生きものミニサロン「梅雨に咲く花と、そこに集まる虫」を実施しました

6月17日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは「梅雨に咲く花と、そこに集まる虫」です。この日は梅雨とは思えない夏空が広がりましたが、ふだんの梅雨は人間にとってはジメッとして過ごしにくいことが多い季節です。しかし野生の生きものにとっては成長の季節でもあります。そんな生きものたちの様子を観察しました。
まずは前回の投稿でも紹介した、館内から安全に観察できるキアシナガバチの巣を見ていただきました。

キアシナガバチの巣をじっくり観察

続いて外へ出て、ネジバナの観察です。

ルーペで見ると、ネジバナの花はとってもゴージャス!

ここではみなさんに一つお願いをしました。それは、「せっかく美しい花なのに、ネジバナじゃちょっとそのまんま過ぎるので、新しい名前を考えてみてください」というものです。じっくり観察してみると、いろいろな気づきがありました。

真剣に観察してくれています

「ピンクだけじゃなくて、白いところと紫色のところがある!」「キラキラしてる!」「左巻きと右巻きがある!」などなど。そして、みなさんが見つけてくれた特徴を書きだして、そこから新しい名前をつけてみました。

気付いた特徴を書き出します

結果は「キラキララセンカイダン(きらきら螺旋階段)」です。すばらしい名前ができて、参加者のみなさんから拍手が沸き起こりました。
続いて、これから真夏にかけて咲く、ヤブカラシの花の観察です。ここでは、ピンクとオレンジ色の花があって、その違いについて観察してもらいました。

ピンクとオレンジの花があるヤブカラシの花

オレンジ色の花にアリが集まってる!オレンジの花はなんか濡れてる!といった気づきがあり、どうやらオレンジ色の花は蜜が出ているようだ、という結論に。そこで、舐めてみると・・うーん、味はわからない・・いや、ちょっと甘い・・いろいろな感想が聞かれました。

実際に舐めてみると・・

微細な量なので、ちょっとわかりにくいのですが、甘いと答えてくれた人も多かったです。
ここで終了となりましたが、その後も熱心な親子の参加者が延長戦に。ヒメジョオンとハルジオンの違いを知りたいということで、茎が空洞(ハルジオン)と詰まっている(ヒメジョオン)のを、実際に茎を押して確かめてもらいました。

初めて会った子たちも、すでにお友達です

今回も、熱心なお子さんたちと楽しく観察できました。
次回は7月15日(土)12時からです。
(生物担当学芸員)

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キアシナガバチの巣

あ!危ない!!ハチの巣にそんなに手を近づけて・・

そんなに手を近づけては!

ご安心ください。じつはこのキアシナガバチの巣は、博物館の中庭に作られていて、手と巣の間には厚いガラス壁があるのです。中庭は出入りできないようになっているので、危険はありません。あまりにも見やすい位置に作られているので、表示も出しました。

場所は、自然・歴史展示室の出口からすぐ左側のガラス壁面近くです

人間にとって、野外でもっとも危険な生物のひとつであるハチも、生態系の一員として大切な生きものです。
下からのぞくと、幼虫を見ることもできます。

幼虫が頭をのぞかせています

なかなか間近で見る機会の少ないキアシナガバチの巣の様子を、ぜひじっくり観察してみてください。
(生物担当学芸員)

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【市民学芸員かわら版】このヒナ、なんの鳥?

6月14日(水)、当館1階休憩コーナーが定位置の「市民学芸員かわら版」を新たに入れ替えました。最新号のテーマは、「このヒナ なんの鳥?」です。

このヒナ、なんの鳥??

当館の博物館ボランティア「市民学芸員」の情報発信チームによる市民学芸員かわら版は、毎号チームメンバーが協力して制作しています。掲示している写真やイラストも、すべて市民学芸員が撮影したものや手描きしたものを使用しています。

写真は40~50年程前に図鑑制作のために撮影したものです。

「このヒナ なんの鳥?」は、クイズ仕立てで様々な種類のヒナや成鳥を紹介しています。このクイズ、なかなか挑戦しがいがある難易度に仕上がっていますので、大人からお子様まで幅広くお楽しみいただけると思います。

本物そっくり!成鳥のイラストです。

小さなお子様にも挑戦していただけるよう、市民学芸員のアイディアで今回はいつもより少し低めの位置に掲示してあります。
梅雨空が続きますが、ご来館の際はぜひ、市民学芸員かわら版をご覧ください!

(歴史担当学芸員)

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「石を顕微鏡で見てみよう」を開催しました

6月11日に「石を顕微鏡で見てみよう」を開催しました。現在開催中の企画展「石のステンドグラス2~偏光顕微鏡の世界~」の関連事業です。

相模川の川原で見られる石や大理石などを偏光顕微鏡で観察しました。ボランティアとして相模原地質研究会と相模原弥栄高校サイエンス部の皆さんにご協力いただきました。

お子さんから大人の方まで、参加された方々は熱心に顕微鏡をのぞいていました。普段見ることができない岩石の偏光顕微鏡の世界を楽しんでいただけたようです。

中央区長と副区長にもご覧いただきました。

区長のお気に入りは大理石。この石はとてもカラフルに見えるので、皆さんに大人気でした。

大理石の偏光顕微鏡写真。写真の横幅が約2.2mmです。

顕微鏡の横に岩石の標本も置いたので、実物と見比べながら観察することができました。肉眼で見るのとは全く違う見え方をするので、参加された方はその違いに驚いていました。

企画展「石のステンドグラス2~偏光顕微鏡の世界~」は6月25日(日)までです。また、6月24日(土)14時〜14時30分に展示解説を行います。ぜひご来館いただければと思います。

(地質担当学芸員)

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カイコ15日目 4齢になりました!

給桑開始から2週間が経った6月14日夕方、ほとんどのカイコが脱皮して4齢になったため、眠(みん)の間は休止していた給桑を再開しました。4齢のカイコは頭がさらに大きく見えます。

4齢のカイコ

しかし、数日食べ続けてると、体の方がまた大きくなっていくため、相対的に頭が小さく見えるようになります。
左は4齢、右は3齢の眠のカイコです。頭の大きさの違いがよくわかります。眠のカイコは、頭部(の殻)が前へずれて、下に新しい頭部が見えています。

4齢(左)と3齢の眠のカイコ(右)

そして、脱皮殻にはちゃんと抜けた頭部の殻もついています。

脱皮殻 右端に頭部の殻もついています

4齢は5日間ほど食べ続けると最後の眠に入り、いよいよ来週前半には5齢のラストスパートとなります。

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クマノミズキ

博物館の駐車場では、「ミズキ」が満開です。

満開のクマノミズキ

といっても、この「ミズキ」は、クマノミズキという種類で、ゴールデンウィークの頃に咲くミズキとは別種です。ミズキの方は花期が約1か月半ほど早いので、すでに若い果実がついています。

ミズキの果実

分類上も近縁で、葉も花もとてもよく似ていため、それだけでは区別がつきません。
大きく違うのは、枝別れの様子です。ミズキは、左右交互、あるいは不規則に枝が分かれる「互生(ごせい)」です。

枝の分かれ方がやや不規則なミズキ

一方、クマノミズキは同じ場所から左右に枝分かれする「対生(たいせい)」です。

枝が同じ場所から左右に分かれるクマノミズキ

同じような環境に生育し、博物館周辺でも並んで立っていることもしばしばです。それでも、花期が重ならないのは種を分ける決定的な違いになります。他にも休眠芽(冬芽)の形も違うのですが、それはまた冬、見やすくなってから紹介しようと思います。
(生物担当学芸員)

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カイコ13日目 3回目の眠に

給桑開始から13日目、カイコは3齢の4日目となりました。

3齢になったカイコ

体長は2.4センチメートルほど。すっかりカイコらしい色と体形になりました。頭部も、2齢までの黒色からベージュ色に変化しています。

体長は2.4センチメートルほど

早いものはすでに3回目の眠(みん)に入っています。

眠に入っているカイコ 小さな頭部がすでに前にずれています

頭部が前にずれて、すでに新しい大きな頭が透けて見えています。
飼育展示も、アクリルのカバーをはずして見やすくなっています。

飼育展示もカバーをはずして見やすくなっています!

明日には脱皮して4齢になるカイコが多そうです。順調に成長しています。
(生物担当学芸員)

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天使のらせん階段

博物館の駐車場にネジバナが咲きだしました。

二株並んで咲いたネジバナ

花がらせん状に、そして下から順々に咲きます。天使がのぼる階段かな?と感じてしまいます。一つ一つは小さくても、ラン科なのでとても美しい花です。

ネジバナの花

これから梅雨に入り、雨露をまとう姿もとても美しいのでこれから楽しみです。
(生物担当学芸員)

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カイコ8日目 2齢は期間が短い!

6月8日、掃き立て(給桑開始)から8日目です。
カイコはすでに2齢の3日目、体長は1cmを超えました。

2齢のカイコ

幼虫の間に4回脱皮するカイコの各齢期は、2齢が最も短く、3日間弱です。そのため、ほとんどのカイコが今日のうちに眠に入り、明日は休止期間に入ります。

体長は1.2cmほど

そして、土曜日には脱皮をして3齢になります。3齢のカイコはちょっと姿が変わるので、その姿は脱皮後にお伝えします。

写真は1齢の脱皮殻

上の写真は1齢の脱皮殻です。
脱皮殻も2倍くらいの大きさになっているはずです。毎日のように体が大きくなり、成長していく様子が楽しみです。
(生物担当学芸員)

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‟どうする家康”関連ミニ展示、麻布大学いのちの博物館に出張!

先日まで吉野宿ふじやで開催していたNHK大河ドラマ“どうする家康”関連出張ミニ展示「相模原にもあった!?徳川家康ゆかりの地」が、6月5日(月)から中央区淵野辺にある麻布大学いのちの博物館で展示中です。

このミニ展示は、NHK大河ドラマ「どうする家康」にちなみ、市内を中心に徳川家康やその祖先、重臣(おもだった有力な家臣)ゆかりの地を紹介したものです。ドラマの放送開始に合わせた今年1月~3月の相模原市立博物館を皮切りに、家康大河ドラマイヤーの2023年に様々な会場でご覧いただけるよう、市内各所で巡回展示を実施しています。(当館開催時のミニ展示解説はこちら→)

展示の様子

関東地方は梅雨入り間近ですが、雨でも楽しめる麻布大学いのちの博物館にぜひお出かけしてみてはいかがでしょうか?展示期間は7月28日(金)までです。
なお、麻布大学いのちの博物館の観覧は、電話による事前予約が必要です。入館方法や開館スケジュールの詳細は、同館ホームページをご確認ください。

麻布大学いのちの博物館

以前こちらのブログでもお知らせしましたが、麻布大学いのちの博物館と当館は今年4月、両館における展示・教育普及活動のさらなる連携を進めるために「麻布大学いのちの博物館と相模原市立博物館との連携事業に係る覚書」を締結しました。今回の出張展示もその一環として行っています。

また、7月9日(日)には当館地階大会議室で「麻布大学いのちの博物館×相模原市立博物館連携講演会」を開催します。
麻布大学いのちの博物館の島津館長と当館生物担当の秋山学芸員が登壇予定ですので、こちらもお楽しみにお待ちください。

(歴史担当学芸員)

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