7月12日朝、乾燥させずにとっておいた繭を確認したところ、成虫(オス)が羽化していました。成虫は繭の中で羽化すると、繭を固めているのり成分を溶かす酵素を出して、繭の一部をほぐします。そのため、繭には穴があいていますが、これは繊維が切れているわけではありません。

出てきた繭の上にのっています
作り始めてからちょうど2週間の繭だったので、予定どおりの羽化です。
モフモフでかわいい姿をお見せするために、展示しています。

展示の様子
ただ、カイコの成虫は食べるための口を持たないので(酵素を出す口は食べるための機能がありません)、10日くらいで衰弱して死んでしまいます。昆虫の中には成虫になると口が無くなる種類がいて、蛾の仲間では比較的多いのです。
成虫の展示は1週間ほどの期間になり、飼育展示もそれで終了となります。ご来館の際にはかわいい姿をぜひご覧ください。
(生物担当学芸員)