今週末も、セミの羽化観察会

先週に引き続き、8月7日、市内南区の公園で、地域のサッカーチームの小学生たちとセミの羽化の観察会を行いました。まずは西日の射す森の中で、セミの抜け殻を探します。

抜け殻探し

意外と高い場所に抜け殻があって、羽化が観察できるかちょっと不安になりましたが・・

手が届かないような場所に抜け殻が・・

抜け殻を探しているさなかに、すでに羽化を始めている幼虫を発見!ただし、良い場所を確保できなかったのか、地面に落ちてしまっていました。そこで、そっと拾い上げ、参加者の小学生に持ってもらいました。羽化は重力を使います。初めは上体を抜くために逆さの状態で頭を真下へ向けて反り返します。羽化しやすい姿勢に角度を保って持つのがちょっと大変です。担当してくれた小学生もさすがに疲れてきたので、交代しました。

羽化を慎重にサポート

腹部が概ね抜けてくると、今度は腹筋運動のように上体を持ち上げて、頭を上にしてつかまります。その状態でどこか良い場所へとまらせれば、安定させられます。じっくりその時を待っていると、セミがグイッと頭をもたげました。そこで、近くの杭に頭を上にしてつかまらせることができました。

翅がちゃんと伸びたので一安心 アブラゼミでした!

翅(はね)が伸びる様子は神秘的です。みんなで息をのんで観察しました。
他にも羽化途中のセミがいないか探すと、小学生が早速見つけてくれました。こちらはツクツクボウシです。

透明な翅が美しいツクツクボウシ

さらに探索していると、樹液の出ているコナラにカブトムシが!

カブトムシを見つけてしまいました!

やっぱり昆虫の王、カブトムシは大人気です。3匹のオスがいて、樹液をなめる様子を観察したり・・

樹液に頭を突っ込んで舐めている様子を観察

戦わせてみたり・・

やっぱり最後はバトルを見たい・・

夜の自然観察を満喫して、終了しました。
身近な公園でもダイナミックな昆虫の観察ができます。みなさんもぜひチャレンジしてみてください。

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子ども鉱物教室2日目!! ~夏の鉱物硬さ比べ選手権大会開催!!!

こんにちは!!!地質分野の学芸員実習生です。

8月6日に実習実験室で2回目の「子ども鉱物教室」がありました。

1週間前につくっておいた結晶を取り出しました…!!!

さぁ~いよいよ一週間ぶりのミョウバンとのご対面。

1人1人取りに行きます。

「僕のミョウバンどうなってるかなぁ」緊張の瞬間…

エナメル線につけた種結晶(たねけっしょう)が大きく成長していました!種結晶が大きくなったほかにも、ビーカーの底に結晶ができていました。

結晶の大きさを比べてみたり、ルーペを使って結晶の形を見たり、成長したミョウバンをじっくり観察していました!

今回は1週間で取り出しましたが、何カ月も何年も保管するとこんなにも大きくなるんです!!

結晶との対面後は「鉱物の硬さ比べ選手権」の開催です!

6種類の鉱物と釘、つめの硬さを比べ順位をつけました。はたしてどの鉱物が1番硬かったのでしょうか⁈

みなさん一生懸命石をこすり合わせて、真剣に硬さを調べています。

そして緊張の答え合わせ。みんなの予想は当たったかなー??

学芸員からは「モース硬度(こうど)」と「誕生石」についてお話がありました。

2つの実験で、すっかり鉱物と仲良しになったみなさん。

身近な「石ころ」がもっと面白く見えてくるきっかけになるといいですね!

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星のストラップを作ろう

こんにちは。社会教育主事実習生です。

本日は中央エントランスにて、「博物館de夏まつり!伝統的七夕でワッショイ!」の最後のイベントとなる星のストラップ作りを行いました。

来場してくださった方の中には、七夕といえば7月7日であるのにどうしてまだイベントを行っているのか、と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。実は旧暦の7月7日は現在でいうところの8月上旬にあたり、当館では「伝統的七夕」をより身近に感じてもらうためにこのような企画を行っています。

博物館ではおなじみとなった、かわいいストラップ作り

星のストラップはシンプルな作りではあるものの、綺麗に形を整えるには少しコツが必要です。

このようなストラップができあがります!

60名の制限を設けたのにもかかわらず、年齢を問わず多くの方が参加してくれました。時に和気あいあいと、また時に真剣なまなざしで星を作っている皆さんの様子には何となく微笑ましさを感じました。

当館のプラネタリウムや天文展示室、またお隣の宇宙科学研究所に見られるように、この辺りには星や宇宙について学ぶことのできる展示や施設がたくさんあります。

今日「かわいい~!」と言いながら完成した星を見ていた小さいお友達が、いつか本当に星について興味を持ち、将来宇宙に携わる道へ進むようになることもそう遠い未来ではないように思います。

また、本日は博物館での最後の実習日でした。

学芸員資格を取る方々と共に博物館について学んだり、実際に企画の手伝いを行ったりしたことで、博物館の役割や地域とのつながり、またそこに携わる人々や参加する人々の声を生で聞くことができ、非常に大きな学びとなりました。

また、私自身地元がこの周辺であるため、小さい頃から目で、鼻で、肌で感じていたこの博物館に大学生になった今立ち返り、学べたことはとても嬉しく思います。

 

相模原市の歴史や文化財を収集・保管し、そして地域との交流を生み出す重要な立ち位置であるのはもちろん、静謐な空気をまとう常設展示コーナーの入口に立った時、ふと懐かしさを感じさせてくれるこの市立博物館に今度は職員として戻って来ることができるよう、これからも勉学に励みたいと思います。

 

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博物館の公衆電話、最後の日

8月5日朝、博物館1階エントランスの一画に公衆電話が設置されています。

8月5日の朝 1台の公衆電話がまだあります

かつて、駅の構内などにはずらりと10台以上の公衆電話が並び、商店の軒先に赤電話、街の歩道には電話ボックスがあるのが当たり前でした。しかし、携帯電話の普及により利用率が急激に低下し、今、公衆電話は街中からどんどん消えつつあります。
博物館には開館当初、2台の公衆電話が設置されていましたが、利用率の低下から1台になっていました。そして昨年、公衆電話を所管する総務省の設置基準が緩和されたこともあり、8月5日、ついのこの1台も撤去されることになりました。

※総務省の現在の設置基準:市街地以外の地域では、概ね2キロメートル四方に1台(緩和前は1キロメートル四方に1台)

カード挿入口とプッシュボタンがカッコイイと思えたのはひと昔以上も前・・

ここ数年は利用がゼロの月も多く、これも時代の流れと言えるでしょう。博物館の職員は、ぽっかり空いた公衆電話のスペースにちょっと違和感があります。

がらんと空いた公衆電話コーナー

でも、そのうちここに何が置かれていたのか、思い出す人もいなくなることでしょう。そういえば、まだあるうちに街中の電話ボックスの写真も撮っておかなくてはいけませんね。

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クイズラリーが始まりました!

みなさんこんにちは、社会教育主事実習生です。

社会教育士という資格を取るために市内の公共施設に伺い、地域の連携や事業について学んでいます。

さて、本日8月5日は市民学芸員の皆さんとクイズラリーのお手伝いを行いました。
博物館の常設展示内に設置されたパネルを見て六つのクイズに答えると、記念品や認定証がもらえる企画であり、館内では人気の定番企画となっているそうです。

クイズの答えは何かな?

クイズの内容はやりがいがあり、小さい子はもちろん大人の方でも楽しめるものとなっていました。また平日にもかかわらず、たくさんのお客さんが来てくれました!

全問正解!

クイズラリーは8月7日(日)まで開催します。どなたさまもぜひ参加しにいらしてください♪

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博物館実習が始まりました

8月2日から、博物館実習が始まりました。この実習は、大学で学芸員資格を取得するためのカリキュラムの中の、総仕上げともいえる必須科目です。今年度は県内外の大学から19名を受入れました。初日は、講義と館内の見学などが中心となり、相模原市立博物館の活動や施設の概要をみっちり学びます。

初日は講義と見学が中心です

そして、二日目の8月3日は資料取り扱いの実習です。人文系資料(掛軸など)、自然系資料(植物標本)、梱包作業(土器を用いた梱包)と、3班に分かれてローテーションしながら実習します。

掛軸の取り扱い 背中が緊張しています

押し葉標本の台紙貼り作業は、専門ボランティアの方から指導を受けます

本物の土器を梱包しています

三日目の8月4日は、展示解説実習です。各分野に分かれ、実習生が常設展示の資料の一つを選び、シナリオ作成から実際の解説まで行います。これがなかなか厳しい課題で、当館の展示解説は、資料を単に説明するだけではダメと、実習生へ初めに伝えられます。解説者と参加者(この場合は他の実習生)が時間を共有していることを実感できる方法と内容であることが求められます。

学芸員の指導を受けながら展示解説のシナリオ作り

1回リハーサルを行い、様々な改善点を受けて、再度、2回目に臨みます。

クイズやジェスチャーを交えながら解説を試みます

参加者との対話の中で、資料が内在する情報をどのように感じ取ったのかなど共有しながら進めば合格点です。

展示解説は、自分が心から伝えたいと思うことを伝えるのが一番大切です

緊張とプレッシャーの中でも実習生はがんばって課題をこなしていました。全体で同じ日程で動くのはここまでとなり、残りの6日間は8月下旬から9月下旬にかけて、各分野に分かれて実習を行います。

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博物館収蔵資料紹介~湯たんぽと行火(あんか)

前回、冬の寒い時に布団(ふとん)の足元に入れる湯たんぽを紹介しました。この湯たんぽはブリキ製でしたが、このような金属製になる前には陶器製のものが使われていました。

写真の湯たんぽは南区下溝の女性からの寄贈で、第二次世界大戦前に出産した際に、淵野辺の実家の父親が12月で寒いだろうということで持ってきてくれたものです。夜に布団に入れると、朝には湯たんぽの中の湯がぬるくなっていて、ちょうど顔を洗うのによかったそうです。                  

 

次の写真はいずれも緑区橋本の同じ家からいただいたもので、向かって右側が陶製、左側がブリキ製です。陶製の湯たんぽは円筒型のほかに、ブリキと同じく波のような形のものもあり、この方が表面積が広く暖かい部分が多くなります。                  

 

昭和30年(1965)代になると、こうした湯たんぽに代わって豆炭(まめたん)を入れた行火(あんか)が使われるようになります。写真の行火は、やけど防止の専用カバーが付いていて、湯たんぽと同じように行火が直接肌に当たるのを防ぎました(収集地・南区相模台)。カバーは子どもの古着などで、自家で作ることもありました。                 

 

次の写真は中に豆炭を入れたところです(収集地・中央区星が丘)。豆炭は石炭(せきたん)の粉を練り固めたもので、燃える時に煙(けむり)が出ず、また、一晩中暖かいという長所がありました。参考に、左側に豆炭を置いて撮影しました。                   

 

さらに電気で温める行火も使われるようになり、写真の製品名は電気こたつで、昭和30年代に購入して平成になる頃まで使用していたそうです(南区相模台)。                  

現在では電気毛布をはじめ、羽毛(うもう)布団なども登場して寝具の保温性を高めていますが、かつて寒い夜を暖かくして寝るために使われた道具にも移り変わりがありました。

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久しぶりの子ども鉱物教室 ー1日目

7月30日に子ども鉱物教室「鉱物のふしぎ」を、3年ぶりに開催しました!

2週連続の教室で、ミョウバンの結晶づくりと鉱物の硬さ比べをします。初日はミョウバンの結晶づくりを行いました。

準備作業はボランティアの方々にお願いしました。

最初に今日の作業の全体の流れと鉱物について簡単に説明しました。

まず、結晶のもとになる種結晶(たねけっしょう)を準備します。種結晶は小さなミョウバンの結晶です。エナメル線を種結晶に結び付けますが、種結晶は小さいので、意外と難しいです。

エナメル線に付けた種結晶は、ビーカーのちょうど良い位置にくるように調整して厚紙に固定します。

ミョウバンの粉末を熱湯に溶かして飽和水溶液をつくります。混ぜているうちにお湯の温度が下がり、溶けにくくなるので、ホットプレートで温めながら完全に溶かします。

適度な温度にまで冷めたところで、種結晶を入れます。あとは結晶が大きくなるのを待つだけです。

30分くらいたつと、少し結晶が大きくなっているのが分かります。

1週間、博物館の戸棚の中で保管しておきます。

8月6日に成長した結晶を取り出して観察します。どれくらい大きくなっているのか、楽しみです。

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考古分野ミニ展示開催中です!

黒曜石をご存じのかたは多くいらっしゃると思います。それではその出来方や具体的な産地についてはいかがでしょうか?
黒曜石とは、火山の溶岩が急激に冷えて固まったもので、鋭く割れる性質があることから、旧石器時代や縄文時代を中心に石器の材料として多用されました。

長野県和田峠産の黒曜石

黒曜石の産地は日本の北海道から九州まで80カ所ほどあり、近年の分析技術の進歩により、どこで採れたものか産地が推定できるようになりました。その結果、黒曜石の産地推定は、昔の人々がどこで採れた黒曜石を利用していたのか、当時の人々の動きや、黒曜石の流れについて考える一つの視点になっています。

縄文時代の原石・石核 こちらも展示中です!

今回、考古分野のミニ展示では「遠くからやってきた黒曜石―旧石器・縄文時代の石器から―」として、旧石器時代や縄文時代の黒曜石を展示し、黒曜石の産地、産地分析の方法、黒曜石を利用した石器を展示しています。

入口から進んでいただいて、特別展示室入口近くです。

旧石器時代の狩りの道具であるナイフ形石器、石槍(いしやり)の鋭さや、産地ごとの透明度、光沢、白い粒子の具合など、じっくり見学していただければと思います。
7月30日(土)から9月25日(日)まで博物館エントランスで開催しています。

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セミの羽化の観察会

8月に入りました。本日1日は月曜日ですが、夏休み期間中なので開館しております(8月28日まで博物館は無休です)。
さて、7月30日に、大野南公民館主催の「セミの羽化観察教室」(場所:麻溝公園)に講師として参加してきました。最初に、セミの生態や、なぜ夜に羽化をするのかなどお話しした後、まだ明るいうちにセミの抜け殻探しをしました。

葉っぱの裏側についていることが多いね!

最初はなかなか見つかりませんでしたが、目が慣れてくると、次々と見つかります。壊さないように大事に持ってきてねとお願いしたら、「こうすれば壊れない!」と素敵な運び方を発見してくれた参加者がいました。

これなら壊れず持ち運べます!

みんなで持ち寄った抜け殻を見て、セミの種類を識別しました。今回はすべてがアブラゼミでしたが、これから季節が進むとツクツクボウシなど他の種類の抜け殻も見つけやすくなります。博物館特製の識別シートを配ったので、家でもチャレンジしてくれるでしょう。
そして、羽化観察の本番開始です。大人でも「動いているセミの幼虫を見たことがない」という方が多く、羽化の場所を探してゆっくり歩く幼虫を見つけると、とても感激していました。

どこまで登るのかな?

夏の夜なのでヤモリも活発に動いていて、観察することができました。

木の幹を走り回るヤモリもいました!

なかなか羽化が始まりませんでしたが、ついに参加者の小学生が、背中が割れているアブラゼミを発見してくれました。

羽化が始まったアブラゼミ

翅(はね)が出てきて、全身が青磁器のような美しい色の現れる様子に、みなさん息をのみます。

半身が出たところ

ただし、残念ながら終了時刻となり、駐車場の閉場時間の都合でこの日の観察はここまで。でも、身近な場所で夜の8時前後にセミの羽化を観察できることがわかったので、参加者のみなさんはきっとまた羽化観察にご近所へ出かけてくれることでしょう。そんなきっかけづくりになれば嬉しい限りです。
博物館へ戻り、帰りがけにお隣の樹林地をのぞいてみると・・

カラスウリの花

カラスウリがこの日も妖艶な姿で咲いていました。
真夏の夜の自然観察はやっぱりおもしろいですね。

セミの羽化の様子については、昨年公開した生きものミニサロンウエブ版で映像を見ることができますので、ぜひご覧ください!

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