【現在開催中!】ミニ企画展「尾崎行雄(咢堂)の桜と相模原市の桜」

みなさんは、本市緑区又野出身の政治家で郷土の偉人・尾崎行雄(咢堂)の業績のひとつに、アメリカ ワシントンD.C.のポトマック河畔に約3,000本もの桜を寄贈したことがあるのはご存知でしょうか?
尾崎は長きにわたる政治家人生の中で、明治36(1903)~45(1912)年に東京市長を務めており、当時、日露戦争講和に際して尽力したアメリカへの感謝の気持ちを示すため、東京市民代表として桜の苗木を贈ったのです。これらの桜は現代でも受け継がれており、花が咲く頃に行われる全米桜祭りでは多くの人がポトマック公園を訪れ、世代を超えて愛され続けています。
この日米友好を象徴する桜寄贈から今年で110年を迎えることを記念して、相模原市立博物館では令和4年11月5日(土)~12月18日(日)の期間、ミニ企画展「尾崎行雄(咢堂)の桜と相模原市の桜」を開催しています。

1階エントランスの正面入り口から見て右側で開催中です!

1909年4月5日、日本への居住経験があり桜について造詣が深かったシドモア女史が、タフト大統領夫人へポトマック河畔に日本の桜を植樹することを進言したことで、日米友好の桜の物語は動き出します。しかし、一度目の寄贈では桜苗木への害虫被害が深刻だったため、ワシントンに到着後、無念にも全て焼却処分されてしまったのです。こうした困難を乗り越え、今もなお愛されているポトマック河畔の桜がどのようにして海を渡ったのか、展示の前半部分では、桜寄贈の経緯やその後の経過について紹介しています。明治43(1910)年に尾崎が太平洋を航海した際の旅券(パスポート)と乗船名簿は、ここでしか見ることができない尾崎ゆかりの貴重な資料です。

貴重な実物資料は必見です。

本ミニ企画展は「尾崎行雄を全国に発信する会」へ委託し、作り上げた展示になっています。後半部分では、アメリカから里帰りして「咢堂桜」と命名された桜の植樹を市内外で進めてきた「尾崎行雄を全国に発信する会」の活動について、多彩な桜の写真パネルや平成4(1992)年の「咢堂桜」植樹式のしおり等を展示して紹介しています。

どう展示すれば見やすいか…協力して設営しました。

さらにミニ企画展タイトルでもある「相模原市の桜」として、桜の名所やイベント等の本市の取り組みについても展示しています。相模原市さくらさくプロジェクトの「さくらマップ」(公益財団法人相模原市まち・みどり公社提供)や「さくらとくらす中央区らいふ-相模原市中央区ガイドブック-」(中央区役所地域振興課提供)も配布していますので、展示見学後にお持ち帰りいただき、相模原市の桜についてより深く知っていただければと思います。

冊子はTake Freeです。ご自由にお持ちください。

尾崎行雄が桜にのせた思いと相模原市の桜を感じていただける展示になっていますので、ぜひご覧ください。

また、本ミニ企画展の関連イベントとして、令和4年12月4日(日)午後1時から講演会「東京市長時代の尾崎行雄-日米友好の桜寄贈を中心に-」を当館地階大会議室で開催します。講師には一般財団法人尾崎行雄記念財団理事・事務局長の石田尊昭氏をお招きし、東京市長時代の尾崎行雄と桜にまつわるテーマでお話しいただきます。どなたでも無料でご参加いただけますが、先着順で定員(60名)に限りがございますので、ご希望の方はお時間に余裕を持って当日直接会場へお越しください。

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紅葉を長く楽しむために

博物館の駐車場などで木々の葉がだいぶ色づいてきました。紅葉というと、市内では緑区の相模川沿いや道志川沿いの渓谷が有名ですが、時期としては今月下旬くらいが見ごろでしょうか。
でも、紅葉は家のまわりでも十分に楽しめます。そして、見どころを変えれば、秋から冬まで楽しむことができます。例えば、紅葉のトップバッターと言えるツタ(ナツヅタ)は、早々と赤くなります。

ツタの葉の紅葉

場所によっては真っ赤な葉が木の幹を這いのぼる様子が見事です。

幹を登るツタの紅葉

ウルシの仲間も真っ先に、しかも真っ赤に紅葉します。ただ、ウルシは家のまわりに普通にある木ではありません。そこで、博物館お隣の樹林地にも多いヌルデ(ウルシ科)を見つけられると、黄色~朱色の美しいグラデーションを楽しめます

ヌルデの紅葉

そして、見過ごしがちなのが、地面の紅葉です。サクラは学校や公園、街路樹としてもたくさん植えられている木ですが、枝についた葉の紅葉は、茶色や緑色が多く混じる上に、あっという間に散ってしまうため、あまり人気がありません。でも、地面を見てください。

地面に広がるサクラの紅葉

渋めの色合いが混じり合って、とても美しい紅葉を楽しめます。

色の多様性がサクラの紅葉の特徴です

不思議なことに、きれいな色の葉を集めて写真を撮ったりすると、とたんに美しさが半減してしまいます。ランダムな色の配置が、落ち葉の紅葉の美しさを演出しているのかもしれません。1枚の葉にクローズアップしてみると、虫食いの痕などを含めて、複雑に色が変化する様子がとても美しいことに気づきます。

虫食いの痕もアクセントになります

カエデやケヤキが折り重なるように色づく渓谷の紅葉ももちろんすばらしいのですが、家のまわりでも見どころを変えることで、冬まで紅葉を楽しむことができます。ぜひ、地面の上の色合いも楽しんでみてください。

 

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博物館収蔵資料紹介~籠製品と籠屋の道具

前回の職員ブログでは、11月1日から始まった学習資料展「昔の小学生-昭和30~40年代のこどもの世界-」に触れましたが、同時に特別展示室では「ようこそ! 竹細工ワールドへ!!~久保沢最後の籠屋(かごや)さん~」も開催されています。

私たちの生活の中にはさまざまな竹細工がありますが、ここではそうした竹製品とともに、緑区久保沢で平成3年(1991)まで籠屋として活躍されていた、宇佐美幸治さんが使用していた道具類を展示しています。

最初の写真は、市内で盛んだった養蚕に関する道具です。養蚕には籠や笊(ざる)をはじめ、蚕をのせて飼育するエガなど、さまざまな竹製品が使われていました。                  

 

展示では出来上がったものだけではなく、どのように竹を編んでいくのか、製作工程を示したコーナーもあります。写真は二種類の型の目籠(めかご)であるイモフリメカイの製作手順を示したもので、昭和60年(1985)に中央区田名の方に作っていただいたものです。会場では、その際に撮影した目籠の製作手順の写真も展示しています。                 

 

この展示は、宇佐美さんのご家族から竹細工道具一式を博物館にご寄贈をいただいたことをきっかけに開催することになったもので、開催には、博物館で民俗資料を整理するボランティアグループの「福の会」が継続的に作業に当たりました。次の二枚の写真はいずれも宇佐美さんが使った道具類です。                                

 

また、落ち葉などを掻き集めるのに使った熊手(くまで)は製作道具とともに、作業場での製作の様子をパネルで示しています。                  

 

今回紹介した写真のほかにも、展示ではさまざまな資料を見ることができます。新たに博物館の収蔵資料に加わった竹細工道具のお披露目とともに、多くの皆様に竹製品を紹介した今回の展示をご覧いただければと思います。

※本展示は令和5年1月15日(日)まで、博物館の特別展示室で開催中です。

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コナラの年齢

11月2日、気持ちの良い秋晴れの空が広がりました。博物館敷地内のコブシの葉も色づいてきました。

コブシの黄葉

駐車場のミズキの落ち葉も、地面に美しいグラデーションを描いています。

地面に落ちたミズキの葉

そんな中、ナラ枯れで立ち枯れてしまった前庭のコナラが伐採されました。幹が駐車場の一画に仮置きされています。

伐採されたコナラの幹

今年の初めにも同様に伐採されたコナラの年輪を数えましたが、せっかくなので今回も、年輪を数えてみることにしました。このような時しか、はっきりとした樹齢を確認することはできないからです。しかし、コナラのように成長の早い樹木の年輪は数えにくく、特に根もと付近は年輪がうねっていたり、様々な濃淡が混じり合って判読しづらくなっています。

根もと側の切り口

いくつかのラインをたどりながら、なんとか本数を割り出します。

季節によって成長の度合いが変わるので、年輪と年輪の間にも色分けがあります

反対側の切り口の方がわかりやすいため、そちらの本数(幹の上部になるため、根もと側より数本少なくなります)と突き合わせて大きく間違えていないことを確認したところ、このコナラの樹齢は36年でした。このコナラは博物館建設時(1995年)に植栽されたものなので、それから27年、苗木の樹齢が9年程度ということは、だいたい計算も合います。幹の直径は、切り口から1メートルくらいの高さ付近で約40センチメートルでした。今後、コナラの太さから樹齢を推定する上で参考にしていきたいと思います。

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津久井城市民協働調査 講習会・研修を行いました。

今年度の津久井城跡の城坂曲輪群(しろさかくるわぐん)7号曲輪の発掘調査を行うにあたり、9月21、22日に市民調査グループの方を対象に講習会・研修が開催されました。

場所は南区磯部の勝坂遺跡公園です。

はじめに発掘調査の基礎知識や図面の作成方法など、座学を行いました。

文化財保護課職員による発掘調査の目的と方法の説明

重要な点は2つあります。①なぜ発掘調査が必要なのか?②発掘調査をすると遺跡はどうなるのか?

①は津久井城の内容を知るために、建物跡、池跡などの遺構(不動産)や陶磁器・かわらけなどの遺物(動産)などの情報を得るためです。
これらの情報から津久井城の特徴は何か、城坂曲輪群にはどのような施設等があったのか、津久井城の機能や曲輪ごとの性格などを考えます。

②は発掘調査は遺跡の破壊であり、元には戻りません。警察による現場捜査や外科手術のように失敗は許されず、二度とやり直しができません。
そのため発掘調査の目的を明らかにし、遺跡の破壊を極力抑えるために最小限の範囲しか掘りません。遺跡の保存の観点からは掘削を受けずに埋まっている状態の方がより適切です。
そしてどこに何があったのか客観的な証拠を残すために、平面図などの記録を必ず作成し、発掘調査の後でも遺跡の様子が追証できるようにします。

以上の点を踏まえ、座学の後に図面作成の研修を行いました。テレビや映画などでは発掘調査の現場で刷毛やヘラなどで地面を熱心に探っている光景がよくありますが、実際は地味で動きが少ない記録作業の方が多い場合もあります。

今回は、平板測量による地形測量と遣方(やりかた)測量による平面図・断面図の作成を実際に行いました。

平面図は遺構にある、敷かれた石や溝などの状況を平面的に記録するもの、断面図は遺構の高さを記録し、平坦な部分や盛り上がる部分、あるいは凹みを表現します。

平板測量の様子

黙々と平面図、断面図を作成中

市民調査グループの方にとっては日常的に行う作業ではなく、今年の発掘調査が初めての方もいらっしゃるので、一つ一つ作業の流れを確認しながら作業を行います。
どのように図面を作成するのか、方眼紙に記録する慣れない作業に苦戦しつつも、おおよその流れを把握されていました。

11月から津久井城跡城坂曲輪群7号曲輪を発掘調査します。発掘調査の内容は本ブログで掲載していきますので、ぜひご覧ください。

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ドングリを食べたのは・・

先日、市内南区の小学校へ行きました。出張授業の下見です。学校には、植栽されている定番の樹木がいくつかあります。その代表格はサクラ(ソメイヨシノ)ですが、もうひとつ、マテバシイも定番です。

マテバシイ

マテバシイはブナ科の常緑樹で、大きめのドングリがなる木として知られています。

マテバシイのドングリ

もともと相模原には自生していません。日本では紀伊半島や四国、九州、南西諸島のほか、関東地方では、千葉県の房総半島南端部にも自生します。そして、相模原市内では、学校の他に公園でもよく植栽されています。
さて、その小学校にもマテバシイがたくさん植えられていたのですが、落ちているドングリに目が留まったため、拾って博物館へ持ち帰りました。

大きな穴があいたマテバシイのドングリ

落ちていたドングリに、かなりの割合で大きな穴が開いていたのです。ドングリの殻、しかもマテバシイの殻は、例えばコナラやシラカシ、クヌギなどのドングリと比べてとても固いのです。その殻をこのようにかじって開けることができるのは、ネズミの仲間と考えられます。学校周辺に生息するなら、アカネズミでしょうか。

中身が食べられています

ちなみに、マテバシイのすぐ近くに植えられていたコナラのドングリには一つも穴は開いていませんでした。これは何を意味するのでしょうか。コナラのドングリには、タンニンが多く含まれるため、人が食べようとしてもとても渋くてそのまま食べることはできません。野鳥の中にはカケスやオシドリのようにドングリを好んで食べるものもいますし、哺乳類ではツキノワグマが好んで食べることが知られています。しかし、ネズミはタンニンを嫌うため、コナラなどのドングリは食べません。
一方、マテバシイのドングリはタンニンが微量にしか含まれないため、渋くなく、生でも食べられます。これまで、マテバシイのドングリにこのような穴が開いているのを見たことがありませんでした。もともと自生していないマテバシイのドングリを、小学校周辺にすむアカネズミは食べる習性が無かったのでしょう。しかし、アカネズミの中で、チャレンジャーの個体がマテバシイを食べてみて、渋くないことを「発見」し、食べる習性を獲得したと考えられます。他の学校や公園のマテバシイのドングリも、よく観察してみようと思います。

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博物館収蔵資料紹介~給食のサンプル

博物館では、さまざまな内容や形態の資料を収集・保管していますが、この職員ブログでも紹介しているように、市民の皆様からご寄贈いただいた資料も多く、特に民俗の分野ではそうしたものがほとんどを占めています。

しかし、なかには寄贈以外の方法で収集した資料もあり、今回紹介する食品サンプルなどもそうしたものの一つです。

博物館で秋に行われる恒例の企画に「学習資料展」があります。この展示は、博物館の収蔵品を展示して「ちょっと昔」を紹介し、小中学生の学習に役立てるとともに、一般の方にも展示を通じて、かつての生活を振り返っていただくことを目的に開催しています。また、市民学芸員のメンバーと協働して展示を企画・実施しています。

展示内容は毎年テーマが異なっていて、学校生活を取り上げた年に、文字による説明だけでなく具体的に見て分かるものといった点から、給食を食品サンプルで再現しました。

最初の写真は昭和30年(1965)代を想定した給食で、コッペパンにおかずは鯨(くじら)の竜田揚げ(たつたあげ)と脱脂粉乳(だっしふんにゅう)です。また、二枚目の写真は、小型のパンとスパゲティミートソース・菜の花和えに牛乳が付いた昭和49(1974)年の給食で、洋風のおかずと牛乳に代わっています。                  

 

次の給食は、平成21年(2009)12月10日の中央区青葉小学校の献立から製作したもので、ツナピラフ・ミネストローネ・タンドリーチキンとゆでブロッコリー・ぶどうゼリー・飲むヨーグルトです。この日は「セレクト給食」として肉か魚を選べることができ、写真はA「おにく」で、以前の内容に比べてさらに充実し、デザートなども加わっています。                  

 

そして、数は多くありませんが、給食だけでなく家庭での食事の食品サンプルも製作しており、写真は御飯と味噌汁・めざし・煮物・たくわんで、昭和30年代頃までよく見られたものです。                   

 

給食の内容は、世代や地域によっても異なっています。皆様の食べた給食はどのようなものでしょうか。今年の11月1日(火)~来年1月15日に開催する学習資料展「昔の小学生-昭和30~40年代のこどもの世界-」では、今回紹介した一部の給食の食品サンプルをはじめ、さまざまな資料を展示します。それらを見ながら、給食の思い出を含め、今と昔の生活の違いなどを改めて考えていただけれは幸いです。

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丹沢の初冠雪(10月25日)

10月25日、博物館から見える丹沢の山々が初冠雪していました。
丹沢山を中央に見たあたりです。ちょっと高い木に阻まれていますが・・

博物館屋上から丹沢山を中央に見たところ

丹沢最高峰(つまり、神奈川県最高峰)の蛭ヶ岳(標高1673メートル)です。

丹沢最高峰の蛭ヶ岳

今朝のニュースで、中部地方などの山々が初冠雪と伝えられていましたが、丹沢の10月中の初冠雪はちょっと意外でした。例年、11月中旬以降が多いと記憶しているので、今年の初冠雪はちゃんと記録しておこうと思います。

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生きものミニサロン 麻布大学ミュゼットとコラボしました!

10月22日、毎月恒例の生きものミニサロンは、麻布大学いのちの博物館で展示解説を行うサークルの「ミュゼット」のみなさんとコラボレーションしました。折しもJAXA特別公開と重なり、たくさんの来館者が見込まれたため、10時、12時、15時の1日3回実施としました。

いつもと違う、生きものミニサロンの風景です!

内容は、いのちの博物館から持ち込まれたたくさんの骨格標本を用いた「出張展示解説」です。特に目を引いたのは、アフリカゾウの頭骨(上あご)と下あごです。巨大な骨に「これ本物?」と質問されていた方が多くいました。もちろん、本物です。重さも体験してもらいました。

持てたよ!

準備をしている最中から、どんどん人の群れに囲まれていきます。学生さんたちはそんな中でも臨機応変に進めてくれました。

動物、鳥類などたくさんの骨格標本を用意してくれました

骨のスケッチも取り入れています。

スケッチして形を確認します

こちらは手首の骨(手根骨:しゅこんこつ)の実物立体パズルです。結構難しくて、大人も苦戦していましたが、そのぶん、できた時の喜びも大きくて盛り上がりました。

手根骨の実物立体パズル

3回目の15時の回は、お客様が途切れた16時すぎまで続き、さすがにミュゼットのみなさんも疲れた様子でしたが、しっかりやり遂げてくれました。
麻布大学は、今週末の10月29、30日に麻布大学祭を開催します。そこでもミュゼットのみなさんはいのちの博物館で展示解説を実施します。ぜひご来場ください。また、現在当館といのちの博物館は様々な面で連携を進めていて、ミニ展示「鎌倉時代初めの相模原の武士団 横山党」を巡回展示中です。大学祭に行かれる方は、こちらもぜひご覧ください。
生きものミニサロンは、今後もこうしたコラボ企画を進めたいと考えています。来月は11月26日(土)12時から、通常どおり1回の実施です。

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ひつじ雲

10月21日、午後の空にひつじ雲が広がりました。博物館の屋上に出てみると、西側の空が一面覆われていて、遠近感のある美しい空の景色でした。大山を中央に見た方角です。

丹沢方面を眺めた空に、ひつじ雲

ひつじ雲は、雲のできる高度の分類では中層(2000~7000メートル)にできる高積雲になります。さらに、上の写真のように一面に広がる状態を雲の種類では層状雲と呼びます。シートを広げたような雲(cloud)なので、英語でもクラウド・シートと呼ばれます。層状雲は、空の広い範囲に均一に広がるため、空を広く見上げられる場所ではダイナミックな遠近感を感じられます。

ひつじ雲やいわし雲(巻積雲)は、遠近感を感じやすい雲です

博物館から、特別公開(本日はオンライン)真っただ中のJAXA相模原キャンパス方面の空です。光に向かって進む、羊の群れの最後尾といったところでしょうか。

博物館から南東側の空

写真を撮影して館内に戻り、1階エントランスからふと天窓を見上げると・・

1階の天窓から見えた空

ひつじ雲からたくさんのすじ雲が出ていました。これは雲の分類では副変種の尾流雲(びりゅううん)と呼ばれ、高めの高度の雲からの降水が、空中で蒸発してしまうため雨にはならず、すじ状に見えているものです。美しいひつじ雲をさらに装飾する尾流雲を見られ、ちょっと得した気分になりました。

ひつじ雲の雲片からすじが流れ、尾流雲となっています

青空に広がる層状雲は、いかにも秋の空のイメージがありますが、実際にはどの季節にもできます。この季節は気温も高すぎず、晴れた空を見上げる余裕が生まれるからでしょうか。確かに秋は、雲観察をしたくなる季節です。

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