です。ふつうは地中から掘り出した土が塚になり、その中心に穴が埋もれたようにあるのですが、珍しくいきなり穴がぽっかり。塚が無いのは、これが下から出てきた穴ではなく、地上から掘って潜った穴だからです。モグラが地上を歩くのは極めて珍しいのですが、何か事情があってうっかり地上へ出てしまい、慌てて土を掘って潜ったのでしょう。そんなアズマモグラのようすを想像したら、なんだか楽しくなってしまいました。
穴の左に置いた500円玉と比べるとわかりますが、結構大きな穴です。

左下の500円玉と比べると大きさがわかります

穴は入口から漏斗状にややすぼまっていますが、幅6cm、高さ4cmほどで、これがこの坑道を掘ったアズマモグラの胴体の太さということになります。
さて、今日、2月11日は午後から学芸員リレートークがあり、プラネタリウム内ではバレンタインコンサートがあります。駐車場も混雑して、イカルの声もかき消されそうですね。

※学芸員リレートークは先着順(200名様)ですが、混雑が予想されます。開場は13時30分を予定していますが、聴講をご希望の方は余裕を持ってお越し下さい。バレンタインコンサート(15時30分~)は2月11日午前10時現在、まだ残席がありますので、ぜひお誘い合わせ上ご来場ください(観覧券の販売は売り切れ次第終了となります)。なお、本日は駐車場が満車となった場合の臨時駐車場(17時頃まで)をご用意しています。満車の際は駐車場入口で臨時駐車場をご案内いたしますので、ご協力よろしくお願いいたします。

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JAXA相模原キャンパス 宇宙科学探査交流棟オープン記念イベントに参加ありがとうございました♪(実験棟の写真も少しあります!)

バタバタしているうちにやや旧聞となってしまいましたが、2/2にJAXA相模原キャンパスに宇宙科学探査交流棟がオープンしました!

オープン記念式典の様子はこちら・・・

 

当日は来賓のみなさんにむけ、お隣の実験棟もお披露目されたそうです。実験棟の写真はこちら。

さて、既報の通り、博物館ではオープン記念としていくつかのイベントを開催しました。

まずは、オレンジスーツを着て記念撮影ができるコーナーを設けたこと。

みなさん、思い思いのポーズや構図でステキな写真ですね!

また、プラネタリウムの番組編成を特別版として、三日間だけ全天周映画「HAYABUSA2」リュウグウ版を上映しました。

そしてこの三日間限定で、プラネタリウムをご覧になった方に缶バッジをプレゼントする、という企画もありました。

残念ながら記念イベント最終日の2/4は宇宙科学探査交流棟は臨時休館となってしまいましたが、博物館では記念イベントを引き続き実施し、同日に開催されていた「チャレンジ体験コーナー」とあわせ、みなさまにお楽しみいただけたようです。

次に交流棟を一般の人が観覧できるのは2/17とのこと。

交流棟内には、博物館コーナーがあるほか、博物館のスタンプも押して完成させるスタンプラリーもありますので、ぜひ交流棟と博物館、両方をお楽しみくださいね!

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地質学講座2回目

2月3日に地質学講座の2回目を実施しました。

初回(1月20日)は、小学校5年生の単元「流れる水のはたらき」の内容を解説しました。

2回目からは、小学校6年生で学習する内容を解説します。

2月3日の2回目は、流れる水のはたらきでできる地層について解説しました。

まずは、泥、砂、れきの説明です。
それぞれの粒度にふるい分けしたものを観察してもらい、粒子の大きさをの違いを実感しました。

次に、ペットボトルに入れた水と泥、砂、れきを激しく振って、しばらく放置し、どのように堆積するのかを観察しました。泥、砂、れきにわかれて堆積しているのがよくわかります。今回実験に用いたものは、分かれて堆積するのがわかりやすいように、泥、砂、れきをブレンドしたものです。見やすく分かれるように、ブレンドの仕方を変えて何度も作り直して完成させたものです。結構時間をかけて作ってあります。

簡単な装置を使って、泥、砂、れきを混ぜたものを水で流して地層を作る実験もしました。

きれいに地層ができました。

ペットボトルや装置を使った実験では、あっという間に堆積するので、どのように泥、砂、れきが分かれるのかを見ることができません。そこで、長さ1mのアクリルパイプに水を入れ、そこに上から泥、砂、れきを混ぜて入れて、どうなるのかを実験しました。
粒子の大きなものほど早く沈降し、粒子が非常に細かいものは沈まずに漂っている様子が観察できました。

パイプの下には泥、砂、れきが分かれて堆積しました。

このようにして全ての地層ができるわけではなく、他にも地層のでき方があることを説明して、最後に泥、砂、れきがそれぞれ固まってできた泥岩、砂岩、れき岩を観察しました。

次回は火山の噴火によってできる地層について、解説します。

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大盛況!学習資料展 チャレンジ体験~昔あそび・道具を楽しく体験~

2/4(日)に現在企画展示中の「学習資料展」の関連イベント「チャレンジ体験」を開催しました。チャレンジ体験は、昔の教室、生活道具、おもちゃなどを展示している学習資料展にあわせて行っているイベントです。

スタッフである博物館ボランティアの市民学芸員さんたちが、昔のあそびや道具について、楽しくそして優しく指導し、来場者のみなさんは楽しみながら日常ではできない体験に心躍らせていました。

やさしく作り方を教えてます

あやとりも丁寧に教えてあげています

体験内容はブンブンゴマ、割りばし鉄砲、折り紙、けん玉、あやとりなどの昔あそびや、石臼や薬研などの生活道具の体験です。

ブンブンゴマ上手にまわせたよ!

石臼ひきでお米が粉になるよ。

イベントの中で、昔ながらの雰囲気で上演する紙芝居や、市民学芸員が作った「相模原ふるさといろはかるた」大会、レコード試聴など様々なイベントも行われました。今回は各コーナーとも大変賑わっており、特にいろはかるた大会は熱い熱戦が繰り広げられていました。

今日は節分にちなんだお話等々

みんな身を乗り出す「いろはかるた大会」

レコードを見て、触って、聴いてみたよ。

また、この日はJAXA展示棟のオープン関連イベントとして宇宙服試着体験もあり、館内が多くの人の熱気で溢れていました。(残念ながらJAXA展示棟は臨時休館になってしまいましたが・・・)

宇宙服試着にもなんと100名以上!

この日のチャレンジ体験は11月から数え6回目でしたが、今回は今年度最高のおよそ300人以上の参加があり、大盛況でした。指導いただいた市民学芸員のみなさんも大変だったと思いますが、その分、子どもたちの笑顔をたくさん見ることができました。

学習資料展は2月25日(日)までで、チャレンジ体験は2月18日(日)にあと1回開催します。親・子・孫3世代で楽しめる展示・イベントですのでぜひご来場下さい。

学習資料展ポスター

なお、この学習資料展は企画段階から市民学芸員のみなさんと協働で開催しているものです。この学習資料展に関する事例発表を、2月10日(土)の午後に川崎市市民ミュージアムで行われる神奈川県博物館協会のシンポジウムにて、当館の学芸員と市民学芸員さんが行います。武蔵小杉でランチがてら、もしよろしければご来場下さい。

神奈川県博物館協会シンポジウム「博物館のまわり:ボランティアの活躍」についてはこちらをご覧ください。

 

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