ウシカメムシ

先日の生きものミニサロンでのセミの抜けがらさがしの際、参加者の方が面白い形のカメムシを見つけました。

ウシカメムシというカメムシです。

ウシカメムシ

胸部の棘が牛のツノに見えることから、この名がついたようです。
背中の「小楯板(しょうじゅんばん)」という部分にある黄色の模様も、見方によってはなんだか目のように見えます。

前面から

前面からも撮ってみました。
じつは、ウシカメムシは大きさの割に体に厚みがあり、左右にツノもあるため体全体にピントが合いにくい、撮影者泣かせのカメムシです。
今回もうまく撮れずにいろいろと試しているうちに、ちょこちょこと歩いて飛んで行ってしまいました。
(動物担当学芸員)

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生きものミニサロン「セミの抜けがらを探して種類をしらべよう!」を開催しました

毎月第3土曜日に実施している生きものミニサロンですが、今月は3週目がプラネタリウムのリニューアルから最初の週末にあたってしまうため、第4週の7月26日に実施しました。
テーマは、セミの抜けがら探しです。ただ探すだけではなくて、種類も調べてみます。猛暑の中でしたが、少し暑さのしのげるお隣の樹林地で実施しました。

まだまだ少ないのですが、抜けがらが見つかりました

今回も20名近い参加者が集まってくれました

今年はセミの羽化が少し遅れ気味で、博物館周辺でもニイニイゼミとミンミンゼミ、アブラゼミ、ヒグラシは鳴いているものの、数はあまり多くありません。それでも樹林へ入ったとたんに抜けがらを見つけてくれた参加者もいました。

子どもの視線は低いので、抜けがらを見つけやすいのかもしれません

虫めがねで触角を観察

茶色くて大き目の抜けがらを見分けるには、触角を見ます。下から3番目の節が長ければアブラゼミ、少し短めならミンミンゼミです。

アブラゼミの抜けがらの触角 付け根から3番目の節が少し長め

見つけた抜けがらのほとんどがアブラゼミでしたが、1つだけ、ミンミンゼミがありました。

ミンミンゼミの抜けがらの触角 付け根から3番目の節が短め

ニイニイゼミは見つけることができなかったのですが、サポートスタッフの小田さんが、ニイニイゼミと、静岡県からとってきてくれたクマゼミの抜けがらをみなさんへ見せてくれました。

クマゼミの抜けがらを観察

クマゼミの大きさにみなさん驚いていました。
暑い中でしたが、樹林地の中は風も通っていて、30分程度なら楽しく自然観察ができました。

一人で何個も採集してくれた“名人”

抜けがらがちょっと怖くてお母さんの手の上で観察

8月も、博物館実習の大学生が企画、進行する関係で、第4週(8月23日)の実施となります。お楽しみに!
(生物担当学芸員)

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セミの羽化観察会

本格的な夏を迎え、セミの季節がやってきました。
昨日は大野南公民館でセミの羽化の観察会が開催され、当館から学芸員2名が講師として参加しました。
公民館でセミについてのお話をしたあと、薄暗くなってきたころを見計らって近くの公園に向かいます。

いざ、観察に出発!

まず見つかったのはニイニイゼミの成虫です。
ニイニイゼミは、アブラゼミやミンミンゼミなどと比べると小型のセミです。
小さい!と声が上がります。

ニイニイゼミの観察

ぬけがら探しをしていると、「いた!」と声が。
羽化する前の幼虫が歩いているのが見つかりました!

地面から出てきたセミの幼虫

セミの幼虫は土の中にいて、羽化のために地上に出ると、木の幹などの羽化できる場所を探して歩き回ります。

7時半ごろになると、あちこちで羽化が始まりました。

アブラゼミの羽化

参加者の方がミンミンゼミの羽化も見つけてくれました。

ミンミンゼミの羽化

1頭の羽化を30分くらいにわたり観察していた方々もいました。
子どもも大人も、固唾をのんで見守ります。
おしりが抜けきると、「お~っ!」という歓声が響きました。

みんなでじっと観察…

暑い真夏の夜でしたが、じっくりと観察ができ良かったです。
(動物担当学芸員)

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【9/28まで】市史ミニ展示「戦時下の子どもたちの生活」開催中!!

現在、当館の自然歴史展示室内で、市史ミニ展示「戦時下の子どもたちの生活」を開催しています。

展示の様子

今回の展示では当館資料の中から当時の子どもたちの生活がわかる資料を選定しました。子どもたちが読んでいた少年倶楽部や、紙製の「のらくろ」のお面を展示しており、戦時中の子どもたちの娯楽が垣間見えます。

のらくろのお面と少年倶楽部

左から右の順に新しくなります。

少年倶楽部をみると終戦に近づくにつれ、徐々にページ数が削減され薄くなっています。

その他、当時の小学校への空襲に関して、現 緑区三井地区にあった三沢村国民学校の日誌を展示し、その詳細を解説しています。

この機会にぜひご覧ください。
(展示担当学芸員)

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サトセナガアナバチのゴキブリ狩り

住宅街の街路樹の幹を、美しい青緑色のハチが歩いているのを見つけました。
すぐに見失ってしまったのですが、あのシルエットはもしや…ということで、あわてて自宅からカメラを持ってきてもう一度探すと……

いました!しかも、ちょうど獲物を狩っています。

クロゴキブリの幼虫を狩ったサトセナガアナバチ

このハチはサトセナガアナバチという種です。
ゴキブリを狩って幼虫の餌とすることで、虫が好きな人々の間では有名なハチです。

観察していると、ゴキブリの頭部と胸部の間に針をつきたて、麻酔となる毒を注入しました。
とはいえ、すでにゴキブリはかなりおとなしい状態だったので、観察開始時点ですでに一度麻酔をされていたのかもしれません。

腹部を曲げて針をブスリ!

その後、ハチは麻酔がきいたゴキブリの触角を引っ張りながら後ずさり、どこかに運んでいきます。
巣穴となる場所を探しているようです。
ゴキブリはおとなしく、ハチの言いなりになって引っ張られていきます。
麻酔が完全に効いて動けないわけではなく、じっとしているものの足で歩くことはできる、という絶妙な状態です。
ハチの麻酔のコントロール、お見事です。

ゴキブリを引っ張っています

ゴキブリの触角をよく見ると、最初と2枚目の写真では長い状態ですが、3枚目の写真では短く切られています。
2枚目と3枚目の写真の撮影の間、カメラにストロボをつけるために目を離したのですが、その間にハチが切り落としたようです。

獲物の周りを歩きます

それにしても美しいハチです。
思いがけず興味深い場面に出会うことができた昼下がりでした。
(動物担当学芸員)

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今年も始まります!探検!発見!クイズラリー2025

当館ボランティア「市民学芸員」による人気の夏季恒例のクイズラリーの季節が今年もやってきました。その名も「探検!発見!クイズラリー2025」!
このところは夏休みの終わり頃の開催が続いていましたが、今年は本日7月25日(金)~27日(日)の3日間行います。夏休みのスタートダッシュに、たくさんのご参加をお待ちしています!

準備にも気合が入ります!

ここで、今年のクイズラリーの内容をちょっとだけ紹介したいと思います。
クイズは、例年どおり難易度別の2パターンをご用意しています。展示資料をよく観察して、自然・歴史展示室の各コーナーと天文展示室から1問ずつ出題された各6問に解答します。

1つは「クロスワードクイズ」で、各コーナーの答えを並べてキーワードを導き出す、クイズが得意な方にもチャレンジしていただきたい内容となっています。

そして、もう1つは恒例の○✕クイズ、ではなく「どっちかなクイズ」です。2つの画像から正しいものを選んで答える形式で、直感的に解答できるため、年齢問わず挑戦しやすいクイズです。

全問正解者には、今年も先着順で選べる記念品をプレゼントします!奮ってご参加ください。

選ぶのが楽しみな記念品

また、クイズラリー2日目の7月26日(土)は、毎年人気のフロア解説「岩石かあさん」によるパフォーマンスを1日4回(各回5~6分程度)行います。今年の演題は「丹沢ができるまで」です。クイズラリーとパフォーマンスの詳細はこちらをご確認ください!

岩石かあさんのパフォーマンス(昨年の様子)

このクイズラリーは当日の運営だけでなく、問題や解説の作成、記念品の用意に至るまで、全て市民学芸員による自主企画となっています。開館30周年を迎える当館は、リニューアルオープンしたプラネタリウム※要予約)、2つの企画展など目白押しですが、ぜひクイズラリーもお楽しみいただきたいと思います。

(歴史担当学芸員)

【『イベントニュース 2025年7月号』に関するお詫びと訂正】
『イベントニュース 2025年7月号』における「探検!発見!クイズラリー2025」の記事に誤りがございました。正しくは以下のとおりです。訂正してお詫び申し上げます。
(誤)
・小さなお子さま向けの○✕クイズ
・「岩石かあさんのパフォーマンス」について:会期中は毎日
(正)
・小さなお子さま向けのどっちかなクイズ
・「岩石かあさんのパフォーマンス」について:7月26日(土)のみ

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プラネタリウムリニューアル後、初めての週末は大盛況でした

7月16日にリニューアルオープンしたプラネタリウムは、7月19日~21日の3連休で初めての週末を迎えました。ほとんどの上映回が満席になるなど、大盛況のうちに終了しました。

毎回開場前には長蛇の列ができました

年間パスポートを求められるお客様も多く、新しいプラネタリウムへの期待の大きさを感じました。明日、7月22日は休館日となりますが、23日からは夏休み特別上映期間となります。27日までは事前予約が必要になりますので、詳しくはこちらをご覧ください。
7月21日には、開館30周年記念企画展「相模原市立博物館 30年の歩みを未来へ」の展示解説も実施しました。

たくさんの方にご参加いただきました

この展示解説のために来館された方も多く、午前、午後とも多くの方に参加いただきました。担当した若手学芸員から「30年のうち1年ちょっとしかいない自分が解説するのですが・・」との枕に場が和みます。

博物館には何人の人が働いているのか?といった話題にみなさん興味津々でした

資料だけでなく、博物館で働く人や、活躍するボランティアグループのみなさんの様子なども交えて紹介したことで、博物館の活動が立体感をもって伝わったのではないかと思います。
企画展は9月28日まで続きます。同じく特別展示室で開催中の「第10回 わぉ!な生きものフォトコンテスト写真展」 は8月17日までとなります。プラネタリウムをご観覧の際にはぜひこちらへもお立ち寄りください。
(生物担当学芸員)

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カラ類の巣立ちビナ

プラネタリウムのリニューアル、一般上映開始の2日目となりました。本日は午後からのみの上映ですが、午後の最初の上映は満席となっています。午後の2回目はまだ少し余裕があるようです(7月18日正午現在)。席に余裕のある回のみ当日券をご用意していますが、なくなり次第終了となりますのでご注意ください。

さて、そんな中ですが、通常の調査活動も粛々とやっています。お隣の樹林地内で外来生物の調査を行っていると、樹上からチチチ、ジージーなどとたくさんの鳴き声が聞こえてきました。シジュウカラをはじめとした、いわゆる「カラ類」の家族群でした。

シジュウカラの巣立ちビナ

ほんとうにたくさんの数がいて、シジュウカラ、エナガ、ヤマガラ、メジロなど、おそらく全体で50羽前後はいたはずです。

エナガの巣立ちビナ

巣立ってからあまり時間が経っていない個体や、すでに幼羽がほとんど見られない若鳥もいて、1回目の繁殖で巣立ったヒナと2回目のヒナも加わって大きな群になっているのでしょう。
枝から枝を右往左往しているうちに、いつの間にか群は移動して、静寂が訪れました。
ふと近くのクワの木を見ると、キボシカミキリが3頭、とまっていました。

キボシカミキリ

クワやイチジクなど、クワ科の樹木を好む昆虫です。時として大発生し、クワに大きな被害を与えますが、このところ、よく見かけます。あまりたくさん発生してクワにダメージを与えないでほしいなと思いながら写真を撮りました。

明日から3連休、プラネタリウムは6回投影を行います!最新鋭のプラネタリウムをぜひ見に来てください!
(生物担当学芸員)

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市民学芸員視察研修、今年は大磯町へ行ってきました!

少し前のことになりますが、6月18日(水)に毎年恒例の市民学芸員視察研修へ行ってきました。視察研修とは、当館の博物館ボランティア「市民学芸員」が、他館園の活動の様子をそこで働く職員の方から伺ったり、見学したりすることによって、今後の博物館活動をより良いものにするための館外研修です。

今年は、潮風かおる海沿いのまち、神奈川県中郡大磯町にある大磯町郷土資料館旧吉田茂邸にご協力いただき、視察研修を実施しました。

まずは、大磯町郷土資料館にて、学芸員の方から館の概要についてお話いただきました。

皆さん熱心にお話を聞いています。

大磯町郷土資料館は「湘南の丘陵と海」をテーマに、地域の考古と歴史、民俗及び自然について学べる施設です。開館は昭和63(1988)年で今年37年目を迎えますが、平成28(2016)年にリニューアルがあり、この後に見学した展示室などは新しくきれいな印象を受けました。

ウミガメの剥製を背に、海のお祭りの解説を聞いています。

やはり海沿いの町らしく、自然や民俗資料は海に関係するものが充実しています。また、「政界の奥座敷」と呼ばれ、伊藤博文や大隈重信、西園寺公望など著名な政治家が邸宅等を構えた大磯町は、近現代史のコーナーも重厚です。
視察研修では、市民学芸員の皆さんが活動拠点とする相模原市とは異なる自然や文化、歴史に触れられることが醍醐味ですね。

キャプションづくりについてお話を伺っています。

さらに、先方のご厚意により、常設展示の展示替えやキャプションづくりについてなど、具体的な展示制作のお話も伺いました。市民学芸員の活動の中で展示に携わる機会もあるため、皆さん興味津々です。

午後には国道1号線を挟んでお向かいにある旧吉田茂邸を見学しました。

まずは楓の間(応接間)で施設の概要を伺います。

旧吉田茂邸は、その名のとおり内閣総理大臣を務めた吉田茂(明治11(1878)-昭和42(1967)年)が暮らしていた邸宅です。現在の建物の大部分は平成21(2009)年の火災により焼失し、その7年後に再建されたものですが、吉田茂が暮らした当時の邸宅が復元されています。また、内部にはゆかりの品々が多数展示されているほか、焼失を免れた兜門やサンルームは当時の面影を残します。

賓客をもてなすのに使用したローズルーム(食堂)

書斎や寝室にある脱出口の中も特別に覗かせていただき、「要人の邸宅にはこんな備えもあるのか」と皆さん興味深く見入っていました。

この日は梅雨入り間もない時期とは思えないほどの猛暑でしたが、参加者それぞれが多くの学びを得られたようです。
今後の市民学芸員活動に、どうぞご期待ください!

(歴史担当学芸員)

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生きものミニサロン 7月、8月は第4土曜日に開催します

毎月第3土曜日に開催している生きものミニサロンですが、7月、8月は第4土曜日に開催します。

7月の開催日:7月26日(土)
8月の開催日:8月23日(土)

ご参加をお待ちしています!

6月の生きものミニサロンで観察した外来種の昆虫のチュウゴクアミガサハゴロモは、相変わらず博物館の回りにたくさんいます。

チュウゴクアミガサハゴロモの成虫

特にクワやコブシの木を探すと見つかりやすいかもしれません。
(動物担当学芸員)

 

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