樹林地のゴミ

博物館のまわりには樹林地が広がっています。一部の区域には遊歩道が敷設され、近隣のみなさんのお散歩コースとなるなど親しまれています。この樹林地は、道路からはフェンスで仕切られているのですが、そのフェンスの内側に昨年末あたりからゴミが目立つようになりました。

フェンスの内側に捨てられたゴミ袋

このゴミは、1週間から2週間ごとに1カ所ずつ増えているように見えたので、ちょっと観察してみました。すると、コンビニの袋に入っている中身は、使用済みのティッシュ、500ミリリットルの缶ビールの空き缶(銘柄はどの袋もほぼ同じもの)、コンビニのお弁当(または惣菜)、コンビニのカップコーヒーの容器などが定番で、他にお菓子の袋などでした。

捨てられた当初のゴミ

最初は袋ごと捨てられているのですが、この樹林地にはタヌキ、アライグマ、ハクビシンなどの中型哺乳類が生息していますから、当然、袋が食いちぎられて数日で中身が散乱します。

動物などに食い破られて散乱したゴミ

ゴミの中身はいわゆる家庭ごみではなく、自動車内で消費されたものと推測できます。また、内容量などから2名以上のゴミであることがわかります。さらに、このフェンスは高さが2メートル近くあり、多くの自動車が右ハンドルで左側通行であることを考えると、運転席から投げ入れるのは困難であるため、助手席の人が投げ捨てたと推測できます。これは、中身に必ず缶ビールの空き缶があることからも、運転手以外の人も乗る自動車から捨てられたと言えるでしょう。以上のことから、定期的にこの道路を通過する1組の運転手と同乗者が捨てていると断定しました。
おそらく、捨てる人はフェンスで封鎖された場所と考え、遊歩道が通っていることや、哺乳類が袋を食い破って自分たちの食性などが白日の下にさらされていることなど想像していないものと思われます。
ちなみに、廃棄物処理法第16条に「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」という条文があり、これに違反すると「5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処す」とあり、今回のようなゴミの投棄も違反行為となります。

カテゴリー: 今日の博物館, 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 樹林地のゴミ はコメントを受け付けていません

今日は桃の節句!ひな祭りスタンプラリーも佳境です!

「古民家でおひな様🌸春のお出かけスタンプラリー」は、おかげさまでたくさんの方にご参加いただいています。

スタンプを3つ以上集めた時の記念品の引き換え場所ですが、3月3日時点で古民家園配布分は終了し、吉野宿ふじやと博物館の2ヶ所での引き換えとなります。あらかじめご了承ください。

古民家園の広い広間におひなさま!

相模田名民家資料館のおひなさま展示は本日3月3日午後4時までです。どうぞお見逃しなく。

相模田名民家資料館の建物入り口では吊るし雛がお出迎え

相模田名民家資料館では、さまざまな時代のおひなさまがたくさん!

カテゴリー: おしらせ | タグ: , , , | 今日は桃の節句!ひな祭りスタンプラリーも佳境です! はコメントを受け付けていません

【予告】次の企画展は絵本原画展!初日にはトークショーも!!

現在、特別展示室では考古企画展「古代相模原台地の開発」を大好評開催中です。会期は3月13日(日)となり、その2週間後には、次の企画展がスタートします。
3月26日(土)からは、舘野鴻絵本原画展「がろあむし 描かれた相模原の自然」を開催!

絵本原画展『がろあむし』ポスター

絵本『がろあむし』は相模原市内の崖地で調査・取材し、制作された絵本です。作者の舘野鴻(たての ひろし)さんは県内在住で、『がろあむし』と同じシリーズで2013年に刊行された『ぎふちょう』の原画展も当館で開催しました。
『がろあむし』の主役である昆虫ガロアムシは、崖下に崩れて堆積した岩石のすき間などに生息する昆虫です。地下の世界で繰り広げられる生と死のドラマを静かに淡々と、そして精緻(せいち)に描いた原画作品をぜひご覧ください。

相模原市内の景観をもとに描かれた架空の景色

ガロアムシの生と死を描いた原画

そして!!企画展初日には舘野さんのトークショーを行います。事前申し込み期間は3月1日から10日(必着)となっています。舘野さんの制作の秘密に迫る必見のイベントです。
その他にも、4月10には作画実演会(お申込み期間:3月15日~25日)や5月22日には土壌動物観察会(お申込み期間:4月15日~30日)を行います。
これからこのブログでも、準備の様子などお伝えしていきたいと思います。

カテゴリー: おしらせ, 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 【予告】次の企画展は絵本原画展!初日にはトークショーも!! はコメントを受け付けていません

宇宙学校・さがみはらがやってくる!申し込みは3/8必着!

3月25・26日は、JAXA相模原キャンパス特別公開が行われます。ただし、社会情勢を鑑みてオンライン開催…なのですが、本日付で情報解禁!

3月26日土曜日には、相模原市立博物館を会場としてリアルイベント
宇宙学校・さがみはら」を、開催することが決定しました。

テーマは 「はやぶさ2」の先にあるもの と題して、
小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星リュウグウのサンプルを地球に持ち帰りましたが、それを調べてわかることや、その成果の先に進められる研究はどのようなものなのか?3名の先生がお話しや皆さんからの質問に回答する内容です。先生は次の方々を予定しております。

臼井寛裕さん(JAXA)、鈴木志野さん(JAXA)、亀田真吾さん(立教大学)です。

ここまでの情報でもワクワクしてきますね!

時節柄、参加には事前申し込みが必要です。

事前申し込みは往復はがきによる応募(3月8日必着です!)のみ。応募者多数の場合は抽選となります。詳しくはこちら。

広報さがみはら3/1号

※感染症の状況によっては講師の先生方の出演はオンラインになる可能性はあります。
あらかじめご承知おきください。

これは2月1日に開催した別イベントの様子です。オンライン出演になった場合は、正面のスクリーン越しに先生とやり取りすることになります。

市内在住、在勤、在学の小学生5年生以上の方が対象です。先生方に質問できる絶好の機会ですので、ぜひぜひご応募くださいね。

※イベントの性質上、小学生・中学生・高校生の質問を優先しますので、どうぞご了承ください。

カテゴリー: おしらせ, 天文 | タグ: , , , , | 宇宙学校・さがみはらがやってくる!申し込みは3/8必着! はコメントを受け付けていません

「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No93 塩田石の利用)

相模原地域は台地上に位置し、一般には平らな地形と意識されていますが、それでも東西に流れる境川や相模川に向かっていくと段丘崖(だんきゅうがい)の坂がいくつもあります。

次の写真は、中央区田名地区の望地(もうち)河原に向かっていく坂道の一角ですが、よく見ると石を切り出したような跡があるのが分かります(平成23年[2011]6月8日撮影)。                   

 

これは地元で、塩田という地域の地名から「塩田石(しおだいし)」と呼ばれる石を切り出した跡で、塩田石は柔らかくて加工がしやすく、明治時代から昭和30年代まで石切りが行われました。当時非常に盛んだった養蚕での暖房用の炉(ろ)やこたつ、かまど、土蔵の建材など、いろいろなものに使われました。

次の写真のうち、一枚目は博物館の資料として保管している養蚕用の炉で、蚕は寒くなると成長が遅くなったり、繭を作るのをやめたりするため、時期により保温に気を使いました。二枚目は田名地区の農家の台所で、塩田石のかまどがあります。また、この家では、冬場の農閑期に塩田石の石切りの仕事をしていたため、石切りに使用する道具もありました(昭和61年[1986]7月11日)                                                      

 

最後の写真は、同じく田名地区にあった農業に使う堆肥(たいひ)を入れる小屋で、左側の土壁の下側に塩田石を積んで建材にしているのが見えます。そして、堆肥小屋の屋根は茅葺き(かやぶき)で、久しぶりに屋根の葺き替えを行うことになったために、作業用の足場が組まれています。この時の屋根替えの作業についても撮影させていただきました(昭和63年[1988]2月1日)。

                   

 

かつての相模原の生業は、麦やサツマイモなどの畑作と養蚕が中心でしたが、例えばワサビ作りや前回の砂利取りなど、本ブログでも紹介したように地区によってさまざまな仕事が行われてきました。そうしたものも地域の生活や歴史を知る上で重要な資料と言えましょう。

カテゴリー: 民俗むかしの写真, 考古・歴史・民俗 | タグ: | 「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No93 塩田石の利用) はコメントを受け付けていません

考古企画展・大河ドラマ関連ミニ展示などを市長が見学!

2/26(土)に本村相模原市長が、考古企画展「古代相模原台地の開発」、市内もロケ地である大河ドラマ関連ミニ展示お雛様展示&スタンプラリー、の見学をされました。

古代の相模原について概要を説明

特に、考古企画展では古墳時代から平安時代の土師器(はじき)・須恵器(すえき)等の土器や、刀や鍬先等の鉄製品など多くの展示物をご覧いただきました。そして、「こんなにもたくさんの貴重な資料が博物館に収蔵されているとは!」と感激されていました。

古墳時代の土器(土師器)について説明

考古企画展「古代相模原台地の開発」、大河ドラマ関連ミニ展示、お雛様展示は3月13日(日)まで開催中です。みなさまも、ぜひご来館ください。

なお、考古企画展のギャラリートークを2月27日(日)と3月13日(日)に開催します。いずれも午後2時からとなります。こちらもぜひご参加ください。

カテゴリー: 考古・歴史・民俗 | タグ: , , , , , | 考古企画展・大河ドラマ関連ミニ展示などを市長が見学! はコメントを受け付けていません

生きものミニサロン「花粉症の元凶!?スギの花粉を観察しよう!」

2月26日、毎月恒例の生きものミニサロンを実施しました。今回のテーマは、スギ花粉!
花粉症の人(スタッフも参加者も、ほとんどの方が花粉症でした)には何とも理解しがたいテーマかもしれませんが、アレルギーを起こすのはいったいどんなものなのか、知ることも大切ではないかと考えて設定しました。

煙のように花粉を飛ばすスギの雄花

館内でスギという木について少し解説した後、外へ出ます。向かったのは、公用車の駐車場です。

駐車場で顕微鏡の使い方を説明

駐車している車のフロントガラスなどに、花粉が付着しているためです。セロハンテープに張り付けて・・

セロハンテープを切って

車のフロントガラスなどに付着したホコリごと、花粉を採集

これをスライドグラスへ張り付けて“超簡易プレパラート”のでき上がりです。

超簡易プレパラート!

これを顕微鏡で観察します。

顕微鏡で花粉を探します

本来なら顕微鏡観察は室内で行いたかったのですが、密を避けるために、外に机を出して観察しました。風は少し強めでしたが、とても良いお天気だったので気持ちの良い青空顕微鏡観察となりました。

青空顕微鏡観察

残念ながら、今年はまだ花粉の飛散が少ないようで、その場で採集したサンプルからはあまり花粉は見られませでした。そのかわり、博物館でストックしてあったスギの雄花から花粉を取り出してみていただきました。

スギの花粉

スギの花粉は、まん丸で透明、おへそがちょこんと出るのが特徴です。大きさが40マイクロメートル(1マイクロメートルは1ミリメートルの1000分の1)くらいなので、顕微鏡を使わないと見ることはできません。でも、拡大して見てみると意外とかわいらしいので、参加者のみなさんは、スギに対する見方がちょっと変わったかもしれません。

次回、3月は都合により第3週の3月19日に実施予定です。

カテゴリー: 生きもの・地形・地質 | タグ: , | 生きものミニサロン「花粉症の元凶!?スギの花粉を観察しよう!」 はコメントを受け付けていません

火星の話題が今アツい!?

JAXAつながりで日ごろからお付き合いのある国分寺市さんからこんなチラシが届きました!

国分寺市で開催中!27日までです。

国分寺市で2月27日まで開催している特別企画展「火星の素顔をさぐる」です。詳しくはこちら(国分寺市のホームページ)。

おりしも、相模原市立博物館のプラネタリウムでは、「星空さんぽ」の3月ミニテーマが火星衛星探査計画である「MMX」!

世界初の火星衛星サンプルリターンミッションで、2024年度打上げを目指して開発を進めているとのこと。

JAXA相模原キャンパス藤本副所長からいただいたMMXのステッカー

MMXについてのJAXAのホームページはこちら

火星の話題、まさに旬ですね!

国分寺市さんの展示や、当館のプラネタリウム番組で、火星や火星衛星探査について詳しくなっちゃいましょう!

カテゴリー: おしらせ, 天文 | タグ: , , , , , | 火星の話題が今アツい!? はコメントを受け付けていません

シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介㊺ ㋲木もれびの森

もう少し 歩いていたい こもれびの森  (もうすこし あるいていたい こもれびのもり)

「木もれびの森」とは、JR古淵駅の南側、国道16号線沿いから南へ広がり、3つの区域に分かれた合計73ヘクタールの「相模原近郊緑地特別保全地区」を指します。

『木もれびの森ガイド』(平成26年 特定非営利活動法人相模原こもれび 発行)より

区域によっては散策路やトイレが設置されていますが、都市公園のような施設や駐車場があるわけではなく、まさしく自然のままの樹林地です。都市部の平地にこれだけの広さの樹林地が残ったことは、奇跡と言ってよいでしょう。土地所有者をはじめ、地元のみなさんのご理解の賜物です。
木もれびの森は、かつて薪(まき)や炭の原料を取る雑木林として管理育成されてきた場所や、スギの植林地、畑が放置された場所など、さまざまな種類の樹林があります。そのため、動植物が豊富です。早春から真冬までいろいろな生き物の観察を楽しむことができます。あと一か月くらいすると、フデリンドウやタチツボスミレなどが咲き始めるでしょう。

フデリンドウ

タチツボスミレ

近年はフクロウの目撃情報も増えています。

フクロウ

冬の間、エナガやシジュウカラ、メジロなどが数10羽の群れを作って樹林内を飛び回っていましたが、そろそろ繁殖期を迎えます。エナガはすでにつがいで巣作りを始めています。

エナガ

日本で一番小さなタカである、ツミも一年中見ることができます。

ツミ

自然豊かな奇跡の森、木もれびの森も、自然であるがゆえの変化にさらされています。この8年ほどは春にキアシドクガの大発生があり、樹林内のミズキ類(キアシドクガの食樹)がだいぶ枯れたり、予防的に伐採されたりしました。また、壮齢のコナラは、カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌によって大量に枯れはじめています。
それでも、長い目で見れば森は森であり続けます。相模原の緑の象徴とも言える木もれびの森の変化を、これからも冷静に見つめていきたいと思います。

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館の開館日に閲覧・貸出し可能です。(貸出しは要予約)
*貸出し詳細やかるたに関心のある方は、博物館までご連絡下さい(042-750-8030)。
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒を必ず行って下さい。

カテゴリー: ふるさといろはかるた, 生きもの・地形・地質 | タグ: , | シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介㊺ ㋲木もれびの森 はコメントを受け付けていません

いよいよ見納め!?「リーベルタース天文台だより」と、おまけでネコのお話

土日・祝日などの午前中に投影しているこどもプラネタリウムをご存じでしょうか?

ここ数年は、その季節に見られる星空の話題についての星空生解説と、四季折々のプラネタリウム専用オリジナルアニメ番組の組み合わせでお届けしています。

現在の番組「リーベルタース天文台だより」は、春夏秋冬の季節に合わせ、4つのテーマの番組を上映しています。

今、上映している「リーベルタース天文台だより」冬バージョンの内容は

リーベルタースの森の真ん中には天文台があります。天文台には、いつも子どもたちに星のお話をしてくれる優しい番人、マヌルネコさんが住んでいます。今回、マヌルネコさんは冬の星座の物語「レラプスときつねのおいかけっこ」のお話しをしてくれます。

©TC/ 八木大

という内容で、架空の村の天文台に、動物の子どもたちが集ってきて、星座についてのお話を聞く、というストーリーです。ちょっとレトロな雰囲気のあるアニメを見ているうちに、星座の世界、ギリシャ神話の世界に引き込まれます。

みなさまにお楽しみいただいておりましたが、いよいよ3/5(土)から次のシーズンは、当館オリジナル番組に変わります。そのため、「リーベルタース天文台だより」の上映は、いよいよ2月27日までとなりました。どうぞこの機会をお見逃しなく!(新番組もどうぞお楽しみに)

 

さて、昨日は2月22日で「猫の日」でした。さがぽんツイッターでもつぶやかれていましたが(そのツイートはこちら)、博物館で猫といえば、「リーベルタース天文台だより」のマヌルネコさんですよね。そしてみなさん、ご存じでしたか?マヌルネコ、というのは物語上の猫の名前ではなく、猫の品種名なのです。検索していただくと、特徴的なずんぐり?まんまる?の猫の画像がヒットすると思います。

そしておまけ情報としては、このマヌルネコさんの骨格標本を見られるところが近くにあるのですが・・・ご存じですか?それは「いのちの博物館」。当館の最寄り駅、JR横浜線淵野辺駅の隣の矢部駅から徒歩5分の所にある博物館です。麻布大学内にある博物館であるといえばピンとくるでしょうか。

動くマヌルネコさんはいませんが、あのマヌルネコさんの骨格はどんな感じなのか?

プラネタリウム番組を楽しんだ後、いのちの博物館にも足を運んでみてはいかがでしょうか。(開館情報などはいのちの博物館のホームページをご覧ください)

プラネタリウムの新番組については、当館ホームページをご覧ください。

カテゴリー: おしらせ, 今日の博物館, 天文 | タグ: , , , , , , , | いよいよ見納め!?「リーベルタース天文台だより」と、おまけでネコのお話 はコメントを受け付けていません