6月9日 カイコ10日目 3齢に脱皮しました!

一昨日から昨日にかけて脱皮前の眠(みん)に入っていたカイコたちですが、今朝見るとすべての個体が3齢幼虫に脱皮していました。

3齢になりました!

2齢幼虫までは黒かった頭部が茶色くなり、体つきも一回り大きくなりました。
体長はもう1.5cmほどに成長しています。

新鮮な桑の葉をあげると、皆でそちらに移動していきます。

新鮮な葉の方へ

さっそく食べ始めました。

葉の裏からこんにちは

展示も随時更新中です。大きくなっていく様子をぜひご覧ください。

1階休憩コーナーそばに展示中です

(動物担当学芸員)

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梅雨入りの前に

6月5日夜、市内のゲンジボタルの名所に行ってみました。今シーズンのピークかな?というくらいの見事な明滅を見ることができました。

ゲンジボタルの明滅(6月5日、15秒の露光で撮影)

博物館の駐車場の一角では、ホタルブクロとヤマホタルブクロが隣り合って咲いています。この2種はとてもよく似ていて、遠目では識別できません。下の写真では、左がヤマホタルブクロ、右がホタルブクロです。両種の識別点については過去のこのブログに書いたので、ぜひそちらをご覧ください。

左がヤマホタルブクロ、右がホタルブクロ

さて、ホタルブクロが咲いているのは、一昨年、ナラ枯れのために伐採したコナラの切り株の周辺なのですが、そこにはこんなキノコが生えています。マンネンタケの仲間でしょうか。

マンネンタケの仲間

そばには幼菌が3本、整列していました。

マンネンタケの仲間の幼菌

このキノコは、老木や切り株などに発生し、分解していきます。有機物を無機物へ分解する重要な役目を持つのがキノコです。そして、キノコとはカビの一つの形態です。もうすぐ梅雨入りとなりそうですが、そんな季節に家の中で発生するとやっかいなのがカビです。しかし、生態系の中では無くてはならない存在だと思うと、ちょっと見方が変わりそうですね。
(生物担当学芸員)

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6月5日 カイコ6日目 2齢に脱皮しました!

6月5日、給桑開始から6日目です。すべてのカイコが2齢に脱皮したので、給桑を再開しました。新しいクワの葉をあげると、すぐにモリモリ食べ始めました。

2齢までは頭が黒いのが特徴です

古い葉には、脱皮殻がついていました。とっても小さくて、長さ2mmほどです。

1齢の脱皮殻(だっぴがら)

靴下を脱ぐような感じで古い皮を脱ぎます。
2齢の期間は短く、だいたい2日ちょっとで次の眠(みん)に入り、今週末には3齢に脱皮します。
(生物担当学芸員)

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【新規収蔵資料展見どころ紹介①】尾崎行雄の筆

6月1日(土)から、当館特別展示室でミニ企画展「相模原に生まれた偉人 尾崎行雄(咢堂)新規収蔵資料展」を開催しています。

このミニ企画展では、令和5年度に受け入れたばかりの“郷土の偉人”尾崎行雄に関する新規収蔵資料を展示しています。以前のブログで告知したとおり、担当者的見どころ紹介をしたいと思います。

展示室の様子

導入部分で尾崎の年表などをご覧いただいた後、まず目に飛び込むのがウォールケース一面に並ぶ扁額(へんがく)の数々です。昨年度受入資料の中でも書画の件数が圧倒的に多く、今回は扁額7点、屏風1点を展示しています。

扁額がズラリ!

揮毫(きごう)にあたって尾崎は雅号(=ペンネーム)を用いましたが、節目ごとに改め、生涯で5つの雅号を称しました。(「琴泉」→「学堂」→「愕堂」→「咢堂」→「卆翁」)
その中でも、「咢堂」を称した時期が大正初め頃から昭和22(1947)年までと最も長く、当館所管施設の市立尾崎咢堂記念館の名称もこの雅号を用いています。しばしば、「どうして尾崎行雄なのに、尾崎“咢堂”記念館なのですか?」とご質問をいただくことがありますので、本展示でも雅号について取り上げました。

展示している扁額で雅号の記載があるものは、いずれも「咢堂」を称したときに書かれたものです。「愕堂」から「咢堂」に改めた理由としては、年をとって心力の衰えを悟ったため「忄(りっしんべん)」を取ったからとされていますが、年齢による衰えを感じさせない力強い筆跡です。

ところで、ご来場いただいた皆さまは、展示室内の一角にこのようなコーナーがあることにはお気づきでしょうか?

「みんなで咢堂桜を咲かせよう!」…?

これは、尾崎が東京市長時代(明治36(1903)-明治45(1912)年)に、米国ポトマック河畔へ桜を贈ったことにちなんだ企画です。“相模原に生まれた偉人”尾崎行雄をより身近な存在に感じていただけるよう、展示をご観覧いただいた皆さまと一緒に作り上げるメッセージボードを設けました。

尾崎の桜寄贈については、本展示でも解説しているため、次回の見どころ紹介で触れたいと思いますが、令和4年度にメインテーマのミニ企画展を開催しましたので、よろしければこちらのブログをご覧ください。

かなり開花しています🌸

写真は6月2日(日)のお昼頃の様子ですが、5分咲きといったところでしょうか。皆さまからのあたたかいメッセージやイラストで次々と開花しています。
ご来場の際は、本展示の感想や尾崎へのメッセージなどを桜型の付箋(ふせん)にご記入いただいて、みんなで咢堂桜を満開にしましょう!

このほかの見どころについては、また後日ブログにて紹介したいと思います。

(歴史担当学芸員)

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6月4日 カイコ5日目 最初の眠に入りました

5月31日の給桑開始から4日目、カイコは眠(みん)に入っています。

うごかずじっとしているカイコ

昨日の後半にはほとんどのカイコが眠に入っていたので、今日の後半から明日にかけて脱皮をして、2齢になる予定です。眠の間はクワを食べず、少し頭を持ち上げるような格好でじっとしています。

少し頭を持ち上げた姿勢になります

頭部の古い殻が前の方へずれてきていて、間もなく脱皮するしるしです。

黒い部分が古い頭部の殻です(2齢の頭部も、脱皮した時には黒くなっています)

眠の期間は、カビなどにとても弱いので注意が必要です。特に1回目の眠の時は、飼育容器に湿気がたまらないよう、フタを開けてカラカラに乾いた状態にします。ちなみに、カイコは容器を開けたままでも決して逃げません。しかし、ふだんは開けておくとすぐにクワが乾燥して食べなくなってしまうので、フタをします。
今日から脱皮が始まる予定ですが、大方のカイコが脱皮を終えるまで、給桑は再開しません。脱皮したカイコからクワを順次あげてしまうと、成長がばらつくからです。
(生物担当学芸員)

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令和6年度地質学講座 2回目

5月26日(日)に令和6年度の地質学講座の第2回目を開催しました。陣馬山麓で神奈川県最古の地層、小仏層群の地層を観察しました。

JR中央線藤野駅からの和田行きのバスに乗車して、終点の和田バス停からスタートしました。

和田バス停から最初の見学地点まで舗装されてはいますが、割と急な坂道を登ります。

最初の見学地点では、小仏層群の砂岩を観察しました。もともと海底で水平に堆積した地層が、地殻変動によりほぼ垂直になり、さらに押し曲げられて緩やかに曲がっている様子を観察しました。

見学地点2では、川岸や川底に露出している地層を観察しました。川岸が切り立っているので降りることができないので、道路から覗き込んで観察しました。海底で堆積した泥の地層の間に多くの火山灰の地層が挟まれています。火山灰の存在から、地層が堆積しているときに頻繁に火山活動があったことがわかります。

見学地点3も、降りることができないので、道路から観察しました。砂と泥が交互に海底で堆積した地層が見られます。泥の地層は砂の地層よりも川の水に削られやすいので、砂の地層だけが削り残されて、川底から突き出ているような感じで残っている様子が観察できました。

見学地点4では泥岩に含まれている黄鉄鉱を観察しました。時間があまりなく十分に観察できませんでしたが、いくつか黄鉄鉱を見つけることができました。

ギリギリでしたが、予定していたバスにも間に合い、天気も良く、無事、この日の野外観察会を終えることができました。

第3回目は道志川の下流域での野外観察会です。

(地質担当学芸員)

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オオキンケイギクの駆除作業

6月1日、緑区大島の相模川河川敷で、特定外来生物に指定されているオオキンケイギクの駆除作業が行われました。これは、エコパークさがみはらの自然環境観察員の有志が、相模原市水みどり環境課へ要請して実施されたものです。
なぜこの場所かというと、相模川を代表する絶滅危惧種のカワラノギクの保全圃場があり、その周囲を取り囲むようにオオキンケイギクが繁茂してしまっているからです。

オオキンケイギク 見事な咲きっぷりですが、増えては困る植物です

ここ数年で明らかに増加しており、駆除が行われることになりました。作業には、桂川・相模川流域協議会や、さがみはら緑の風(自然観察指導員相模原連絡会)のみなさんなどが参加されました。

根っこから引き抜きました

大汗をかきながらの作業を1時間ほど行い、駆除したオオキンケイギクは40袋以上となりました。

本日の成果

特定外来生物は、生きた状態での移動が禁じられているので、この袋はゴミ収集車が回収します。今回はオオキンケイギクに絞った駆除作業でしたが、じつは、この河原の絶滅危惧種はカワラノギクだけではありませんし、外来植物もオオキンケイギクだけではありません。河原特有の環境に生育する植物にとって脅威となる外来植物はまだまだたくさんあり、今後も注意深く見守っていきたいと思います。
(生物担当学芸員)

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6月1日 カイコ2日目 飼育展示開始!

給桑開始から2日目6月1日、飼育展示を開始しました!

飼育展示の様子

1階エントランスの休憩コーナー脇に設置していますので、ご来館の際にはぜひお立ち寄りください。ただし、さすがにまだとても小さいので、ルーペ越しでも見るのに一苦労です。

ルーペごしでなんとか見えるかな?

ただし、カイコの成長はすさまじいです。昨日の朝、給桑開始直前に3mm弱だったものが、1日経った今朝には4mmに成長していました。約1.5倍!

6月1日朝、約4mm!

体つきもカイコらしくなっています!

すでにカイコらしい体つきに

日に日に成長していくカイコをぜひ見に来てください。
(生物担当学芸員)

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今年もカイコ始まりました!

毎年恒例の、カイコの飼育が始まりました!5月31日に給桑を開始、6月1日から飼育展示を開始します。写真は、給桑を開始した瞬間です。種紙(たねがみ:卵が産み付けられた紙)のまわりにいたふ化直後の幼虫が、クワの葉をそっと乗せた瞬間から葉の方へと寄っていきます。

種紙のそばでおとなしくしているカイコの幼虫

クワの葉を置いた瞬間に葉の方へと移動します

クワの葉のにおいに反応しているのでしょう。ものの数分で、ほとんどのカイコが葉の上へと移動しました。

すぐに食べ始めます

ふ化直後の1齢幼虫は、毛が生えていることから「毛蚕(けご)」と呼ばれます。体も黒く見えますが、これが、丸1日食べ続けると長さは1.5倍ほどになり、色も白黒のまだらに見えてきます。
そして、蚕種(さんしゅ:カイコの卵)を提供した学校への出張授業も始まりました。こちらは作の口小での授業の様子です。

カイコの授業の様子

クイズなどを交えながら、カイコを飼うにあたっての注意点だけでなく、カイコの飼育はペットを育てるのとは異なり、農作業であることなどを伝えました。

カイコの目はどれかな?

これから約1か月、カイコと共に過ごす日々が続きます。
(生物担当学芸員)

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【明日から開催】相模原に生まれた偉人 尾崎行雄(咢堂)新規収蔵資料展

先日、当館ホームページ等で情報解禁したところですが、明日6月1日(土)からミニ企画展「相模原に生まれた偉人 尾崎行雄(咢堂)新規収蔵資料展」を開催します。
この展示では、緑区又野出身の政治家で、本市が誇る郷土の偉人・尾崎行雄ゆかりの新規収蔵資料を一挙に紹介します。

相模原に生まれた偉人 尾崎行雄(咢堂)新規収蔵資料展

会場となる当館の特別展示室では、明日からの開催に向けて準備が大詰めです。フライング気味ではありますが、会場の設営状況を少しだけお見せします。

奥のウォールケース内にずらりと並んだ資料が見えます…

日頃から当館では、尾崎に関する資料を広く収集し、保存・活用していますが、こうした取り組みを多くの方に知っていただけたようで、令和5年度だけで9件もの寄贈のお申し出をいただきました。
新たに迎えた資料をいち早く皆さまにご覧いただける機会を提供したいと考え、“新規収蔵資料展”と題した展示を企画しました。

このため、本ミニ企画展は昨年度1年間で受け入れた正真正銘の新規収蔵資料のみを展示し、初公開の資料も多数列品しています。
中には、令和5(2023)年3月をもって閉校した市立鳥屋小学校(現在は市立鳥屋学園に統合)の校長室に掛けられていた扁額(へんがく)など、尾崎と地域との繋がりを感じられる資料もご覧いただけます。

尾崎咢堂・筆「澤如時雨(※)」(受け入れ時の状況)

会期中は、このブログで担当者的コーナー別の見どころポイントを紹介する予定ですので、引き続きご確認いただければと思います。

また、会場内では国際課による「ヒロシマ『原爆の絵』展」も同時開催します。ご来場の際はあわせてご観覧ください。

(歴史担当学芸員)

※当該資料の名称について、ポスター等で「澤如俄雨」と表記しておりましたが、正しくは「澤如時雨」となります。訂正してお詫び申し上げます。

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