学びの収穫祭 1日目

11月19日、学びの収穫祭 1日目の口頭発表会を行いました。

新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの開催となった口頭発表会では、7件の発表があり、多くの方にご聴講いただきました。どの発表も会場から質問があり、盛会となりました。

また、エントランスでは展示発表も始まりました。

圧巻は,これまでで最年少の発表者である大野村いつきの保育園の園児の皆さんによる「ありのぎょうれつ」です.

「ありのす」を描いた、たもつ君が早速来館してくれました

本村市長も早速,観覧に訪れました。

今年の展示発表は30件あり、日頃の皆さんの活動や研究成果がまとめられています。展示発表は12月中旬まで開催していますので、ぜひ、熱意のこもった発表をご覧いただければと思います。

2日目の11月20日は「学芸員が語る相模原」というテーマで,民俗分野と地質分野の学芸員がお話しします.

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【今秋からリニューアル】尾崎咢堂記念館パンフレット

このたび、尾崎行雄(咢堂)の生誕地・本市緑区又野にある尾崎咢堂記念館のパンフレットを約10年ぶりにリニューアルしました。

博物館エントランスで配架中!

今回のリニューアルにあたり、デザイン・色・大きさ・内容をすべて一新しています。
写真も以前のパンフレットよりたくさん使用して、尾崎の生涯や記念館についてわかりやすく紹介しているので、ぜひご覧いただき、尾崎咢堂記念館へ足を運んでいただければと思います。

尾崎の功績のひとつである米国への桜寄贈をイメージし、背景には花びらが舞っています。

このパンフレットは、当館や尾崎咢堂記念館で配布しており、市内公共施設などでも順次配布を予定しています。

また、当館で現在開催中の尾崎行雄を紹介するミニ企画展の制作にあたった「尾崎行雄を全国に発信する会」主催の「第20回尾崎行雄(咢堂)杯演説大会in相模原」が11月19日(土)に開催され、そちらでも今回リニューアルしたパンフレットを配布する予定です。お越しになる方は手に取っていただけるとうれしいです。
なお、演説大会はどなたでも無料でご入場いただけますが、希望者多数の場合は入場が制限されることも予想されますのでご注意ください。詳しくは「尾崎行雄を全国に発信する会」ホームページをご確認ください。

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当館で撮影されたテレビ番組が放映されます!

11月20日(日)午後1時57分から、TBSテレビ(地上波)で放映される番組「四季折々の贈り物」は、当館で撮影されました。約2分間の短い番組の中で、生物担当の学芸員が、出演者である小学生の姉妹とドングリを拾い、工作をしています。

コナラのドングリ

クヌギのドングリ 今回の工作の“主役”です

再放送やネット配信が無い番組なので、どうぞお見逃しなく!

仲良しの姉妹と楽しく撮影しました

撮影時の楽しいエピソードなどもあるので、放映後にこのブログで紹介したいと思います。

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旧藤野町の嵯峨遺跡からみつかった土器を展示中です(11月27日まで)。

中山間地域文化芸術作品展「Into the Forest-モノづくりの森へ」にて、旧藤野町の嵯峨(さが)遺跡出土の土器を11月17日(木)から11月27日(日)まで展示しています。
会場は相模湖交流センターアートギャラリーです。

この作品展は「森」をテーマにしたもので、出土した縄文土器は「土のかたち」のコーナーにあります。

展示の様子

近くには熊谷幸治氏の陶芸作品があります。これは現代と縄文時代の造形を比較する目的があり、さらには地域の貴重な遺跡を知ってもらう意図があります。
今回展示した土器は、土器の文様がよくわかるものを選定しました。いずれも今から約5,000~4,800年前の土器です。

立体的な装飾が特徴です。

 

嵯峨遺跡は中央道相模湖インターの西に位置しており、相模湖インターの拡張に伴い1986年に発掘調査され、縄文時代中期や平安時代の住居跡や土器、石器が見つかりました。

嵯峨遺跡の位置(右下◎:相模湖交流センター)

嵯峨遺跡の発掘調査区。南に延びる緩斜面に遺跡があります。

縄文土器の出土状況。白いスタンドに展示した土器です。

芸術作品との共演は、学芸員としても大変興味深く貴重な体験ができました。芸術の観点からも縄文土器を見ることができますので、みなさまもぜひご覧ください。

中山間地域文化芸術作品展「Into the Forest-モノづくりの森へ」(市ホームページ)

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雨天中止です。【11/23】津久井城跡市民協働調査の現地説明会を開催します。

※雨天により中止になりました。

津久井城跡市民協働調査の一環として、11月8日から城坂曲輪群(しろさかくるわぐん)7号曲輪の発掘調査を行っています。

まずは7号曲輪の位置関係から。
7号曲輪は城坂曲輪群の東に位置しており、現況は南西へ延びる緩斜面です。

7号曲輪の位置

過去に発掘調査を行った5号曲輪は里山広場とも呼ばれます。

5号、6号、7号曲輪(赤線)

これまでの発掘調査の成果は、南に広がる5号曲輪では庭園遺構が確認されており、その上段に位置する6号曲輪では、溝などの遺構は見つかっていますが、その時期は不明です。今回の7号曲輪はどのような状況なのか期待されます。

調査区の様子(北東から)

測量の様子。奥では表土を掘っています。(南から)

今年度の津久井城跡市民協働調査の成果を広くお知らせするために、11月23日(水・祝)に現地説明会を行います。発掘現場の見学は午前10~午後2時まで可能で、調査員による現地解説は午前11時、午後1時30分から行います。過去の5号曲輪の成果や7号曲輪の様子、さらには出土した土器なども展示・解説しますので、ぜひお越しください。

現地説明会のチラシ(PDF)はこちらから

※この現地説明会は「宝ヶ峰の里まつり」と同時開催です。そのため駐車場が大変混み合いますので、公共交通機関にてお越しください。また当日は花の苑地第2駐車場からシャトルタクシーを運行しております。

「宝ヶ峰の里まつり」紹介ページ(津久井湖城山公園ホームページ)

津久井湖城山公園ホームページ

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今年も開催!学びの収穫祭

11月19日と20日は、毎年恒例の「学びの収穫祭」を開催します。これは、博物館を拠点に活動するボランティアグループや、学芸員が活動に関わる学校の部活動、大学の研究室、学習相談を受けた小学生の自由研究、博物館のアルバイトの学生などが調査研究活動を発表する場です。

コロナ禍以降、一昨年は中止、昨年は展示発表のみでしたが、今年は口頭発表会や学芸員の講演会が復活します。
注目は、これまでで最年少の発表者として、保育園の展示発表があることです。以前もこのブログで紹介した大野村いつきの保育園による「ありのぎょうれつ」です。園児のみなさんの視点や取り組みをぜひご覧ください。
19日(土)午後1時30分から口頭発表会、20日(日)午後2時から当館学芸員による講演会もあります。展示発表は1階エントランスで行いますので、ぜひご来場ください。

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博物館収蔵資料紹介~桶

前回取り上げた籠(かご)や笊(ざる)は、主に竹を細く割って編んだもので、竹なので軽く、曲げたりするのも簡単で編みやすいといった特徴があります。それに対して、桶(おけ)は中に入れた水分が漏れないように、木を組み合わせて丸い形に作ります。

最初の写真は、「水桶(みずおけ)」あるいは「水樽(みずだる)」と呼ばれるもので、何に使ったかと言うと現在の水筒(すいとう)に当たります(収集地・中央区上溝)。夏場の畑仕事などに持って行き、左側の竹筒をストローのように吸って水を飲みます。右側に見るのは穴をふさぐ栓(せん)で、ここから水を入れます。                  

 

相模原や周辺地域では、夏場のお祭りやお盆の時に酒まんじゅうがよく作られました。酒まんじゅうは、まんじゅう酒という甘酒のようなものを作り、それで小麦粉を丸めて蒸かして中にはあんこなどを入れたもので、夏場の御馳走として欠かせないものでした。

写真は、まんじゅう酒を作るのに使われた「酒桶(さけおけ)」で、炊いたご飯と水、麹(こうじ)を入れてしばらく置きます。女性はこの桶を大事にして、まんじゅう酒を作る専用の道具として使い、ほかのものは入れないようにしていました(収集地・緑区大島)。                  

 

水道が自由に使えるようになる以前には各家に井戸があり、井戸から汲んだ水を入れて運ぶのに使われたのが「手桶(ておけ)」です(収集地・南区新戸)。一般に相模原は井戸が深い所も多く、水に苦労した地域と言われますが、毎朝、子どもが井戸から水を汲み、手桶で水瓶(みずがめ)に運ぶのが日課だったという話もよく聞かれます。                 

 

次の写真は、博物館の多くの資料を保管している収蔵庫の中の様子で、いろいろな桶がさかさまにひっくり返して置かれています。これは、籠や笊をしまう時には、中に風がよく通るように上向きに置き、桶などは内側に風が当ると箍(たが)が緩んでしまうので伏せていたと教えていただいたため、手桶のように伏せるのが難しいもの以外は、なるべく収蔵庫でもそのように保管しています。                   

 

最後の写真も収蔵庫で、「醤油(しょうゆ)仕込み桶」です。かつては醤油も自分で仕込む家があり、大きな桶に小麦や大豆、塩、麹、水を入れて醪(もろみ)を作り、一年ほどたって絞ったものが自家製の醤油となります。この仕込み桶も、前の写真と同様に伏せて置いています。                  

 

私たちの身の回りにはさまざまな道具がありますが、容器を代表する籠と桶を見ても、それぞれの特徴に合わせた使い方や保管の仕方があったことが分かります。博物館では実物とともに、そうした情報なども同時に調査し、データ化するのも大切な仕事なのです。

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ハイイロゴケグモ

11月15日、いつも博物館をご利用してくださっている市民の方から、ハイイロゴケグモが持ち込まれました。市内中央区の田名地区で見つかったそうです。

ハイイロゴケグモ

すでに国道16号線沿いや、上溝地区などでは普通に生息するクモになっています。毒を持つため、噛まれると腫れたり発熱などの様々な症状が出ます。今のところ、市内では咬傷(こうしょう)被害は出ていません。セアカゴケグモなどと比べて攻撃性は低いと言われています。
特徴は、腹部上面(背中側)に並ぶ独特な斑紋と、下面の砂時計型の赤い模様です。

腹部下面の赤い模様が特徴です

じつは、上面の斑紋はよく似た模様のクモがたくさんいるので、識別はちょっと難しいかもしれません。下面も生きた状態ではなかなか見られない位置なので、意外と識別が難しいクモです。
しかし、もう一つ、わかりやすい特徴があります。それは、卵のう(糸で包まれた繭状の卵の塊)です。こんぺいとうのような形をした白い卵のうは、直径が7~9ミリメートルほどの大きさです。このような卵のうはほかのクモでは見られません。

ハイイロゴケグモの卵のう

ハイイロゴケグモは、家に入って来ることはあまりなく、庭などにしばらく放置されているようなブロックや、植木鉢のすき間、パイプ状のものなどの中で生息します。こうした場所に上の写真のような卵のうがあったら、ハイイロゴケグモが生息している証拠です。
ただし、市内ではすでに広域的に生息しているため、駆除をしてもすぐにまた復活してしまうはずで、完全に駆除することはほぼ不可能と思われます。無理に触ったりしなければ噛まれることはまずありませんので、こうした生物とは適度な距離を保つようにしてください。

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哺乳類の調査を開始!

博物館周辺の樹林地に生息する哺乳類は、タヌキ、アナグマ、ハクビシン、アカネズミ、アズマモグラ、アブラコウモリが挙げられます。さらに、トレイルカメラ(自動撮影装置)に稀(まれ)に写るものには、ネコ、アライグマ、イタチがいます。
これらの中でも特にアナグマはちょっと興味深い存在です。

アナグマ

この写真は以前、野鳥の写真を撮影している時に、たまたま一瞬現れたところを撮ったものですが、トレイルカメラには夜間にかなりの頻度で写ります。タヌキやハクビシンは市内全域で普通に生息していることがわかっていますが、アナグマは山間部や段丘崖などに限られていて、平地の樹林では確認できていませんでした。博物館周辺の樹林地に生息していることも、6年ほど前にトレイルカメラに写るまでまったく気づいていませんでした。
今回、住宅地の中の樹林地で、アナグマがどのように生息しているのかを調べようと、麻布大学動物応用科学科野生動物学研究室のみなさんが、博物館と共同で調査を開始しました。11月12日には8名の学生さんと指導教官の塚田英晴教授、そして生物担当の学芸員が樹林に入りました。すると・・

アナグマの巣穴(中央付近)

発見されたアナグマの巣穴です。倒伏したヤマザクラの下に穴を掘っています。これまで、古い下水道跡などを利用して生活している様子がトレイルカメラの映像によって明らかになっていましたが、こうして自力で巣穴を掘っていることも今回の調査でわかりました。

巣穴の出入口

また、フンもいくつか見つかり、食性についても手掛かりがつかめそうです。これからさらに調査を進め、アナグマをはじめ、そのほかの哺乳類も含めて生活の様子を解明していきたいと思います。

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水の中の小さな生きもの

11月9日、市内の小学校の池から採集した水を顕微鏡で観察しました。あまり密度は高くありませんでしたが、最初に見つけたのはこちらの藻類、イカダモの仲間です。

イカダモの仲間

さらに観察を進めると、クルクルと回って動いているものがいました。

繊毛虫類

大きめのプランクトンで、おそらく繊毛虫類(せんもうちゅうるい)と呼ばれるものの一種でしょう。いくつかの種類がいて、細長いラッパのような形をして集まっていたり、離れて泳ぎまわったりしていました。そして、見た瞬間、「おっ!」と声を上げてしまったのが、こちらです。

クマムシの仲間

緩歩動物(かんぽどうぶつ)のクマムシです。この生物は、水の中というより、水際のコケの中などに生息します。今回、落ち葉や水草を一緒に採ってきたので、その中に入っていたのかもしれません。
今回の観察を含めて、学校の生きものから生物多様性について考える動画を、市内のPTAの地区組織である上溝緑ブロック協議会からの依頼で撮影しました。この動画の公開について詳細が決まりましたらまたお知らせいたします。

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